2023年5月

国政報告(第677号)

 5月も末となり、梅雨の走りのような天候の下、通常国会も会期末まで3週間余となって、参議院を中心に法案審議が進んでいます。

 先々週に戻って、19日(金)に衆院文部科学委員会が開かれ、一般質疑を行い、次いで24日(水)に仙台市で視察した「ナノテラス」に係る法案を審議・可決しました。週末の地元では、20日(土)朝、高岡市伏木地区の曳山祭りの出発式に出席しました。コロナウイルスの影響を受け、4年ぶりの「フル開催」となり、文化庁の補助も使って修復された各山車が威勢良く曳き回され、夜には山車の心棒同士をぶつけ合う恒例の「かっちゃ」も行われました。

 同日、高岡市でモンゴル国名誉領事館の開設式が大使ご出席の下、開催されました。県内で初めての外国領事館の誕生を祝って藤重名誉領事ほか皆様にご挨拶しました。午後からは、県トラック会館で19回目のミニ対話集会を開催しました。県トラック協会の勝山会長ほか皆さんと、「2024年問題」と言われる令和6年度施行の「働き方改革」によるドライバーの労働規制措置の導入を目前に、必要な対策について意見交換しました。高速道路料金の夜間割引の時間帯を変更する案について、運行形態によっては影響が出ること、平成30年の議員立法によって暫定的に導入された荷主への働き掛け措置や標準的運賃表の期限を延長してほしいことなど、要請を受けました。このうち、期限延長については、今国会で議員立法により実現するべく努力している旨お答えしました。夕刻には党上平支部の総会に出席しました。翌21日(日)朝は第三選挙区支部総務会があり、4月の県議選で当選された15人の県議会議員の皆さんを中心に、県立高校の学科の在り方など地域課題の検討も含めて活動していく旨、方針決定されました。

 週が変わって、23日(火)朝、東京では北陸新幹線建設促進大会が開催されました。大会には京都・大阪府知事を始め、新田知事を含めて沿線各府県知事が本人出席され、明年春の金沢・敦賀間開業を踏まえ、敦賀・新大阪間の早期の工事認可・建設に向け、強力に取り組んでいくことを誓い合いました。アセス手続きが遅れたことから、今年度予算では事業推進調査費として12億円強が計上されており、用地の実態把握や施設の設計検討など、通例は着工後に行う調査を前倒しして進めることになっています。私たち与党関係議員も、高木毅座長の下、PTを組織して事業を後押ししており、引き続き努力して行きます。

 26日(金)党財政健全化推進本部にて、今年度の予算編成に向けた報告、「民間主導の経済成長につながる財政運営実現に向けて」を取りまとめました。既存の財政運営目標(2025年度のプライマリーバランス黒字化)は変えずに、成長分野への支出重点化で税収を伸ばし、収支を改善していく方針を提言しています。

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国政報告(第676号)

 17日(水)に宮城県、22日(月)には新潟県へ行ってきました。本号はその報告を主にします。

 17日は衆院文部科学委員会の法案審議の対象となる次世代3GeV高輝度放射光施設、「NanoTerasu:ナノテラス」の視察に日帰りで仙台市に出向きました。往復は東北新幹線のはやぶさを利用し、片道90分と改めて時間距離の短さを感じました。この施設では、光速近くまで加速した電子の軌道を磁場によって曲げた際に放射される電磁波(軟X線)を用いて物質の微細構造が解析できます。医学、生命科学を始め幅広い産業分野に成果を応用できるものと期待されています。法案は、この施設を兵庫県に所在する特定放射光施設「Spring-8」と「SACLA」、スーパーコンピュータ「富岳」、茨城県に所在する特定中性子線施設「J-PARC」に続いて国の「特定先端大型研究施設」に位置付け、学術・産業の広範な目的に共用できるようにしようとするものです。ナノテラスは仙台郊外の東北大学青葉山キャンパスに建設されており、リングの長さが349mと巨大な円形構造の建造物に設置されています。整備手法も、これまでの国単独ではなく、「官民地域パートナーシップ」として、国の研究開発法人、東北大学、宮城県、仙台市、東北経済連合会などが資金を出し合う手法が取られています。東日本大震災からの東北の復興の一翼を担う役割もあり、施設所在地の東北大学も最近、研究教育面での評価が高まっており、視察に応じて下さった大野総長始め関係者の前向きの意気込みに、委員一同感銘を受けた次第です。法案は24日(水)の委員会にて全会一致で可決されました。

 次いで、21日(日)に新潟で前泊し、22日に細田健一衆議院議員に同行頂いて佐渡島を日帰り訪問しました。目的は、「佐渡島の金山」の世界遺産登録を目指す党PT座長としての現地見学です。往復はジェットフォイルに乗り、海が凪いでいて片道60分強の快適な移動でした。佐渡市の伊貝副市長ほか文化庁、県の方々にお世話になり、登録を目指す主要構成要素である「西三川(にしみかわ)砂金山」、「相川鶴子(あいかわつるし)金銀山」を訪問しました。最初に、ガイダンス施設として整備された「きらりうむ佐渡」にて採掘の歴史と精練・小判鋳造に至る技術の蓄積について詳しい説明を受けました。近代科学が未発達の、鎖国状態の我が国でこれだけの洗練された手法が生み出されたこと、江戸幕府の佐渡奉行所が主導する鉱山開発のために全国各地から人々が移住し、多様な生活文化が今日に伝えられていることに認識を新たにしました。さらに、相川金山の坑道や西三川砂金山野採取場跡を見学し、遺構の把握・保全に努められていることを確認しました。新潟に戻って、県庁で花角知事に面会し、今後、登録に向けての国・県・市の連携された取り組みを党としても応援する旨お伝えし、日程を終えました。

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国政報告(第675号)

 8日(月)にコロナウイルスの扱いが5類に変わり、丸3年余りでようやく社会経済活動を元に戻す軌道に乗りました。9日(火)には高岡市立五位中学校、10日(水)には同志貴野中学校、伏木中学校の生徒の皆さんが修学旅行で国会を訪ねてくれました。一時は見学者も殆どいなかった議事堂にも児童生徒が戻ってきました。東京の前に宮城県石巻市を訪ね、東日本大震災で大きな被害を受けた同市の門脇小学校、大川小学校の震災遺構を見学してきた学校もありました。北陸・東北新幹線を活用した旅が可能になった事を改めて認識しつつ、富山から東北の被災地を訪ね、学習に生かそうという取り組みを、復興に携わる一人として嬉しく思いました。

 五月晴れにつつじが輝く爽やかな日と、寒の戻りのような小雨の日が交錯する中、文部科学委員会の運営、議員立法の準備、6月に予定される「骨太の方針」に向けた政策提言等に携わる毎日です。

 9日には沖縄振興調査会のヒアリングがあり、沖縄でスタートアップ(起業)に取り組む大学人と若者女性のお話を伺いました。さらに11日(木)には社会的事業推進特別委員会を開催し、社会課題の解決を目指す社会的起業を促進するための今年度提言を取りまとめました。提言は、1)施策ユーザーに向けた関連施策のプッシュ型での普及広報、2)地域における人材育成・活用支援による良質な雇用創出と地方への人材還流、3)資金支援の継続・改善の3つの柱からなり、16日(火)の党政策審議会で了承頂きました。

 10日の午前は衆院文部科学委員会にて日本語教育機関認定法案を審議、可決しました。我が国で生活する外国人の留学、就労、日常生活など多様な日本語ニーズに対応して適切な教育が提供できるよう、日本語教育機関の認定制度や、日本語教師の資格登録制度を設けるものです。今国会の文科省関係法案は後1本となりました。 同日、党県連の米原会長代行ほか新役員が上京され、党四役ほか幹部への挨拶に同行しました。先月の県議選でも堅調な成績を収めた事にねぎらいのお話を頂きました。28日(日)の県連大会を契機に、野上会長を中心として一層の党勢拡大を目指します。

 11日朝、党物流調査会で全国トラック協会から要請された貨物自動車運送事業法改正案が了承されました。来年度からの働き方改革に伴う労働時間規制に対応し、事業者の適正な経営を維持するため、荷主対策の特別措置(国土交通大臣の荷主への勧告権、標準的な運賃)を当分の間継続しようとするもので、議員立法により、今国会成立を目指します。

 地元では、13日(土)に、かがやき新高岡駅停車実現期成同盟会党利賀支部の総会に出席の後、富山市でG7教育大臣会合夕食会に参加しました。14日(日)は、角田高岡市長後援会党平支部小杉支部の総会と、県西部を駆け巡る週末でした。

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国政報告(第674号)

 ゴールデンウィークの終盤の5日(金)、自宅で携帯電話の地震通報音が鳴り、程なくいつもより大きな揺れを感じました。石川県珠洲市で震度6強、私の住む高岡市でも震度4を記録した地震でした。夜10時前にも震度3の余震を感じました。被災された能登地域の皆様にお見舞い申し上げるとともに、今後も警戒が必要との事で、お互いに心したいです。6日(土)夕刻から雨が降り出し、気温がぐっと下がった中、8日(月)の朝の上京となりました。

 今年の連休は、8日からのコロナウイルスの5類移行を目前に、各地の祭礼も概ね元の姿で催行されるなど、社会経済活動の回復が進んでいる印象です。砺波市のチューリップフェアが35万人を超える入込みとなり、連休中の北陸新幹線の利用もコロナ前の水準に近づいたそうです。この間、私も1日(月)高岡御車山の勢揃い式、5日(金)の城端曳山の庵唄の所望と、楽しませて頂きました。

 一方、岸田総理はアフリカ4か国訪問の後、7日(日)から韓国を訪問され、4月の尹大統領訪日に続き、12年ぶりにシャトル外交が復活しました。東日本大震災からの復興に関連して、東京電力福島第一原発から出るトリチウム主体の処理水の海洋放出につき、韓国からの視察団を23日(火)に受け入れることで合意されました。この問題については、国際原子力機関(IAEA)のレビューで科学的な安全性が確認されつつありますが、視察を通じて韓国側の理解が進むことはより好ましいと思います。さらに、12日(金)からはG7教育大臣会合が富山市・金沢市で予定され、翌週には広島サミットが開催されるなど、我が国外交の展開が期待されます。

 通常国会は、予算案に続いて重要法案の審議も進み、民間における脱炭素成長型経済を目指した技術開発・設備投資の取り組みをGX債で応援するGX法、マイナンバーカードと健康保険証を一体化させるマイナンバー法改正法に続き、難民申請の取り扱いなど出入国管理を適正化する出入国管理法改正法も本日(9日(火))の衆院本会議で可決され、参院に送付されました。ここからは、参院の審議が焦点で、外交日程も立て込む中、内閣提出法案を確実に仕上げるよう、野上国対委員長を中心に取り組まれることになります。

 党の政務調査会では、6月に政府が決定する骨太の方針に盛り込むべき事項を念頭に各調査会で提言の取りまとめ作業が進んでいます。私が委員長を務める社会的事業推進特別委員会でも、11日(木)には提言を仕上げ、翌週の政策審議会への報告・承認を目指しています。若者世代でも挑戦する方が増えている起業(スタートアップ)を官側から如何に支援するか、昨年に引き続き、2度目の提言となります。8日からは衆議院本会議の密を避ける交互の出席調整も終了し、本会議前の代議士会(議員総会)も3年ぶりに再開されました。新たな気持ちで残り会期に臨んでいきます。

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国政報告(第673号)

 今年のゴールデンウィークは、8日(月)のコロナウイルスの5類移行を目前に、3年ぶりに内外で多くの人々が旅行に出かけるようで、ようやく以前の日常が戻って来るようです。連休明けには、衆議院の本会議の出席制限も終わり、我が党も、会議前に代議士会で議事の確認をした上、揃って会議に臨むスタイルに戻ります。既に、海外からのインバウンド旅行者が順調に増えてきているようですが、今後は富山の観光地にも多くの入り込みが期待できそうです。

 さて、先週の4月26日(水)、衆院文部科学委員会で日本語教育機関認定法の審議に出席した後、「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会」(倫選特)の自由討議で、党を代表して選挙制度についての意見を述べました。党選挙制度調査会事務局長の立場で、郵便投票ができる対象者を現行の「要介護度5」の方から「3及び4」まで広げること、選挙運動期間に特定の候補者の落選を呼び掛ける「落選運動」を規制することなど、提案しました。有権者の方々の投票の機会を拡充すること、選挙運動をより公平公正に行えるようにすることを念頭に、調査会の総意を国会の場で披露でき、後は各党の合意で立法化に結び付けば、と願っています。

 一方、地方議会の成り手不足解消のため、党総務部会のPTで取り組んできた諸施策についても前進を見ました。昨年末の臨時国会で議員立法により、議員の兼業禁止を緩和(自治体から年間300万円までの請負事業を容認)しましたが、28日(金)、内閣提出の地方自治法改正法案が成立しました。PTの提言も受けて、第33次地方制度調査会から答申された内容に沿って、地方議会・議員の機能や職務が明文化されました。議会は、自治体の「重要な意思決定に関する事件を議決し、並びにこの法律に定める検査及び調査その他の権限を行使する」と規定されました。そして、「議会の権限の適切な行使に資するため」、自治体の「議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない」とされました。地方議会・議員の位置付けを明確にすることで、住民の理解が進み、中小団体における議員報酬の在り方や、地方議員の厚生年金への加入など、様々な成り手不足対策の前進につながればと思います。

 27日(木)には党財政健全化推進本部の新しい資本主義実行本部との合同会合もありました。財政は民間資金の回転(投資・消費)による経済成長の実現を目指し、効果的に執行されるべき(ワイズスペンディング)であり、経済成長と財政健全化が税収の増加を通じて好循環するよう、政策選択をすべきとの立場で、数回ヒアリングが行われる予定です。一方、今春の春闘は3%台以上の賃上げが中小企業にも及んでおり、賃金と物価の好循環も期待されます。

 30日(日)、地元高岡市伏木地区の勝興寺で国宝指定書の伝達式が行われ、出席しました。今後、更なる活用を念じます。

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