2017年5月

国政報告(第381号)

 5月も下旬になって、気がつけば樹々の緑はすっかり濃くなり、梅雨の走りのような湿気の多い天候になってきました。国会では、先週19日(金)に衆院法務委員会で組織犯罪等防止法案が可決され、23日(火)の本会議で可決、参議院送付となり、衆院に残る主な懸案は、ご退位法案と衆議院の選挙区改正法案となりました。このほか、性犯罪罰則強化のための刑法改正、受動喫煙対策法案もありますが、来月18日(日)の会期末に向けてどこまで扱うのか、会期の延長の可否も含め、国対など関係者の判断によります。

 私の富山での活動は、20日(土)朝一番の新幹線で新高岡駅に戻り、朝10時から北陸新幹線新高岡駅「かがやき」停車実現期成同盟会 総会に顧問として出席しました。本年1月、3月とホテルが開業した効果もあって、新高岡駅の乗降客数は、2月以降は他の駅よりも有意に増加しており、地域の皆さんの頑張りと、質的な変化を重ねて、秋以降の臨時便の定着化を目指したい所です。午後には高岡市地区赤十字奉仕団連絡協議会 創立20周年の記念講演として、東日本大震災からの復興の現状と課題を話す機会を頂きました。次いで21日(日)は、第39回越中大門たこ祭りの開会挨拶党高岡市連 総会高岡市長選に向けた高橋市長陣営の選対会議地域女性ネット高岡の総会党利賀支部 総会福岡支部 総会と、終日行事が続き、射水・高岡・南砺の3市を車で巡って過ごしての、22日(月)の上京と相成りました。

 先週に引き続き、復興庁の業務にて24-5日(水-木)と宮城県に出張しました。まずは仙台から東松島市に向かい、4月の選挙で初当選された渥美市長にご挨拶し、次いで3期目の当選を果たされた石巻市の亀山市長を訪ねました。それぞれ、地震・津波の甚大な被害から着実に復興を進めておられ、残された課題・新たなまちづくりへの想いを聴かせて頂きました。復興庁としても、住宅などハード施設の整備を急ぎ、コミュニティの構築や産業・生業の再生をきめ細かく支援する方針です。ついで、塩竈市に入り、内形副市長始め県・市の皆さんのご案内で浦戸諸島(桂島、野々島、寒風沢島、朴島の4つの有人離島)の復興事業の現状を見ました。浦戸諸島は、日本三景・松島の一部を構成する島々で、松島湾の湾口部を占めています。交通手段は市営汽船により、塩竈港・桂島間に23分を要します。被災地一体で様々な復興事業が展開する中、離島での工事には、資機材の運搬コストなど本土とは異なる難しさがあり、入札しても落札者がいない場合が間々あって、事業の進捗に遅れが出ないか、懸念されるところもあり、我が目でも実情を確認しようと思って伺った次第です。すでに災害公営住宅は完工しており、集落道、波止場、防潮堤、農地復旧など残された事業も、工事の組み方を工夫して順次落札を目指す方針を伺いました。4島の人口は、大震災の影響もあって300人台となっていますが、野々島には小中一貫教育を推進する浦戸小中学校があり、島外からの通学も認める特認校として、42名の児童・生徒が学校生活を送っています。島には郵便局や診療所もあり、大震災を乗り越えて頑張っておられる方々がここにもおられるのだと、意を強くしました。

 仙台へ戻って一泊し、25日朝は、宮城復興局にて宮城県の河端副知事の訪問をお受けした後、宮城県市長会の奥山会長(仙台市長)、菊地副会長(多賀城市長)、大友副会長(角田市長)からのご要望を伺いました。30年度予算での施策にも反映させていきます。

 また、今週は23日に官邸にて第9回アイヌ政策推進会議が開催され、菅座長(官房長官)の下、座長代理として議事を進行させて頂きました。国立アイヌ民族博物館の開館日を平成32年4月24日(金)とすることが決まり、建設等の作業を加速していきます。

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国政報告(第380号)

 先週12日(金)に参議院本会議で福島復興再生特措法改正案が可決成立したことで、復興庁での業務は現地に出張して課題を把握することにシフトしました。今週は早速、17-8日(水-木)と宮城県気仙沼市に伺い、菅原市長、熊谷議長始め皆さんの案内で、復興事業の現場を見て回りました。南気仙沼地区、鹿折地区の区画整理事業有人離島である大島震災遺構に整備予定の旧気仙沼向洋高校校舎増築中の魚市場などを訪問し、以前に比べ復興が着実に進展していることを実感しつつ、被災時そのままの旧校舎では津波の破壊力のすさまじさを改めて痛感しました。市街地から大島への架橋事業も3月に橋上部分の据え付けが終わり、白色のアーチが一際目立っており、さらに三陸自動車道の橋脚も湾内に姿を現しています。気仙沼魚市場は、三陸屈指の漁獲量・漁獲高を誇っており、マグロ、サメ、養殖のホヤ、ホタテなど様々な魚が水揚げされ、一部は海外から成田空港経由で陸送されて取引されていました。災害公営住宅も間もなく全て竣工の予定で、仮設住宅の取り壊しも進み、市街地の整備が目に見えてきています。応援職員の確保など、市から出された要望は東京に持ち帰り、順次対応していきます。

 また、先週は北陸新幹線を利用して、高岡市立南星中学校、五位中学校、牧野中学校の3校の3年生の皆さんが修学旅行で来京、国会を見学に訪れてくれました。さらに、山本徹県議と支持者の方々、県連女性部の皆さんなど、富山から来訪される方が途切れることなく続き、嬉しい気持ちで対応させて頂いています。

 一方、通常国会は会期末まで後一か月となり、衆議院の各委員会での案件処理が急がれる所、懸案の組織犯罪等防止法案の法務委員会での審議終局・採決を目前に、民進党など野党から金田法務大臣の不信任決議案が提出され、18日の本会議で否決されました。先の鈴木法務委員長の解任決議案に続く野党側の動議ですが、実務の責任者である刑事局長の答弁を殊更に避けて、大臣にすべてを答えさせるという民進党の戦術には、審議を尽くす観点から疑問を感じます。入口の手続き論で抵抗することで、敢えて審議を深めずに法案を廃案にしようという姿勢は、立法府の法案審査機能を否定するもので、過去に野党の立場も経験した私には賛成できません。ともかく与党側としては、明19日(金)の委員会採決、22日(月)の本会議上程の日程で進む方針です。

 先週末は、13日(土)が在京当番、14日(日)の朝一番のかがやき・つるぎ号で富山経由新高岡に戻り、山東昭子先生をお迎えしての松村謙三先生の精神に学ぶ会の講演会、さらに党第三選挙区支部の総務会に出席しました。ついで、南砺市にて才川議長の政治生活15周年祝賀会に顔出しし、高岡にて地元定塚校下連合自治会の総会・懇親会に出席しました。東北の被災地では、住居の移転に伴うコミュニティの再編、いわば「ご近所力」の再構築が課題となっている折、自分のお世話になっている校下の皆さんに感謝です。来週も状況が許せば、東北・被災地に出向きます。

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国政報告(第379号)

 ゴールデン・ウィークが終わり、早くも梅雨の走りのような雨模様の日もある東京ですが、国会審議も動き出し、10日(水)には参議院の東日本大震災復興特別委員会にて福島特措法の審査を終え、可決されて12日(金)の本会議に上程されることになりました。復興庁も吉野新大臣のもとで仕事を軌道に乗せていきます。なお、福島県浪江町の帰還困難区域の十万山で発生した山火事は、発生12日目の10日に鎮火に至りました。乾燥した天候が続いた事も災いし、75haの森林が焼失、また、連休中にもかかわらず消火活動に携わられた消防・自衛隊の皆様にもお見舞い申し上げます。

 さて、連休中の4日(木)、南砺市城端にて全国山・鉾・屋台保存連合会の全国大会が催され、文化庁の宮田長官ご出席の下、昨年12月にユネスコ無形文化遺産に登録された33団体それぞれに認定書が交付されました。私は会長職を仰せつかっているのですが、副大臣在任中は職務執行を久喜会長代行(秩父市長)にお願いしているため、交流会のみ出席しましたが、念願の登録実現で大いに盛り上がる大会となりました。石井知事、高橋高岡市長、村椿魚津市長始め県内関係者に出席頂き、地元の田中南砺市長、大西実行委員長、河合常則先生、岩田元城端町町長など皆様の心温まるおもてなしに会員一同感謝しています。残雪がうっすらと残る南砺の山々に抱かれた「越中の小京都」、城端の街に絢爛な屋台とともに情緒豊かな庵唄が響いた夜の風情は、全国各地からの参加者の良き思い出となりました。

 6日(土)に上京し、7日(日)の在京当番を務めて週明けを迎えました。国会は、8-9日(月-火)に衆参の予算委員会の集中審議があり、今村前大臣の辞任に伴う混乱は収拾され、10日の法案採決に至りました。一方、組織犯罪処罰法案を審議している衆院法務委員会で提出された鈴木委員長の解任決議案は、9日夕刻の本会議で否決され、12日(金)から審議再開の予定です。来週には天皇陛下御退位の特例法案も内閣から提出される見込みで、会期末まで5週間余となった現在、まずは各法案の審議を着実に進め努力を積み重ねる時期と思います。

 東北とは別案件ですが、10日朝には党の沖縄振興調査会・美ら島(ちゅらしま)議連の合同会議があり、議連の一員として出席しました。来年度予算に向け、6月に作成される骨太方針に、沖縄県として盛り込むべき事項について翁長知事から要望があり、その中で懸案となっていた米軍から返還された西普天間地区への県立普天間高校の移転について、前向きに検討する旨、表明がありました。昨年まで調査会事務局長として取り組んでいた課題に前進が見られ、政治に携わらせて頂いている者としての幸せを感じた瞬間でした。そんな思いを東北の復興でも持てるよう、精進して行きます。

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国政報告(第378号)

 暦ではゴールデン・ウィークの後半5連休の最中で、富山からの報告となります。先月29日(土)に福島県浪江町の十万山で発生した山火事が、帰還困難区域ということもあって5日目に入り、地元の皆さんや自衛隊ヘリも加わっての消火活動が続いています。お見舞い申し上げ、鎮火を念じています。なお、福島県によれば、付近の放射線量の値には大きな変化が無い由、報道の通りです。

 前号で記したように先月26日(水)に吉野新大臣が就任され、27日(木)に宮城・福島、1日(月)に岩手の県知事にご挨拶に出向き、1日と2日(火)で宮古市から名取市まで、三陸沿岸の被災地を視察しました。2日には安倍総理も南三陸町から合流され、新体制の始動を後押し頂きました。一方、28日(金)には、衆参の復興特別委員会が開催され、前日の大臣の所信的挨拶を受けての質疑が2時間づつ行われました。同日、延び延びとなっていた本会議も両院で開会し、法案の処理を進めることができました。これで復興庁が原因となって停滞していた各委員会の審議が正常化したものの、2日の衆院法務委員会で委員長解任決議案が出て、連休明けの本会議で処理される予定です。波乱が大きくならなければ、8日(月)、9日(火)の衆参予算委員会での集中審議の後、参院復興特委で、福島復興再生特措法改正案の審議が再開される見込みであり、今度こそ成立するよう努力していきます。

 私の業務としては、29日に宮城県に出張し、「震災遺構仙台市立荒浜小学校」の開所式内覧会に出席しました。荒浜地区では地震・津波で180人余の方が亡くなられ、地区の防災拠点であった小学校では児童や住民320人余の方が避難し、翌日までに救助されました。校舎の一階、二階には津波が押し寄せた痕跡が残り、ベランダのコンクリートが巻き上がったままになっています。当時、廊下に自動車がひしゃげて押し込まれた写真もあり、津波の威力を伝えています。四階には震災前の小学校の様子や、800世帯が暮らしていた地区のジオラマが展示されており、移転を余儀なくされた地域の皆さんの思い出が詰められています。震災の恐ろしさと防災・避難の大切さを後世に伝える震災遺構は、写真・映像を含めて被災地各地で整備が進められており、復興庁も支援しています。

 仙台駅を12時半に出発し、東北新幹線・北陸新幹線と大宮経由で乗り継いで、新高岡駅には16時過ぎに到着し、夕刻、高岡市福岡町で川島県議の後援会の場で復興の現状と課題について講演する機会を頂きました。午前中に荒浜地区で見聞きしたことをそのまま富山の皆さんに伝えることができ、東北の今を知り、想いを寄せて頂く手掛かりになってくれれば幸いです。

 30日(日)に再び上京し、1日は在京当番で高岡の御車山祭の巡行を見ることはかないませんでしたが、2日から6日(土)までは富山で過ごす予定で、南砺市城端で開催される「全国山・鉾・屋台保存連合会総会」の交流会に参加するなど、連休明けの業務再開に備えて充電します。

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