2017年12月

国政報告(第408号)

 「銀世界」から一週間経って、先週22日(金)に富山に戻ると、今度はあたりの雪がすっかり融けていて、また驚きでした。29年度補正予算、30年度当初予算と編成作業が粛々と進み、クリスマス前に全て決着しました。私が国に勤務していた四半世紀前は、予算編成の最終段階は、6日間コースと決まっていました。課長内示に始まり、局長折衝、次官折衝、大臣折衝と段階を踏んで編成が進み、計数整理を終えて確定する6日目は29日や30日というのが普通でした。今は、大臣折衝を経て一発編成になっているようで、今年は18日(月)に折衝、20日(水)に与党手続き、22日に閣議決定という流れで、隔世の感があります。

 このため、23日(土・祝)に片岸南砺市議の報告会24日(日)に山田参議院議員・筱岡県議の合同報告会に顔出しして、25日(月)に上京したものの、各省庁の予算資料の整理、読み込みが仕事で、27日(水)からは富山で年越しの予定です。補正予算では、心配していた学校施設改修の補助が追加措置されたほか、土地改良予算も、TPPやEUとのEPAの対策として盛り込まれ、地元のご要望にお応えできそうな結果です。当初予算では、地方自治体の一般財源総額が確保されたほか、利賀ダムを始めとする事業予算も手当てされ、地方創生のために大学を活用する交付金が創設されました。8月まで関わった東日本大震災被災地の復興についても、避難者支援、風評対策など、復興庁の提案が認められました。これで、30年度の政府・与党の施策が固まり、1月22日(月)を軸に召集日が調整されている通常国会に提案していくことになります。

 平成29年を振り返ってみると、前半8か月は復興副大臣として東北の復興・創生に努力し、残り4か月では、急遽実施された第48回総選挙で4期目に入らせて頂いたことが特筆すべき出来事でした。選挙後は、副幹事長・選挙対策委員会事務局長の職務はもとより、予算・総務・文部科学の3委員会の理事として、また、総務・復興関連の議員立法(現在5本関わっています!)の準備作業に慌ただしい毎日を過ごしました。おそらく通常国会も同様な状況が続くのでしょうが、この世界で仕事が舞い込み、忙しいのは議員冥利に尽きる訳で、力及ぶ限り頑張っていこうと思います。国全体としては、内政では「働き方改革」の法案審議が重要課題であり、外交面では北朝鮮の動きから目が離せないものと思います。短中期的に、憲法改正、経済成長と財政再建の両立も焦点であり、沖縄の基地問題、原発問題も順位の高い課題です。党内では秋に総裁選もあります。引き続き、地元の課題・国の課題の両方に、自分なりにしっかりと向き合い、解決に少しでも貢献できるよう努力します。皆様もよいお年をお迎えください!(次号は1月第2週となります。)

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国政報告(第407号)

 先週末に富山に戻ると一面銀世界で、しっかりと雪が降ったのだと実感しました。週明けからは緩んだようで、海岸近くではまた地肌が出ているかな、と思いながら東京で予算編成を見守っています。

 17日(日)には、恒例の党南砺市連の国政報告会に出席し、堂故議員、山田議員と分担して特別国会や税・予算の動向などお話しする機会がありました。私自身、委員会の理事や議員立法の根回しなどで忙しさを実感した国会でしたが、東京を離れられない野上官房副長官はさらに多忙であろうと推察します。18日(月)には高岡内外の経済人有志で集っておられる「憂楽会」(先憂後楽の意)で党本部の田村重信調査役を講師として安全保障問題の勉強会があり、紹介したご縁もあって出席しました。終戦後72年間の我が国の安全保障体制の移り変わりと今日の憲法改正の議論のポイントを1時間でわかりやすく説明頂き、好評でした。

 党本部でも、安倍総裁の問題提起を受けて憲法改正推進本部で議論が進められており、20日(水)に「論点取りまとめ」が公表されました。自衛隊、緊急事態、参院選の選挙区、教育充実の4項目に絞って、議論の状況と方向性をまとめたものです。自衛隊については、我が国に必要な存在との認識の上に、憲法9条に新たに位置付ける際、9条2項(戦力の不保持)を維持するか削るかの2通りの意見が出されている現状です。

 先週末に戻って、15日(金)朝には沖縄振興調査会・美ら島(ちゅらしま)議連合同会議があり、1年振りに調査会事務局長に復帰して司会を務めました。13日(水)に米軍のヘリコプターが、宜野湾市立普天間第二小学校の校庭に窓を落下させた事故について、沖縄県連の照屋会長から党政調でもきちんと議論してほしいとの強い要望がありました。調査会・議連としても、沖縄振興の土台には「安全・安心」が無ければならぬとの思いを共有し、政調事務局に検討をお願いしました。その結果、19日(火)朝に国防部会・安全保障調査会合同会議が開かれ、防衛省から事故についての報告を受けました。再び上京頂いた照屋会長から、米軍事故が連続している事への危機感をお話し頂き、党としても再発防止の取り組みを見守っていくことになりました。

 19日には今年最後の役員連絡会議、副幹事長会議もあり、次回は仕事始めも兼ねて1月5日(金)となります。予算編成案は20日の政調審議会・総務会で党側として了承され、22日(金)に閣議決定の予定です。補正予算では、EUとのEPAへの手当ての意味もあって、農林水産業の競争力向上の要として、農業農村整備事業が計上されたほか、学校施設改修への補助や文化財の災害復旧費も措置され、地元の懸案箇所も前進が期待されます。今後、当初予算案についても、各省庁の情報を読み込んでお知らせしていきます。

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国政報告(第406号)

 この冬はラニーニャ現象で寒くなるとの気象庁から発表されましたが、11日(月)夜からの寒波で富山も早々と積雪状態になりました。一方、東京はいつの間にか銀杏並木もすっかり葉が落ちて蒼い空の下にビルの稜線が陽光にくっきりと刻まれています。

 9日(土)に特別国会が会期末を迎え、富山での週末は県薬剤師会の表彰者祝賀会瘧師県議の後援会総会に出席しました。11日朝に上京し、今週は新年度の税制改正案の党内審議に参加しました。党税制調査会は、宮沢会長、額賀小委員長の下、例年通り濃密な議論が進められ、14日(木)に「税制改正大綱」として了承されました。私は自治体行政に携わった立場から、地方税収の安定的確保や大都市圏・地方間の税収の偏在性是正を求める意見を述べました。

 今回の税制改正は、平成31年10月からの消費税引き上げを前に、所得税の再分配機能の拡充、森林環境税の制度設計、国際観光旅客税の導入、税務手続きの電子化など注目すべき点が多くあります。所得税では、基礎控除を10万円増額する一方、給与所得控除を10万円減額した上、上限額を220万円から195万円に引き下げました。これにより、年収850万円以上の給与所得者が増税になる一方、中間層以下の大方の納税者の負担は軽減されることになります。さらに、基礎控除は年収2500万円以上は適用されない事になり、年金受給者についても高額所得者の控除額が減額されるなど、「格差の是正」を図る改革となります。

 地方の町村部を中心に粘り強く要望活動が進められてきた森林環境税は、一人当たり年額千円で個人住民税に併せて市町村が徴収する形での導入が決まりました。課税がスタートするのは、東日本大震災からの復興財源としての増税が終わる平成36年度ですが、自治体には31年度から先行して総額200億円が譲与される事となります。配分は県に1割、市町村に9割で、「間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備」に基礎自治体たる市町村が主体的に取り組む体制に変えていく前提です。

 国際観光旅客税(仮称)は、平成31年1月7日以後に我が国を出国する者(外国人も含まれます。)に新たに1回千円を徴収するものです。出入国手続きの迅速化、観光PR、文化・自然を活用した観光資源整備、観光受け入れ体制の充実等に充てられます。

 税務手続きの電子化については、法人税の電子申告を促進するほか、所得税の年末調整についても、保険料控除の手続きを電子的にできるようにするなどICT(情報通信技術)の活用が進みます。さらに、地方消費税の清算基準の変更により、実質的に地方圏への配分額が増える見込みです。これらの改正については、次期通常国会に法案として提出、成立を目指します。来週は補正予算・本予算の編成結果について報告できる見込みです。

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国政報告(第405号)

 師走に入り、富山は時雨模様、東京は冬晴れの下、銀杏の黄色い葉が風に舞う時節となりました。氷見漁港に鰤も揚がり始め、次第に年末へと冬支度の慌ただしさが募る一方、11月1日(水)に召集された総選挙後の特別国会も9日(土)には会期末を迎えます。5日(火)の衆院本会議では、夏の人事院勧告を実施するための給与法改正など10本の法案を可決し、参院に送付しました。

 さて、週末の2日(土)は地元で党地域支部の挨拶回りの後、晴れ間を利用して自宅でチューリップの球根を植え込みました。3日(日)は(公財)たかおか女性アカデミーの創立50周年記念講演として、地域の過去・現在・未来について、高岡市役所勤務時代に見聞きし、考えたことを中心に、県西部の地域づくりへの想いを話す機会を頂きました。夕刻には、6市の市議会議員有志の皆さんで組織頂いている「慶政会」にて30分間の国政報告として、東日本大震災からの復興関連の議員立法に努力している近況を伝えました。

 4日(月)朝に上京してからの今週の週日も、国会の委員会、党の会議、議員立法の根回し、夜の会合と日程が立て込みました。5日(火)には総務委員会で、昨年5月以来約1年半ぶりに25分間の一般質疑に立たせて頂きました。質問時間を巡る与野党の交渉も一段落しつつあることから、冒頭は恒例の万葉集の朗唱で始めました。巻8の1593番、「隠口(こもりく)の 泊瀬(はつせ)の山は 色づきぬ 時雨の雨は 降りにけらしも」と、紅葉の進む初冬を詠みました。まずは、復興副大臣在任中に携わった福島県の原発被災地域の避難解除に伴う国の出先機関や郵便局の再開の動きや、総務省による被災自治体への全国の自治体からの応援職員派遣の後押しの現状を伺いました。次いで、地方税財政、行政手続きの電子化、行政評価、自治体病院への電子カルテ導入の推進、4K8Kテレビ放送の取り組みなど、多岐にわたる総務省行政の中から、総務大臣政務官・総務部会長として関わった経験に基づき、現状を質しました。地方交付税の財源不足が原因で発行されてきた臨時財政対策債は、今年度末には残高が53兆円にも達する見込みで、地方側の債務の四分の一を占めるに至っています。消費税率の10%への引き上げ時にも事態を好転させるべく、教育分野への使途変更によって地方の歳入見込みがなるべく減らないような調整が必要です。答弁には、野田大臣、小倉・小林両政務官始め、総務省勤務時にお世話になったスタッフも立って頂け、和やかかつ今後の課題指摘も怠らない内容で緊張感をもってあたりました。

 6日(水)から8日(金)にかけては、新年度税制改正を決める党税務調査会の会議が午後に連続開催され、様々な改正項目について積極的な意見交換がなされました。私にとってはこちらも2年ぶりで、地方の立場での発言を心掛けたところです。結果は次号にて。

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国政報告(第404号)

 前号は22日(水)の報告で、翌23日(木)の勤労感謝の日は地元で北陸国際工芸サミットの表彰式交流会に出席し、夜に新幹線での上京となりました。24日(金)は党役員連絡会・副幹事長会議に出席し、文化立国調査会の新年度に向けた政策申し入れで、山谷えり子会長に随行して林芳正文部科学大臣に面会しました。

 週末の25日(土)は党県連の支部長・幹事長会議の後、第三選挙区支部女性部主催の講演会に山谷会長をお招きし、文化振興を通じて日本づくり・地域づくりを進める意気込みを拝聴しました。講演後は先生に同行して高岡市内の瑞龍寺勝興寺、氣多神社、大伴神社、万葉歴史館を巡り、文化財の集積の厚みと、これを訪れるお客様に説明する地域の皆さんの「おもてなし」の精神に改めて感銘致しました。歴史館では、山谷先生に万葉衣装を身に着けて記念撮影して頂き、晩秋の富山の思い出を差し上げることができました。夜は党射水市金山支部の懇談会に顔出しの後、歯科医師の先生方の後援会総会にて国政報告をさせて頂きました。

 次いで26日(日)は、高岡市立福岡小学校の開校50周年記念式典南砺市平地区での国土交通省の自動車の自動運転実証実験開始式富山市大沢野地区での県山・鉾・屋台・行灯祭連合会総会と行事が続きました。なかでも、平地区は既に一帯が雪化粧した中、国が2020年にも実用化を目指して力を入れている自動運転技術を、実験車両に試乗して体感する機会となりました。

 日曜夜に上京し、週明けの27-28(月-火)日は、予算委員会の14時間にわたるテレビ入り質疑が行われ、理事としてほぼ終日出席しました。与野党の質問時間は、事前の筆頭間協議により5時間対9時間の捌きで決着しました。我が党からは、田村元厚相、新藤元総務相など野党時代から質問力に定評のある面々が質問に立ち、総選挙で公約された教育費無償化や北朝鮮への備えについて政府側を質しました。野党側の追及の焦点は、引き続き森友学園への国有地払い下げ、加計学園の獣医学部新設で、近畿財務局職員と森友学園籠池理事長との打ち合わせを録音した音声テープの内容が事実であるとの財務省理財局長答弁がありました。国有地払い下げ価格算定等を巡る一連の手続きに不備を認める会計検査院の調査報告も公表された中、両件への安倍総理の関与を示す新事実は、29-30(水-木)日の参院予算委でも明らかにならず、実質的な問題は今後の国有地売却手続きの改善を如何に図るかに移りつつあります。

 予算委員会を受けて各常任委員会での審議もスタートし、29日の昼休みに文部科学大臣、オリ・パラ担当大臣、30日の朝に総務大臣の所信を聴取しました。質疑は、文科委が12月1日(金)、総務委が5日(火)に予定しており、9日(土)の会期末までに案、給与法改正など案件処理がどの程度進むのかも課題です。

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