国政報告(第232号)

 5月も半ばとなり、東京の緑は日に日に濃くなり、雨が降れば、早くも梅雨の走りのようです。連休明けの国会は、引き続き重要案件の審議が進み、本日(15日(木))の本会議では、医療・介護の一括法案を可決、参議院に送付しました。所管の厚生労働委員会では、総理入り質疑を含め、39時間の審議で、野党側からは時間不足との意見もありますが、自分なりに野党・与党を経験した感覚からすれば、与党として一定の対応はされていると思います。

 先週末の10日(土)は、党の南砺市利賀支部井波支部の総会に連続して顔を出しました。通常は、国道471号で行き来できるのですが、生憎、土砂崩れで通行止めとなっており、行きは東海北陸道の五箇山インターから平地区経由、峠越えで入り、井波へは同じく平から国道156号を下るルートで迂回しました。利賀の皆さんからは、471号の復旧はもちろん、利賀ダム関連工事で予定されているトンネル掘削による直通道路の一日も早い着手を望まれ、まさに努力の必要を「痛感」したところです。

 明けて13日(火)、党総務会に続き、懇談会が持たれ、最近、肥大化が指摘されている内閣官房・内閣府の組織の見直しが話題となりました。折々の内閣が重要と考える施策の立案・遂行をついつい総理膝元の内閣官房・内閣府に命じてしまう事が歴代積み重なって今日の事態を招いており、一部事務を各省に戻すべきとの認識で概ね一致しました。もとより、総論はOKなのですが、具体的にどの仕事を、という各論は難しいものと思われ、今後、党の行政改革本部で具体案を検討していく事となります。

 さて、今週も、TPP始め重要課題には少しずつ動きがありました。TPPは、ベトナムでの首席交渉官レベルの協議が終わり、週末からシンガポールで閣僚レベルの交渉が予定されていますが、どうやら今回も「水入り」で終わりそうです。14日(水)にはJAグループの皆さんの中央集会もありましたが、政府は、牛肉・豚肉を始め各項目について引き続き慎重に交渉に当たっていくようです。エネルギーについては、夏場の電力需給見通しがまとまり、原発抜きで、火力等のフル稼働と自主的節電の徹底で凌ぐ方針となりました。近年の再生エネルギー導入と節電努力の積み重ねが形になってきた訳ですが、安定的な供給のためには安全性の確認された原発の再稼働が必要と思います。鹿児島県の川内原発の再稼働申請について、九電が原子力規制委員会から指摘された書類上の不備を訂正し、来週は次の段階に進めるか、注視しています。

 15日には、内閣に設けられた懇談会の取りまとめが公表され、集団的自衛権を含め、今日の我が国を取り巻く環境の下でのあるべき姿を与党内でも議論し、成案を煮詰めて行く事になります。「集団的自衛権」自体は、国際連合憲章に基づく概念で、今日議論されている様々なケースを必ずしも指す概念ではない事が、誤解を招いている面もあるように思います。例えば、集団的自衛権は相手国の了解の下に行使される訳ですから、今日現在、対象はアメリカしか存在しないし、仮に行使した場合は国連の安全保障理事会に報告しなければならない事など、前提が抜け落ちた形で議論されています。今後は個別的自衛権でのグレーゾーンから始めて、慎重な場合分けが必要と考えます。この点も自分なりに考えを深めて行きます。

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