2014年2月

国政報告(第221号)

 21日(金)、今国会始めて内閣委員会で質問に立ちました。冒頭の万葉集はいつもの通りで、梅の歌を詠みました。内閣府の各大臣の所信に対する一般質疑ということで、関東甲信地方の大雪対策から、テレワークの推進(森大臣)、クールジャパンの推進(稲田大臣)、電子政府の推進(山本大臣)など、内閣府の広範な行政分野から一問づつ考えを聞いた上で、かねてから取り上げてきた組織の問題を深彫りして尋ねました。

 現在の国の行政組織は、橋本内閣の時に大掛かりな見直しをされ、平成13年に発足したものです。当時は省庁の数を集約し、省を横断する課題については、時の内閣が重要と判断するもののみを内閣官房や内閣府で扱い、その他は省同士で調整するものと想定されていました。しかし、それから13年経つ間に歴代の内閣が、自分たちが重要と考える課題を取り上げては内閣官房・内閣府に担当させ、それらを整理せず、組織や職員数が膨張するままに今日に至っています。これを整理し、組織をスリム化しようとすれば、省を横断する課題を各省に戻し、省同士で調整に汗をかく形に変えなければなりません。また、職員数が増えた現状では、審議官・参事官といったスタッフ制では誰が何を担当するのか不明確であり、局・部・課といったライン制の組織形態が望ましい場合もあるでしょう。与党の立場ではありますが、野党時代から温めてきた問題意識を率直に披露し、稲田大臣に問題意識を共有頂けました。

 国の中枢の官邸では、人事や安全保障など国の根幹に関わる事項や、時の最重点課題に特化して司令塔機能を発揮頂き、難所を越えた課題は各省に任せていくのが理想だと思っています。内閣府の在り方については、党でも今後検討していく事となっており、自分の考えが役立てば嬉しいところです。

 明けて25日(火)には、東日本大震災復興特別委員会の所信質疑があり、予算委員会も27日(木)で質疑は大詰めを迎え、与党は28日(金)の新年度予算案採決を提案しています。ここで衆院を通過すれば、参院の審議の推移に関わらず、3月末までに新年度予算が自然成立する事となり、通常国会は前半の大きなヤマを越して行く事になります。

 一方、22日(土)から25日までシンガポールで開催されていたTPPの閣僚交渉から甘利大臣始め関係者が帰国され、27日に与党で報告会が持たれました。結果として、貿易ルールの部分は進展を見たものの、関税部分は日米間の隔たりが大きいまま、当面は事務レベルの折衝に委ねられる事となりました。このため、4月下旬に予定されるオバマ大統領の訪日に向け、交渉の行方がどうなっていくのか、注目されます。少なくとも年度内の交渉妥結はまず難しく、日本の重要課題とすれば、消費税の8%引き上げが先行しそうです。このほか、26日(水)には次期エネルギー基本計画の政府案が党に示され、安全が確認された場合の原子力発電所の再稼働も視野に入れての議論が始まりました。来週からは予算審議の舞台が参院に移る中、消費税引上げから始まる重要施策の展開に目を凝らしていきたいと思います。

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国政報告(第220号)

 関東甲信地方は2週続けての大雪となり、甲府市の積雪は一時1メートルを超えるなど、各地に被害が広がりました。関係の皆様にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を願っています。普段は雪の心配が少ない地域でどこまでの備えをすべきか、警報の出し方も含め、今回の災害を教訓に新たな対策が望まれます。

 14日(金)は京都で全国山・鉾・屋台保存連合会の常任理事会があり、雪の東京から一足早く東海道新幹線に乗ったため、大雪に遭わずに週末を富山で過ごしました。15日(土)には射水市大島地区の青年部有志の皆さんの前で国政報告をさせて頂きましたが、その後の動きで見立てが違ってきたのはTPP交渉を巡る動きです。先週までは、物品に対する関税など諸国間の隔たりが大きく、2月のシンガポールでの閣僚会議での進展は無いだろうという情報で、4月のオバマ大統領の来日後の詰めの動きと報告していました。しかし、先週末の甘利大臣の訪米後は日米間も交渉を一段進める流れの報道が相次ぎ、党内でも「TPP対策委員会」の組織が補強された上、20日(木)に会議が開かれました。私も、郵貯・簡保、政府調達などを扱う第2グループの副主査をおおせつかり、出席して政府から閣僚会議直前の情勢報告を聴きました。依然として関税等、隔たりは大きいものの、党公約の範囲内で一段の歩み寄りの努力をしてみて、週明けの24-5日(月-火)頃にどの程度進展するかというヤマ場を迎えるとの事。西川委員長、宮腰先生、赤澤先生はシンガポールへ出向かれるとの事です。続きは来週報告します。

 一方、衆院予算委員会は21日(金)の地方公聴会、25日(火)の中央公聴会と日程が決まり、月内の通過を目指し、関係者が努力しています。予算は参議院に送付すると一か月で自然成立するので、年度内成立はもとより、年度末に有効期限が来る税制等の改正法の処理も見通しが立ってきます。今のところ、野党側の審議要求を概ね受入れながら、手堅く案件処理が進んでいる状況です。もっとも、以前から述べているように、今国会の焦点は、個々の内閣提出案件よりも、消費税引上げ、TPP交渉、原発再稼働、沖縄の基地問題など、「院外」にある訳で、これら重要課題への政府の対応という点では、これからが本当の正念場です。

 一方、衆院の各委員会も動き始め、19日(水)には内閣委員会で各閣僚の所信を聴取しました。21日の所信に対する質疑では、私も25分間の時間を頂き、今国会初めて質問に立ちます。野党時代に比べると格段に貴重な機会ですが、万葉集を含め、最近の問題意識で閣僚の皆さんに質していこうと思います。このほか、東日本大震災復興特別委員会も、21日に所信聴取、25日に質疑を予定しています。いよいよ、議員会館と党本部と国会院内を行ったり来たりする春本番、自分なりの成果を目指し、取り組んでいきます。

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国政報告(第219号)

 7日(金)の午後、北陸新幹線に投入される新型車両の試乗会にて、大宮から軽井沢まで乗せて頂きました。車両制作の進歩は著しく、普通車の座席でもこれまでの車両に比べて揺れが少なく、蝦茶と黒を主体としたシートの色も落ち着いていました。何より、車両が2階建てではなくなったのが嬉しく、来春の開業が待ち遠しい所です。高岡事務所から迎えに来てもらって富山に戻ったので、週末の東京の大雪には会わずじまいでした。

 連休の谷間の10日(月)も地元に残り、事務所で打ち合わせをこなし、11日(火)の夜に上京してみると、宿舎の敷地には除雪された雪がはっきりと残っており、大雪のなごりを感じた次第です。関東は今週末も雪のようですが、一足先に東京を離れる予定です。

 国会は、10日から衆議院予算委員会にて今年度予算の審議が始まりました。4月からの消費税の8%への引き上げを主眼に、税の増収分をどのような形で社会保障四分野(年金、医療、介護、子育て)に回すかが焦点で、関連法案の審議もこの後に予定されています。しかし、今日まで3日間の質疑では、野党からは集団的自衛権についての見解や、NHK新会長のインタビューでの個人的見解の発言・取り消しの見方といった、内閣の政治姿勢を質す質問が主体で、議論が深まらない印象です。

 私自身の3年3カ月の野党経験からすれば、行政の各分野に視野を広げ、政策の光が届かない個所や死角を指摘し、二の矢、三の矢と質問を投げ掛け、当局をうならせる場面が必要であり、また、その事が国政の前進にも役立つと思います。残念ながらそのような展開が見られぬまま、早々に衆議院通過の目途が立ちそうな気配です。

 12日(水)は県JA青壮年組織協議会の皆さん、ついで県西部産業活性化協議会のメンバーである、県西部選出県議の先生方9人が上京され、懇談しました。JAの皆さんはTPPの交渉の行方を心配されていましたが、昨年冬までの交渉状況を説明し、関税分野で日米間の隔たりが大きく、当分妥結は難しいとの個人的見通しを述べました。また、米について、生産段階・流通段階の在庫がかつてなく大量な水準であり、新たな生産調整が全国26万トン、5万haに及ぶ一方、飼料米への転換は、種モミの準備に限界もあり、専用品種の作付は、5千ha程度の増加にとどまる見通しである旨、自分なりに農水省等から得た厳しい実情をお話ししました。農家側の付加価値増大を目指した営農努力が期待される一方、米について販売単価下落時の所得補てんを生産者が加入する保険制度を早急に立ち上げるべきとの考えを伝えました。この辺りの政策は、10日に宮腰先生が予算委員会で質された所です。

 県西部の県議の皆さんは、国の新たな地域活性化施策や、内閣官房に新たに設けられた国家安全保障局の詳細について、担当省庁の説明を受けました。同席した私にとっても勉強になりました。

 来週には、所属の内閣委員会を始め各委員会が「店開き」し、大臣所信聴取が行われる見込みです。私にとっても、国会本番、頑張って参ります。

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国政報告(第218号)

 富山に雪が積もらないままに立春を迎え、油断は禁物と言っても、除雪の心配も後僅かの期間となっています。日常生活は例年よりも楽ですが、除雪を請け負っている方々への最低限の経費負担が問題無いか注意が必要と思います。一方、東京は衆議院で補正予算案が通過した4日(火)は午後から雪が舞いましたが、幸い積雪には至らず、6日(木)には参議院の審議も終わり、順調に補正予算が成立しました。政府・与党とすれば、今国会の「第一関門通過」であり、来週からは新年度予算案の審議に入ります。

 私の方は3日(月)に上京し、党総務会にかかる法律案の各省庁からの事前説明をこなしながら、朝は党政調の会合に顔を出しています。予算委員会は一期生の皆さんが応援を分担しており、舞台となる院内3階の第1委員会室へ行くことが無いのは、野党一期生時代との大きな違いです。よって、党総務として政府側のレクチャーを受けつつ、自ら関心を持つ分野の勉強に力を入れています。

 昨年9月末に後任の藤川政務官に引き継いだ総務省での案件のうち、かんぽ生命(株)の学資保険の内容変更認可については、先月無事終了しました。今は、在任中最後に力を入れた政府の各種手続きの電子化(電子政府)の後押しを含め、各省庁の予算・法律案レクを主体に活動しています。今のところ、予算委員会の質疑を政府側は無難にこなしており、まずは新年度予算案の年度内成立に全力で取り組んで行く事になります。東京都知事選挙に続き、大阪市も橋下市長の辞職・市長選が浮上するなど、政治の世界は相変わらず「一寸先は闇」ですが、着実な案件処理あるのみです。

 6日(木)はお台場のビックサイトに出向き、恒例のギフトショーに出展されている地元団体のブースを回ってきました。銅器・漆器・木工・和紙といった伝統工芸品に携わる皆さんも、最近は生活様式の変化に対応した新製品を色々と工夫されています。大都市圏はもとより、アジア・欧州など海外市場をも視野に入れた動きもあり、ブースの数も増え、品物も年々活気の高まりを感じます。言って見れば、「クールジャパン」の一分野でもあるわけで、地元産業界の若手の皆さんの今後の活躍が楽しみです。

 7日(金)は、来春開業の北陸新幹線に投入されるJRの新型車両の試乗会に参加する予定です。待望久しい新幹線の一番列車も、いよいよ一年余り先に近づき、受入れ体制の整備や観光宣伝も急ピッチで進められています。必要な国の予算もしっかり確保されるよう努めて参ります。

 今週は株価が1万4千円台に下落するなど、経済も必ずしも一本調子で上向きとは行かないようです。成長戦略の実現に向けて、落とし穴にはまらないように、注意していく事も大切です。政府が、今なすべき事を確実にこなしていくよう、緊張感を持って努力・発信していきます。

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