2017年9月

国政報告(第398号)

 25日(月)午後6時からの記者会見で安倍総理は28日(木)、臨時国会の冒頭で衆議院を解散する旨、正式に表明されました。このため、本号が私の3期目の国政報告の最後となります。

 平成26年12月からの2年9か月、第三次安倍内閣を支える与党の一員として、党国会対策委員会副委員長、党政務調査会総務部会長、復興副大臣の職務を通じ、地域の発展と国の直面する課題の解決に努力してきました。この間、地元では北陸新幹線が開業し、新高岡駅には臨時便の形ではあれ、速達タイプの「かがやき」の停車が継続しました。6つのまちが協力し、全国で初の分散型の連携中枢都市圏を結成し、国の認めるところとなりました。綿貫先生、野上・堂故参議院議員始め皆さんの協力で、東海北陸自動車道の県内区間で四車線化事業が始まり、利賀ダムも本体工事へと事業を推進する事に決まりました。石井知事、各市長、県市議会議員を始め地域の皆さんとともに未来への夢を描き、高速交通を生かした新たな地域づくりに向けて、確かな手応えを感じつつ前進できました。

 国政では、政府・与党が「日本を取り戻す」という初心を貫き内政・外交両面で実績を積む中、私の持ち場では、本会議の議事進行係として安全保障法制の採決に立ち会ったこと、総務部会長として年末の党税制調査会で地方自治体の立場で意見を述べたこと、復興副大臣として東北に38回出張し、被災地の皆さんと復興推進に努力したこと等、多様な経験が積めました。文化財を活かした日本遺産や「文化GDP」の提言、財政再建特命委員会で小泉進次郎議員と「人生100年時代」を打ち出した事、北海道・沖縄の振興に関わったことなど、国政の様々な局面に立ち会う機会を得ました。この間の選挙区の皆様のご理解とお支えに厚く御礼申し上げます。

 この夏からは副幹事長・選対事務局長として、10月22日(日)に予定されていた衆議院3選挙区の補欠選挙に取り組もうとした矢先でしたが、まずは自らも総選挙に臨みます。25日の20分間の総理発言では、平成31年10月に予定通り消費税を10%に引き上げるものの、使途については既定の社会保障充実(1兆円程度)に加え、新たに子ども・教育関係(大学授業料の減免等、3~5歳児の保育所・幼稚園無償化、0~2歳児保育の所得制限付き無償化)に2兆円程度を充てる事が提案されました。財政再建の観点からは、年4兆円の改善額が2兆円に留まることになります。2020年の財政収支均衡目標の達成は困難ですが、少子高齢社会に対応すべく社会保障を全世代型に転換する方針は適切と考えます。このことを中心に信を問う総選挙ですが、最近の政治に対する不信感を払拭できるよう、私たち審判を受ける者も今一度初心に立ち返る機会だと痛感します。この点、努力することもお誓いし、今期最後の報告とします(9月27日(水)、議員会館にて記)。

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国政報告(第397号)

 地元で三連休を過ごしている内に、にわかに解散・総選挙の情報が報道で溢れ出し、週明けの19日(火)には28日(木)召集予定の第194国会(臨時会)冒頭での解散が検討されていると明言される状況に至りました。平成26年11月の解散の時も突然の新聞報道から事態が展開した経験もあり、この三連休に何も無ければ解散は遠のくとは思っていましたが、現実の動きになるとまさに「あっ」という間に流れが加速していく事に戸惑っています。

 先週に話を戻して、前号を綴った直後の15日(金)には再び北朝鮮がミサイルを発射し、我が国上空を超えて北海道東方沖に着弾しました。我が国の対応についての考えは前号の通りで、「粘り強く原則を堅持」していくべきです。日本外交とすれば、安倍総理が出席中の国連総会でさらに国際世論を高めなければと思います。

 富山に戻って16日(土)に高岡市の射水神社の秋季例大祭に出席した後は、台風18号の影響を心配しながら、報道されてくる永田町の動きを注視して連休を過ごしました。県内の被害は大きくなかったものの九州地方など被災された皆様にお見舞い申し上げます。

 18日(月)夜に上京し、19日(火)朝の党役員連絡会では、二階幹事長が、安倍総裁より「衆院の早期解散を検討しており、22日(金)に国連総会から帰国した後、最終判断する」との指示を伝達され、「解散となれば、全員当選の気概で頑張ろう」と結ばれました。現状では10月10日(火)公示、22日(日)投票の日程が最有力で、臨時国会は、与野党で合意している北朝鮮非難決議を行った後の解散を想定して検討されているようです。夏の人事で幹事長室に配属されて一か月、役割分担が決まってようやく始動しようという時期ですが、解散となればまずは選挙を戦うことが最優先です。20日(水)の定例の選挙対策委員会役員会でも、総選挙を想定して各県連に公認申請を依頼する事に決まり、後は総裁の決断を待つのみの態勢になりました。

 さて、解散となれば公約を掲げて信を問わなければなりません。自由民主党とすれば、「日本を取り戻す」との平成24年冬の総選挙の公約が基本です。これに安倍総理の提起されている憲法改正、特に現行第9条の下での自衛隊の明文化や、子育て・教育充実のための財源確保の方策など、今日的課題への対応を含めた公約案が、岸田政務調査会長を中心に検討・作成されるようです。私とすれば、経済成長と財政再建を両立させる立場から、2020年度のプライマリー・バランス黒字化の目標は堅持してほしい所です。さらに、通常国会を通じて問題となった政治家への国民の皆様の不信感を払しょくし、疑念には個々が説明責任を果たして政治への信頼を取り戻す姿勢も強く打ち出さなければなりません。急転する事態に緊張感を持って臨み、来週を迎えようと思います。

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国政報告(第396号)

 北朝鮮は、8月29日(火)のミサイル発射、9月3日(日)の6回目の核実験と、ここのところ国際社会への挑発的な行為が続いています。我が国も安倍総理が米・中・ロ・韓など各国首脳と協議し、11日(月)には国連の安全保障理事会が追加制裁を全会一致で決議しました。ここ数か月でにわかに緊張が高まってきており、日本外交とすれば近隣諸国と協調しながら北朝鮮の態度を変えさせるよう、粘り強く努力を続けなければなりません。今回の制裁措置には石油の輸出制限も盛り込まれ、一段と厳しいものとなりましたが、やむを得ないものと思います。総理は13日(水)から15日(金)の予定でインドを訪問中で、両国首脳はこの問題についても意見交換された由、19日(火)からの国連総会出席につながる動きです。毎週火曜の党役員連絡会議(副幹事長も全員陪席します。)でも、北朝鮮問題が逐次報告されています。

 一方、臨時国会は総理の国連出張後の25日(月)の週の召集と言われており、目玉案件とされる厚生労働省の「働き方改革法案」の与党審査も始まりました。残業時間の制限、短時間・有期・派遣労働者の正規雇用者との待遇の均衡など使用者側への規制を強化する一方、裁量労働制の拡大や高度専門職労働者の規制弾力化が盛り込まれており、後者については一部野党や連合の了解が得られていない状況です。法案は各産業の職場の実態を踏まえ、連合の主張も取り入れて練り上げられた内容であり、国会での丁寧な議論を通じて成立を図るべく努力していきます。

 地元では、7日(木)に元参議院議員の河合常則先生が逝去され、10日(日)の通夜に参列しました。私が8年前に国会に出る際、選挙でも身体をかけて応援頂き、東京でも党の会合などで気さくに声をかけて下さるなど大いにご指導頂きました。この春、ユネスコの無形文化遺産登録を記念した全国山・鉾・屋台保存連合会総会が南砺市城端で開催された折には、各地からの参加者を温かくもてなして頂き、先生ご自身もとても喜んでおられたのが、私には最後の思い出となりました。ご冥福をお祈りし、先生の地方活性化に注がれた情熱を範として一段と努力して参ります。

 このほか、10日には南砺市井波で4年に一度の全国連句大会の開会式に出席し、高岡市美術館では銅器・漆器職人の皆さんが出品される巧美会展も拝見しました。東京でも、12日(火)は女子美大で高岡出身の洋画家嶋田しづさんの個展、14日(木)は金沢市への移転が決まっている東京国立近代美術館工芸館での特別展にも伺い、「芸術文化の秋」らしい一週間でした。この間、新年度予算要求関係の各省庁レクも受け、党政調では14日には水産総合調査会の活動もスタートするなど、徐々に臨時国会に向けてエンジンがかかってきています。新しい持ち場で頑張っていきます。

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国政報告(第395号)

 9月に入りましたが、東京は残暑も感じさせない涼しい日が続いています。引き続き、天候不順が心配されます。

 先週は8月30日(水)夜に地元に戻り、31日(木)は毎年6市回り持ちで開催している党第三選挙区支部の「ふるさと対話」を氷見市で行いました。石川県選出の山田修路参議院議員に出張をお願いし、農業関係を城飯久保公民館漁業関係を水産センターと、2会場にて参加された皆さんと語り合いました。農業についてはイノシシの被害が深刻で、柵の設置や個体の捕獲に対する補助の継続など対策の一段の強化を求めるご意見を頂きました。山田議員が国の鳥獣被害対策についてまとめた資料を持参下さり、新年度の予算要求でも1.5倍の要求額となっている旨、お知らせしました。来年度から米の生産調整が廃止され、10アール当たり7500円の直接支払交付金が無くなる点にも不安の声が挙がりました。我が国の米の需要量が当面年8万トンづつ減少する見通しが変わらない中、自主的な生産調整の継続や、ハトムギなど転作作物導入の努力で需給を均衡させ、「富富富」のような単価の高い高級米のブランドを確立することが必要だとお答えしました。

 漁業については、国際的にクロマグロの資源量回復のための漁獲量制限のルールが合意されている中、定置網にどうしても入ってくるクロマグロの水揚げ高が制限値を超えてしまい、休漁を余儀なくされる問題が出されました。ここでも山田議員の資料により、まき網と定置網の割当量を調整するなど支障が出ないよう国も努力している現状をお話しました。気候変動の影響等により、富山湾内の漁獲量全般が低迷していること、消費者のし好の変化により水産加工品への需要も落ちていることなど、地場で抱える悩みも率直に聴け、活路を見出す努力をしなければ、との思いを強くしたところです。

 1日(金)は南砺市井波で木彫刻コンクールの開会式2日(土)は私の母校である高岡市立志貴野中学校の校舎新築工事竣工式3日(日)は万葉線電停のドラえもんラッピングの披露式(公社)富山県鍼灸マッサージ師会の結成70周年式典と行事が続きました。週明けの4日(月)に上京し、今週は8日(金)まで5日間と、通常ベースの東京滞在に戻りました。5日(火)は副幹事長会議、6日(水)は選挙対策委員会と、新役職の定例会に出席しました。先月末に参議院の人事も固まり、衆参揃っての「顔合わせ」となりました。副幹事長の分担も決まり、私は選挙と党組織を担当することになりました。当面は10月22日(日)投票日の3選挙区での衆院補選での勝利が課題です。また、6日(水)は県立高岡支援学校、7日(木)は県立高岡高等支援学校の生徒の皆さんが国会を訪問してくれました。これらの傍ら、新年度予算概算要求内容のレクを各省庁の担当課から受けながら、臨時国会に備えています。

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