2022年4月

国政報告(第622号)

 今号は2週まとめて地元と東京の報告です。富山では、16日(土)朝、高岡市伏木の大伴神社にて、恒例の「大伴家持卿献花祭」を顕彰会長として主催しました。午後からは南砺市で党城端支部上平支部の総会に出席し、翌17日(日)は党利賀支部平支部の総会にも出席しました。昨年秋の総選挙の御礼と併せ、夏の参議院選挙での野上浩太郎議員への支援をお願いしました。南砺市土地改良区の設立記念式典にも出席し、旧町村の5改良区の大同団結に敬意を表しながら、当面の課題である農地整備事業の早期着手に向け、国・県が連携し、知恵を絞って努力することを誓って挨拶しました。

 23日(土)朝は高岡市伏木の勝興寺での「高岡茶会」にお招き頂き、春の到来を寿ぐおもてなしに、「玉くしげ 二上山に 鳴く鳥の 声の恋しき 時は来にけり」と、万葉集の朗唱で御礼に替えました。次いで高岡市射水神社の春の例大祭に参列し、富山市で第70回党県連定期大会に出席しました。参院選に向けた選挙対策本部の設置が承認され、総括責任者を仰せつかりました。4選を目指す野上議員は、この6年間に官房副長官、農林水産大臣と要職を歴任され、我が国が当面する課題を克服・前進する上で、中央政界に必要不可欠な存在です。ご本人のスローガン、「地方から日本を立て直す」に沿い、富山と日本の未来のために支援を呼び掛けます。夕刻、高岡市の党福岡支部射水市の党大門支部党砺波市連合支部の総会と、続けて出席しました。コロナウイルスの影響下、感染対策を取って3年ぶりの開催に漕ぎ着けたこと、嬉しく思いました。

 一方、国政の当面する課題は、引き続き、コロナ、ウクライナ、原油価格・物価高騰です。コロナウイルスについては、第6波が収まり、北海道、沖縄など一部地域で第7波にも見える感染再拡大が見られるものの、東京・大阪など大都市圏の感染者数は漸減傾向が続いています。3回目のワクチン接種者が6500万人と国民の半数を超え、65歳以上では87%に達した効果が表れていると思います。政府は引き続き60歳以上の方々等の4回目接種を進め、徐々に社会経済活動の回復を図っていく方針です。ロシアのウクライナ侵略は2か月を超え、同国東部地域の戦線の動向が焦点となっています。民間人の死傷者が多く出るなど、深刻な状況であり、欧米諸国と足並みを揃え、ロシアに制裁を課しながら、撤兵を粘り強く求めなければなりません。原油価格・物価高騰については、本24日(火)、補正予算の編成を含む総合緊急対策が決定されました。これら当面する諸課題に機動的に対応することが今の岸田内閣に求められる使命だと考えます。

 22日(日)、北海道知床半島で観光船が遭難し、11人が死亡、15人が今も行方不明となっています。亡くなられた方にお悔やみ申し上げ、事故の原因究明・再発防止を強く望みます。

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国政報告(第621号)

 18日(月)、19日(火)と、党東日本大震災復興加速化本部から福島県浜通りに出張しました。額賀福志郎本部長、谷公一事務局長に、事務局長代理として随行、2度目の復興副大臣を令和元年9月に退任以来、2年半ぶりの訪問でした。今回は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により避難を余儀なくされ、帰還困難区域に指定された地域が所在する6町村(葛尾村・飯舘村・双葉町・富岡町・大熊町・浪江町)を訪ねました。平成29年の制度改正により、区域内に特定復興再生拠点区域が設けられ、除染、家屋解体等の整備が進められ、この夏から来年にかけて避難指示が解除される予定です。また、これらの町村では、先立って、避難指示解除準備区域や居住制限区域が避難解除されており、概ね5~6年経過した今の時点での復興の進捗状況を確かめる目的がありました。さらに、拠点区域外の帰還困難区域についても、昨年夏の与党提言を受けて希望者の家屋や周辺について解体・除染を実施し、2020年代のうちに帰還が可能となるよう国が整備する方針が出ています。これについての現地の受け止めをしっかり聴きたい思いもありました。

 初日の朝、前泊した郡山市から葛尾村に入りました。最近、村外からの移住者が百人を超え、住宅の手当てが課題とのこと。実際に首都圏から移住し、移住・定住支援センターで働いている方々の話を聞くと、豊かな自然の中でゆっくり流れる時間が気に入ったとのことでした。飯舘村では拠点区域の長泥地区にて除染で発生した除去土壌を再生資材化して盛土する事業現場を見ました。線量が5千ベクレル以下の土壌を利用し、覆土の上、農地として利用します。実際に栽培した作物の放射能濃度は基準値を大きく下回っているそうです。双葉町では、夏の避難解除に向けて急ピッチで整備が進む駅前で伊澤町長、伊藤議長ほか皆さんと会いました。発災から12年目にしてようやく帰還が始まる訳で、まだまだ課題は多いものの、前向きの表情を見せて頂けました。

 浪江町で宿泊し、2日目は富岡町からの訪問で、桜の名所、夜の森地区で避難解除に向けて準備宿泊中の方の話を聞きました。防犯対策など要望もありましたが、町内に勤務されているので行き来が楽になると期待されています。大熊町では大野駅周辺の整備現場といちごの栽培工場を訪れました。帰還後3年経った大川原地区の農地が格段に綺麗に整備されているのが印象的でした。最後に浪江町で震災遺構として整備された旧請戸小学校、稲作再開を支えるカントリーエレベーター、県産材を活用する大型集成材工場を訪問し、地域を支える農林業の復興の進捗を実感しました。

 この間、各町村長、議長の皆さんからは、これから意向確認を進める帰還困難区域の住民について、希望者が安心して戻れるよう、除染・解体に前広に取り組んでほしいとの要望がありました。途中、未だ帰還できない方の家屋に立ち入らせて頂きましたが、居間の床が湿気で腐って穴が開いている状態など、厳しい現場に触れ、少しでも早い対応を、との思いを強くしました。

 帰路、福島県庁で内堀知事に面会し、現場の実情を踏まえてさらに復興を加速化すること、国際研究教育拠点構想の実現に取り組むことなどを話し、二日間の日程を終えました。今号は、福島出張の報告のみとし、地元と東京での活動報告は次号に譲ります。

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国政報告(第620号)

 先週末はぐっと気温が上昇し、25度を超えて「夏日」になりました。地球温暖化の影響で、平均気温が上昇するとともに、気温の高低差が激しくなると言われていますが、その通りで、富山の桜もあっと言う間に満開となり、春爛漫を感じさせられました。

 先週は、6日(水)、8日(金)と定例日に文部科学委員会が開かれ、教員免許の10年更新制を発展的に解消し、研修を充実する法案を審議、可決しました。平成19年に導入された本制度は、免許更新の際に講習を義務付けることで、教員に学びの機会を与えることを目的としていました。大学等で様々な講習メニューが提供され、「多様な学び」という点では成果もあったものの、教育現場が繁忙を極める中、講習の負担感も強く訴えられてきました。離職された教員が免許更新の手続きを取らない事で、臨時任用ができず、育休等の教員不足に対応できない現状もあり、更新制を廃止することになりました。一方、教員が多様な学びに取り組む環境は大切にしようという目的で、個々に研修記録を作成し、校長との面談等を通じ、多様な研修受講を促していくことになりました。採決の際の附帯決議では、学びの機会を無理せず設けられるよう、引き続き、教員の働き方改革を進めること等を政府に求めました。

 また、6日夕刻、党政調の社会的事業推進特別委員会を開き、京都信用金庫の榊田理事長から課題解決に取り組む事業者を職員が応援している現状を伺いました。令和3年の銀行法改正により、地域の金融機関が社会的事業の支援を業務として取り組みやすくなったこともあり、支店ビルの地域活動への開放など、京都信金の活動は先駆的事例と言えます。地域金融機関は地域のコミュニティ・マネージャーとなるべき、という榊田理事長のお考えを受け止め、委員会としても、個々の社会的事業を支援するプラットフォームの重要性を提言に盛り込んでいこうと思います。

 週末の地元では、9日(土)に対話集会の5回目を砺波市中野地区で開催し、瘧師県議、小西市議にも参加頂いて地域の多様な課題を語り合いました。空き家対策の強化、地域公共交通の確保、野焼きの是非など身近な問題から、コロナ対策、プラスチックごみの問題など国レベルの話題まで、皆さんに多様な関心があるのだと感じました。月一回ペースで取り組んでいますが、気付かされた疑問点は役所に照会するなど議員活動の糧とし、政策を通じた地域へのフィード・バックにも努めます。10日(日)には、野上参議院議員の農林水産懇話会新春講演会に出席し、挨拶で夏の参議院選挙への支援をお願いしました。

 内政・外交は、引き続き、コロナウイルス(第7波か?)、ウクライナ侵攻、諸物価上昇の3点が焦点であり、党の緊急対策立案など情報収集に努めて参ります。

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国政報告(第619号)

 新年度に入り、地元では3日(日)、高岡市の平米小学校と定塚小学校が統合した高陵小学校の開校式がありました。先週の閉校式は、それぞれ百年以上の伝統を持つ学び舎が歴史を終える寂しさがありましたが、今度は新たな校旗、校歌の下、歩み始める意気込みと期待を強く感じました。「ともだちのうた」と題する新校歌には校名や地域が無く、人間を大切にする歌詞と現代的な曲調で、児童の皆さんにとっても新鮮な応援歌となるものと思います。

 1日(金)の夕刻、奈良市にて「2020年以降の経済社会構想会議」を開催しました。平成28年、小泉進次郎議員始め当時の党内若手有志議員で立ち上げた勉強会が元になったこの集まりも7年目を迎え、初の地方開催を試みました。メンバーの議員が15人参加し、奈良県選出の佐藤啓参議院議員の支援者を中心に、約50人の若い世代の方々を交えて意見交換しました。テーマは、「2030年を目指して我々は何をすべきか」で、これまで「人生100年時代」の社会保障、国会改革、外交など勉強、発信してきた私たちが、さらに未来にどう立ち向かっていくか、想いを語り合いました。私は最年長ということもあって、「会長」を務めさせて頂いていますが、40歳代が主力の皆さんの問題提起・政策実現への意欲に、いつも啓発されています。併せて、奈良は万葉集ゆかりの地であり、挨拶の中で、「あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり」(巻三、328番)を朗唱しました。会議は、事務局で準備したアプリ「slido」が潤滑油の役割を果たし、奈良の出席者の皆さんも積極的に発言されて地方創生、環境、政治改革などを論点に盛り上がりました。感謝の想いを込めて、締めのご挨拶では、「しき島の 大和の国は 言霊の 幸はふ国ぞ ま幸きくありこそ」(巻十三、3254番)を朗唱し、感謝に代えました。

 思い起こすと、奈良には大学卒業を前にした年末に旅し、明日香の古京の跡も散策しました。今回は冒頭に詠んだ万葉集の通り、桜が満開の時節で、後ろ髪を引かれながら、北陸路を急ぎました。

 内政外交は、緊張感ある展開が続いています。ウクライナでは、ロシア軍がキーウ周辺からは撤退したものの、東部地域への攻撃を強めています。トルコ等が仲介する低背の交渉が続いているものの、ロシア軍の動向には油断は禁物で、引き続き、国際社会が一致して撤兵を求めるべきと思います。コロナウイルスは、第6波が収まる一方、新たな感染拡大の芽も見られ、3回目のワクチン接種が急がれます。幸い、高齢者の8割強、全人口の4割強が接種を済ませており、重症化リスクを下げながら、感染予防と社会経済が両立するよう、対策をシフトしていくべきと考えます。さらに、原油価格や物価の高騰等への緊急経済対策の策定に党としても意見しつつ、私も通常国会の後半を持ち場で頑張っていく所存です。

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