2015年12月

国政報告(第310号)

 暖冬模様のまま、富山の平野部では雪のないクリスマスになりそうです。本日、28年度予算案が閣議決定され、先月以来の一連の政府・与党の歳出・歳入の議論が取りまとめを終えました。地方財政対策、北海道開発予算、沖縄振興予算とも、先週の補正予算と併せてまずまずの結果となりました。

 予算全体についても、堅調な景気を反映して、税収の伸びが見込め、6月に政府・与党でまとめた財政再建の方針に従って歳出の伸びも5千億円弱に止めた事で、プライマリー・バランスの赤字幅は11兆円弱に縮まりました。地方財政も同様で、一般財源総額を確保した上、税収の伸びで地方交付税を若干減らしても、赤字地方債である臨時財政対策債の新規発行分を3千億円以下にできました。このため、28年度末の地方の債務総額は今年度末から3兆円減って196兆円と改善する見込みです。地元関係の予算でも、利賀ダム、農地防災庄川左岸地区、あいの風鉄道の新駅設置、陸上自衛隊富山駐屯地拡張など、所要額を確保できるようです。北陸新幹線の金沢以西の建設事業もさらに加速しそうです。

 これに先立ち、18日(金)には、来春の北陸新幹線のダイヤ編成の考え方がJR西日本から発表されました。新高岡駅へのかがやきの停車の定期化は実現しませんでしたが、日中の東京からのはくたかの所要時間の短縮など利便性が向上しました。20日(日)には、新高岡駅前で東横インさんのホテルが着工となり、高岡駅東のルートインさんと合わせて500室近い宿泊が29年春から供給される見通しとなりました。これも追い風に、かがやき定期化に粘り強く取り組んでいきたいものです。一方、連帯感が強まる県西部6市が県の支援を得て取り組んできた連携中枢都市圏構想は、「複眼型」として国の「まち・ひと・しごと創生戦略」で採用が本決まりとなりました。第3選挙区全てをカバーする圏域であり、今年の代表的成果になりました。

 20日には、党氷見市連南砺市連が主催する報告会、23日(水)の天皇誕生日は小矢部で山田俊男参議院議員、筱岡貞郎県議の合同報告会に出席し、この間の自分の活動の一端を話す機会を頂きました。東京は、21-22日(月-火)、24日(木)と2往復し、予算関係情報の収集・連絡に努めました。

 24日夜には、高岡で地元出身の登坂絵莉選手(女子レスリング)の2016リオデジャネイロ五輪出場祝賀を兼ねた激励会に出席しました。前日の全日本選手権での逆転優勝の興奮も冷めず、五輪での金メダル獲得へ皆で応援を誓い合いました。登坂さんは、南星中学時代に「ものづくり・デザイン科」で漆器制作に興味を持ったとの事、高岡独自の科目が思い出として残っていることも嬉しかったです。多事多彩な平成27年の報告はここまでとして、来年は1月7日から再開します。

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国政報告(第309号)

 今週は、16日(水)に高岡市福岡町で「新高岡市発足10周年記念フォーラム」に出席したので、富山・東京2往復となりました。これも北陸新幹線の時間短縮効果のお陰ですね。

 週末の12日(土)は、高岡市伏木で開かれた岡本三千代さんの「万葉歌語りコンサート」を聴きに行きました。故犬養孝先生に師事されて万葉集を勉強され、その歌を自分が作曲したメロディーに載せて歌う活動を続けて35周年を迎えられました。高岡とも長年交流があり、「万葉集全20巻朗唱の会」のテーマソング、「高岡旅情」を作詞作曲、毎年参加頂いています。今は、奈良県明日香村の犬養記念館の館長も努めておられる岡本さんが、35周年を機に全国4か所でコンサートを開かれるとあって、駆けつけた次第です。万葉のそれぞれの歌の抒情や言葉のリズムを上手く活かして、サンバ調、演歌調などで歌い上げる2時間、楽しく過ごしました。以前から福岡をテーマにお願いしていた「高岡旅情」の3題目、見事な仕上がりで、合併10周年を祝って頂きました。

 13日(日)には選挙区の6市の市議の皆さんからなる「慶政会」が射水市で開催され、国政の現状を報告し、県議会最終日の14日(月)は党県議団の懇親会に県選出国会議員としてお招き頂きました。15日(火)朝に「かがやき536号」で新高岡駅から上京し、午後の党税調小委の軽減税率の審議に臨みました。報道されている通り、平成29年4月に消費税を8%から10%に引き上げる際に、8%に留める品目を作るか、また、その範囲をどうするかで、与党内で協議が続いてきました。税調幹部レベルではまとまらず、幹事長レベルでの話し合いとなり、最終的には公明党さんの主張に近づいて、酒類・外食を除く食品一般と配達される新聞を対象とする事で決着し、党税調小委に諮られた次第です。減収額はおよそ1兆円、地方側にとっても、3千億円に上り、その埋め合わせをどうするかは、来年度末まで時間をかけて検討する事となりました。食品を扱う商売をされている方々にとっては、区分経理の手間がかかる訳で、外食であるかないかの区別も時には難しい場合が出てきます。この当たりの手続き上の手当ても万全を期すこととされ、平成33年からはインボイス制度を導入して経理を明瞭化する方針です。小委としても、上層部での練った議論の結果として了承し、16日朝の税調総会で「平成28年度税制改正大綱」が承認されました。

 冒頭に述べたように、16日は午後から富山に戻り、川島県議の進行で、高橋高岡市長、石澤前町長との鼎談形式のフォーラムに出席しました。10年前の合併協議の経緯、この間の新高岡市の歩み、県西部6市で連携中枢都市圏の形成を目指している現状などを振り返り、新市の更なる発展を願う語り合いでした。途中で失礼し、あいの風鉄道、富山からの新幹線と乗り継いで、午後11時半には無事東京に着きました。17日(木)は早朝から北陸4県JA代表者と党国会議員との懇談会があり、日中は沖縄振興調査会、総務部会と、いずれも27年度補正予算、28年度本予算の編成状況について省庁側から報告頂き、所要額の確保に向けて議論をしました。

 今のところ、18日(金)に補正予算、来週半ばに本予算が閣議決定される見込みであり、次号で報告します。

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国政報告(第308号)

 今週の東京は税制改正の議論が大詰めとなり、連日党税調の会合が持たれ、消費税の軽減税率の対象分野の問題を除き、「税制改正大綱」としてまとまりました。これに先立ち、週末の5日(土)は午前に県連常任顧問会議に出席、党員拡大運動の現状を確認したほか、来年の諸行事、参議院選挙など各種選挙に向けた取り組みが話し合われました。午後には南砺市福野で石破大臣をお招きした講演会があり、地方創生への熱い思いを聴かせて頂きました。6日(日)は氷見市で堂故文科政務官の就任祝賀会に出席した後、射水市の党金山支部砺波市の瘧師県議後援会と会合に顔出しして新幹線で上京、深夜に羽田空港のホテルに着いて一泊しました。

 7日(月)の午前6時10分発のフライトで山本一太元沖縄担当相とともに那覇に向かい、現地で小野寺五典元防衛相、宮崎・穴見代議士と合流して5人で「沖縄の基地負担軽減を考える有志の会」として沖縄本島の北部、中部を訪問しました。最初に米軍の北部訓練場で、範囲縮小・返還に向けたヘリパッドの移設工事が反対派の妨害に会っている現場を見ました。この返還が実現すれば、ヤンバルクイナなど野生動物の宝庫が地元の手に戻り、自然公園化して世界自然遺産指定を目指す構想です。しかし、県道から工事現場への出入口が自動車を駐車して封鎖される等で工期は大幅に遅延しています。地元の国頭村の宮城村長、東村の伊集村長にもお会いし、早期返還への思いを聴き、妨害行為への効果的な対抗手段の必要性を痛感しました。次いで、隣接する名護市辺野古に基地が移設される宜野座村を訪問し、當眞村長から共同のごみ処理施設建設への国の支援など、対策の充実を求める声を伺いました。最後に党沖縄県連の具志幹事長ほか皆さんとお会いし、「沖縄の基地負担を軽減するために何かできる事を」という有志の会の思いを改めて強くしながら、午後6時15分のフライトで羽田に戻ってきました。

 8日(火)から10日(木)までは、税制改正の会合を主に過ごし、総務部会長として、地方自治体の財源を安定的に確保する立場で意見を述べてきました。税は国民生活に深く関わりますが、総務部会の分野での主要改正事項を述べます。まず、法人税は実効税率を30%以下に切り下げ、大企業の外形標準課税を強化しました。自治体間の法人税収の不均衡を是正するため、法人住民税の一部を国税とし、地方交付税の原資に繰り入れました。車体課税については、29年度から自動車取得税が廃止される事に伴い、自動車税に環境性能割を設け、その税率や適用対象を決めました。固定資産税については、中小企業の新たな機械・装置への設備投資について、最初の3年間は2分の1に減税することになりました。また、農業振興地域内の耕作放棄地は1.8倍に増税し、農地中間管理機構を通じて担い手に貸すよう誘導する事になります。最後に、中山間地の町村を中心に長年にわたり要望されてきた森林環境税(仮称)について、導入の方針を決め、中期的に制度設計して行く事になりました。以上、技術的な内容ですが、総務部会長として取り組んだ結果として報告します。これからは、補正予算、本予算が続きます。

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国政報告(第307号)

 12月に入り、税制改正、補正予算、本予算の編成作業が進む中、党本部でも様々な会合が開かれており、総務部会長としても慌しい毎日が続いています。週末の28日(土)は、小矢部市でハトムギ生産組合の皆さんを訪問・懇談しました。ハトムギ茶での活用など、JA氷見やJAいなばで用途を広げながら、今年は富山県内での作付面積が国内第1位となり、その太宗が小矢部市内です。有機栽培のハトムギには、葉も青汁の原料としての需要が伸びているとの事、米の転作作物として期待される所です。実の乾燥施設の増設など、新たな課題もあり、農林水産省など国からの支援も望まれる由、市役所、JAなど関係者が話し合って前進されるよう、念じています。

 29日(日)の昼までに上京し、午後からは自由民主党結党60周年記念式典に出席しました。安倍総裁の挨拶など、地域に根差した政策を展開する「国民政党」としての立党の精神に思いを致し、地方創生、1億総活躍など今日的政策目標の実現に努力することを誓い合う場となりました。

 週明けの30日(月)は、党南砺市連と高岡市北般若地区生産組合の皆さんが事務所に来訪され、TPP対策等、国の農政の取り組みについて農林水産省担当者の説明を受け、意見交換しました。午後からは党税制調査会小委員会で個別項目の審議が行われました。総務部会関係では、データセンターの地方移転やラジオ局の放送設備強靭化について、固定資産税減税の特例延長が認められ、ゴルフ場利用税は現行通り堅持となりました。しかし、焦点の一つだった機械装置など償却資産の固定資産税については、新規に取得されるものの一部が初めて減免される事になり、地方側としては残念な結果になりました。

 続いて2日(水)の税調小委では、法人税実効税率の引き下げと自動車に対する課税の2点に絞っての議論がありました。部会長としても、地方団体の要請に沿って、資本金1億円以上の大企業を対象とする外形標準課税の拡大と、自動車税へ導入が決まっている環境性能割の細部の確定の2点について、声を大にして発言しました。結論は来週に出されますが、悔いの無い意見発信ができたと感じています。4日(金)の税調小委は、地方税の法人課税の偏在性是正や、森林環境税の導入の是非を巡り、議論が続く見通しです。

 この間、1日(火)は、河合常則県土地改良連合会会長が農業基盤整備予算の増額を求めて来訪され、高岡市の酒井議長からも、市議会議長会の一行の一人として、自治体病院経営安定のために所要の地方財政措置を求めて要望がありました。午後には27回目となる党財政再建特命委員会が開催され、6月の党委員会報告、内閣の経済財政再生計画に掲げられた指針に沿って、個々の歳出分野で練られている取り組みの具体策、KPI、工程表のとりまとめ状況をフォローアップしています。

 新年度の税制改正については、10日(木)頃の大綱決定の予定であり、さらに、補正予算、本予算と作業が続きます。総務部会も、4日の正副部会長会議からしっかりフォローしていきます。

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