2013年9月

国政報告(第200号)

 週1回ペースの国政報告も200号となりました。50回ごとに小冊子にまとめているのですが、151回から本号までは、私たちが野党時代の消費税三党合意の後から総選挙での与党復帰、参院選でのねじれ解消と、政治環境が大きく動いた時期でした。国が直面する課題をどのような手順で解決していくか、政権運営の手腕が問われる中、第二次安倍内閣が一歩ずつ前進し、景気と外交が持ち直してくる過程であったと思います。消費税引き上げの判断からが次の50回になりそうです。

 この間、私自身は総務大臣政務官としての活動が大きな比重を占めました。情報通信郵政分野でICT成長戦略の策定と施策化、スカイツリーへの放送波移転、日本式地上デジタル放送の南部アフリカ諸国での採用働きかけなど、得難い経験をさせて頂きました。これも多くの方々のご支援あっての事と改めて御礼申し上げます。

 20日(金)は静岡県袋井市に半日出張し、総務省の「ICT街づくり事業」での具体的な取り組みを見学させて頂きました。特産品の高級メロンやトマトの栽培にICT技術を生かす取り組み、災害時の避難所運営へのICT活用の試みなど、原田市長、豊田商工会議所会頭ほか皆さんに現地で説明頂きました。東海道の宿場町から発展し、若い世代の人口も増えている元気な市ですが、お茶を含め、地場の農業を大切にしたいとの市長さんの強い思いがモデル事業の採択につながっています。栽培環境の管理を農家の「技」からデータ化しようと、ソフトウェアづくりを担当する企業のSEさんが自らハウスでトマト栽培に挑戦する姿に感動しました。

 週末は富山で党県連支部長会議伏木の獅子舞、福岡のつくりもん祭り、西部6市の市議の皆さんとの懇談などをこなし、24日(火)、25日(水)の2日間で山陰・阪神地方に再度出張しました。初日は、島根県出雲市と鳥取県境港市で地域に密着した活動を進める郵便局を訪問しました。出雲の大社郵便局では、出雲大社の60年毎の遷宮行事に合わせ、記念のフレーム切手の販売や、観光客の皆さんのゆうパックの取り扱いで成果を挙げました。境港の水木ロード郵便局は、平成5年から市が取り組んだ「水木しげるロード」(ゲゲゲの鬼太郎にちなむ妖怪の銅像の設置等のまちづくり)の取り組みを局長さん自ら長年にわたって応援されていて、平成13年には元の「境港大正郵便局」から局名も改称されました。マンガのキャラクターが入った記念消印スタンプも、当初は可否が議論されたところですが、今ではアニメの記念切手も当たり前になるなど、先覚者のご苦労が偲ばれました。観光協会長の桝田さんは、前職の境港海陸運送の社長さんの時からの知り合いです。今では「水木しげるロード熱闘記」を出版されるほど、地域活性化の専門家に見事に転身されていて、懐かしい再会となりました。日本郵政グループの体制変更が一段落した現在、改めて2万4千局のネットワークを生かし、周囲の地域の皆さんと協力し、地域を元気にしていく役割が期待されます。山陰で頑張る2局の今後の展開が楽しみです。

 出張後半は、阪神地方のICT研究拠点を見学したのですが、その報告は次号にします。

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国政報告(第199号)

 15日(日)と16日(月)の連休が在京当番となり、宿舎で各省庁の概算要求資料を読んで過ごしていたところ、台風18号が発達を続けながら本土に上陸、気象庁から京都・滋賀・福井等の府県に大雨特別警報が出る事態となりました。テレビでは京都・嵐山を始め、各地の河川増水・浸水の模様が報じられ、被害は広範囲にわたりました。関係の皆様にお見舞い申し上げます。自治体の避難勧告等、対策も手厚かった事もあり、人的被害は最小限に留まったようです。総務省に登庁するまでには至らず、当番明けとなりました。

 これに先立つ14日(土)、JR城端線新高岡駅の起工式に出席しました。平成16年末、富山・金沢間の着工が決定する際、新幹線新駅の位置を数百メートル西に移して城端線と接続する形を高岡市役所から要請し、県・国のご理解を得る事ができたのが、今日につながっている訳です。挨拶では、関係者の一人として、御礼を申し述べるとともに、一日も早く城端線に「ピッカピカ」の新車両が投入されるよう、また、高岡駅での城端線・氷見線直通化の実現を、堂故参議院議員と一緒に頑張っていくことを誓いました。新幹線開業まで、あと1年半。多くの乗客が行き交う姿が現実のものとなるよう、地域として「おもてなし」の努力も大切ですね。

 17日(火)の夕刻に再び上京し、総務省の用務を中心に過ごしています。今月末に副大臣・政務官の一部交替が予定されており、ともかくも、この9か月の業務に一定のまとめを付けようとしています。18日(水)は、モザンビーク大使館を訪問し、マラテ大使に地デジ日本方式の採用に向け、本国への働きかけをお願いしました。私たちの7月末の現地訪問の後、8月には自民党の日本・AU友好議員連盟の国会議員の皆さんが訪問下さり、波状的な働きかけを行っています。近い将来の採用決定を期待したいものです。同日午後、省内で私が主催した「電子政府研究会」のメンバーと厚生労働省の課長ほか皆さんで、都内の飯田橋公共職業安定所と日本年金機構の千代田年金事務所事務センター(有明に所在)を訪問しました。雇用保険と年金に係る諸手続きの電子化に取り組んでおられる最前線であり、システムをどのように改善すれば職員の皆さんの事務処理の負担が軽減されるかという視点から多くの「気づき」がありました。

 7月から2か月間、職員の皆さんと精力的に取り組んだ成果は、19日(木)、遠藤政府CIO(内閣情報通信政策監)に報告・提言しました。役所の能率が上がり、国民・企業の行政手続きがスマートになり、経済成長にも寄与できる「ICT先進国」に日本が成長していけるよう、現場に立脚した不断の努力が必要です。

 同日夕刻、おそらく現メンバー最後の政務官会議が官邸でありました。20日(金)は、ICT街づくり事業に取り組む静岡県袋井市を半日訪問します。9月末の節目に向けて、全力投球で進みます。

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国政報告(第198号)

 9月も半ばに近づき、東京も暑さが和らいで秋の気配が漂っています。先月末から月初にかけ、富山では局所的な豪雨に見舞われ、関東では竜巻の被害もありました。地球温暖化が原因と言われていますが、被害に遭われた方にお見舞い申し上げるとともに、警戒情報の適切な伝達など、努力が必要と感じています。

 さて、一週間の休暇をお許し頂き、家族四人でイタリアを旅行してきました。天候にも恵まれ、歴史と自然の素晴らしい風景を目に焼き付け、良い思い出を作る事ができました。今週から総務省の業務に復帰し、国政報告も続けて参ります。特に、8日(日)未明の2020年オリンピックの東京開催決定は嬉しい知らせでした。これからの7年間、国として取り組む大きな目標がはっきりした訳で、素晴らしいスポーツの祭典となるよう、様々な努力を積み重ねる、その過程自体が、日本を元気にしていくものと思います。

 私の今週の動きは総務省での活動が主体で、12日(木)に年1回恒例の、電波産業会のメーカー各社のトップの皆さんとの懇談会がありました。省が掲げるICT成長戦略を製造・システム開発分野で実現していく大切なパートナーの皆さんで、医療、教育、インフラ管理、G空間、4K・8Kテレビなど、戦略で重点的にICT(情報通信技術)の活用に取り組む際に、様々な製品やシステムを供給頂く事となります。こちらからは、局長・審議官が出席し、8月末の概算要求に盛り込んだ施策や、3年に一度の電波利用料の見直しの考え方、研究開発の方針などを説明しました。トップの皆さんからは、オリンピック開催決定を歓迎しつつ、祭典運営にICT技術を活用すべきとの意見があり、ICT成長戦略の着実かつ迅速な実行や、情報セキュリティ対策、ビッグ・データ利用ルールの早期策定等も求められました。国の経済指標が上向き、景気の先行きに明るさが見えてきた中、メーカーに皆さんの前向きな姿勢に元気づけられる会合でした。人材育成や女性の能力活用にも話が及び、理系女子がもっと増えて欲しいとのお話しもありました。

 12日の夕刻、省内の電子政府勉強会の最終回を開催しました。勉強会の詳細は196号で報告しましたが、国民の皆さんに便利だと感じて頂け、経済活動をより円滑に低コストにする視点で、電子化に重点的に取り組むべきとの認識を一同持ったところです。併せて、業務改善の視点で、システムの統合や紙の減量化など、個々に取り組む課題もあります。最終回は、メンバー全員が感想を発表しあい、6月下旬から2カ月半、精力的に取り組んだ会のまとめとしました。参加頂いた職員の皆さん、また、他省庁から説明に来て頂いた皆さんに厚く御礼申し上げます。今後、政府CIO(内閣情報通信政策監)に報告・提言をする予定です。

 10日(火)には、立川市にある自治大学校を訪問しました。高岡市勤務の折、自治体職員の研修施設としてその存在は知っていたのですが、見るのは初めてでした。ちょうど、新たな研修コースが開講した日で、氷見・高岡市役所から参加された方や、以前から研修中の富山県庁の方にもお会いすることができました。講義も拝見しましたが、研修に励む自治体職員の皆さんの真剣な雰囲気が印象的でした。泊まり込み研修なので、自治体の枠を超えたネットワークもできる由、そんな場を提供する事も、総務省の業務の一端です。来週も、総務省の持ち場で頑張っていきます。週末は在京当番です。

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