2020年9月

国政報告(第545号)

 先週から今週は、一か月遅れた各省庁の新年度予算概算要求の提出に向け、党政調の各会合が一斉に開催されました。政務三役人事が出揃って、菅内閣の新体制が始動し、所信表明・質疑の場ともなる臨時国会は来月23日(金)ないし26日(月)召集の予定です。

 23日(水)、事務局次長を仰せつかっている鋳物産業振興議員連盟の年一回の総会が開かれました。麻生会長、新藤幹事長が出席され、鋳造協会役員企業の皆さんから、発注内容の適正化、エネルギー・コストの縮減、外国人労働力の確保策など、コロナウイルスの影響も含めて厳しい状況下での要望を受け、国の施策に反映されるべく決議しました。24日(木)には北陸新幹線整備PTがあり、国交省鉄道局、鉄道・運輸機構から、事業の進捗状況と新年度予算要求の考え方の説明を受けました。金沢・敦賀間は、令和4年度末の開業に向け、精力的に工事を進めているが、高架橋工事の発注遅れ、加賀トンネルの地盤の調整、敦賀駅構内の難工事により、工程がタイトになっている由、安全に配慮しての努力をお願いしました。敦賀・新大阪間の切れ目ない着工の前提となる環境アセスメント手続きについても、コロナ対策で面談での地元調整に時間を要しているそうで、こちらも進捗を見守っていきます。概算要求については、今年度予算の国費804億円の増額分を事項要求するとのことで、建設事業費の上振れ分を吸収するべく、高木毅座長の下、メンバー揃って応援していくことを申し合わせました。

 25日(金)の朝、事務局長を務める沖縄振興調査会にて、新年度予算要求を「3106億円プラス事項要求」とすることを了承しました。コロナウイルスの影響で、主力の観光産業が打撃を受けており、その対策や、農業・製造業など各種産業の振興策にも意を用い、併せて公共投資や子どもの貧困対策、沖縄科学技術大学院大学、西普天間住宅跡地への琉球大学医学部移転など所要の事業が計上されています。このほか、水産、総務、地方創生、北海道振興など関連する部会に出席し、特に来年度の地方財政について、一般財源総額の確保を基本に、自治体の負担が過度に生じないよう、注視していこうと思います。また、文部科学分野では、少人数学級の推進、高等学校へのタブレット導入など、コロナ対策も踏まえた取り組みを応援していきます。

 週末、地元では、26日(土)に来月の知事選の石井知事の応援も兼ねて、麻生副総理が来県され、講演では、財政投融資の活用など地域発展の方策についての助言も頂きました。27日(日)には、コロナ対策も施して開催された、高岡市伏木・勝興寺の「ふるこはんフェス」と、砺波市の「コール麗」合唱コンサートに顔を出しました。「正しく恐れる」姿勢で、イベント再開に取り組む皆さんの心意気に感謝し、国としての後押しの必要性を痛感しています。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第544号)

 秋の4連休の最終日の22日(火)、夕刻に新高岡駅から新幹線で上京し、宿舎にて本号を綴っています。八月来の猛暑もようやく一段落し、朝晩が涼しく秋らしくなった今週末は、好天にも恵まれ、県内外とも久しぶりの人出となりました。コロナ対策を取りながらも、家族や少人数の旅や外出を楽しむ姿が目立ちました。今晩の新幹線も、「指定席全て発売済み」で、軽井沢駅で満席になりました。

 コロナウイルスは「第2波」が収束しつつあり、東京の感染者数が二桁台に留まる日もでてきました。来月には「GOTOキャンペーン」の発着地に東京も加わり、旅客輸送、観光、宿泊、飲食など、需要「蒸発」で大きな打撃を受け、耐え続けてきた業種にもようやく日が射しそうです。しかし、「三密対策」で定員通りのお客を受け入れられず、十分な収益を挙げられないケースもあると思います。「正しく恐れる」方針で、感染防止と社会経済活動の両立を図ること、ご苦労されている業種・家計の実情を把握し、切れ目ない対策を講じていくことが基本と考えます。大学キャンパスはもとより、貸し切りバスなど、過度に利用が敬遠されている事業について、国自ら安全性を啓発し、公的部門でも率先して利用する取り組みが必要です。一方、世界の感染者数は3千万人を超え、一度収束した波が再び立ち上がる国もあり、一人一人がマスク・消毒・手洗いなど基本的な行動を続けることが大切です。また、国として感染症対策をどのように進めていくべきか、これまでを振り返り、実態を詳細に把握し、法制度論も含め、施策を練る努力を継続すべきです。

 先週16日(水)、第202国会(臨時会)が召集され、即日、衆参両院で首班指名選挙があり、我が党の菅義偉新総裁が新首相に選出されました。夕刻には新内閣が発足、富山県からは、野上浩太郎参議院議員が農林水産大臣として初入閣されました。安倍内閣で3年間にわたり官房副長官を務め、総理を補佐して内政・外交に手堅い仕事ぶりで評価も高かっただけに、満を持しての順当な就任と喜んでいます。お祝い申し上げ、「米どころ富山」への対応を含め、大活躍を期待します。また、同期の小泉環境大臣が留任、政治行動をともにする先輩の赤澤亮正衆議院議員が内閣府の副大臣に就任し、防災分野などを担当します。常任委員長人事は次期国会に持ち越され、私は文部科学委員長として、閉会中審査手続きの議事をこなしました。17日(木)は天皇陛下をお迎えしての開会式、18日(金)に閉会となり、月末の新年度予算概算要求の後、10月には党人事、臨時国会召集と政治日程が進んでいく見通しです。

 週末の地元は、20日(日)に砺波市庄川の松田吉孝さん方の田での献穀斎圃抜穂祭に参列高岡市伏木にて大伴家持卿顕彰会総会に出席しました。コロナ下での「新しい日常」、地域の諸行事も徐々に再開していくようで、安堵しています。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第543号)

 総裁選から一夜明けた15日(火)朝の報告です。菅官房長官が選出され、早速、党三役人事の内定のニュースが流れています。3人の候補者で争われた選挙戦でしたが、いつものことながら、終われば新総裁の下、一致結束して前進していきます。私は、平成24年以来、3回の総裁選で石破先生を応援しており、県連票を割り振るための党員投票でも多くの皆様にお世話になりました。お陰様で、富山では石破先生がトップとなり、県連票を2票頂きました。石破先生の政策・主張が共感を得たこと、そして、これまで幾度となく富山に足を運んでおられた事の成果だと思います。ただ、衆参の議員票では他候補に大きく後れを取り、水月会(石破派)以外の拡がりが殆ど無かった事が一番の反省点だと思います。規定上は、菅総裁の任期は安倍前総裁の残任期間であり、来年秋にもまた総裁選がある訳で、石破陣営としては両院議員の共感を得る努力が必要です。

 先週からの動きを振り返ると、8日(火)に総裁選が告示され、3人の立候補が確定しました。私も石破候補の出陣式に出席し、先生を囲む勉強会、「さわらび会」の出所の万葉集、「石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも」の朗唱で激励しました。次いで、党本部での3候補の演説会に参加、緊張感ある政策論戦が始まりました。富山での党員投票は11日(金)の富山南郵便局必着での郵便投票のため、地元事務所のスタッフが手分けして、関係先に石破先生の支援をお願いに回りました。

 この間、10日(木)朝には、全国町村会役員の町村長さんと、党町村の振興を考える議員連盟役員との懇談会があり、コロナウイルス発生以来、初めての顔合わせとなりました。様々な社会経済活動を復活させないと、特定の業種に大きな打撃を与え続けることになると、常々心配している立場として、町村会側が開催を決断頂いた事に御礼を述べました。併せて、行政のデジタル化、小中学校へのタブレットの導入(ギガ・スクール構想)、光ファイバー網の構築、ローカル5Gなど、「新しい日常」も踏まえ、国の進めるデジタル・トランスフォーメーションの諸施策もPRし、町村長さんに関心を持って取り組んで頂くよう発言しました。

 週末に地元に戻り、12日(土)の朝には、知事選に向けた県連の支部長・幹事長会議第三選挙区支部選対会議に出席し、石井知事への支援をお願いしました。総裁選最終日の13日(日)午後、石破先生が新高岡駅から来県され、高岡にて「大集会」を開催、350人の皆さんに「最後の訴え」を聴いてもらいました。次いで、射水市にて四方正治前県議の叙勲祝賀式典に一緒に出席し、石破先生を力強く送り出して頂きました。富山駅から新幹線で東京に戻り、冒頭の投開票日を迎えた一週間でした。菅総裁の下での国政の新たな展開、次号からまた綴っていきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第542号)

 重大な警戒が呼び掛けられた台風10号が、九州西海上から沿海州に過ぎ去って温帯低気圧に変わり、今朝(8日(火))の東京は秋の気配が漂う青空です。九州では多くの方が避難され、各所で被害も出ています。亡くなられた方へのお悔やみと併せ、関係の方々にお見舞い申し上げます。一方、コロナウイルスの「第2波」は、データで見るとピークを過ぎて沈静化しつつあり、富山県でも週末の土日は感染者が無くなりました。「正しく恐れる」という言葉通りに、適切な予防を心掛けながら、社会・経済活動を活発化していくことが目下の課題だと思います。航空機や新幹線を利用する移動、大学のキャンパスの開放(リモート授業と対面授業の併用)、貸し切りバスの利用、そして地域に欠かせない祭礼やイベントの開催など、様々な分野で人々の背中を押していくキメ細かい対策が欠かせません。折しも今日から総裁選ですが、新内閣においても、早急に取り組むべき課題だと考えます。

 その総裁選ですが、私の推す石破元幹事長、菅官房長官、岸田政務調査会長の三者が立候補する事となり、本日告示、14日(月)の投票に向け、一週間の選挙戦となります。急な事態であることを理由に、正式な党員投票は見送られましたが、党本部の呼び掛けもあり、殆どの県連で党員による予備選挙が行われることになりました。地域で、職域で党を担って日々活動頂いている百万余の党員の皆さんの意思が何らかの形で反映されることは望ましいと思います。富山県連では、昨7日(月)に投票用紙を郵送し、11日(金)締め切りで郵便投票が行われ、結果をドント方式で県連の持ち票3票の按分に反映させます。県内での選挙戦は実質10日(木)までですが、高岡事務所のスタッフの皆さんにも協力頂き、石破候補への投票を呼び掛けていきます。もちろん、選挙が終われば、新総裁の下、一致結束して16日(水)に召集予定の臨時国会での首班指名に臨みます。

 先週は、1日(火)に毎年恒例の「赤澤亮正代議士を囲む会」での司会を務め、党政務調査会では文部科学関係の会議で、新年度予算の要求に向けた議論に参加しました。先に述べたように、コロナウイルスの影響で、大学生がキャンパスに入れない、地域の祭礼が中止になる、など、文部科学行政に関わる分野でも問題があります。小中高は、国・地方教育委員会のキメ細かい対応もあって、概ね再開できているだけに、残された分野でも、国が具体的な感染予防策を打ち出し、再開に向けて粘り強く啓発に取り組むべきとの意見を述べました。週末の地元では、5日(土)午後に高岡で中西進高志の国文学館長の講演会に出席し、夕刻には石井知事の高岡地区後援会総会で知事選に向けた応援要請の挨拶をしました。総裁選の経過、結果については、次号で報告します。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第541号)

 28日(金)、安倍総理が記者会見で辞任を表明されました。永田町では、記者会見での辞任は無いとの観測が朝から流れており、当初の予定通り、14時の新幹線で富山に向かいました。大宮を過ぎた辺りで、事務所からニュース速報のメールが入り、驚いたまま新高岡駅で地元テレビ局のインタビューを受けました。

 総理が、17日(月)に続いて24日(月)にも病院に出向かれ、自ら28日の記者会見を設定されてそこで病状についても説明するとのことだったので、込み入った事情があるとは感じましたが、重い決断をされているとは思いませんでした。平成24年12月の政権復帰以来7年8か月、内政面では雇用の安定と経済の持続的な成長を実現させ、外交面では数多くの国々を訪問され、首脳間の信頼関係を基礎に我が国の平和と安定を持続させました。国民が社会・経済活動に安心して励める環境を持続させ、東日本大震災からの復興を始めとする諸課題の解決に着実に取り組んだ成果は大きいと思います。終盤に、世界的なコロナウイルスの猛威に見舞われ、東京オリンピック・パラリンピックの開催も一年延期せざるを得なかったことは残念でしたが、これらのことは後継内閣に引き継がれていきます。自らの体調について慎重に検討され、「国の舵取り」という重い役割に鑑みて退くこととされた安倍総理の決断を重く受け止め、これまでのご苦労に深く感謝し、病状の平癒を願っています。

 辞任表明を受けて、党では臨時の総裁選への準備が始まり、その段取りについては二階幹事長に一任されました。本来ならば、国会議員の投票と合わせて党員投票も行われます。党運営上は実施が望ましいと思いますが、事が緊急であることや、新総裁の任期は安倍総裁の残任期間で一年間であることなども勘案して決定されるものと思います。私については、過去2回、石破先生を応援しており、今回も立候補されるならば応援する決意です。

 さて、先週の27日(木)には、党東日本大震災復興加速化本部の総会があり、政府への与党第九次提言案が了承されました。福島県浜通りでの国際教育研究拠点の形成、福島第一原発の処理水の取り扱い方針の決定、帰還困難区域への対応の促進を柱に、来年度から始まる第2期復興・創生期間の政府の取り組みを後押しする内容です。今週以降公明党とともに官邸に申し入れる予定です。

 週末の地元では、29日(土)に北陸新幹線新高岡駅かがやき停車実現期成同盟会の総会に出席しました。これまでの地域挙げての取り組みに感謝しつつ、現在、コロナウイルスの影響下で窮状にある新幹線への応援を訴えました。30日(日)には南砺市吉江地区での合同後援会総会に出席し、急転する国政の状況を報告させて頂きました。地域からの貴重なご支援を胸に刻み、今回の総裁選にも一議員として臨んでいきます。その推移は次号でまた報告します。

カテゴリー: 国政報告 |