たちばな慶一郎 過去の国政報告

国政報告(第47号)

2010年7月31日(土)

 今週は26日(月)から30日(金)まで5日間の東京滞在となりました。通常国会閉会以来、約1か月半ぶりですが、新議員会館に引っ越したこともあって、随分時間が経ったようにも感じました。季節がすっかり夏になったこともありますが、一番大きな変化は参議院議員選挙の結果だと思います。

 30日から8月6日(金)まで8日間の会期で第175国会(臨時会)が召集されました。注目の参議院人事は、議長は与党第1党、副議長は野党第1党と、ここまでは慣例通りに落ち着きました。しかし、具体的な議事の進め方を決める議員運営委員会の委員長ポストには自由民主党の鈴木前国会対策委員長が就任することとなりました。今後は参議院の議事の進め方が与党の都合だけでは進まなくなります。このことは、与党が300議席以上を占める衆議院の議事にも影響してきます。通常、案件は衆議院から審議に入るので、そこで乱暴な運営をすれば、その案件が参議院で立ち往生することになるからです。

 30日の本会議に先立って国会内で我が党の両院議員総会があり、国政カムバックを果たした野上さんはじめ、新人・復活組の皆さんの紹介がありました。昨年夏、自分たちが紹介された時とは人数も雰囲気もガラッと変わりました。日本中を飛び回った小泉進次郎さんとも久し振りに再会です。遊説で声が太くなり、顔付きも一段と精悍になりました。

 いよいよ2日~5日まで、衆・参両院で2日ずつの予算委員会が開かれます。菅総理にとっては就任後初で、通常なら新内閣の施政方針を質す場面ですが、今回は参院選の総括から入らざるを得ないでしょう。厳しい財政環境の下、税制改革は消費税を含めて先送りとなる中、社会保障費の歳出圧力が強まる中、新年度予算をどうまとめていくのかが内政の焦点です。昨年夏のマニフェストの主要項目を維持するのか、見直すのか、決断が迫られています。外交面では、普天間基地移転の具体化について、鳩山前総理の方針を受けて8月末に設定されている期限を守れるのかが問われます。公務員制度改革、地球温暖化対策、郵政改革、地域主権改革など、通常国会の積み残し課題にも、改めてどのような方針で臨むのか、秋の臨時国会を控えて内閣の方針を明らかにしなければなりません。

 それこそ、論点が盛り沢山の4日間ですが、秋に向けては民主党の代表選の行方も大きなカギです。菅総理が続投できるのかどうか、まずは民主党内の意見がまとまるまでは、国政の停滞が続く見込みです。以前も述べましたが、菅総理に求められることは現下の政治状況に対する危機感だと思います。

 来週の論戦を現場でしっかり見聞きして、秋以降の自分自身の質問や質問主意書など議会活動の骨格をしっかり作っていきたいと思います。

 暑さ続く折、ご自愛下さい。

国政報告(第46号)

2010年7月23日(金)

 連休明けの20日(火)から、新議員会館の622号室に移り、環境がガラッと変わり、まさに「政権交代後の第二幕」がスタートした実感があります。今までの部屋に比べて2.5倍の面積になり、天井も高いので余計にスペースが広くなった感じを持ちます。確かに今までが狭すぎた訳ですが、「大は小を兼ねる」とはいえ、ここまで広げなくても・・・・・と思います。ともあれ、器に負けない仕事に務めようと、昨夏の初心を思い起こして前進です。

 隣室が初当選同期の伊東良孝さんとなり、早速に挨拶を交わし、参議院議員選挙での地方区の勝利を喜び合いました。北海道は2人区ですが、ヨサコイ・ソーラン祭創始者の長谷川岳さんが当選を果たしました。自由民主党の51人の当選者には中堅・若手が多く、党の活性化につながると期待しています。

 さて、参院選後の臨時国会は30日(金)召集で、衆・参ともに予算委員会の2日ずつの開催で与野党協議がまとまったようです。この予算委員会は、通例では菅首相就任直後の6月中旬に開催されるものですが、7月11日の投票日を変えず、選挙前に国会論戦を避けようという与党の思惑で先延ばしとされたものです。当時、菅首相は本会議の代表質問で予算委先送りをとがめられた際、「間もなく国民の皆様に判断頂くから良いのだ」と答弁したのですが、こんな強引な国会運営も今回の選挙結果の大きな原因だと思います。

 具体的な論戦の行方は、来週、党の国会対策委員会等が始動しないと分かりませんが、参院選の総括から、来年度予算編成の方針、普天間基地移転の進め方、前国会で廃案となり積み残しとなっている重要法案の取り扱い、そして国会運営や「政治と金」についての内閣の姿勢を問うことまで、論点は目白押しです。おまけに前国会の法案成立率が極めて低かった(その原因はむしろ与党の当時の誤った情勢判断によるものですが)ために、この後の政治日程は極めてタイトになるものと思われます。再び「ねじれ」た国会には、当面する国の重要課題に的確な答えを出していく重要な責務があると言えます。私たち野党も、議論を適切にまとめる努力が求められます。

 私の所属する内閣・総務委員会も積み残し案件が多いのですが、国家公務員制度改革は、消費税を含めた税制改正を国民の皆様に問う前提として、早急に取り組むべき課題であると考えます。人事院勧告の下で幹部公務員等の給与をカットすることの是非、人員削減の進め方、定年前退職と再就職あっせんの慣行を国民に納得のいく形で改めることなど、国会議員の問題を含めて「隗より始めよ」とのことわざ通りの姿勢を国が示すことが全ての課題解決の出発点となりそうです。

 梅雨明け後、夏らしい毎日です。まずは臨時国会、そして民主党代表選後の9月中旬の臨時国会としっかり取り組んでいきます。

国政報告(第45号)

2010年7月16日(金)

 参議院選挙の結果は、報道各社の予測を超えて与党が敗北しました。過半数はおろか、民主党単独で50議席も大きく下回り、自由民主党が改選第1党、みんなの党が躍進しました。昨夏の政権交代から毎週綴ってきたこの報告も、「第二幕」を迎えた感じがします。

 期間中は選挙絡みの報告を避けていましたが、自分なりに潮目が変わっているな、と感じたのは7月6日(火)の広島への出張応援でした。党の中堅の先輩議員と一緒に街頭演説をして、街宣車で中心部を回ったのですが、多くの方々が手を振って声援して頂きました。この十か月の間には、宮崎県や秋田県にも出向き、東京では新橋や新宿で街頭活動をしましたが、この日の広島は今までにない手応えがありました。この分だと我が党は終盤には大部伸びるな。。と期待していたことが現実のものとなりました。富山では野上浩太郎さんが参議院に復帰することになりました。

 さて、これからの政治の流れですが、菅内閣にとっては厳しい展開となりそうです。選挙前は、7月末の臨時国会で懸案の処理を予定していたようですが、今となっては、9月の民主党の代表選を済ませてからになるようです。この間の国政の停滞は、6月に通常国会を急いで幕引きし、衆議院で強行採決した法案を参議院で自ら廃案にした与党の「自損行為」の結果といえます。とりわけ、高岡市伏木の社会保険高岡病院など厚労省所管の独立行政法人に属する各地域の総合病院は、9月末で運営主体となっている法人が廃止されることとなっており、その手当てが急務です。このほか郵政改革、地球温暖化対策、公務員制度改革、派遣労働対策など重要法案が軒並み臨時国会待ちとなっており、与野党逆転の参議院では、与党側はよほど腰を据えて柔軟かつ丁寧な協議を野党側と進めなければ成立はおぼつきません。

 まずは菅総理が民主党代表として続投できるか、次は、政党間の協力関係をどう構築するか、という2つの関門をくぐらなければなりません。首相交替という事態になれば衆議院の解散総選挙も視野に入ってきます。この間、8月末には沖縄の普天間基地の移設方法について具体案を決めなければなりません。

 風雲急を告げる感がありますが、大切なことは、何度か書いたように、「日本の国をどうするのか」という国と国民の利益を第一に物事を判断する姿勢です。たまたま昨日散髪をした際、店主と話をしていて、民主党の代表選を今月に繰り上げれば「政治空白」を防げるのに。。と気がつきました。今、総理に求められるのは、保身を図ることではなく、たとえ身を捨てても国政を前進させようとする気迫ではないでしょうか。

 来週からは新会館に引っ越しです。第一議員会館の622号室に変わって、「第二幕」もしっかり見詰め、行動していきます。

国政報告(第44号)

2010年7月11日(日)

 今日は参議院選挙の投票日ですが、結果を受けた国政の展開については敢えて次号に譲ることとして、もう一週、この十か月で考えてきた政策論を述べてみます。

 我が国は面積の限られた島国ですが、それでも38万平方キロに及ぶ国土を持ち、北から南まで47都道府県にはそれぞれの自然・歴史・文化・産業の特色があります。各地域が個性的に発展し、47の顔を持つ日本、つまり、「均衡ある国土の発展」こそが望ましい国土政策であると考えています。

 過日、国土交通省の成長戦略研究会が報告書の中で、「均衡ある国土の発展」の名目のもとに無駄な社会資本整備が進められてきたと断じましたが、極論であると強い反発を覚えます。中央では、ともすれば世界の大都市との競争に勝つことが最優先で、東京の更なる発展が急務との論調が見られます。地方へのテコ入れは国家財政を無駄に浪費するものであり、首都圏の羽田空港、成田空港、環状道路、近郊鉄道路線網等のインフラ優先こそ国が先導的に取り組むべきものとされます。

 こんな政策が続けられた結果といっては激しい言い方かもしれませんが、私なりに16年振りに東京で仕事をしてみると、地下鉄のターミナル駅の賑わい、林立するコンビニやコーヒーショップ、切れ目なく行き交う若い会社員の男女の流れ……と、この間に富山県を始めとする地方圏と首都圏の格差は確実に拡大した印象を持ちます。事実、毎年地方から首都圏には若者が流入し、総数は平成年代を通じて2百万人にも達する計算です。

 今や、日本全体の人口が減少し、地方圏では少子化の傾向がはっきり表れ、保育所や学校の統合や限界集落の問題が顕在化しています。一方、東京都の合計特殊出生率は1.1前後で、地方圏の1.5から見ると極端に低くなっています。日本中から若者が流入する東京で、次代を担う世代は半分になる計算です。やがて、地方圏の若者も減ると、東京へ流入する若者自体が少なくなり、国全体の活力がさらに衰えていくのではと、心配しています。

 ここは、首都圏を含む国全体の活力を保つために、子育てしやすい地方圏に若者が定住し、地域の文化や産業を担いながら、自らも多様な自己実現ができる環境を作る政策が求められると考えます。地域の特色を生かして頑張れ…と言っても、担い手なくして明日はありません。仕事があって祭りにも参加できる訳で、一年中祭りに参加して生活できる訳ではありません。中央省庁の中枢管理機能や大企業の本社機能を、IT技術も生かして地方に積極的に移すことが必要です。若者が集う場である大学についても、有力な研究機能や教育機能を地方に移し、大学の構造を「富士山型」から「八ヶ岳型」に変えていくべきです。「地方から始まる新しい国のかたち」の実現に向けて、問題提起を続けていきます。

国政報告(第43号)

2010年7月4日(日)

 サッカーのワールド・カップで日本チームが大活躍する中、参議院選挙に向けた活動期間も後1週間を切りました。連日の梅雨空の下、富山のあちこちを訪ねています。七月に入り、そろそろ夏空が待たれる気分です。

 さて、各党の論戦から財政再建と消費税の問題が、論点の一つにクローズ・アップされてきました。成長戦略とも関連して、経済財政をどのように運営し、税収をいかに確保していくか、その組み立てが問われています。本号では、自分なりの考えを述べてみます。

 二年前のリーマン・ショックから始まった世界同時不況から緩やかながら回復を続けてきた日本経済ですが、以前の生産・消費水準にはなかなか戻り切らないようです。―方、家計の資産は1400兆円台で推移し、この金融ストックは消費や企業活動に循環する事なく、預貯金を経由して金融機関による国債の購入に充てられるシェアが高まっています。長期国債の金利が1%台ですから、金融面から見ても経済成長率が低くなるわけです。

 この金融ストックに焦点を絞るならば、成長戦略はこのストックを経済が活性化する使途に充てることになります。まず、消費を活発化させて、実態経済で資金を循環させる方策としては、エコポイント制度が挙げられます。しかし、高齢化社会の中で魅力的な消費財はそんなには無いのではという反論があるでしょう。そこで、このストックを公共目的ヘの寄付に充て、消費に回してはという方策も考えられます。「寄付の文化」の醸成、そして「新しい公共」という考え方です。

 次は、起業家を育成し、この金融ストックを新しい事業にチャレンジする人材に使ってもらう案です。思い起こせば、高度成長時代の日本は、まさにこのような新規投資が経済の好循環をもたらしていた訳です。全国各地で、自治体、商工団体、金融機関が「起業塾」やセミナーを開催し、努力を続けています。

 もちろん、国債だって社会資本の整備に回って、生産・流通の効率化をもたらし、経済成長を促す役割が無い訳ではありません。しかし、先に述べた利回り1%台という実態からして、赤字の埋め合わせの借金については、成長戦略からは外さざるを得ないでしょう。

 最後に、民間企業の視点から全く違った処方箋を述べてみたいと思います。今の国民経済の資産・負債は、会社で言えば、どちらも過剰な状態ともいえます。こんなに資産がなくても、こんなに国債を発行しなくても、我が国の経済は循環する、つまり、資産と負債を相討ちにして減らして身軽な国民経済にすれば、お金がもっとうまく循環して、足取りも軽く経済が成長するのではないか?ただ、この考え方を実行する方法論については、私自身、未だ考えあぐねています。それでも、以外とこの処方箋が今の日本経済の閉塞感を打ち破る「第三の道」では?と思っています。

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