富山をはじめ、北東日本は、大雪となっており、皆様にもご苦労が多いものと思います。国の対策も国会として、しっかり求めていきます。今週は、第4次補正予算の審議が進みました。今回の報告は、本会議での自由民主党を代表した賛成討論の原稿をもって代えます。
(はじめに)
自由民主党の橘慶一郎です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、平成23年度第4次補正予算案について、以下の重要な問題点を指摘しつつ、賛成の立場から討論を致します。
(野田内閣の昨今の政権運営について)
野田内閣が発足して約5カ月が経過しました。昨年夏の代表選の際にご自身が披露されたように、野田総理は「富山の孫」であります。富山県民の一人として、就任当初の低姿勢な態度や、「正心誠意」という信念には共感を覚えたところです。それだけに、最近の総理の言動から、当初、国民が期待した丁寧さ、誠実さが失われつつあるように感じられるのは残念です。
総理には、「社会保障・税一体改革」を成し遂げたいという志、また、そのために相当の覚悟があるものと信じたいところです。しかし、この大きな課題を成し遂げるための「段取り」ができない、いや、かえって後期高齢者医療保険の廃止や歳入庁の設立など、手つかずの課題まであれもこれもと持ち込み過ぎて、目的の達成が危うくなりつつあるのが現実の姿です。
あえて、富山ゆかりの総理故に直言させていただきます。なぜ、昨年末の臨時国会を延長せずに閉じさせたのですか。労働者派遣法を始め、前内閣からの案件の幾つかは、後数日で成立する局面でした。また、ご自身の2009年総選挙の際の、マニフェストのルールに関する発言について、谷垣総裁が先の代表質問でお伺いした際、「現在の政権任期中において消費税率の引き上げは行いません。従って、公約違反ではありません」と開き直ったかのような答弁をされました。なぜ、正心誠意、自らのマニフェストの限界を認められないのですか。
与野党協議が続いている、国家公務員給与引き下げ等の案件についても、解決に向けたリーダーシップを発揮されるべきと考えます。とりわけ、国会において一つ一つの案件を審議するためには、一定の時間が必要な事は常識であると思います。先の臨時国会では、いわゆる「空転」が無かったのに、内閣提出の法案成立率が4割弱と異例に低い水準に留まったことを是非重く省みて下さい。内閣として、何を第一に成し遂げたいのか、何を後回しにするのか、持てる力を集中されるよう、強く求めるものです。
なお、予算委員会でも指摘された、「議事録未作成問題」と「年金試算の隠ぺい問題」について、一言ずつ申し上げます。
議事録の未作成は、政策決定過程の文書作成を義務づけた公文書管理法に抵触するものです。総理も財務大臣として、そして首相として継続的に災害対策本部に出席されていたはずであり、当然責任を問われる立場にあります。
また、最大7.1%もの消費税の引き上げが更に必要となる新たな年金制度の試算について、なぜ、公表を見送ったのですか。年金制度の抜本改革は2003年のマニフェスト以来民主党の一丁目一番地であり、「一体改革素案」にも、来年の国会に法案を提出すると書いてあります。それならば試算を含め、全体像を国民に堂々と示し、議論を交わそうではありませんか。野田総理・代表に強く求めます。
(平成23年度第4次補正予算案について)
それでは、本論に入ります。
平成24年度予算政府案については、今後詳しく審議が行われる訳ですが、ここで2つの素朴な疑問を申し上げます。
1つは、6年ぶりに一般会計総額が前年度を下回ったというのは本当でしょうか。
もう1つは、中期財政フレームで定めた歳出の大枠約68兆4千億円と新規国債発行約44兆円を堅持できたのは本当でしょうか。
答えはどちらも「No」であります。この「からくり」は、基礎年金国庫負担割合1/3から1/2への引き上げ経費約2兆6千億円を交付国債発行に求めたことと、一部経費を第4次補正予算案に付け替え、"隠れ蓑"として利用したことで成り立っているのです。
消費税の増税を提案するのであれば、これまで以上に厳しく歳出の削減を図る姿勢を見せるべきであり、安易な補正予算への付け替えは問題外です。
そもそも、4次補正予算の目的は、財務省の「補正予算のポイント」によれば、「整理整頓のため」と書かれています。復旧・復興に向けての取り組みとも、経済対策とも言えない、多方面に配慮した計数整理、いわば、技術的な補正を行うことが、この局面で真に適切といえるのでしょうか。内閣には、厳しい問題意識を持って事に臨んで頂きたいのです。
歳出の中身ですが、3次補正予算ないし24年度当初予算に計上すべきものが大半です。問題点を3点申し述べます。
第一は、中小企業への資金繰り支援です。中小・小規模事業者への資金繰り支援は不可欠ですが、なぜ、3次補正で思い切った計上をしなかったのか、疑問です。
復興に加え、円高等足下の景気下ぶれリスクを含め万全を期すべく、わが党は、3次補正の閣議決定前の10月20日に1兆円規模への拡充を求めておりました。それにもかかわらず、3次補正には約6,500億円しか計上せず、年度末が迫ってからタイの洪水対策などという名目で4次補正に計上することは理解しがたい。後手後手の対応の見本のような事例であります。
第二に、高齢者医療・子育て・福祉等への対策です。24年度末までの基金の延長、さらには23年度当初予算に計上されていた経費の基金まわしなどにより約5,000億円もの金額が4次補正に盛り込まれていますが、いずれも24年度に必要となるものであり、本来は本予算で対応すべきです。特に、基金の延長決定がずれ込んだ事は、事業を執行する自治体や国民に無用の心配を与えたものであり、政府の反省を求めます。
第三は、食と農林漁業の再生に必要な経費や環境対応車普及促進対策費です。
政府・民主党は、農業基盤整備予算等を今回の補正で800億円程度復活させていますが、自公政権の政策を否定し、大幅削減しておきながら、ここで復活させるという政策迷走の最たる例であります。
また、強い農業づくり交付金は、24年度当初予算案ではわずか21億円程度しか計上していないのに、4次補正で245億円を措置しています。そもそも、こうした項目は当初予算で計上すべきものです。年度内に消化できるのか甚だ疑問です。
エコカー補助金については、自公政権時に導入された政策であり、一定の成果をあげてきました。しかし、民主党政権は、平成22年9月に、補助金の役割は終了したとして廃止した経緯があります。何故、この時期に3,000億円規模で復活させるのか、明確な説明が必要です。
また、税制のグリーン化の一環として自動車課税を見直し、「政策減税」の形で実施すべきではないでしょうか。
最後に、今回の第4次補正予算の財源は、税収の上振れ分と国債費の下振れ分によって賄うこととされています。
しかし、この先、東日本大震災からの復興のためには、被災地の実情を踏まえたきめ細かい対応が必要となります。剰余金は、復興のための財源に優先的に充てるべきではなかったのでしょうか。
(結びに)
以上、4次補正予算案の問題点を指摘いたしました。
ここに、我々は、被災地の一日も早い復旧・復興、そして日本経済の再生、持続可能な社会保障制度の構築に向け、全力を傾注し、邁進することを改めて決意するとともに、わが党はこの補正予算案については、不本意でありますが、賛成するものです。
総理、私ども富山県民は、一度は立山登山を経験します。頂上を目指し、一歩一歩、細心の注意で山道を踏みしめて行きます。内閣が登る山が、進む道が、これで正しいのか、今が正念場ではないかと申し上げ、私の討論と致します。
ありがとうございました。