2020年3月

国政報告(第520号)

 年度末を迎え、国の新年度予算の事業内容(箇所付け)も発表され、前へ進もうという時節ですが、今年は新型コロナウイルスの世界的流行の下、通常とは異なる緊張感の中での年度替わりです。25日(水)、小池東京都知事が記者会見で、都下での週末の不要不急の外出や平日の夜間外出を控える事など緊急に要請され、次いで都内での一日の感染者数が40人から70人近くに伸びたことから事態は深刻さを増しました。世界の感染者数は今日(31日(火))朝の時点で米国の15万人超を始め75万人を超え、亡くなられた方も3万6千人を数えています。

 政府は、27日(金)に参院本会議で新年度予算が成立したことを受けて、緊急経済対策と補正予算の編成に入ることとしています。党政務調査会でも30日(月)に緊急対策第三弾への提言案のたたき台が出され、議論が進んでいます。まずは、感染拡大防止に全力を上げ、外出自粛等で甚大な影響を被っている家計や企業の生活、事業活動を支える事を目指します。所得が大きく減少し、日常生活に支障をきたしている世帯・個人に対し、現金給付を実施すること、売上げが大幅に減少し、事業の継続・存続の危機に直面している中堅・中小・小規模事業者及び個人事業主(フリーランスを含む。)に対し、使途自由な定額の助成金を措置すること等を提言しています。しかる後、感染抑止の機を捉えて、一気呵成に反転攻勢をかけるべく、第四弾以降の連続的対応を求めるものです。党でも感染抑止の観点から、役員会や代議士会を中止するなど、「密閉・密集・密着」の三密を避ける措置を取っており、早期収束を願うものです。

 先週は、25日の文部科学委員会で文化観光拠点施設法案の質疑・採決を終えました。事前の理事会で全会一致での可決で整っていたのですが、野党側から求められていた学校一斉休校決定時の資料の提出を巡り、理事間の協議が決裂し、採決の段階で野党側が退席する事態となりました。26日(木)の衆院本会議で全会一致で参院に送付できたものの、委員長としては反省すべき結果でした。

 地元に戻った週末の29日(日)、高岡市立石堤小学校東五位小学校の閉校式に出席しました。ともに地域の学び舎として住民の皆様に暖かく見守って頂きながら120年を超える歴史を刻んできましたが、少子化の流れの中、統合に至ったものです。これまでの輝かしい実績を糧に、統合校のさらなる発展を祈って挨拶しました。

 週が変わって31日朝、党選挙制度調査会が開かれ、全国町村会、全国町村議会議長会から先に要望を受けていた町村の選挙の公営化と町村議員選挙への供託金導入を実現する公職選挙法改正案が了承されました。調査会事務局長として、今後は国会での法案成立に努力します。1年延期された東京オリンピック・パラリンピックの日程も発表されました。コロナウイルスの早期収束を念じています。

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国政報告(第519号)

 この一週間で、新型コロナウイルスは欧米を中心に感染者が急増し、WHOは「世界的な流行(パンデミック)が進んでいる」と厳しく警告しています。感染者数は今日(24日(火))朝の時点で36万人を超え、イタリア、スペイン、フランス、米国などで増えています。日本国内(クルーズ船の方を除く。)では、先月末からの官民挙げての警戒行動の成果もあって今日の昼時点で1128人に留まっています。しかし、東京都での感染者数が県別トップとなり、感染経路が特定できないケースが半数を超えるなど、学校再開はできても、予断を許さない状況が続いています。

 東京オリンピックについて、今夜、先ほど、安倍総理とバッハIOC会長との電話会談が行われ、大会開催の1年延期で合意したとの事です。20日(金)にギリシャから聖火が宮城県の航空自衛隊松島基地に到着し、宮城、岩手と展示され、今日福島市に運ばれましたが、26日(木)から予定されていた聖火リレーも中止となりました。復興副大臣として復興五輪への準備に携わる機会を頂いた者として、延期は残念ですが、現下のウイルスの状況では止むを得ない判断だと思います。その上で、聖火を「復興の火」として灯し続け、東日本大震災からの復興のみならず、このパンデミックに人類が打ち勝ったことを記念できる大会の来夏までの開催に向けて、皆で努力していきたいです。

 さて、先週の18日(水)には2020年以降の経済社会構想会議を一か月ぶりに開催し、慶応大学医学部の宮田裕章教授を講師にお招きして、大量データ時代における科学技術と社会との関わりを議論しました。今後も月1~2回のペースで勉強会を続ける予定です。19日(木)には党沖縄振興調査会で宮腰光寛座長の下、首里城再建に向けた提言を取りまとめました。月末にも政府で作成される工程表へ反映させるべく、申し入れを行う予定です。また、「OIST(沖縄科学技術大学院大学)の未来を考える議員連盟」が細田博之会長の下、発足しました。国際的に卓越した科学技術に関する教育・研究を目的に、沖縄県恩納村にて国家プロジェクトとして平成24年に開学したOISTは、研究論文数など着実に成果を挙げています。今後の沖縄振興のみならず我が国の科学技術の発展に果たすべき役割も見据え、将来像とその実現の手立てを議論していきます。同日、衆院本会議が開かれ、法案8本とNHK予算を参院に送付しました。夕刻、地元に戻って、22日(日)までの三連休は行事無しで再び上京し、23日(月)はノーベル化学賞を受賞された吉野彰博士の衆院での表祝行事に文科委員長として参列しました。24日(火)午前は文科委員会にて文化観光拠点施設法案の質疑を行いました。この間、コロナウイルスの影響を受けての緊急経済対策の議論も党政調で進められており、意見を述べています。

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国政報告(第518号)

 週末から週明けにかけて寒波に見舞われ、東京も富山も雪模様となったものの、春分を目前に春への季節の足取りを強く感じます。しかし、新型コロナウイルスが「世界的な流行(パンデミック)」の段階に入り、感染者も欧州を中心に19万人近くに達しています(18日(水)現在)。国境を超える人の往来が厳しく制限されるようになり、観光、交流、イベント、外食など様々な分野で経済的な影響も顕著になってきました。国内では、19日(木)の専門家会議で示されるであろう見解と、これに基づく感染抑止対策、来月初めにも打ち出される緊急経済対策が当面の焦点となります。

 先週は、12日(木)の衆院本会議で新型インフルエンザ特措法の改正案が可決され、翌13日(金)に参院で成立しました。コロナウイルスについても、政府が「緊急事態宣言」を発出して強力な対策を打つ法的根拠が整備されました。もっとも、国内の現状は、「何とかもちこたえている」との専門家の見方であり、このまま感染を抑止できれば、宣言には至らないとの政府見解です。一方、森法務大臣の参院予算委員会における東日本大震災時の福島県いわき市での検察官の勤務状況を巡る答弁が問題となり、法務省の考え方とは異なる個人的な見解を述べたとして謝罪・撤回に至りました。政府・与党として、緊張感を持った国会対応が求められます。

 週末の地元日程は15日(日)の福光連合支部総会のみでしたが、記念講演に馳浩代議士をお招きされ、昨夏以来の金沢福光連絡道路の要望活動など披露頂きました。16日(月)朝、雪模様の信濃路を新幹線で上京し、17日(火)には衆院本会議で「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案」の質疑が行われました。美術館・博物館や文化財など地域の文化資源を観光資源として活用しようという文化庁・観光庁がタイアップした施策の推進を図るのもので、文部科学委員会に付託され、18日(水)には萩生田大臣の趣旨説明を聴取しました。

 国会では、年度末を控え、参議院で予算審議が進む一方、月末までに成立を要する案件の審議が進む一方、新型コロナウイルス対策が焦眉の急となっています。政府と与野党で協議会を立ち上げる動きが出るなど、東日本大震災当時を思い出させられる状況です。日本銀行も16日に臨時の金融政策決定会合を開き、株式市場の下落など金融市場の不安定化に対し、ETF(上場投資信託)の積極的な買い入れなど市場に一層資金を供給する事としました。17日夕刻には、8日(日)に開催予定だった党大会に代わる両院議員総会が開催され、安倍総裁から、感染症を克服し、東京オリンピック・パラリンピックを完全な形で開催することを目指す固い決意の挨拶がありました。20日(金)の日本への聖火到着、26日(木)スタート予定の聖火リレーを前に、IOCの判断が注視されます。

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国政報告(第517号)

 引き続き新型コロナウイルス感染症対策が国内のみならず、国際社会の重要課題となっている毎日です。今日(11日(水))は東日本大震災発災から9周年であり、政府主催の追悼式典が予定されていましたが中止になりました。今朝の文部科学委員会でも、審議に先立ち、犠牲となられた方々に黙祷を捧げましたが、復興庁でも仕事をする機会を得た者として、被災地の復興の前進を強く願っています。14日(土)のJR常磐線の全線復旧を前に、福島県浜通りの双葉町、大熊町、富岡町で帰還困難区域で特定復興拠点として除染・整備されてきた駅前地域が避難解除されるなど、明るい話題も出ています。復興五輪も、20日(金)にギリシャから聖火が宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地に到着し、リレーも26日(木)にJヴィレッジからスタートの予定です。何とか盛り上げていきたいところですが、今後の感染症対策について、19日(木)頃に専門家会議で検討されるようで、良い方向に向かう事を念じています。

 衆院文部科学委員会は、6日(金)に萩生田文科大臣、橋本オリ・パラ担当大臣の所信に対する質疑を与野党6時間行い、コロナウイルス対策、学校の一斉休校等がテーマとなりました。次いで今日も一般質疑が3時間行われ、学校再開については上記の19日頃の会議をメドに、現場の判断に資する発信を準備したいとの大臣答弁がありました。昨10日(火)には今年度予備費を活用した政府の第2弾緊急対応策が打ち出され、品薄とされるマスクの配布、検査体制の強化、保護者の休暇取得の促進、雇用調整助成金や無利子・無担保融資制度など総額4,308億円が財政措置されました。

 一方、海外では中国の感染拡大が収まりつつあるのに対し、イタリア、韓国、イランなどで感染拡大が進んでおり、欧米諸国でも容易ならざる状況となっています。WHOもパンデミック(世界的大流行)が現実味を帯びてきたと指摘しています。経済面では、東京証券取引所の日経平均が2万円台を割り込み、サービス業を中心に落ち込みが強く懸念される状況です。ここしばらくは、内外の流動的な情勢を的確に把握しつつ、感染抑制と経済活動の下支えのための対策を機動的に打ち出していくべき厳しい局面が続きそうです。

 このほか、党本部では文部科学部会(大学入試における英語の在り方)、水産部会(養殖漁業の振興方策)、地方行政調査会(2040年の地方自治の在り方)、財政再建推進本部(全世代型社会保障制度)など関係の会合に出席しています。党大会が中止となったため、代わりの両院議員総会が17日(火)夕刻に予定されていて、今年の運動方針などが決定される見込みです。

 先週末も地元日程は全てキャンセルとなり、ここ1~2週は「充電」が続きそうです。この特殊な状況が、20日(金)の春分の日頃には快方に向かう事を念じつつ、国会での活動を続けます。

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国政報告(第516号)

 3月に入りましたが、国内外ともに新型コロナウイルス感染症の拡大抑制対策とその影響で覆われている印象です。お亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げ、感染されている方々や関係の皆様にお見舞い申し上げます。2月29日(土)夕刻の安倍総理記者会見で、「ここ1~2週間が重大な局面」との政府見解が述べられており、来週に向けて、感染拡大の速度やそのピークを抑制し、この事態を抜け出す出口が見えることを念じています。

 2月25日(火)のウイルス対策基本方針発出に続き、26日(水)に全国的な文化・スポーツイベントの開催見直しの要請、27日(木)に小中学校、高等学校、特別支援学校の3月2日(月)から春休みまでの休校要請が出され、国民の生活や社会経済に大きな影響が出ることが必至となりました。自然災害とは異なるものの、一種の「災害」とも言える特殊かつ重大な事態であり、4日(水)の与野党党首会談を受けて、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)の改正により緊急事態に対応できる体制を構築することになる見込みです。休校要請を受けて各自治体で急遽検討がなされ、文部科学省の取りまとめによれば、全国の公立小学校の98%、中学・高校の99%が休校しています。児童・生徒の居場所や保護者の就労への影響など派生する問題も大きく、党本部でも連日対策会議が開かれ、政府に対策を申し入れています。

 4日21時時点の国内での感染者数は293人(クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号での感染者706人を除く。)、世界全体では9万人弱となり、中国での拡大の勢いは収まってきたものの、韓国、イラン、イタリアを始め、各国で感染が発生・拡大基調にあり、WHO(世界保健機関)も、世界的流行に至る可能性が高いと警告している状況にあります。マスクや消毒液が手に入りにくいなど、付随した問題も発生しており、政府は10日(火)をメドに今年度予算の予備費残額を使用した第2弾の緊急対策を打ち出す方針です。

 一方、国会は衆院本会議で27日に野党側から出された森法務大臣の不信任決議案、棚橋予算委員長の解任決議案を否決し、28日(金)に新年度予算案および関連する国税・地方税改正法案を可決、参議院に送付し、予算の年度内成立が確実となりました。予算案審議は参院予算委員会に移り、衆院では各委員会の審議が開始できる状況となり、文部科学委員会も4日に第1回を開催し、萩生田文科大臣、橋本オリ・パラ担当大臣から所信を聴取しました。次いで明6日(金)に質疑を予定しており、学校休校要請の影響など多様な論点が取り上げられるものと思います。委員会質疑を通じ、国の現下の課題解決に資することを目指し、運営に心して臨みます。

 週末の地元での諸行事はほとんど中止・延期となっていますが、この特殊事態を乗り切れるよう、持ち場で努力していきます。

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