国政報告(第170号)

 前号でお知らせした通り、この建国記念日の土・日・祝の3日間は総務省の在京当番となり、東京で過ごしました。国政に関わらせて頂いて以来、週末はほぼ必ず富山に戻ってきたので、「東京の週末」を公務員時代以来、久しぶりに体感させてもらいました。といっても、23区内に常時いる事が決め事なので、上野の都立美術館で「エル・グレコ展」を見た他は、デパートを覗いた程度です。冬晴れの中に春の明るい日差しを感じさせてもらいました。

 明けて12日(火)の昼休み、北朝鮮の核実験のニュースに驚かされました。週末に起こっていれば、自分も総務省と連絡を取って行動しなければならなかったのかと思うと、在京当番も緊張感を持って臨まなければ、と改めて自戒させられました。早速、衆議院では14日(木)の本会議で抗議決議が全会一致でなされました。補正予算も同時に賛成多数で可決され、参議院に送付されました。これに伴い、総務委員会で地方交付税法の審議があり、新藤大臣以下政務三役も就任挨拶をさせて頂きました。やがて自分の担当分野の審議があれば、答弁に立つ事になります。今回は坂本副大臣、北村政務官の出番でした。まずは、安倍内閣として衆議院での初仕事が終わり、来週後半の総理訪米の前後で補正予算も成立の見込みです。おって、月末から新年度予算の審議が始まり、今国会も佳境に入っていきます。

 内閣の大きな動きを見ると、政府の円相場、株価が引き続き経済界を安心させる水準で推移する中、その好影響を賃金上昇を通じて家計に及ぼすよう、総理自ら経済団体に働きかけています。さらに、来週の訪米で安倍外交が本格的に始動します。日米間の懸案は、沖縄の普天間基地の移設、TPPへの対応、そして我が国のハーグ条約批准の3点に絞られるようです。最後の条約は、皆さんには余り馴染みがないかも知れません。国際結婚した夫婦が離婚の際に、子どもをいずれの親が引き取るかでもめた場合、片方が勝手に国外に連れ去る事を禁止するものです。もちろん、正当な理由があり、手続きを踏めば、禁止は解除されます。今回の訪米に向けて、ハーグ条約の対応は前進させようというのが目下の流れのようで、党内の議論が進みつつあります。一方、TPPについては、選挙公約を遵守し、慎重に臨むものと思われます。

 私自身の動きとしては、8日(金)にNHKの技術研究所と研修センターを見学しました。研究所では、開発が急ピッチで進められているハイビジョン、すなわち4K・8Kテレビの実物を見せてもらいました。画面がそれぞれ今の液晶テレビの4倍、16倍細かくなり、雑踏の人混みを離れた所から見た映像でも、一人一人の顔が鮮明に見えるくらいの素晴らしい解像度です。ここまでくると、画面の中の物が自然に立体的に見えてくるし、音響も20を超えるスピーカーでとらえる事ができ、オーケストラも目の前で実際に演奏しているように聞こえます。この画面を分割し、インターネットも併用して多様な情報を双方向でやり取りすること(ハイブリッド・キャスト)も可能です。これからのテレビの可能性の広がりを感じるひと時でした。このほか、EU議会から代表団一行が来日され、13日(水)には、日本側国会議員の有志との間で意見交換するセッションが催され、出席しました。ICTから外国語まで、盛りだくさんの一週間でした。

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