2014年9月

国政報告(第250号)

 毎回、50回一区切りで、この国政報告を小冊子にしているので、本号で5冊目となります。国政に携わる機会を頂いて5年間、最初の3年間は野党として、4年目は与党に回り、総務大臣政務官として、5年目は党総務としての立ち位置から国の重要課題の進展を見つめてきました。次号からの6年目は、9月29日(月)に召集される第187国会(臨時会)の流れを、与党国会対策(国対)副委員長として報告していくことになります。

 25日(木)の国対で各議員の所属委員会が決まりました。私は総務委員会と東日本大震災復興特別委員会の理事を務めるほか、議員運営委員会(議運)、政治倫理審査会、憲法審査会の3委員会に配属されました。この一年は、国会の本会議・委員会の運営を中心に活動する事となり、政務調査会の役職は財務金融部会の副部会長のみになりました。さらに、先週19日(金)の議運理事会で本会議の議事進行係に選任頂きました。本会議の議事を円滑に進めるため、予め議運で決められた動議を伊吹議長に発言・提出する役回りです。俗に「呼び出し」とも言われ、480人の衆議院議員で一人だけが務める係ですので、大変光栄な反面、責任重大と緊張しています。

 25日には、佐藤国対委員長始め幹部の皆さん立ち会いの下、先に係を務めた小此木、御法川、阿部3先生について、事前練習をしました。召集日の29日にも出番がありそうで、これからは体調にも一層気を付けて臨まなければと心しています。議事進行係は議運理事会にも陪席するため、一段と忙しくなります。本会議開会中の月曜から金曜まで、今までにも増して永田町に張り付きとなるため、地元の行事を失礼するケースが増えると思われます。ご理解とご容赦の程、お願い致します。

 早速、24日(水)、25日と連続して議運理事会があり、今国会の会期は11月30日(日)までの63日間で与野党合意しました。主たるテーマは、地方創生、女性活用、災害対策などですが、日豪経済連携協定の批准案件もあります。年末の消費税10%引き上げの判断に向け、景気の動向はどうか、また、TPP交渉の推移や九州電力川内原発の再稼働問題、沖縄の普天間基地移設問題、福島県など大震災被災地復興の進捗についても論点になると思います。まずは来週から、安倍総理の演説と各党の代表質問、衆参両院の予算委員会と、議論の展開を見つめ、自分の考えも整理しながら報告して行こうと思います。

 週末の富山は好天に恵まれ、福岡のつくりもん祭りも盛況でした。収穫の秋、取れたての野菜を様々なイメージに表現する伝統の知恵に今年も感嘆しきりでした。それぞれの地域にそれぞれの良さがある、全国津々浦々が元気な日本づくりに向けて、国会の現場で努力しながら、自分なりに政策を練って行きたいと思います。

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国政報告(第249号)

 9月12日(金)の総務会で決まった人事で、この秋からは国会対策委員会の副委員長を務める事になりました。与党として国会の円滑な運営と政府提出案件の成立のために努力する職責です。国対は野党一年生時代の3年3カ月、委員として通った古巣でもあり、月末にも召集との報道がある臨時国会から、気持ちも新たに頑張ります。19日(金)の次回総務会からは新メンバーとなるため、1年お世話になった総務会とはお別れです。この間、特定秘密保護法や切れ目のない安全保障の閣議決定など、世論に注目される案件の審議にも立ち会え、ベテランの諸先輩の過去から未来までを見通した議論を聴く機会を得た事は大きな収穫でした。

 さて、週末は夏野砺波市長の支援者の皆さんの会でお話する機会を頂きました。市長さんが県土木部港湾課に在籍されていた折の出会いから20年間を振り返り、昔話を披露しながら、お互いに当時は思いもよらなかった政治の道で今、またご一緒に仕事ができるご縁を大事にしたいと結びました。その後、三連休は休暇を頂き、妻の実家の出身地である山形県鶴岡市を訪ねました。さくらんぼ、ラ・フランス(洋梨)、だだちゃ豆(枝豆)など特色ある作物を加工した地場産品が豊富で、駅前の土産物店の頑張りが印象的でした。

 16日(火)に上京してからは、各省庁の新年度予算要求で気になる事項のレクチャーを30分刻みでお願いしています。電子政府推進の立場から、レク資料は原則ペーパー・レスとし、予め電子メールで受け取ったファイルを当方のタブレットに読み込んで説明を受けています。近々、電子黒板も議員会館の事務所に導入する予定です。省庁側でも、タブレットを活用し、子育て中の若手職員等が自宅で勤務できる「テレワーク」を推進するなど、電子行政への新たな取り組みを強化しつつあり、その一助になればとの思いです。

 17日(水)は新国対正副委員長の顔合わせの会議があり、佐藤委員長、小此木代理、高木筆頭副委員長の下、皆で結束して臨時国会に臨む意志固めをしました。私の担当する委員会は総務委員会と東日本大震災復興特別委員会となり、一年ぶりに総務委員会に復帰する見込みです。その他、議員運営委員会、予算委員会など出席したり当番で代理委員を務めたり、と国会の院内中心の毎日が戻ってきそうです。その歩みは、251号以降の報告となります。

 安倍総理は、今度の国会は「地方創生国会」としたいと発言されています。景気の波を地方に行き渡らせる事、「まち・ひと・しごと」の掛け声の通り、それぞれの地域が特色ある産業で若者を引き付ける雇用を生み出す事、女性の活用、災害への備えなど、元気な日本にするために、なすべき事が多々あります。石破担当相のリーダーシップの下、現場の声が届き、現場に喜んでもらえる施策が打ち出せるよう、努力していきます。

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国政報告(第248号)

 9月も中旬に入ってきましたが、相変わらずの不順な天候で、東京は10日(水)の夕方、11日(木)の朝方と、局地的な豪雨に見舞われました。雨雲の動きを見ても、1時間位同じ場所に居座り続け、都内のあちこちで道路に水が溢れました。この夏は至る所激しい雨を警戒しなければなりませんでした。

 先週の内閣改造に続き、9日(火)の総務会でも一部党役員人事が決まりました。ただ、私たち期数が若い議員についてはこれからで、自分の担務についても次号以降の報告となります。富山では、7日(日)に新幹線「かがやき」の新高岡駅停車を求める西部6市の県・市議会議員の皆さんの集会に出席、事前の見立ての甘さをお詫びしました。次いで8日(月)、石井知事の太田国土交通大臣への要請に、堂故参議院議員と同席しました。にわかに停車を実現する事が難しいとしても、地元の想いや努力をJR当局に理解頂いて、何らかの解決が図れるよう、汗をかいていきます。

 さて、50号を一区切りとしているこの国政報告も、250号に近づきました。この一年を振り返り、現下の日本の重要課題として自分なりに注視してきた事項の現状を綴ってみます。経済成長に配慮しつつ消費税を引き上げる取り組みは、4月に8%が実施され、来年10月からの10%実施の判断は、新年度予算編成直前の12月初旬だろうと思います。4-6月の経済は、引き上げ前の駆け込み需要の反動でマイナス成長となりましたが、7-9月にどこまで回復するかが検討の焦点です。税収増を生かしての社会保障経費の充実を前提として、計画通りの実施が望ましいと考えますが、景気を失速させぬよう、補正予算での底支えが不可欠で、そこに地方再生関連の施策を盛り込むべきです。

 4月、12月と2度の節目の間に政府が取り組むべき事項として、TPP交渉、原発再稼働、沖縄の基地移設の3課題を注視してきました。TPPについては、先の総選挙で我が党が公約した農業の主要5品目堅持を基本に、甘利大臣を中心にしっかり交渉していると思います。むしろ、アメリカ側が中間選挙もあって合意できない事情があるようで、今週のベトナムでの事務方の交渉も進展せず、年内合意が危ぶまれています。我が国とすれば、交渉の基本線を堅持しつつ、アメリカ等各国の出方を見守る事になりそうです。

 原子力発電所については、10日に九州電力川内原発の再稼働申請を認める審査書を原子力規制委員会が決定し、手続きは九電側からの工事変更認可と保安規定の申請を待つ段階に入りました。現状では月末にも提出される予定で、これが認められれば、地元自治体の同意取り付けと、発電施設の点検・確認を経て再稼働に至る手順となります。私は、中期的には原子力から再生エネルギーにシフトさせていくとしても、当面、安全が確認された原発は再稼働すべきとの立場であり、年内に事態が進展するよう発言していきます。

 沖縄の普天間基地移設については、名護市辺野古沖での事前調査が進められています。移設を容認頂いた仲井真知事が再選を目指す県知事選が11月に予定されており、政治的には予断を許さない展開です。私は、長年の日米・沖縄関係者の努力の末の現行政府案の実施こそ、沖縄の負担軽減につながるものとの立場です。先行して来春返還される西普天間地区50haの活用策の実行など、先に島尻安伊子参議院議員を座長として取りまとめた提案の新年度予算での実現に努めていきます。

 以上、消費税の二つの決断と、その間の三つの課題の前進を基調に、臨時国会など秋からの国政に臨んでいきたいと思います。

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国政報告(第247号)

 9月3日(水)、安倍内閣の改造が行われ、4日(木)には新しい副大臣・政務官も決まり、新たな体制で国の直面する重要課題の解決に当たる事となりました。党総務会の流れを追うと、2日(火)に党三役人事を安倍総裁に一任し、3日に総裁出席の下、臨時総務会が開かれ、高村副総裁は留任、谷垣幹事長、二階総務会長、稲田政調会長と三役が総裁から指名されました。今回の役員の任期は来年の9月30日まで、総務会メンバーについては、新メンバーが決まるまで従来の顔ぶれで続くため、私も今しばらくは総務会に出席する事になります。

 次いで行われた改造人事は、女性閣僚が5人誕生する一方、主要閣僚は続投となり、経済・財政、外交等の主要課題への取り組みに継続性を重視した形です。石破前幹事長は地方創生担当相となり、地域再生政策の立案・実行を担当されます。衆議院で見ると、副大臣は1期先輩の赤澤亮正議員、石川3区の北村茂男議員など、3期生がずらっと並び、政務官は小泉進次郎議員が留任したほかは、2期生で未経験者が任命され、1期生からも中川郁子議員が抜擢されました。私たち、政務官経験済みの2期生は、党側の幹事長室、政務調査会、国会対策委員会等で党・国会運営に汗をかく事となり、詳細な分担は来週以降の決定となりそうです。

 新体制への移行と並行して8月末には新年度予算の概算要求が締め切られ、各省庁の新規施策が出揃いました。関心のある事項については、担当組織のレクを受けていきます。また、富山では、週末の8月29日(金)に中川郁子議員を、本家の南砺市福光に迎え、福光井波と2か所で「ふるさと対話集会」を持ちました。山田俊男参議院議員も加わり、少子化問題、伝統産業の後継者育成方策など地域の抱える課題について語り合いました。さらに、1日(月)、2日(火)と地域公共交通活性化議員連盟から赤澤会長、田畑裕明事務局次長始め10人のメンバーで、富山市・高岡市の鉄軌道など公共交通への取り組みを視察研修しました。地域住民の交通手段の確保のみならず、低床車両(LRT)自体がまちづくりの要となっている状況に理解を深め、ハイブリッド電車など近未来の実用化が期待される技術も直接目にする事ができました。

 一方、北陸新幹線の速達列車「かがやき」が新高岡駅に停車しないとのJR西日本の発表を受け、県、高岡市当局、経済界を始め、県議、市議の皆さんで停車を再度要望する動きが高まり、2日には野上国土交通副大臣に有志が面会しました。利用促進を土台に、一日も早い停車実現に向けて、お互いの努力の継続が肝心です。

 ふと気がつくと朝晩も涼しくなり、秋の気配を確かに感じる候、臨時国会の召集も、今月末から来月にかけて予定されており、日本が直面する課題の解決も進めなければなりません。夏場に養った鋭気で秋に臨んでいきます。

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