第15回ミニ対話集会 (協)高岡建設業協会、高岡電設工業会、高岡市管工事業協同組合、高岡市造園土木協会

1.「2024年問題(令和6年度から建設業従事者の労働時間の規制が厳しくなる)」への対応は、発注者たる官公庁のみならず、元請社の対応なしには済まされない。国としてしっかりと働きかけてほしい。

(答)発注面での単価アップや、作業所の土曜閉所を前提とした工期設定はもちろん、ご意見の通り、元請の対応が大切です。国土交通省の取り組みの現状を確認します。

2. 国土交通省の調査で、造園工の労務単価が一般工よりも低い結果が出ているが、造園工事業者が下請け主体であることを反映していないのではないか?

(答)専門工の労務単価が一般工よりも低いのは常識に合わないと思います。国土交通省に確認します。

第15回ミニ対話集会 高岡建設業協会、高岡電設工業会、高岡市管工事業協同組合、高岡市造園土木協会の皆さま 1月29日

3.水道工事と下水道工事で共通仮設費の考え方が違う。水道議連の活動等を通じ、統一を働きかけてほしい。

(答)水道事業は永く厚生労働省が所管していましたが、施設整備については令和6年度より国土交通省に移管することで、この通常国会に法案が提出される予定です。自治体でも上下水道行政が一体化されるケースが増えており、国レベルでもよりスムーズな対応が期待されます。ご意見についても、当局に確認します。

4.国は「i-Construction」、「ドローン活用」など、新たな技術・手段の導入を推進しているが、中小事業者には効率化のメリットが少ない。働き方改革の原資をしっかり確保する取り組みを求めたい。

(答)災害発生時のドローンによる現場確認や、橋梁等構造物の点検作業へのICT活用など、成果のある分野もありますが、基本は個々の事業者が従業員に配分できるような売上を挙げられる環境づくりだと思います。国土強靭化への対応など、国の公共事業費も一頃より増えた水準を継続しており、物価高・資材高騰も見据え、まずはこの水準を維持・増加させるよう努力します。

5.人材確保のためには、高等学校レベルでの対応が必要である。

(答)現在、県でも高等学校の学科の在り方について検討に着手されており、砺波地区では土木系について業界から具体的な学科・コースの要望も出されています。現場見学会、インターンシップの活用も含め、声を上げていく必要があると思います。

6.刑事事件の報道の際、容疑者の呼称に配慮してほしい。他の業種では「会社員」とまとめて呼称されている。

(答)確かに、業務で細分化された呼称が必ずしも使われていないように感じます。県警に聞いてみます。

7.民間工事でも設計単価・施工条件の見直しの機運が高まるよう国で努めてほしい。

(答)民間施主の工事でも働き方改革を踏まえて発注してもらうことが大切です。トラック事業については国が荷主団体に働きかけを行っており、建設事業において施主へのPRをどう進めていくのか、国土交通省に確認します。

8.今年秋からのインボイス導入について、事業者の導入費に対する補助は無いのか?

(答)中小企業庁の「IT導入補助金」など、令和4年度補正予算などで、中小企業向けのハード・ソフト費用の高率補助金があります。商工会・商工会議所にも相談窓口が設けられているので、早めにアクセス頂いたら、と思います。

9.コロナの「第5類」への変更時期は遅すぎたのではないか?

(答)政府は連休明け、G7前の「5月8日」を移行期日と決定しました。現在収まりつつある「第8波」でも相当数の感染者が出ており、重症化リスクは小さくなっているものの、中には入院、死亡される方もあり、医療現場が時としてひっ迫することがあると聞いています。専門家と意見交換しながら、「出口」に向け、努力します。

10.品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律)によって施工の際に「一人二役」など柔軟な人員配置が困難になっている。

(答)品確法は、不適格業者の排除やダンピングの防止などを目的に、当時の業界の要望も入れて議員立法で制定されたものであり、一定の効果を上げているものと理解しています。今後の制度の在り方は業界内で良く話し合ってほしいと思います。

11.新潟で行われている電気施工管理技士の国家資格試験の回数を年1回から2回に増やしてほしい。

(答)(一財)建設業振興基金で年1回実施されており、要望は国土交通省に伝えてみます。

12.富山湾に接する「湾岸道路」を整備しては?

(答)現在、県西部では国道415号の高岡市渋谷地内の工事が完成間近であり、氷見・高岡市境(島尾・太田伊勢領地区)が永年の課題と認識しています。自治体の事業となると思われますが、念頭に置いて、地域のご意見も承っていきます。

13.高岡北インターから伏木港へのアクセス道路の整備構想は?

(答)現状は、北インターから国道160号線の海老坂地内までと、160号線の第一ファインケミカル(長慶寺)横から中越パルプ(米島)前までに分かれた形になっており、前者は守山・二上境までの県道拡幅事業が続いています。今後、羽岡から長慶寺工業団地内を通って第一ファインケミカル横までを接続する「北環状道路」の整備が進む予定で、この道路と北インターを結んで小矢部川に架橋する道路の整備が国・県・市で検討されており、これらの進捗を後押ししていきます。

14.勝興寺の国宝指定を受けて、文化財の活用とともに、造園工事のニーズはどうか?

(答)勝興寺については、「洛中洛外図屏風」など寺所有の文化財を保管展示する施設の整備が課題だと思います。その際、市有地となっている「お亭角(おちんかど)跡地」の面的整備も考えられます。また、瑞龍寺をはじめ近隣の文化的資源(有磯海、吉久、新湊内川沿い、高岡城跡、大仏、山町、金屋、利長公墓所、菅田や散居村、南砺の寺院、井波、庄川峡、五箇山)をネットワークし、周遊する観光地づくりもできるでしょう。この中で、古城公園(高岡城跡)の樹木・園地整備は息の長い事業になるのでは、と思います。