2014年8月

国政報告(第246号)

 普段の8月末なら残暑厳しい折ですが、前線が本州上に停滞し、富山も東京もすっきりしない天候の下、気温の低い日が続いています。広島では局地的豪雨による土砂崩れで大きな被害が出ました。亡くなられた方のご冥福をお祈りし、局地気象の予測と的確な避難指示方法について、更に改善すべきと痛感しています。

 週末の23日(土)、党県連の富山政治学校にて「政治家の心構え」というテーマで1時間の講話を担当しました。宮腰県連会長から市長の経験も踏まえて、と依頼頂き、平生は余り思い至らない心構えというものを、今更ながらに考える機会を頂きました。身の回りの事であれ、国の課題であれ、「こうしたい!」という志を大切に、関係者との議論など、丁寧なプロセスを踏んで粘り強く努力していく事が基本だと、まとめてみました。

 24日(日)に福光南部地域の後援会で国政報告をさせて頂いて25日(月)に上京、前号の報告の通り、26-7(火―水)と衆院東日本大震災復興特別委の視察で北海道の奥尻島を訪ねました。平成5年7月12日に発生した北海道南西沖地震で地震と津波に襲われ、200人近くの死者・行方不明者を出す甚大な被害に見舞われた島は、20年余の歳月を経て、再び豊かな自然の中の暮らしを取り戻しています。新村町長、田中副町長、竹田元総務課長さんに案内頂き、高台への集団移転、防潮堤など災害の教訓を生かした復興の過程を伺いながら現場を見て回りました。住民の皆さんの多様な意見をまとめていくご苦労、また、住居の目途がつき始めるとともに、住民の不安・不満が解消されていった経過など、東北の被災地のヒントになるお話を幾つも頂きました。他方、地震発生当時5千人近かった島の人口が今では3千人を割り込み、島の活力が失われつつある厳しい現状にもあります。復興にかけた費用の効果を疑問視するマスコミの見方もあるそうですが、平穏な生活に戻れた被災者のお一人お一人の過ごした時間の価値が何よりも尊いのでは、との竹田さんの意見が心に残りました。東北の被災者の皆さんも、来年には仮設住宅を出る事のできる方が増えてきます。復興の実を挙げ、加速する事、私たちの委員会の大事な役割です。

 東京に戻ってみると、北陸新幹線の開業が来年3月14日(土)に決定したとの知らせが入っていました。ただ、最速列車である「かがやき」が新高岡駅に一本も停車しないとの決定は、正直ショックでした。10本全てとは言わず、せめて日中に数本でも停車してくれれば、と期待していただけに、何とかならないものか、というのが今の率直な感想です。新高岡駅の背後圏は県西部のみならず、高速道路で結ばれる石川県能登地域や岐阜県飛騨地域を含み、総人口も86万人に達する訳で、今後も「倦(う)まず弛(たゆ)まず」、JR西日本社に働き掛けていかなければなりません。

 週末は富山に戻り、中川郁子代議士の南砺市訪問、また、公共交通議員連盟の富山・高岡視察の受入れ対応など済ませ、党人事前の総務会に臨んでいきます。

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国政報告(第245号)

 お盆明け最初の更新です。8日(金)から15日(金)まで、富山で過ごしました。出足は台風11号に伴う雨風を心配しながら、12日(火)の氷見市での堂故参議院議員の国政報告会(ゲストは堀内恒夫参議院議員)、14日(木)の小矢部市興法寺地区での馳衆議院議員主催のトーク会(メンバーは、小矢部ゆかりの笠井衆議院議員、山田・柴田参議院議員と私)など日程をこなしました。

 昨年は、総務大臣政務官の在京当番で東京で迎えたお盆でしたが、今年は通常に戻り、我が家の草むしりも大分はかどりました。堀内先生のお話は、読売巨人軍のエース投手として200勝を挙げた経験に裏打ちされた、明るく力強い内容で、志(生きがい)を持って頑張ろうとの呼びかけが聴衆の皆さんに伝わりました。小矢部のトーク会は、「ミニ予算委員会」との設定で、馳「委員長」の進行で、共産党の論客である笠井代議士の厳しい質問に山田先生と手分けしての防戦でした。折々、柴田先生からも鋭いコメントがあり、安全保障、TPP、消費税引上げ、景気対策などホットな話題であっと言う間の1時間半でした。

 17日(日)まで在京の家族と過ごし、お盆明けの今週は、18日(月)に県私立幼稚園協会の60周年記念式典に出席の後、上京し、19日(火)から21日(木)まで、衆院決算・行政監視委員会の視察で東日本大震災の被災地を訪ねました。視察先にて広島市の大規模土石流災害のニュースに接した訳で、亡くなられた方々のご冥福と、被災された方々へのお見舞いを申し上げます。

 今回の視察は、発災後3年半に近づく時点で復興予算による成果を点検し、効果的事業執行に向けての論点を探ろうという趣旨で企画されました。岩手県の宮古市から、大槌町、釜石市陸前高田市宮城県気仙沼市まで、三陸沿岸を北から南へとつぶさに見て回る事ができました。自分自身、宮古・釜石は平成23年5月に、陸前高田・気仙沼は昨年12月にそれぞれ訪ねる機会があったので、時が経過する中、復興の進捗度合いを自分なりに体感しました。地域差を伴いつつも、各地で防災住宅が建設・供用され始め、高台への集団移転も、来春辺りから被災者への土地の引き渡しが本格化するとの事、「住まい」の問題に前進が見られました。

 一面、民間で戸建て住宅の建設が一斉に始まると、業者不足や資材高騰による建設遅れや価格上昇が生じるのでは、との懸念を持ちました。また、「仕事」の問題は、グループ補助金の活用等で各地で水産加工場の再開が進む一方、思いの外の人手不足に悩まされているとの事です。有効求人倍率が軒並み1倍を超え、求職・求人のミス・マッチが生じる中、次代を担う世代をどう地域に定着させるかが課題となっています。さらに、防潮堤や水門の再建、嵩上げについては、発災後4カ月で国が示した「明治・昭和の三陸沖地震時の津波を防ぐ高さ」という基準値に対し、市民から様々な意見が出ています。県・市町など自治体では住民のコンセンサスづくりに汗をかいておられます。堤の問題をクリアして初めて背後の土地の再生に入って行く段取りであるだけに、基準値を幾分でも弾力化して設定すべきだったのでは、とも思いますが、3年半経過した今だから言える意見で、当時の雰囲気では問題外であったでしょう。

 大震災からの復興は引き続き、国政上の重要課題です。視察で得た問題意識を復興庁にも伝え、事業目的の達成に向け、議員の立場で努めていきます。来週は、平成5年に津波被害を受けた北海道・奥尻島を訪ねる予定です。

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国政報告(第244号)

 前号は更新が遅れましたが、今回はいつもの通り、金曜に東京からの報告です。梅雨明け後の富山は、台風の余波で蒸し暑かったり、雨がパラついたりの天候ですが、週末に向けては台風11号の接近が要注意です。4日(月)の夜は、北日本新聞社の高岡・庄川での花火大会を見せて頂き、8号大玉まで、多彩な色を放つ花火に心が洗われる思いのひと時でした。

 5日(火)は、北陸新幹線新型車両W7系の歓迎セレモニーが新高岡駅で催され、来春の開業が更に身近になってきました。構想から半世紀をかけて実現しようとしているのですが、敦賀までの前倒し整備、更に、関西圏とのアクセスと、課題は残っています。石川以西の府県の皆さんと力を合わせて努力しなければなりません。まずは年末に向け、敦賀までの3年前倒しを実現させ、さらに、以西のルートが早期に決定されるよう、声を出していきます。

 6日(水)は、利賀ダム建設期成同盟会の総会が、綿貫会長の下、砺波市で開催されました。ここ数年、予算は着実に伸び、ダム関連の道路整備が進捗しているものの、本体工事にゴー・サインを出すための、国土交通省の事業検証作業が続いています。水位調節機能など、庄川下流域の災害防止に果たす役割は大きく、早期に良い結論を得るよう、地元からの働きかけを強める事で一致しました。

 地元での一週間の滞在を終え、お盆前に今一度上京し、7日(木)は代理で衆院・原子力問題調査特別委員会の閉会中審査に出席しました。また、自民党富山県連・各支部の政調会長の皆さんが研修に上京されており、語り合いながら、来春の統一地方選に向けて頑張ろうと思いを新たにしました。

 さて、委員会ですが、九州電力川内原子力発電所の再稼働申請について、原子力規制委員会が先月、認める方向で審査書を作成し、現在パブリック・コメント中ですが、これに賛成・反対の立場から各党の議員が田中委員長などに質疑を行いました。私は、規制委員会が良いと判断した原発の再稼働は賛成の立場ですが、今後九州電力が作成しなければならない工事計画認可の申請書が9月末まで遅れる事となり、再稼働の実現は冬以降にずれ込みそうです。

 4月の消費税8%引き上げ、12月の10%の判断、その間になすべき事として、TPP、原発再稼働、辺野古基地建設着手の3課題を指摘して私なりに国政の推移を追ってきたのですが、3課題とも進捗が遅れていく気配です。政権としては、通常国会を無事乗り切り、新年度に向け、地方活性化と少子化対策・女性活用を掲げ、当面の運営は順調ですが、国の中期的な内政・外交の前進のためには、消費税の問題と上記の3課題の進展が不可欠と見ています。秋の内閣改造・党人事を挟み、いよいよ正念場と心得て、持ち場で努力し、また、国政の大きな動きを見失わぬよう、自分の視点を大切に目を凝らしていきます。次週はお盆休みを頂き、次回は22日(金)頃の報告とさせて下さい。

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国政報告(第243号)

 富山も梅雨明けの後、暑い毎日が続いています。前号を綴った後、7月26日(土)には、野上・堂故両参院議員、四方・筱岡両県議とともに小矢部市議会議員選挙の各陣営を激励に回りました。27日(日)、無投票にて皆さん当選を果たしました。28-9日 (月一火)は上京、高橋高岡市長、本川氷見市長の来年度予算要望を承り、6市の要望活動が終わりました。30日(水)からは地元での活動となり、はっと気が付いたら、毎週末の報告作成を怠っており、4日(月)に急いで作成している所です。

 地元では改めて、来年3月の北陸新幹線開業への関心の高まりを感じます。かがやき、はくたか、つるぎ、と3タイプの列車が発表されましたが、ダイヤがどのように編成されるのか、新高岡駅にはどの程度の本数が停車するのか、様々な見方があります。首都圏と短時間で結ばれることでの生活・仕事の変化、そして北陸への観光客の入れ込みがどの程度増えるかも気になります。

 一方、国土交通省では、交通政策基本法の成立を受けて、交通政策基本計画の策定作業を進めており、持続可能な地方公共交通の実現や交通施設のバリア・フリー化など、人や地域に優しい交通の実現を目指しています。なかでも私が注目するのが交通ICカードの普及です。既に首都圏や関西圏では、JR・私鉄・バスを通じて同じカードで乗り降りができ、券売機で切符を買う必要がありません。カードへのお金の入金は駅のみならずコンビニでも可能で、自販機やコンビニの買物代金もカードで払えます。交通カードは、まさに 「小銭入れ」の役割を果たしている訳です。こんな交通カードがJR各社を中心に全国的に相互使用が可能になりつつあり、今般、北陸本線の運行を受け継ぐ「あいの風とやま鉄道」もJR西日本のICOCA(イコカ)の導入に向け、詰めの打ち合わせ中だそうです。

 昨年、総務大臣政務官として取り組んだのが、我が国の経済・社会でのICT(情報通信技術)の普及で、交通ICカードはその一分野です。乗換えに切符が不要で、改札口から改札口へ人がスマートに移動することができ、高齢者や訪日外国人にも優しいシステムで、小売業など他産業への波及効果もあります。道路や鉄道と同様に、地域を支える基盤(インフラ)と位置付けて良く、全国に展開することで経済・社会のイノベーションにつながると考えます。是非、国が全国普及に向けて、交通事業者への補助など、率先して旗を振るべきだ、と声を出しています。

 同じようなICT系のインフラとして、電子カルテ、電子黒板、光ファイバー、各種センサーなどが考えられ、これらの社会実装を通じて我が国の経済成長を加速できるものと思います。新年度予算の概算要求に向けて、思いを反映できるように努力していきます。

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