2019年1月

国政報告(第461号)

 先週末、不覚にも、インフルエンザA型に感染してしまい、地元日程はすべてキャンセル、週明けも養生する破目になりました。昨年はB型に感染しており、今年は大丈夫だろう、という気の持ち方がまずかったです。来週28日(月)から会期150日間の通常国会を控え、改めて健康管理に心して臨みます。

 前号で岩手・富山の出張まで報告しましたが、引き続き18日(金)、19日(土)と福島県に日帰り出張しました。初日は未訪問の6市町村(いわき市・楢葉町・浪江町・南相馬市・新地町相馬市)に伺いました。原発事故で避難指示が出たのは、楢葉・浪江・南相馬の3市町ですが、住民帰還率は楢葉で5割、南相馬の小高で4割を超え、地域にも活気が出てきました。楢葉の「笑(えみ)ふるタウン」、小高の「小高ストア」など日常品を求める環境も整備されています。昨春に避難解除となった浪江町では、帰還はまだこれからですが、役場前に雪の塊があり、聞くと秋田県横手市の皆さんがかまくらを作ってくれるとの事、気持ちが温かくなりました。

 今回の訪問で承った問題意識が2点あります。帰還・復興が本格化する中で、地域の基幹産業である農業を再開させていくための圃場・施設整備を、担い手が十分揃わない中でどう進めるのか?平成32年度末という「復興・創生期間」までに公共施設の整備がどこまで済ませられ、その後はどうなるのか?という悩みです。地震・津波被災地域では「32年度末」を合い言葉にしていますが、原子力災害地域はそうはいかないことも良く分かります。復興庁設置期間終了後の取り組みの検討の主要課題の一つです。

 南相馬市では、福島イノベーションコースト構想の拠点となるロボットテストフィールドも見学し、ドローンの飛行実証実験の説明を受けました。27個のドローンを、きちんと3層の隊列を組んだ形で2千m上空まで上昇させ、雨雲等を観測しようという課題にチャレンジされており、良質の電波による遠隔制御を目指しています。原町第一小学校では、東京大学の先生方がミニ・ドローンを児童たちのプログラミング学習の教材に使った授業に取り組まれていました。イノベ構想も「肉付け」の段階に入り、今後が期待されます。

 2日目は、Jヴィレッジの全天候型施設で、読売巨人軍OBの西村選手、北選手など、ジャイアンツ・アカデミーの皆さんの親子野球体験教室の開会挨拶を務めました。サッカーのトレーニング施設であったJヴィレッジは、原発事故収束の前線基地に転用されました。廃炉作業の進展により拠点は福島第一原発構内へ移り、現状復旧工事を経て元の姿が蘇ってきました。今春、JR常磐線の「Jヴィレッジ駅」も開設され、東京オリンピック・パラリンピックに向けて更に活用が期待されます。明24日(木)は宮城県利府町のオリンピック・サッカー競技会場となる宮城スタジアムに伺います。

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国政報告(第460号)

 今週は副大臣再任以降、11回目の東北出張(今年初めて)を中心に報告します。成人の日の三連休は、中日の13日(日)が在京当番となり、12日(土)は富山に日帰りして、党県連女性部の新年初顔合わせに出席しました。堀田女性部長を中心に、東日本大震災の被災地にチューリップの球根を送り続けておられ、復興に携わる立場から御礼の挨拶を致しました。14日(月)朝に再度富山に向かい、宮腰大臣を囲む会に出席しました。長勢先生の法務大臣就任以来、久しぶりの富山県の大臣誕生は嬉しい事で、会場も華やいだ雰囲気でした。宮腰大臣は、長年取り組んでこられた北方領土隣接地域と沖縄の振興のほか、内閣府の消費者行政、少子化対策など8分野を担当されています。臨時国会も手堅い答弁で法案を成立させるなど、着実に成果を挙げておられ、大活躍をお祈りします。午後からは、高岡市鍼灸マッサージ師会となみ青年会議所の新年会に出席しました。例年に比べ、極く限られた新年会しか出席がかないませんが、公務に免じてお許し頂きたいと思います。

 15日(火)朝に高岡市民病院で年1回の健康診断を受けて上京し、16日(水)は新幹線で八戸駅まで出向いて、小林八戸市長にご挨拶しました。大震災では、青森県や茨城県の太平洋沿岸部も被災しており、住まいの再建など復興事業が実施されています。八戸も水産業関係施設等に大きな被害が出ましたが、既に製造品出荷額が震災前を上回るなど着実に前進しています。続いて南に進み、岩手県沿岸部の北部7市町村(洋野町久慈市野田村普代村田野畑村岩泉町宮古市)の首長を訪ねました。この地域も住まいの復興はほぼ終了しており、三陸沿岸道路の平成32年度までの開通に大きな期待を寄せておられます。主力産業である漁業は、漁獲高が震災以前の水準に戻っておらず、漁業者は魚価が上がっている分だけ支えがある一方、加工業者は原料不足かつ原料高の影響で厳しい経営環境が続いています。地域としても、研究機関の協力も得ながら、磯焼け対策や、主力魚種の変更など、漁場回復を模索しています。また、人口減少下での地域の維持発展や、若者の定着策の検討など、まさに「復興から創生へ」と自治体の意識が変化していることを感じました。平成28年夏の台風10号で大きな水害に見舞われた岩泉町が、復興事業加速化のノウハウも生かし、早期に復旧を遂げておられ、安堵しました。田野畑村と岩泉町ではヨーグルトをご馳走になり、宮古市では駅前に防災機能を充実させた新市庁舎を案内頂くなど、この間の復興の歩みを実感した出張でした。翌17日(木)は、岩手県庁に千葉副知事を表敬し、岩手復興局で挨拶の後、大宮経由で富山に「出張」し、県市長会の皆さんに来年度の被災地への職員派遣の継続をお願いしました。森市長会長のご配慮に感謝しつつ、富山の皆さんの引き続きの応援をお願いします。

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国政報告(第459号)

 お正月休みを挟んで約半月ぶりの報告です。年の瀬は26日(水)に富山に戻り、各省庁の新年度予算の書類を読むなどして過ごしました。大晦日(月)のNHK紅白歌合戦の終盤、白組嵐の皆さんの歌唱の前に、メンバーが福島県飯舘村を訪れたビデオが流れました。平成29年4月に避難解除になって1年9か月、一歩ずつ復興が進む姿を伝えてくれたことを、関係者として嬉しく思いました。

 平成最後となる31年が明けて、元旦(火)は例年通り、早朝に高岡市で実践倫理宏正会の元朝式に出席し、伏木地区の賀詞交換会で挨拶しました。3日(木)まで東京で過ごして4日(金)は氷見漁港の大漁祈願祭自由民主党富山県連の初顔合わせをこなし、5日(土)が復興庁の在京当番のため、地元の各種新年会は失礼して在京で過ごしました。

 7日(月)の朝、渡辺大臣の年頭挨拶で復興庁での今年の仕事が始まりました。昨年末の大震災による避難者数は53,709人で、1年前より約2万3千人減ったものの今なお仮設住宅や避難先で新年を迎えざるを得なかった方々が数多くいらっしゃいます。大臣からはこのことにも思いを致し、改めて現場主義で被災地の課題解決を通じ、復興を前進させるよう指示がありました。私からは、大伴家持卿が詠んだ万葉集最後の歌、「新(あら)たしき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)」を朗唱し、雪が降り積もるように東北に良い事が沢山あるように念じ、努力していくことを誓いました。

 この一週間は、例年ならば地元での新年挨拶回りが主体となるのですが、今年は東京で、来週以降の現地出張の打ち合わせなど進めています。年末には復興庁の所管する事務・事業を対象として「復興・創生期間後も対応が必要な課題の整理」が取りまとめられています。3月に予定される「「復興・創生期間」における東日本大震災からの復興の基本方針」の見直しに向けて、平成32年度末の復興庁設置期限後の国の組織・制度の在り方を議論していかなければなりません。担当の宮城県など、地震・津波の被害が主の地域では、コミュニティや生業の再生や教育の充実など「ソフト事業」のニーズが強く残っています。一方、原子力発電所事故の被害が主の地域では、希望される住民の帰還など復興はハード・ソフト両面で「道半ば」の現状です。農林水産品や観光面での海外の風評が残存しており、福島第一原発の廃炉作業もまだまだ先の見えない状況です。放射性廃棄物の処理の問題は、福島県以外の県でも依然として解決されていない課題です。この現状にどう対処していくのか、また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを「復興五輪」として実のあるものにしていくために何を為すべきか、自問もしながら、頑張っていきます。本年もよろしくお願い致します。

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