2015年6月

国政報告(第285号)

 今日は今通常国会の当初の会期末だった24日(水)です。22日(月)に与党は戦後最長の95日間の会期延長を決断し、同日夜の本会議で9月27日(日)までの延長が賛成多数で決まりました。私が平成21年秋に国政に携わらせて頂いて以来、旧盆を越えての延長は民主党政権下の23年、24年以来です。延長の目的は、平和安全法制の審議時間を確保し、確実に成立させる事と理解します。今日現在の政府提出法案の成立率は58.1%との事ですが、現在参議院で審議が進められているものもあり、これから100%に近づけて行く事が国会対策委員会の使命です。

 週末は、19日(金)に厚生労働委員会で労働者派遣法改正案が採決され、午後1時の本会議に緊急上程、可決して参議院に送付されました。久しぶりの議事進行係の出番は、緊張してマイクのスイッチを入れ忘れ、途中まで地声になってしまいました。手順は正確に、と反省しきりです。夜は地元で党砺波市連の総会、20日(土)は第三選挙区女性部南砺市吉江地区後援会党新湊支部福岡支部の総会県連支部長・幹事長会議、21日(日)は第三選挙区青年部の総会と、各会合に出席し、夜には上京と、慌しい日程でした。

 会期延長後は、民主党などの反発で2日間全ての審議が止まりましたが、24日の与野党国対委員長会談で正常化に合意し、明25日(木)から審議再開の運びとなりました。焦点の平和安全特別委は審議時間が54時間となり、26日(金)の総理入り集中質疑で61時間に達する見込みです。また、農協法改正案も委員会採決を待つ状態であり、衆議院の法案審議は、法務・厚生労働・外務を除いて概ね目途が立ちつつあります。この間、参議院も野上議院運営委員会筆頭理事ほか皆さんの努力で着実に審議を進めて頂いており、今後も気を引き締めて臨んで行けば道は開けるものと思います。

 一方、以前から指摘している国政上の重要三課題については、TPPに関連して、米国議会で大統領に交渉権限を与える法案の成立に目途が立ちつつあり、交渉が急進展する可能性が出てきました。また、九州電力川内原子力発電所も、来月初旬に燃料を装填し、8月にも再稼働の予定です。沖縄の辺野古沖での基地建設も、埋立工事の着工が近づく中、翁長知事の理解は残念ながら未だの現状です。延長された会期の中でこれらの問題も大きく動くやも知れません。まさに、正念場の夏に向かいます。

 この間、6月末に閣議決定予定の「骨太の方針」の案文の党政務調査会全体会議での審査が23日から始まりました。先に取りまとめた財政再建特命委員会や西普天間基地跡地活用小委員会の提言が十分反映された形となっており、私としても一仕事できた充実感があります。また、23日には私もメンバーである郵政事業に関する特命委員会が、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の預け入れ等限度額を引き上げるべきとの提言をまとめましたが、党総務会で異論があり、26日に引き続き審議される事となりました。こちらは、現場の郵便局長さん達が、限度額の制約で顧客対応にご苦労が多い事など、引上げの必要性は個人的にも理解できるものの、制度改正には郵政民営化委員会の同意が欠かせず、政府内でも時間を要するものと思われます。銀行、信金、信組、JAバンクなど金融業界の皆さんとの調整について、ATMの相互利用など協力関係の構築に影響せぬよう慎重に進める必要があると考えています。

 延長後の国会がどう展開するのか、暑い夏に向けて、来週以降も報告を続けます。

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国政報告(第284号)

 いよいよ会期末の24日(水)まで一週間を切りました。先週の12日(金)は平和安全特委で審議が空転し、厚生労働委では民主党の議員が渡辺委員長の委員会室入室を阻止しようともみ合いになり、委員長は首を怪我、さらに携帯電話を紛失され、現物が違う階の自動販売機の下に隠してあったのが発見されました。一連の事案について、与党側として民主党の実力行使を強く批判しつつ、15日(月)には与野党国対委員長会談で審議正常化で一致しました。しかし、それでは終わらず、17日(水)に農林水産委員会で維新が与党の約束違反を理由に審議に応じず、農協法改正案の採決が一週間遅れる事態となりました。18日(木)に久しぶりに予算委員会が総理出席・テレビ中継の形で開かれ、日本年金機構の個人年金情報流出問題と平和安全法制をテーマに7時間の審議が持たれました。明19日(金)には厚生労働委員会で労働者派遣法改正案の採決が予定されており、ようやく重要法案3本のうち、1本を参議院に送れそうです。

 この間、13日(土)には党県支部連合会の年1回の大会があり、来夏の参議院選挙の県地方区候補に現職の野上浩太郎議員の推薦が万場一致で決まりました。今年の第三選挙区支部管内は選挙が無く、まずは国・地方にわたって公約の実現を図り、参院選に備えを怠らない事が常道です。また、党大門支部の総会にも顔出しの上、14日(日)の夕刻には東京に戻りました。

 一方、政務調査会で取りまとめに関わった財政再建特命委員会の政府への提言が12日に仕上がり、先にまとまった沖縄の西普天間基地跡地活用の提言と併せ、今週、関係大臣に申し入れに出向きました。政府部内では、6月末をめどに、「骨太の方針」を閣議決定する予定であり、これらの党側の提言が政策・予算にどのように反映されていくのか、注視して行きたいと思います。

 梅雨空の下ではありましたが、16日(火)に県内10市の市議会議長・副議長の皆さんが上京され、要望を受け懇談の機会を頂きました。翌17日には党砺波市太田支部の五十嵐支部長、井上幹事長(市議)ほか皆さんに国会を訪問頂き、嬉しい激励を頂きました。来週も北陸新幹線等を利用して来訪の予定があり、今月は多くの方々に東京でお会いできそうです。一方、16日に浅間山の小噴火、18日に口永良部島の再噴火、と、昨年の御嶽山や今春の箱根山に続き、我が国周辺で火山活動が活発化している事に注意が必要なようです。

 さて、肝心の会期延長ですが、22日(月)を目途に延長幅を決めることとなりそうです。衆議院では平和安全特委のほか、法務、厚生労働の両委員会に案件を多く残しており、もうひと頑張りが必要な情勢です。新年度予算に向け、地元各市の主要要望事業も把握しながら、国全体としての施策の推進を心がけて活動して行きます。

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国政報告(第283号)

 梅雨らしい東京の天候の下、通常国会は会期末を控え、荒れ模様の展開となっています。一面、経済産業委員会、環境委員会などで着実に法案審議が進んでいるのですが、重要法案である労働者派遣法改正案、農協法改正案、平和安全法制の3本の審議は厳しい状況が続いています。派遣法案は日本年金機構の個人情報流出問題で審議が遅れていましたが、ようやく採決の機が熟してきました。野党側も維新が採決に応じる姿勢となったものの、民主・共産が拒んでおり、ギリギリの交渉が続いています。農協法案は、8日(月)に地方公聴会が開かれ、地域の意見も聴取して、採決に向けて大詰めを迎えています。一方、平和安全法制は、野党側が与党の提案する審議日程に難色を示し、累計の審議時間は35時間程度に留まっています。先週4日(木)の憲法審査会に参考人として出席した3人の憲法学者が揃って平和安全法制を違憲と述べた事で質疑がさらに難航しています。

 もっとも、平和安全法制は、昨年夏の切れ目のない安全保障体制構築する方針を示した閣議決定に基づき、関係省庁・与党内で内容を十分吟味してきたものです。閣議決定の際も、法制立案の際も、行政における「法の番人」たる内閣法制局が十分に審査・吟味しているものであり、当然憲法の枠内に収まっているからこそ、国会に提出されたものと思います。焦点の集団的自衛権も、国際法上の全てを認めるものではなく、我が国の存立が脅かされる特定の事態にのみ、いわば個別的自衛権の延長線上に例外的・限定的に認められている形となっています。あくまでも、日米同盟を基軸に、我が国の平和と安全を守るための法整備です。最近、日中関係もひと頃よりも雪解けムードとなり、我が国の国境離島をめぐる近隣諸国とのトラブルも沈静化している事を見ても、まさに「備えあれば憂いなし」です。併せて、国際社会が我が国自衛隊の平和維持活動に寄せる期待にも対応した法整備が盛り込まれており、特別委員会の審議を通じて皆さんに理解を深めて頂きたいと思います。

 さて、先週末は6日(土)の党高岡市連総会に出席したほか、地元の行事をこなし、8日(月)のかがやき536号で上京しました。国対委員会正副打ち合わせに始まり、財政再建特命委員会の2020年度に向けた歳出改革案の取りまとめに、事務局長代理として文案修正や各先生方との意見調整など汗をかいています。社会全体の高齢化が年々深刻となる中、社会保障費の自然増を制度の見直しや健康づくり等も様々な施策を検討、逐次実行に移すよう促します。その分、文教・社会資本整備等、政策的経費の純増の余地を残し、地方財政は国の社会保障引き下げと連動させて無理なく節約を進める方針です。アベノミクスの順調な展開により、26年度の税収も上振れが期待できるようです。経済再生と財政再建の「二兎を追って二兎を得る」提言案で近々の取りまとめを目指しています。沖縄の西普天間跡地の活用策の提言と併せ、月末に政府が策定する「骨太の方針」に反映させ、新年度の政策展開につなげて行こうとするものです。

 持ち場で汗をかき、大局の進展を念じる、そんな姿勢で、来週は今国会最大のヤマ場と覚悟して迎えたいと思います。

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国政報告(第282号)

 先週末は5月29日(金)の鹿児島県口永良部島の噴火、30日(土)の小笠原近辺を震源とする地震に驚かされました。島民の皆さんの島外避難など大変でしたが、犠牲者が無かったのは幸いでした。一方、国政では日本年金機構の情報システムから年金に係る個人情報が大量に流出する事態が発覚し、衆議院でも厚生労働委員会で集中審議が行われました。ウイルス攻撃の実態と対策、事態の発生から公表までの対応など、問題点が指摘されており、入念な対応が求められています。6月1日(月)の夕刻には町村信孝前衆議院議長の急逝がテレビの臨時ニュースで流れました。突然の訃報に驚き、議事進行係としてお世話になった事を含め、折々、気さくに声を掛けて頂き、ご指導頂いた事に感謝しつつご冥福をお祈りしています。僅か、一週間で幾つもの出来事があり、国会の流れにも影響を及ぼしています。

 この間、30日には三重県桑名市で全国山・鉾・屋台保存連合会の総会が開かれ、会長として出席しました。伊藤市長、桑名石取祭保存会の伊藤会長始め皆さんの素晴らしい準備で、囃しと祭車の見学、伊勢神宮の遷宮に伴って鳥居を桑名の一の宮に移設する「お木曳」行事への参加など盛り沢山のプログラムでもてなして頂きました。ユネスコ無形遺産への登録申請がなされ、来年秋に予定される審査に向け、全国各地から400名の参加があり、大いに盛り上がる大会となりました。

 31日(日)は電車を乗り継ぎ、夕方に富山に戻って、党氷見支部射水市金山支部の総会に顔を出し、最終の「はくたか」で新高岡駅から上京しました。1日は平和安全特別委員会のテレビ入り審議があり、朝8時50分からの国対正副委員長打ち合わせから東京での週明けとなりました。平和安全特委の審議は、29日に野党側が政府答弁が不明瞭として退席、3日(水)も審議時間が3時間で短いとして開催を拒むなど、厳しい情勢にあります。丁寧な審議ができる環境を整え、日程引き延ばしのための審議拒否を野党側にさせない雰囲気を作って行くのが私たち国対の役目です。一方、厚生労働委員会で審議されている労働者派遣法改正案は、質疑がかなり進んできたところで、年金機構の個人情報流出事態の発生の影響を受けています。農協法改正案を含め、重要法案の審議をどのように進め、参議院に送っていくか、まさに「胸突き八丁」の局面です。

 一面、着実に審議を終えている法案もあります。小学校と中学校の一体的運営を認める学校教育法改正案、選挙権の年齢を18歳に引き下げる公職選挙法改正案、さらに女性活躍推進法案も、修正の上、全会一致で衆議院を通過しています。

 また、党の政務調査会では、6月末の政府の「骨太方針」に向け、各委員会からの提言案が取りまとめの時期を迎えています。私の関わる財政再建と沖縄西普天間基地跡地活用の委員会も、来週は議員皆さんの意見集約で忙しくなります。2日(火)に立ち上がった散居村・屋敷林・生垣保存活用プロジェクト・チームでは、長野2区選出の務台議員を事務局長に、私が座長と言う事で、こちらは腰を据えての検討と思っています。今週は国会見学もラッシュで、庄川上流土地改良組合、福岡町長寿会、砺波建設業協会、西日本鉄道OB会の皆さんに激励して頂きました。2日はホテル・ニューオータニで恒例の県人会総会、3日(水)は石井知事、横山県会議長、五十嵐県会副議長から党選出国会議員への28年度重要要望説明、さらに、フィリピンのアキノ大統領の参議院本会議場での演説と、めまぐるしい一週間でした。会期末の24日(水)まで三週間を切り、ともかくも「スパート」です!今を生かせて頂ける事に感謝しつつ頑張ります。

 故町村議長の棺を国会正門でお見送りして、

梅雨晴れに 逝く人送る 葉擦れの音  (雲仙人)

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