市政の運営にあたって
高岡市長 橘 慶一郎
はじめに
政府においては「官から民へ」、「国から地方へ」の考えのもと、民間や地域の知恵が主導する経済社会システムの構築に向けて改革が本格化されています。 地方分権改革の取り組みの中で、地方公共団体は地域の総合的な行政主体として、自らの改革に努めながら地域の様々な資源を生かして、自主的・自立的な判断に基づき、住民ニーズに対応した多様で個性的な地域づくりを進めることが求められています。 また、国に対しては、地方の財政面での自立度を高めるための三位一体改革の実現を強く求めていかなければならないと考えます。
まちづくりの基本姿勢と当面する最重要課題
「福岡町との合併」「総合斎場の建設」「北陸新幹線の整備」
さて私たちのまち高岡には、先人から脈々と息づく「ものづくりの技」、市内各所の素晴らしい「見どころ」、17万市民の「人の力」という大きな三つの財産があります。これら高岡の様々な魅力を一層磨き、高め、発信することによって、「誰もが住みたいまち」「誰もが行きたいまち」を実現していきたいと考えています。 高岡市に住んでいる方々にはその良さを再認識していただき、市外の方々には一度高岡に行ってみようと感じていただけるまちを市民みんなの力で実現したいと思っています。
私は、昨年5月市長に就任させていただいて以来、「みんなで創ろう!光輝くまち 高岡」を目指して、多くの方々のご指導、ご支援をいただき、また市内30地区でのタウンミーティングなど、市民の皆様との対話を行いながら市政運営に努めてまいりました。 とりわけ、福岡町との合併、総合斎場の建設、北陸新幹線の整備を、当面する最重要課題と位置付けて取り組んでまいりました。
まず合併問題では、県西部地域の発展という観点から、将来の中核市の実現をも視野に入れながら、昨年5月6日に福岡町と法定の合併協議会を設置し、お互いに誠心誠意、一つ一つ議論を尽くしながら協議を進めてまいりました。 また、住民の皆様への情報提供、説明も行ってまいりました。そして、2,016項目に及ぶ全ての事務事業の調整を含む22の協定項目の合意に至り、本年11月1日の合併に向け、去る2月25日には合併協定調印式を挙行することができました。
新しい市におきましては、これまでの合併協議を踏まえ、お互いのまちの歴史、伝統、文化やまちづくりに対する取り組みなどを尊重し生かすことで、1足す1が3にも4にもなるような魅力と活力にあふれる「水・みどり・人 光り輝く躍動のまち 高岡」の実現に向かって一丸となって邁進したいと考えています。
総合斎場問題につきましては、市長就任以来、多くの関係者の皆様と私自身が直接お会いして話し合いを行ってきました。 これまで慎重派の方々と合意のもとに開催している住民協議会は10回を重ね、総合斎場問題に係る数多くの質問や疑問点にお答えしてまいりました。 昨年末には、市として、住民協議会における話し合いを継続しつつも、16年度中において、関連附帯工事及び総合斎場の実施設計に何とか着手したいことをお願いし、このことについて協議、調整を行った結果、2月17日の事前協議で合意を得ることができました。
私としては、今後とも引き続き住民協議会での話し合いに精力的に取り組み、また、関係する方々との協議も重ねながら、最大限納得いただけるかたちでの総合斎場の建設に向けて、一歩一歩着実に事業の推進に努めてまいりたいと考えています。
北陸新幹線の整備については、北陸新幹線の富山―金沢車両基地間は、4月27日、工事実施計画認可され本年度の早い段階での新規着工が見込まれています。 昭和42年に「北回り新幹線」が構想されて以来、実現整備に向け多くの方々が積み重ねてこられたご努力と沿線自治体が一体となった活動がようやく実を結びつつあります。
新高岡駅(仮称)は、飛騨地域や能登地域からの利用者も想定した富山県西部の拠点駅として、「新たな時代に向けた県西部地域のにぎわいと交流の拠点」となるよう、現在策定中の「北陸新幹線新高岡駅(仮称)周辺整備計画」に基づき、駅前広場の整備や広域交通アクセス等の周辺整備を進めることとしています。
さらに、北陸新幹線の大阪までの全線整備に向け、引き続き富山県並びに沿線自治体と一体となり、国並びに関係機関に働きかけていきたいと考えています。
この北陸新幹線の整備と東海北陸自動車道の全線開通、能越自動車道の整備などの高速交通体系の充実を高岡市発展の大きなチャンスととらえ、その整備効果を本市のまちづくりに最大限に活かすべく、高岡市周辺地域さらには名古屋地域から能登地域に到る縦断的な交流連携、空港・港湾との結節による、環日本海沿岸諸国との交流連携などを充実させていきたいと考えています。
平成17年度予算編成の基本方針
「人づくり」「観光」「協働」
本市の財政状況は、景気の伸び悩みや地価の下落等に伴い、市税収入が八年連続で前年度実績を下回る見込みであることや、地方交付税につきましては、前年度実績がほぼ確保される見込みではあるものの、臨時財政対策債が大幅に削減されることから、これら実質的な交付税については、前年度に引き続き減額となる見込みであります。また、国庫補助金についても、三位一体の改革による公共事業関係や奨励的補助金等のスリム化・交付金化により、今後、削減される恐れもあることなどから、17年度の財政環境は極めて厳しい状況が続くものと考えられます。
このような逼迫した財政状況のもとで、予算編成にあたっては、従来にも増してより厳正な施策の選択と限られた財源の重点的かつ効率的な予算配分を行うことを基本として、既存の施策事業については、原点に立ち返って見直しに努めたところであります。また、福岡町との合併に向け、様々な準備作業を円滑かつ万全なかたちで進めるため、所要の措置を講じています。
一方、タウンミーティング等で市民の皆様からいただいたご意見等を踏まえた中で、緊急度、優先度等を十分勘案の上、一つでも多く形になるよう、できるだけ予算措置に努めたところであります。
平成17年度予算は、私にとって初めての当初予算編成であることから、予算案の性格を「市民と取り組む『住みたい・行きたいまち』づくり予算」と位置付け、特に「人づくり」「観光」「協働」の三つのテーマを柱として、関連予算の重点化に配慮いたしました。
まず、第一に、「人づくり」については、子供たちが健やかに育つまちは、すべての世代にとっても暮らしやすい「住みたいまち」と考え、「次代を担う子供たちが健やかに育つまち」を目指して、多様な子育てサポートの一層の充実、学校教育はもとより生涯スポーツや災害時の避難所などコミュニティ機能も担う学校施設の改善を促進します。また、地域ぐるみの安全対策や、朝市など地域行事への参加、大学との連携にも配慮した地域教育の充実に努めるなど、人づくりに関連する事業の拡充を図っています。
第二に、「観光」については、本市のたくさんの「見どころ」を観光に活かし、多くの人が訪れる「歴史と技に出会う交流のまち」を目指して、交通網や「道の駅」など交流の基盤づくりを推進するとともに、歴史・文化資産や自然景観などの保存と活用を図り、観光資源の魅力向上に取り組んでまいります。
また、高速交通網や市内の公共交通を活用し、新たな観光ルートの開発や、近隣自治体、さらには飛越能地域とも連携した広域観光ネットワーク化を推進するとともに、観光情報の発信や本市のイメージアップに努め、個性豊かなまち高岡を市内外にアピールしてまいります。
第三に、「協働」については、福祉、環境、教育、文化活動、防犯・防災活動など様々な場面で活躍しておられる17万市民の皆様と力を合わせ、「みんなで考え・みんなでつくる・みんなのまち」を目指して、タウンミーティングなどによる市民の皆様との対話を深めながら、防災対策や公共交通、環境施策など、地域の課題についてともに考えていきます。また、こうした対話を通じて市民の皆様からいただいた協働事業のアイデアを、一つでも多く形にできるよう工夫し、皆様といっしょに取り組んでいきたいと思います。
これらの課題を含め、本市の施策・事業が少しずつではありますが、前進をみていますことは、ご支援いただいております市民の皆様はじめ、国・県関係者の皆様のご理解とご協力によるものとあらためて感謝申し上げます。
今後とも市民の皆様と一体となって「光り輝くまち 高岡」を創っていきたいと考えていますので、より一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。
(平成17年3月高岡市議会定例会所信より抜粋)