2022年8月

国政報告(第639号)

 8月も末日となりました。6月末に例年より格段に早い梅雨明けと猛暑に驚かされ、その後は日本海側に豪雨が度々襲来し、今は例年より涼しめな状況ですが、この後は台風が心配です。

 国会は19日(金)に衆院、25日(木)に参院の厚生労働委員会で新型コロナウイルス対策について閉会中審査が行われました。岸田総理も感染・療養され、今日(31日(水))から復帰されましたが、感染者数も東京都など都市部を中心に旧盆明け辺りから明確に減少しています。第7波は社会経済活動に公的制約をかけない形で収束に向かいつつあるようで、政府は外国からの入国制限も一段と緩和する旨、発表しています。来月からはオミクロン株対応の5度目のワクチン接種を始めるようですが、発生から3年近く経過して漸く出口に近づいてきたようです。感染者数の全数把握も取り止める方向で、感染症法上の位置付けの見直しも視野に入り、マスクの無い生活に向け、対応が軟着陸するよう期待しています。

 今日は各省庁の新年度予算概算要求の提出日です。例年、この時期に党東日本大震災復興加速化本部では、公明党と一緒に提言をまとめています。先の内閣改造で、事務局長の谷公一先生が入閣されたため、額賀福志郎本部長の下、小生が調整作業に携わらせてもらいました。今年の第11次提言では、福島県浜通りを中心とする原子力災害被災地域について特記事項を4点掲げました。第1に、来春に予定されているALPS処理水の海洋放出について、安全性を担保するとともに、国内外にしっかり説明し、理解を得るよう努力すること。併せて、不安を感じている全国の漁業者への対策をとること。第2に、帰還困難区域のうち、復興拠点として除染・整備している地域の外についても、住民の帰還意志を丁寧に確認し、希望者を全て2020年代に帰還できるようにすること。このため、双葉町・大熊町にて来年度にもモデル除染を始めること。第3に、原発事故損害賠償について、6月の最高裁判決を踏まえ、丁寧に対応すること。第4に、来春発足する福島国際研究教育機構が、東北のみならず国内外の研究・技術開発に貢献できるよう、予算・体制の充実を図ること、以上です。党の政策審議会・総務会の了承も頂き、来月早々にも公明党とともに政府に提言する予定です。

 このほか、概算要求では、防衛費や脱炭素化予算の増額が盛り込まれており、地元案件では、利賀ダムの建設費が90億円と、工事着手が要求されています。北陸新幹線も、党からの新年度着工要望を踏まえ、敦賀・新大阪間の扱いが事項要求とされています。今後、年末に向け、歳入面の工夫も含め、どのように査定・編成されていくかが焦点です。地元では、28日(日)に茶道裏千家淡交会高岡青年部臨時総会、29日(月)に金沢市にて金沢福光連絡道路期成同盟会に出席しました。9月も一日一日大切に過ごします。

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国政報告(第638号)

 お盆で一週休ませて頂き、週明けの22日(月)、東京にて報告再開です。岸田改造内閣は10日(水)に発足しましたが、コロナウイルス、ウクライナ・台湾情勢、物価高など喫緊かつ変転著しい課題に対応できるよう、財務・外務・内閣官房など骨格の閣僚は変わりませんでした。重要課題には経験者を再度起用し、政策遂行能力を高める一方、初入閣は9名となりました。衆議院からは7期2人、6期4人、4期1人の起用で、6期生は19人中8人が閣僚経験者となりました。私たち5期生はそれぞれ持ち場で頑張る時期ですが、その人事は9月初めに向けて行われる見込みです。

 この間、地元では15日(月)に恒例の県戦没者追悼式に参列、20日(土)は退職公務員連盟富山支部の皆様との要望懇談会安達県議の後援会総会に出席しました。20日は度々激しい雨に見舞われ、小河川の溢水、床下浸水、土砂崩れなどが県内各地で発生しました。関係の方々にお見舞い申し上げます。悪天候の下でしたが、夕刻、氷見市早借地区で、薮田県議、上坊寺市議にも同席頂いて第9回ミニ対話集会を開催しました。県の高志の国文学館館長の中西進先生と万葉集を通じた交流が長く続く地域で、話題は大伴家持が国司として巡行した「志雄路」のPRや、中西先生の資料館整備構想の提起で始まりました。その後、氷見南インターに連絡する道路の冬期間の安全対策、地域の活性化、国の中山間地域支援の継続、放置された空き家の処理など、地方部に共通する課題も出され、地方創生政策の重要性を改めて感じました。

 21日(日)朝、3年ぶりに射水市海老江地区で開催された富山湾ふれあいビーチフェスティバルに伺い、挨拶しました。沿岸地域は、少子高齢化により海岸清掃や安全見守りの人手が不足がちの状況です。海に関心を持つ地域外の皆さんのボランティア活動も含め、レクリェーションの貴重な場である美しい浜辺を維持する取り組みを、国の伏木富山港湾事務所も下支えしているとの事。意義深いイベントです。午後には南砺市福光地区で、松村謙三顕彰会主催の研修会に顔を出しました。戦後の農地解放や日中国交回復に尽力された松村先生の足跡を政治思想や業績のみならず、温かく幅広いお人柄も含めて掘り下げ、今日的な意味を考える地域の皆さんの息長い取り組みの一環です。今年は当日が先生の命日で、お孫さん4人が参加されました。そのうち、濱本なほ子さんの夫でジャーナリストの良一さんが、「激動の世界の中の中国と日本」と題して講演されました。地域に生きる方々が、地域の特色を踏まえ、様々な活動をされていることの素晴らしさを感じる週末となりました。

 今週は各省庁の新年度概算要求がまとまってきます。19日(金)の衆院厚生労働委員会での閉会中審査を受けての国会運営がどうなるかを含め、永田町の動きは次号で報告します。

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国政報告(第637号)

 参議院議員選挙を受けて3日(水)に召集された第209国会(臨時会)は、3日間の会期で参議院の新議長・副議長の選出等が行われ、5日(金)に閉会しました。同日夕刻、富山へ向かう新幹線車中でスマホを見ていると、突然内閣改造の情報が飛び込んできました。実際、昨8日(月)の党臨時役員会で、党役員人事が岸田総裁に一任され、明10日(水)にも改造が断行される見込みです。

 前号でお知らせしたように、臨時国会に併せて党の政策関係の会議が多数開かれました。以下、私の関わったことを報告します。

 召集前日の2日(火)、「街の酒屋さんを守る国会議員の会」の総会があり、事務局長として司会を担いました。デジタル庁の規制見直しプランで、酒類販売管理者を販売場ごとに置く規定を緩める案が出ていることについて、適正な販売管理の観点から、現行制度を堅持してほしいとの業界の要望を承りました。

 3日朝、「公共交通議連」の総会があり、経営が厳しくなっている地方鉄道路線の今後のあり方について、国交省の検討会報告書の説明を受けました。議連が先に提言したことも踏まえ、国が鉄道事業者と自治体の協議を、責任を持って支援する内容となっており、出席者からは、予算・税制など支援内容を実効性の高いものとするよう意見が出されました。夕刻には、総務部会・選挙制度調査会の合同会議が開かれ、令和2年国政調査人口に基づく衆議院小選挙区の区割り改訂案について、6月に審議会から総理あて出された勧告の説明を受けました。出席者からは、選挙区の対象市町村の変更に対する不安、地方の議員定数が減ることへの懸念、勧告案では格差が1.999倍となっており、すぐに2倍を超えるのでは、など意見が出されました。逢沢会長からは、最高裁の違憲判決を踏まえ、衆議院で、過去、議長の下で検討が進められ、現行のアダムズ方式が導入された経緯も念頭に、秋の臨時国会で内閣から法案が提出されれば党として受け止めなければならない旨、発言がありました。その上で、出された意見を執行部にも伝え、相談しながら対応していきたい、とまとめられました。

 4日(木)は、災害対策特別委員会豪雪PT、沖縄振興調査会、情報通信戦略調査会、同放送小委員会と会議が続きました。それぞれ、春の豪雪法改正を踏まえた新計画づくり、沖縄振興予算の概算要求、7月上旬のKDDIの通信障害事故の原因と対応、今後の放送のあり方についての提言取りまとめ、と案件を審議しました。放送については、インターネットの普及を受けて、地方の民放放送会社をどう位置付けていくかも課題となっています。

 5日は東日本大震災復興加速化本部の総会が開催され、第11次提言に向けて意見交換しました。帰還困難区域の扱い、国際研究教育拠点の育成など秋口に向けて議論を進めます。次号は盆明けにて。

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国政報告(第636号)

 先週から東京も富山も猛暑が戻ってきました。週末の7月30日(土)は、翌日公示の小矢部市議会議員選挙に立候補予定の我が党公認・推薦の15陣営を回りました。野上・堂故両参議院議員、山本・筱岡両県議と5名で激励の挨拶をしました。31日(日)は南砺市福光で、県道金沢湯涌福光線の期成同盟会総会に出席し、この路線の役割と今後の整備を展望して講演もさせてもらいました。沿線の皆さんとのこれまでの交流や、馳石川県知事の代議士時代からの協力といきさつも交え、東海北陸道の城端スマートインターが開業すれば、中京方面から湯涌温泉・金沢への最短ルートとなる意義を強調し、両県当局に粘り強く要望していく旨、誓いました。そのあと、県道金沢井波線を通って金沢の国立工芸館に出向き、企画展を鑑賞、南砺・金沢両市の近さを実感しました。

 ここのところコロナウイルスの第7波で感染者数の拡大が続いており、重症者こそ少ないものの、医療機関の影響を注視すべき状況です。国・地方とも社会経済活動を継続しながら対策を取る基本姿勢であり、濃厚接触者の要件緩和や検査キットの配付など、活動を止めない方策も打ち出されています。8月末の新年度予算概算要求締め切りに向け、例年、地元から首長・議会・団体の皆さんの上京が相次ぐ時期で、それぞれ感染対策にも配慮されながら会館を訪ねて来られます。特に27日(水)は県議会有志、高岡・砺波市議会有志、砺波土地改良協議会、福光建設業協会の皆さんが相次いで来訪され、コロナ以前を思い起こさせる忙しさでした。

 29日(金)、来春から福島国際研究教育機構の理事長に就任が内定した山崎光悦金沢大学長が来室されました。小矢部市在住で、大学には学生時代から今日までずっと通っておられるとのこと。学長として、国内外の人材を広く募り、先端的な研究拠点形成に大いに実績を挙げられたことを評価しての今回の人選になったと伺っています。同郷の方が東日本大震災からの復興事業に参画されること、嬉しく思います。すでに現地にも足を運んでおられ、人材を結集する上で、処遇や住環境の整備が焦点とのこと、党の復興加速化本部としても、内閣への提言等、しっかり応援して参ります。

 今週は、8月3日(水)から5日(金)まで、参議院議員選挙を受けての臨時国会が開かれる予定です。この間、故安倍元総理の銃撃事件に端を発して、旧統一教会と政治との関わりや国葬の是非などがメディアでも議論されています。前者については、団体の現在の状況をしっかり把握して付き合っていく事が大切です。後者については、1日(月)に与野党国対間で閉会中審査の実施に合意したことを踏まえ、丁寧な説明をして意義ある催行につなげるべきと考えます。国会開会中の3日間には、党政調や議連の予定も集中的に入ってきており、次号ではその報告をしたいと思います。

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