2016年4月

国政報告(第327号)

 熊本地震は、震度こそ小さくなってきているものの、余震が引き続き、4万人近い方々が避難をつづけておられる由、政府も激甚災害に指定するなど、状況の変化に応じて対策を進めています。先週末には安倍総理から補正予算編成の指示があり、来月中旬の国会提出に向け、作業が進められます。地震への対応については、26日(火)の衆院総務委員会の一般質疑でも取り上げられ、党総務部会でも、27日(水)に総務省の対応について報告を受けました。消防の皆さんの初期出動に始まり、通信インフラの確保、他自治体からの応援職員の派遣と、東日本大震災の経験も活かして必要な措置が取られており、今後は地方税財政面での支援を検討して行かなければなりません。

 通常国会は、既にTPP協定・関連法案を継続審議扱いとしており、残る会期は熊本地震への対応を中心に、案件処理を進める事になります。今後、被災地において雇用や経済面での影響が深刻化するようなら、参議院選挙後の夏の臨時国会での対応も考えなければなりません。また、宇土市庁舎を始め6つの自治体で、庁舎が被災して役場機能の移転を余儀なくされており、今後は学校に続き、自治体庁舎の耐震化を急ぐ必要があると思います。

 週末の地元では、23日(土)、高岡の射水神社と二上射水神社の春季祭礼に参列しました。後者のご神体である国の重要文化財、「男神坐像」が、文化庁から、今夏イタリアのローマで開かれる仏像展への出品を要請され、文化財としての評価の高まりに氏子の皆さんも大いに盛り上がっての祭事となりました。二上社では高岡御車山祭の原型と言われる県の無形民俗文化財、「築山行事」が恒例行事となっており、今年も厳かに催行されました。夜は党大島支部の総会、24日(日)は富山市で、3月の党大会で表彰を受けられた皆さんを囲む夕食会に出席しました。深夜には、北海道5区の補欠選挙の結果が判明し、応援していた和田義明氏が1万2千票差で当選を果たし、参院選に向けて幸先の良いスタートが切れました。

 25日(月)は、同期の伊東良孝議員の後援会の皆さん約百名が北海道東部から北陸・東京と旅行の途上、高岡大仏でお出迎えの後、午後、党財政再建特命委員会に合わせて上京しました。過日「2020年経済財政構想小委」で総論として取りまとめた内容を報告させて頂きました。先輩議員の皆さんから小委の活動への労いと合わせて貴重なコメントを頂き、27日(水)の小委にて披露しました。小委の活動は各論に入り、まずは社会保障・雇用分野の行政を担当する厚生労働省が、業務が多岐にわたり、制度改革の速度が鈍っているのでは、との問題意識で「厚生労働行政のあり方」をテーマに議論しています。今後は、「レールからの解放」に記した、2020年以降の「国のかたち」に即した制度改正の方向性について議論を詰め、秋の提言に向け、積み上げて行く予定です。

 また、27日には敦賀以西の新幹線ルート検討PTの15回目も開催され、小浜ルート、米原ルート、舞鶴ルートの3案について、国土交通省鉄道局に具体の調査を依頼しました。このように、政務調査会の各パートの活動もそろそろ取りまとめの時期となり、会期末まであと1カ月、新緑とつつじの花に囲まれて仕事を続けます。

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国政報告(第326号)

 先週の報告を仕上げた後、14日(木)に始まった熊本地震は、16日(土)未明の本震で被害が大きくなり、多数の死傷、避難の方々が出ておられます。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災された方々にお見舞いを申し上げます。余震がなかなか収まらない中ですが、被災者救出、インフラの復旧、支援物資の配送など、対策は一歩ずつ進んでおり、現地の皆様のご苦労が少しでも早く、軽減されるように念じています。党でも連日、事態の推移と対応の報告がなされており、総務省でも被災自治体への普通交付税の繰り上げ交付を決定するなど、対応を強化しています。

 富山での週末は、16日(土)に大伴家持卿顕彰会の春の献花祭を主催し、夕刻には自民党南砺市上平支部の総会に出席しました。17日(日)は、第三選挙区支部総務会に先立ち、山東昭子前参議院副議長に来県頂いて講演をお願いする日でした。思いもよらぬ春の大風で、北陸自動車道が通行止め、北陸新幹線も架線に飛来物がかかって運転見合わせとなる中、山東議員を乗せた飛行機は富山空港上空から滑走路への着陸を試みましたが果たせず、東京に引き返すことになりました。講演会は、短く歓迎の挨拶をするはずの野上堂故が、お詫び方々各15分間のミニ国政報告をすることで、出席者にお許しを頂きました。

 17日の夕刻に上京し、高岡市博労地区の皆さんと懇談、18日(月)は新宿区市ヶ谷にある防衛省の見学に同行しました。昭和45年に作家の三島由紀夫が立てこもり事件を起こした建物も保存されており、当時の刀の傷なども紹介頂きました。見学ツアーは、ウィークデーの午前・午後の2回で、個人でもOKです。

 今週の国会は、TPP関連案件が衆議院で継続審議扱いとなり、他の案件の処理が進みました。21日の本会議ではいっきょに10件の法律・条約案を可決し参議院へ送付できました。所属する総務委員会では、国の行政機関の持つ個人情報を加工して匿名性を帯びたデータを申込者に提供する手続きを定める法律を審議し、21日(木)に採決に漕ぎ着け、内閣提出案件の処理を終えました。後半国会の焦点だったTPP案件が先送りとなった以上、その他の内閣提出案件を一件でも多く成立させる事が与党側の目標となります。

 また、衆議院の定数是正問題は、22日(金)の本会議で与野党がそれぞれ提出した公職選挙法改正案が審議入りし、今国会中の成立を目指します。いずれも、議長の下に置かれた第三者委員会で慎重に議論、まとめられた考え方に沿い、国勢調査の人口をもとに、「アダムズ方式」で議員定数を算出するもので、平成32年の国勢調査以降は同じ結果となるものです。当面の定数の考え方に違いはあるものの、究極は同じ結果となり、最高裁の判断に沿って今後問題の生じない解決ができそうです。

 会期も残す所約40日間、景気対策・補正予算の有無、来春の消費税増税の取り扱いなど経済・財政政策の基本的方針が問われており、24日(日)の衆院補欠選挙の結果も気になる所ですが、持ち場の会議をしっかり回しながら大きな流を見詰めていきます。

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国政報告(第325号)

 季節は桜から新緑へと進む中、週末の9日(土)は高岡で5回目となった千保川さくらクルーズの出発式に顔を出しました。高岡の町中を流れ、歴史を刻んできた千保川を大切にしようと、環境美化や歴史探訪など多彩な活動を続けている有志の皆さんが、桜の季節に川に一層親しんでもらおうと始められた粋なイベントもはや5回を数えました。満開の桜に良いお天気で最高の状態でした。

 また、9日は城端支部10日(日)は平支部と、党組織の総会があり、挨拶・国政報告をさせて頂きました。平地区では、近年子どもの数が増えており、保育所の定員30名に対し、今春の入所が42名だそうです。上平地区と統合した小学校・中学校の入学者も増え、相倉の世界遺産の合掌集落は外国人観光客で賑わうなど、東海北陸自動車道五箇山ICで県内各地と確実に結ばれた効果も含め、「地方創生」のモデルになりそうな元気な状況です。県立高校の中でも、寮生活や民舞の部活など特色ある教育がなされる平高校の地区への寄与も忘れてはならないと思います。南砺市の五箇山から、新たな地方活性化の息吹が広がることを期待しています。

 10日の夕刻は、恒例の慶友会の総会に川村会長ほか多数のご出席、ありがとうございました。皆様からの励ましを胸に上京し、11日(月)は早朝から公示前日の北海道5区の補欠選挙の応援に飛行機で出かけました。選挙情勢が厳しいと言われており、何とか勝利を納められないかと念じています。

 一方、国会は先週末からTPP特別委員会の審議が中断、不正常となりましたが、20日(水)に久しぶりに党首討論を持つ事で与野党が折り合い、14日(木)の衆院本会議から各委員会の審議が再開されました。私が所属する総務委員会でも、今国会最後の法案となる行政機関個人情報保護法党改正案が審議入りしました。会期はあと一カ月半、可能な限り、内閣提出案件の審議・成立を図って行きたいです。

 さて、今週特筆すべき報告事項は、13日(水)に「2020年以降の経済財政構想小委」の総論の議論を終え、次世代の皆さんへのメッセージを「レールからの解放」と題した2枚ものにまとめ、小泉事務局長と一緒に記者発表したことです。当面、少子高齢化の進行で人口減少が避けられない日本ですが、技術革新と健康寿命の延伸で、「人生100歳時代」へと移りゆく中、22世紀まで生きるであろう若い世代の皆さんには、いわば日本の第二創業期に希望を持って進んでもらいたい。そんな次世代を応援する政治・社会でありたい。そんな思いをベースに、「何歳で就職・何歳で定年」という「レール」のような決まったコースだけではなく、出産・育児・介護といった人生の重大事を含め、多様な人生を歩め、長生きがリスクとならぬ生き方を可能にする社会を目指すことを宣言しています。こんな基本的な考え方、見方を出発点に、2020年以降の教育、雇用、社会保障などの在り方を、来週以降は「各論」として議論して行きます。

 14日には、陸上自衛隊富山駐屯地協力会の上田会長ほか皆さんが上京され、駐屯地拡張事業の予算化の御礼に関係先を回られました。地域課題の解決にも、引き続き取り組んで行きます。

 本稿執筆後、九州地方地震の報に接しました。お亡くなりになられた方々に対して、ご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様に、お悔やみを申し上げます。そしてまた、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

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国政報告(第324号)

 東京も富山も桜は満開、今日7日(木)は春雨の降る中、総務委員会で今国会初めての質問に立ちました。情報通信研究機構(NICT)法の一部改正案に対する質疑30分で、冒頭は、恒例の万葉集で始めました。巻八の1440番、「春雨の しくしくふるに 高円の 山の桜は いかにかあるらむ」を朗じた後、総務大臣政務官時代に取り組んだ情報通信技術(ICT)の社会の各分野での活用のその後の展開を確認させてもらいました。病院の電子カルテ、学校の電子黒板やタブレット、交通のICカードなど、様々な物がインターネットにつながる、IoT(インターネット・オブ・シングス)時代を迎え、総務省の更なる努力にエールを送りました。

 ところで、春は寒暖の激しい時期でもあり、週明けから風邪をひいてしまい、この質問も鼻声で聞き苦しいものとなったこと、当然とはいえ、自己の健康管理の甘さを反省しています。70キロ台に乗ってやや増え気味の体重と併せて、気を引き締めなければ。

 先週末の2日(土)は、野上議員の参議院選挙が近づく折、党県連の支部長・幹事長会議があり、選対組織の打ち合わせをしました。福野支部の総会で挨拶の後、上京し、翌3日(日)は「沖縄の基地負担軽減を考える議員有志の会」の、山本一太代表ほか、議員の皆さんと沖縄本島へ出向きました。基地所在地である沖縄市、宜野湾市、浦添市の市長さん達、また、沖縄市長会の古謝会長(南城市長)、具志さん(豊見城市長)から実情を聴きました。西普天間地区が昨年春に返還されるなど、一歩づつではあれ米軍基地の返還が前進する一方、普天間飛行場の一日も早い返還が求められる事、また、将来にわたって存続する嘉手納飛行場周辺の対策など、切実な要望を受けました。また、普天間飛行場から山口県岩国飛行場へのKC130空中給油機の移駐で騒音減少の効果が挙がっている事、オスプレイ訓練の他県移行に期待するとのお話もありました。その後、党沖縄県連にて若手地方議員の皆さんとの懇談があり、改めて基地負担軽減の必要性を認識した次第です。

 沖縄から富山へ、そして4日(月)に理容組合高岡支部総会で挨拶させて頂いて上京した後は、5日(火)、総務委員会の後、本会議でTPP協定と関連法案が審議入りしました。政務調査会関係では、5日に文化GDPプロジェクトチームの2回目の会合を持ち、富山でお世話になった伊東順二東京藝術大学特任教授に文化を活かした地域イベント(金屋楽市等)や富山ガラス美術館での経験を下に、文化で地域を元気にし、経済的に活かして行く必要性をお話し頂きました。6日(水)の2020年以降の経済財政構想小委は、いよいよ「次世代へのメッセージ」の原案を皆さんに示し、今回も活発な意見交換ができました。いよいよ13日(水)には取りまとめの予定です。7日は沖縄振興調査会で、今年度の政府の骨太方針に沖縄の振興策をどのように記述するか、事業の進捗状況を踏まえて意見交換しました。5月下旬の伊勢志摩サミットに向け、今年は来年度の施策の準備が一カ月早まっており、いよいよ忙しくなりそうです。

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国政報告(第323号)

 いよいよ四月、国会前庭の桜も咲き始め、富山も間もなく春本番ですね。先週末も26日(土)が県立保育専門学院の閉院式27日(日)が能越自動車道氷見南インターチェンジの開通式と行事が続きました。保育専門学院は60年の歴史の間に保育士を3千余名社会に送り出し、富山県の子育て環境の充実に大きな役割を果たしました。来春開校の富山県高岡看護専門学校にバトンを渡す形ですが、関係者の方々には深い想いがあるものと察します。また、跡地が有効に活用されるように願っています。

 氷見南インターの完成で、先週の国道8号坂東立交の完成と併せ、県西部の高速交通体系は一段と便利になりました。氷見市内では4つ目のインターとなります。更に年度末に向けて、28日(月)に東海北陸道四車線化の検討会、29日(火)には5年ぶりとなる利賀ダムの検証検討会が相次いで開催され、それぞれ事業化に向けて前進が期待される情勢です。東海北陸道は、事故・渋滞防止の観点から、追い越し等の付加車線の整備から始められないか、一段の検討が求められ、利賀ダムは、検証のための代替治水対策について、公開意見募集に入る事で、一歩階段を上りました。それぞれ、県・市の皆さんとともに、野上・堂故両参議院議員と協力して実現を目指して行きます。

 これに先立ち、25日(金)夕刻には富山大学芸術文化学部の開設十周年記念懇談会26日夕刻には、JCHO(独法地域医療機能推進機構)高岡ふしき病院を支援する会が開かれ、それぞれ武山学部長、加藤院長から地域の拠点機関として頑張っておられる現状を伺いました。芸術文化学部は有為な若者の養成の場として、高岡ふしき病院は病児保育を含め住民の安心の拠点として、前途に大いに期待しています。また、ともに国の機関であることから、私自身も関心を持ち、中央省庁との関係で役割を果たして行こうと思います。

 さて、通常国会ですが、年度末の大詰めを迎えた参議院の審議が順調に進み、29日に新年度予算が成立、31日(木)には税制改正やNHK予算など、年度内に仕上げるべき案件を無事終えました。残る2カ月の会期の焦点は、TPP協定の批准と関係法律の制定で、4月5日(火)の衆院本会議で審議入りの予定です。また、日々報道されているように、来年4月に予定されている消費税の10%への引き上げの扱いを巡り、取り止めるなら衆議院解散との観測が永田町界隈でもしきりに流されています。安倍総理の最近の発言は、「解散は頭の片隅にも無く」、「消費税引上げ中止はリーマンショック級の重大事が起きない限りあり得ない」との事。私とすれば、このコメントを言葉通りに受け止め、政治を停滞させずに前へ進んでもらいたいと考えています。総務部会長として参議院選挙の公約を取りまとめ、2020年以降の経済財政構想小委の「次世代へのメッセージ」づくり、文化GDP検討PTの第2回会合など、目前の予定をしっかりこなして行きます。

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