2022年10月

国政報告(第647号)

 臨時国会が3日(月)に召集されてから3週間経ち、通例の予算委員会での総理所信演説を受けた質疑が昨24日(月)で終わりました。21日(金)には、私の所属する文部科学委員会を始め、各委員会で一斉に所管大臣の挨拶を受け、今日(25日(火))から順次質疑に入る段階で、昨日夕刻、山際経済再生担当大臣が岸田総理に辞表を提出するに至りました。この間、旧統一協会との関わりに次々と新事実が発覚し、その度に、記憶は無いが事実と認めて謝罪する対応が続き、納得しづらい状況でした。辞任はやむを得ないと思いますが、国会審議への影響を最小限に留める必要があります。文部科学委員会では明26日(水)の質疑を無事こなしたい所です。

 国政の目下の重要課題は、第8波が懸念されるコロナウイルス対策、ウクライナ情勢への対応、そして円安・物価高対策の3点です。このため、内政面では「新たな総合経済対策(仮称)」を月末までに策定し、これに基づき補正予算を編成、来月後半に国会に提出する見込みです。昨日、党政務調査会全体会議で全体像が示され、明日も意見聴取があるそうです。当面の緊急対策としてガソリン価格に加え、電気、ガス料金も国費で抑制するなど、エネルギー・食料品(飼肥料含む。)等に的を絞った価格高騰抑制策を打ち出す予定です。輸入物価を左右する円相場は、1ドル150円近辺まで円安が進み、年初から35円、30%程度切り下がっています。先月下旬から政府は為替介入により、過度な変動を抑える努力をしていますが、日米間の金利差が広がる傾向にある以上、しばらくは厳しい状況が続きそうです。足元の物価対策と併せて、個々人の賃金の上昇、さらにはそれを容易にするよう、経済全体の成長を促す施策が欠かせません。今回の対策では、科学技術・イノベーション、スタートアップ(起業)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の4分野に重点を置いて、官の投資を加速し、それを呼び水として民間投資を大胆に喚起する事としています。対策の実施を通じて、投資と分配の好循環を実現し、我が国の経済力を高めていければ、と思います。

 先週の19日(水)、富山から松村謙三顕彰会の皆様が上京され、先生ゆかりの地を巡り、関係者との懇談会を持たれ、出席しました。次いで、22日(土)には、愛知県半田市で3年ぶりに全国山・鉾・屋台保存連合会の総会があり、会長として出席しました。コロナウイルスの影響により祭礼の催行も中止・縮小を余儀なくされてきた厳しい時期を耐え、今、地域社会の礎として、改めて自らの祭りの大切さを痛感した仲間達が集い、明日への活力を分かち合いました。23日(日)は、氷見市議会議員選挙に立候補された同志の皆さんを激励した後、高岡市選出の針山健史県議の後援会総会に出席しました。来春の統一地方選の勝利に向けても努力します。

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国政報告(第646号)

 12日(水)、高岡市伏木地区の勝興寺の本堂・大広間・式台について、文化財審議会から国宝指定の答申が出されました。四半世紀に及ぶ平成・令和の大修理を経て、見事に蘇った本堂・庫裡が、歴史的価値を認められ、県・市内で二つ目の国宝に指定される事となり、嬉しく思います。修理費用の大本は国の高率補助に依りましたが、地元の自治会の皆さんも永年にわたって負担しておられ、いわば、皆で汗をかいて皆で得た地域のかけがえのない宝です。

 なかでも、当初から物心両面で事業を牽引された故竹平栄次さん、地元のまとめ役を務められた故山崎孝之さんに深く感謝しています。私にとっては、2004(平成16)年の本堂竣工に市長として立ち会えたことが忘れられない思い出です。また、2006(平成18)年度の文化庁の公募に応じて、「近世高岡の文化遺産群」を世界遺産の候補として提案した際にも、瑞龍寺、前田利長公墓所、高岡城跡とともに勝興寺を重要な構成要素に位置付け、磨き上げに務めてきただけに、目的地にまた一歩近付いた思いがします。

 広域的にとらえれば、市内の瑞龍寺、国泰寺、南砺市の瑞泉寺、善徳寺といわば、「越中五山」とも言える素晴らしい寺院が点在し、富山湾に面する氷見や射水(新湊)の水辺の景観、砺波平野に広がる散居村の景観と一体的にとらえられそうです。その中で、国の重要無形民俗文化財である射水・城端・高岡の曳山祭など多彩な活動が繰り広げられる県西部地域の文化観光面での価値向上をもたらすのでは、と期待します。地域内を結ぶあいの風鉄道・城端線・氷見線・万葉線などの活性化ともつながりそうです。さらに視野を拡げて、加賀藩の前田家縁の文化財と見れば、金沢など石川県側との周遊観光も厚みが増すなど、夢が広がります。これからは、夢を形に、そして皆で築いてきた地域の宝を大切に、と思います。

 国会は、週明けの17日(月)から衆・参各2日間の予定で予算委員会が開かれており、物価高対策、旧統一教会問題など内外の重要課題を巡って議論が進んでいます。岸田内閣は令和6年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに集約する方針を打ち出したのに続き、旧統一教会についても、宗教法人法上の質問権を行使する旨、表明しました。私としては、相次ぐ決定について、実務面での詰めが十分なのか心配しており、議員の立場で所管の役所に確認し、混乱が無いように努めようと思います。

 国宝指定に盛り上がる週末の地元では、14日(金)にNHK富山放送局の新局舎竣工式、15日(土)に(公財)高岡市シルバー人材センターの40周年記念式典、16日(日)に高岡市伏木万葉ふ頭バイオマス発電所竣工式に出席しました。また、高岡市吉久地区の「さまのこアート」下関地区の「八丁道おもしろ市」も訪ねました。コロナウイルスを乗り越えた催しが増えるよう念じます。

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国政報告(第645号)

 地球温暖化の影響もあるのか、長い夏の後は、気温が急降下し、膝掛けが欲しくなるような三連休になりました。この間、地元ではまず、8日(土)に万葉祭りに併せた大伴家持卿顕彰祭に出席しました。今年は小矢部市や氷見市でも、万葉集や大伴家持の故事を大切にして地域づくりを進める方々に会いました。今月は東京都港区でも万葉集の集いがあり、案内を頂いています。改めて日本最古の歌集の生命力に想いを馳せ、その編者とも言われる家持卿への感謝の気持ちを挨拶で述べました。午後には氷見市市制施行70周年と芸術文化館の竣工を併せての記念式典に参列しました。

 9日(日)は、南砺市福光・太美山地区の獅子舞を観覧しました。これは、金沢福光連絡道路期成同盟会を構成する金沢市湯涌地域と南砺市福光地域との交流行事としてお招き頂いたもので、石川県の馳知事、小森代議士、田中南砺市長ほか皆さんとご一緒しました。この催しは2年前に企画されましたが、コロナウイルスの影響で延期されていました。子供たちから高齢者まで、皆さんが天狗、獅子、笛、太鼓など役割を分担し、力を合わせて能登地方から伝わった伝統の獅子舞を賑やかに演じて下さり、大いに盛り上がりました。

 10日(月)朝、党県連の支部長・幹事長会議が開催され、7月の参議院選挙の総括などが議題となりました。私は、挨拶の中で党員の皆さんのお力添えによって、野上県連会長始め比例区議員が数多く当選できたにも拘わらず、その後、旧統一教会問題等で岸田内閣への支持率が低下していることをお詫びしました。今後は物価高対策など、適切な政策の遂行により、地道に評価を高めていく事が大切で、現下の臨時国会での努力が肝心と考えています。

 今週に入り、党選挙制度調査会・総務部会の合同会議で、衆議院小選挙区の定数配分を、令和2年国勢調査の結果に基づき10増10減とする公職選挙法改正法案の審査を11・12(火・水)日の2日間で行い、了承されました。私は、調査会事務局長として司会を担当しました。議論の中で、地方を代表する議員が減ることは深刻であり、人口のみをもって議席を配分することは問題であるとの認識が強く示されました。しかし、数次にわたる最高裁判所の違憲状態判決に対応して今回の議席配分方式(アダムズ方式)が立法された経緯を踏まえ、将来に向けて望ましい制度構築の議論を党としてしっかり進めることを条件に、法案を了承頂きました。また、議席配分に併せ、当然ながら選挙区の区画が大幅に改定されており、このことを該当する地域にしっかり説明することも強く求められました。富山県については、小選挙区の数・区割りに変更はなく、比例区の北信越ブロックの定数が11から10に減ります。

 12日、高岡市伏木地区の勝興寺の本堂・大広間・式台について、文化財審議会から国宝指定の答申が出されました。次回に触れます。

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国政報告(第644号)

 10月に入り、ようやく朝晩も涼しく、秋らしくなりました。3日(月)、第210(臨時)国会が召集され、12月10日(土)まで69日間の会期で内外の諸問題を議論していきます。冒頭、岸田総理の所信演説があり、物価高・円安への対応、構造的賃上げの実現、成長のための投資と改革、コロナ対策、子ども対策、安全保障など当面する諸課題への対処方針が示されました。選挙制度については、衆議院選挙区を10増10減とする公職選挙法改正案を「速やかに提出する」と言及されました。これを受け、5日(水)、6日(木)と衆院の代表質問が予定されています。先月30日(金)には、閣議にて総合経済対策立案の総理指示があり、さらにこれを実行する補正予算も会期中に編成・提出される見込みです。

 ロシアのウクライナ侵攻をきっかけとするエネルギー価格の高騰と円安によって、輸入品から始まって物価上昇が多くの品目に波及しており、現状は3%近い状況となっています。為替相場は1ドル145円近辺まで進み、先月下旬には久しぶりに政府の為替介入が発動され、この水準で維持されています。原因は内外の金利差とされており、インフレが激しい欧米諸国で中央銀行が逐次金利を挙げている一方、我が国の日本銀行はゼロ金利の金融緩和を続けています。これは、我が国経済では未だ成長と家計所得の循環が十分ではないとの判断によるもので、かねて課題となっている持続的な成長、物価上昇、そして何よりも個々人の給与・所得の向上を実現させるまでは金融緩和を続けるとの方針に立つものと思われます。よって、当面の円安は避けられず、物価高による国民・事業者の影響を緩和する足元の対策と、成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」を実現する政策の強力な推進が求められる現状だと考えます。

 現下の経済社会においては、DX(デジタル化の推進)、GX(脱炭素化の推進)、スタートアップ(起業・成長の支援)が焦点であり、地方創生の面でも目指すべき方向は同じだと思います。ガソリン・電気代の高騰を緩和する現在の政策は、短期的には意味がありますが、長期化すると市場経済をゆがめ、財政負担も深刻になります。よって、早期に我が国経済を成長軌道に乗せ、企業に賃上げ余力を持たせる事が肝心で、今回の経済対策に期待するものです。

 週末の地元では、1日(土)に小矢部市市制60周年記念式典射水市の放生津曳山祭、2日(日)に砺波市の陸上自衛隊富山駐屯地60周年記念式典高岡市の松楓殿展示拡張セレモニーに出席しました。コロナウイルスの感染者数減少が続き、各種行事が次第に活発に実施され、参加される皆さんの表情も明るく感じます。また、来春の統一地方選に向け、米原蕃県議筱岡貞郎県議の後援会会議に出席し、両先生の出馬表明を聴きました。この後、今週の永田町では、選挙制度調査会での法案審査に当たっていきます。

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