2014年11月

国政報告(第258号)

 いよいよ明日、21日(金)に衆議院が解散されます。前号でも述べたように、あれよあれよという間に、ほんの一週間余りでの激変です。18日(火)の夜、安倍総理の記者会見があり、消費税の10%への引き上げを平成29年4月に1年半先送りする事、景気を優先して増税の時期をずらす点を中心に国民の皆様の信を問うべく21日に衆議院を解散する事の表明がありました。

 国対の一員とすれば、置かれた状況下で議案の審議を進め、一本でも多く案件を成立させる観点から、解散が19日(水)から2日間後になった事で大いに助かりました。とりわけ、審議の出口である参議院の議院運営委員会で与党筆頭理事を務める野上議員は大活躍で、この間に成立させる法案は20本を超える勢いです。その中には内閣提出のものだけでなく、空き家対策、リベンジポルノ被害防止、サンゴ礁密漁対策等、喫緊の社会課題に即応して全会は一致して起草された議員立法も含まれています。私も、今187国会で国対・議運の現場を深く経験させて頂き、与野党の議員が対立するだけではなく、立法府として対処すべき課題に一致協力して臨む場面に立ち会え、国会と言う場所の奥深さを学んだように思います。

 先週からは、議事進行係の出番も多く、周囲の先輩議員の叱咤と激励を受けながら、徐々にそれらしい声が出るようになってきました。18日の本会議では、2回目の動議で、出足に力を入れ過ぎ、「望みまーす。」の最後が息切れし、不本意な形になってしまいました。皆さんには暖かく受け止めて頂いたものの、何とか挽回したいと思ううち、どうやら今国会にはこれ以上の出番が無いようです。

 今回の解散では、与党に戻ってからの第2次安倍内閣の政権運営の中間評価を問う事になると考えます。アベノミクスでデフレ経済からの脱却を目指しながら、財政再建を進め、社会保障・税の一体改革に取り組んでいる事、日米関係の再構築から近隣諸国との外交を建て直し、世界各国を訪問して2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致に成功した事、東日本大震災からの復旧・復興に取り組んでいる事など、この2年間の歩みを総括し、「日本を取り戻す」という私たちの2年前の公約が確かに実現に向かっているか、チェック頂く訳です。その上で、消費税再引き上げを1年半遅らせる事で、公約達成の時間軸を引き延ばす事についても審判頂く事になります。

 私自身については、この間、総務大臣政務官、党総務、党国対副委員長として行政・立法活動に取り組み、経験を積ませて頂いた事に感謝しております。引き続き、「地方から始まる新しい国のかたち」に込めた初心を忘れず、射水・小矢部・砺波・南砺・氷見・高岡6市の発展と、全国津々浦々が活力に満ちた確かな日本の国づくりのため、国政の場で働かせて頂けるよう、選挙戦で訴えて参ります。15日(土)にお招き頂いた公認会計士協会富山支部の皆様、16日(日)の第三選挙区女性部研修会に参加頂いた皆様、そして講師を務め、激励頂いた高階恵美子厚生労働大臣政務官・参議院議員に御礼を申し述べ、本号をもって、2期目の最後の報告と致します。

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国政報告(第257号)

 突然の「解散風」に戸惑っています。9日(日)の報道以来、あれよあれよという間に各紙の1面トップの記事となってしまいました。もっとも、最終決断を下す安倍総理は外遊で不在のため、関係者の憶測が先走っている感もあります。

 先週末は、8日(土)に高岡の有志の皆さんが1250年余り前に大伴家持卿が越中国司の任を終えて上京された旅を追体験するイベントに奈良市で合流しました。現地の万葉集ファンの皆さんとの交流会に参加して深夜に高岡に戻り、9日(日)は小矢部市長選の桜井市長の出陣式に出席しました。無事、無投票で三選を果たされ、新幹線とアウトレット・パークの開業を活かして、市政を一段と進展させられる事を期待しています。その後、福光で太美山自治振興会の皆さんが中心となって成し遂げられた「山崎少年の刀利谷」の出版記念式典でお祝いを述べ、空路で羽田に向い、夜は国会訪問に上京された党小杉連合支部有志の皆さんと夕食懇親会を持ちました。

 明けて10日(月)からは、ただならぬ解散ムードの中、国会対策委員会として、議案の審議を促進に努め、11日(火)の本会議では法律案5件を可決、参議院に送付しました。現状は、派遣労働者法案、女性活躍促進法案など数件を除いて大方衆議院での審議が終了し、30日(日)の会期末に向けて参議院に焦点が移る所です。

 さて、解散をどう考えるか、です。私が直接経験した解散は2年前の今月ですが、衆議院の任期が3年3か月経過しており、消費税を8%、10%と2段階引き上げる法案を当時の民主・自民・公明3党で合意、成立させ、衆議院の定数を0増5減した上で、国民の皆さんに信を問うものでした。任期を2年以上残しての解散は、最近では平成15年8月の「郵政解散」に例がありますが、その前は昭和55年の「ハプニング解散・ダブル選挙」まで遡ります。総選挙に臨む訳ですから、何について信を問うかがポイントです。第2次安倍内閣が発足して2年弱、経済成長、外交の展開など着実に成果は挙げてきていると思います。しかし、来年10月の消費税10%引き上げの是非の判断はこれからで、TPP交渉、原発再稼働、沖縄の基地移設など決着していない重要課題もあります。近日中の解散となると、これらの問題の帰趨が見えぬまま、何を評価の対象とし、何について民意を問うのか、整理が必要です。最低でも、消費税10%への引き上げについて、何らかの判断が必要と考えます。

 当初の予定通り、来年10月に引き上げるか、経済情勢を勘案して時期を1-2年ずらすか、選択肢はあり得ますが、ただ引上げの判断を先延ばしするだけでは、民意の理解は得づらいと思います。解散の目的は何か、国民の信を得て何を成し遂げようと志すのか、その整理なくして現時点での解散はあり得ないというのが私の見方です。どうあれ、目前の国会運営に汗をかきつつ、来週の安倍総理の帰国後のご判断を待ちたいと思います。

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国政報告(第256号)

 11月に入り、富山では黄葉が一段と鮮やかになり、東京でも銀杏が黄色く色付き始めました。臨時国会も折り返し点を過ぎて会期末まで後3週間余、国対メンバーとすれば、最後の法案の仕上がり具合が気になるところです。先週末は、1日(土)に南砺市発足十周年記念式典に参列し、3日(月)の文化の日は、南砺菊祭の開会式の後、岐阜4区の金子一義代議士のお声掛かりで、高山市での支部女性のつどいで講師を務めました。目下、「地方創生」が内閣の掲げる重大テーマとなっていることから、国が地方再生のために為すべき事は何か、という問題意識で話をさせて頂きました。

 自民党が野党に転落した平成21年夏の総選挙では初当選が4人だった事、小泉代議士と同じ日に同じ委員会で初質問に臨み、自己紹介で万葉集の一首を披露した事、それが続いて今回本会議の議事進行係を仰せつかった事をお話しし、思わぬ所に地域をPRするネタがあるものだと申し述べました。以前、栃木県連の政治学校で講師を務めた経験はありましたが、県外でしっかりした話をする機会はこれが初めてで、随分緊張しましたが、良い経験でした。ちなみに、小生の富山3区では、16日(日)に高階恵美子厚生労働政務官をお招きして女性の集いを予定しています。

 3日の夜に上京し、4日(火)、6日(木)の本会議にて、内閣提出法案が地方創生法案を含めて都合10本程度可決、参議院送付となり、今国会の先行きもようやく見通せるようになりました。衆議院では閣僚2人の辞任ショックを克服して審議を粛々と進めています。既に、人事院勧告を踏まえた国会公務員の給与改正法案や福島第一原発事故に伴う放射能汚染廃棄物の中間貯蔵施設の建設法案など、重要法案も逐次参議院に送付しており、派遣労働者法案や女性活躍促進法案を残すのみとなりつつあります。

 一方、国全体の課題については、消費税の10%への引き上げの是非を巡る意見聴取が始まっています。既に先週末、日銀が一段と金融緩和を深彫りし、一時は株価が1万7千円台、円相場が1ドル115円台となるなど、経済環境を整える努力を重ねているようです。米国中間選挙ではオバマ大統領率いる民主党が敗北し、週末から中国・北京で行われるTPP閣僚交渉への影響が焦点となっています。安倍総理はAPEC、G20など重要会議に出席のため、9日(日)から17日(月)まで外遊の予定であり、近隣諸国首脳との会談が注目されます。さらに、九電薩摩川内原発の再稼働について、宮沢経済産業大臣が現地入りされ、鹿児島県議会の判断が7日(金)にも出る見込みです。沖縄県知事選挙は16日(日)が投票日であり、党では仲井真知事の応援に全力を傾けています。30日(日)の会期末に向けて、私ども国対としては各案件の成立に万全を期すとともに、国の直面する課題の着実な解決を願いつつ、日々の動きに対応していきます。

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