2018年5月

国政報告(第428号)

 先週末の富山は土曜に急に気温が下がり、そのまま上京しても凌ぎ良い状態が続きました。一方、国会はTPP関連法案や働き方改革法案の採決を巡り、これを遅らせようとする野党から茂木国務大臣の不信任案、高鳥厚生労働委員長の解任決議案が提出され、その処理で、22日(火)、24日(木)と長時間の本会議となりました。来月20日(水)の会期末まで後4週間を切り、波乱含みの展開になってきました。

 週末、地元で30回目を迎えた「越中大門凧祭り」「とやま森と木のフェスタ」に顔出しの後、20日(日)の午後に上京し、米原県議の女性部の皆さんとの夕食懇親会に出席しました。週明けの22日の午前に衆院の総務委員会が開かれ、「郵政ユニバーサルサービス確保法案」は、全会一致で本会議に委員長提案頂ける運びとなりました。その後、政調審議会、総務会にて私にとって本国会6本目の議員立法となる「公職選挙法改正案(要介護度3、4の方への郵便投票制度の拡充)」が審査、了承されました。直ちに野党側への根回し活動に入っています。本会議後の夕刻は、筱岡県議の後援会の皆さんとの夕食懇親会に出向きました。

 明けて23日(水)の午前8時から例年恒例の富山県の国要望の会があり、石井知事、高野議長、山本副議長ほか皆さんから来年度に向けた要望を承りました。私からは、県の立山山麓での地熱発電可能性調査の進捗状況、東アジア諸国との交流の現況について質問し、県西部の将来に向けて、政策を指し示すキャッチ・フレーズの打ち出しをお願いしました。次いで16時からの党財政再建特命委員会にて新たな計画に向けての提言案が審議、了承されました。国・地方を合わせたPB(プライマリーバランス)の黒字化を2025年度までに達成することとし、2019-21年度の3年間の集中期間の歳出について、16-18年度と同様の方針で抑制する方針としました。現行計画で明記していた社会保障費の伸びの目安(3年間で1.5兆円)は書き込まれませんでしたが、「高齢化に伴う増加分」の範囲内に収めるとの方針は変わっていません。今後は、毎年度の予算編成過程を通じて、本委員会が金額面をチェックすることで、実効性を担保していきます。この提言案は、24日の政調審議会、総務会で了承され、週明けに安倍総理に提出予定です。

 また、私が事務局長を務める沖縄振興調査会でも骨太の方針に向けた提言が取りまとめられ、24日の政調審議会で了承されました。那覇空港第2滑走路の平成31年度末の供用、西普天間地区への琉球大学医学部移設など重点事業の推進を求めるものです。

 冒頭の野党側からの動議について、とりわけ茂木大臣の不信任案は根拠が薄く、「日程先延ばし」と見られても仕方がない行動でした。法案に反対するにしても、理にかなった態度を求めたいです。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第427号)

 今年は寒暖の差の激しい気候が続いていますが、ここへ来て東京も急に暑くなり、汗ばむ毎日を過ごしています。先週から正常化した国会は、14日(月)の午前・午後の予算委員会集中審議を始め、順調に日程をこなしていますが、来週は波乱含みとのことです。

 前号では触れませんでしたが、先週9日(水)、久しぶりに日中韓サミットが東京を舞台に開催されました。安倍総理と中国の李首相、韓国の文大統領の間で、北朝鮮を含む東アジアの諸問題について率直な意見交換がなされたことは大きな成果だと思います。今後は秋の安倍総理の中国訪問、来年の習主席の日本訪問とシャトル外交が続くほか、来週には日ロ首脳会談もモスクワで予定されるなど、活発な外交が展開される予定です。注目の米朝首脳会談は、6月12日(火)のシンガポールでの開催が発表されたのち、北朝鮮側からキャンセルの報道が出るなど最後まで予断を許しませんが、この機会に、核・ミサイル・拉致問題の前進を大いに期待するものです。

 先週末の地元では、12日(土)に党第三選挙区支部総務会に併せて松村謙三先生の精神に学ぶ会との合同講演会が大東文化大学の武田知己先生をお招きして開催されました。東アジアを始め、国際情勢が激動する今日、日中友好に強い信念を持って取り組まれた松村先生の貴重な足跡に改めて想いを馳せるお話を聴かせて頂きました。会では今夏、有志による中国訪問を計画しています。このほか、堂故先生を支援する堂峰会党射水市連大江支部の総会県商工会議所青年部地元高岡市定塚校下連合自治会の懇親会にも顔を出すなど、多彩な土日を過ごしました。

 13日(日)夜に上京して臨んだ14日午前の予算委員会は、外交等諸問題がテーマとされたものの、野党側の質疑は10日(木)の柳瀬前総理秘書官に対する参考人質疑を受けて、加計学園獣医学部の設置許可問題に集中しました。柳瀬氏と加計学園、愛媛県関係者との面談結果の報告が総理になされなかったことの確認など、質問があったものの、野党側からは新たな論点の提起はほとんど見られませんでした。今後、23日(水)には財務省から森友学園問題に絡む書き換え前の文書が提出される予定で、これを受けた予算委員会の開催を与党側から提示している状態です。

 一方、私の携わる議員立法については、5本目の「郵政ユニバーサルサービス確保法案」の各党協議がほぼ整い、来週22日(火)に衆院総務委員会で審議頂けそうです。さらに、事務局長を務める党選挙制度調査会で議論されていた公職選挙法の改正案(要介護度3、4の方への郵便投票制度の拡充)も急遽成案を見る所となり、来週にも与党内の手続きを終え、野党側に提示できそうな状況です。また、3年ぶりの財政再建計画策定に向けた党からの提言の取りまとめなど、忙しく永田町を走り回っています。次号で報告します。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第426号)

 五月の連休も終わり、7日(月)に上京したところ、野党の審議拒否が続いていた国会も衆議院大島議長の仲介で正常化し、8日(火)の本会議を皮切りに、各委員会で審議が精力的に進められています。季節外れの「寒の戻り」のような天候が続き、東京も最高気温が10度台の日が続く中、慌ただしい毎日を過ごしています。

 前回の報告の後、2日(水)に富山に戻り、連休後半は5日(土)に城端の曳山祭で庵唄を聴きました。あとは、久しぶりにゆっくりした時間を過ごし、鋭気を養って今週に臨みました。中学校の修学旅行の時節で、高岡市から7日に高岡西部中、8日(火)に中田中、9日(水)に伏木中、牧野中、南星中と合計5校の3年生が国会見学に訪れました。県人会の皆さんが案内される学校もあり、生徒の皆さんの元気な挨拶が爽やかでした。7日には高岡市議会の自民同志会の皆さんにも会館を訪問頂きました。

 一方、党務では7日の午後に「郵政三事業ユニバーサルサービス確保法案」が政調合同部会で了承され、8日の総務会を経て、11日(金)の与党政策責任者会議に臨む事となりました。野党への説明も一通り行い、衆院総務委員会での審議の環境が整いつつあります。8日の朝は、事務局長を務める沖縄振興調査会にて沖縄の子ども達の貧困対策に取り組んでおられる金城隆一氏(沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい代表理事)をお招きして現状を勉強しました。午後には財政再建特命委員会の小委員会(小渕優子委員長)に出席し、新たな財政再建計画策定に向けて、社会保障の在り方を議論しました。5月末の取りまとめの予定で、大詰めを迎えています。9日の夕刻は、会長を務める有志の勉強会、「2020年代の経済社会構想会議」の第7回会合にて、小泉進次郎代議士他皆さんで、ポスト平成時代の中央政治の在り方について議論を続けました。一定のまとめができればとの想いで、毎週水曜に会合を持っています。

 国会は、結果的に柳瀬経済産業審議官(前首相秘書官)の参考人招致で与野党の妥協が成立し、10日(木)の午前・午後で衆参の予算委員会で質疑を行いました。柳瀬氏は、平成27年4月2日の加計学園関係者との面会を認めましたが、愛媛県、今治市の関係者の同席は認識していなかったとの説明でした。メモに残された「首相案件」との文言は、国家戦略特区制度そのものが安倍総理の強い指示で展開されていることを指し、個別の案件を念頭に置いたものではないとの答弁でした。柳瀬氏の説明を聴いて、概ね納得したものの、面談結果を安倍総理に報告しなかった点だけは疑問に思いました。野党の立場に立てば、せっかくの柳瀬氏の証言を連休前に得る機会があった訳で、今回の高飛車な要求を掲げての審議拒否戦術は、やはり時が無駄に流れた不幸な結果であったと思います。日中韓首脳会談(9日)など激動する外交については次号で報告します。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第425号)

 風薫る五月を迎え、国会議事堂二階の幹事長室で本号を綴っています。窓外に国会正門から霞が関が望まれますが、大型連休の谷間なので、さすがに国会見学のお客様も少なく、微風に乗って噴水の音だけが聞こえてきます。新緑の鮮やかな爽やかな季節が到来しましたが、通常国会の行方は連休明けまで予断を許さない情勢です。

 連休前半の地元では、党利賀支部南砺市連の総会に出席し、高岡では「平成の御車山」のお披露目に立ち会いました。今を生きる職人の皆さんの技を後代に残そうと、現代の山車を作る構想が出されてから20年余が経過しました。この間、紆余曲折しながらも関係者の熱い想いが原動力となって、市内から浄財8千万円を寄せて頂き、ご退位を明年に控えての完成に至りました。経緯を知る一人として、嬉しく、また時間がかかっても何事かを仕上げていく事の大切さを改めて実感しました。来月には能越自動車道の福岡料金所が撤廃されますが、提起されてから10年以上の歳月を要しました。利賀ダムも綿貫先生を先頭に関係者が運動を続けてこられ、7年間を超える検証過程もクリアし、工事用道路を兼ねた利賀地域への連絡道路の長大トンネルの着工の時が近づいています。北陸新幹線の敦賀・新大阪への延伸も、国家財政の再建も、「倦まず弛まず」、一隅から声を挙げ、地道に取り組んでいきたいと思います。

 安倍内閣が発足して5年5か月、長期政権故の「緩み」を指摘される昨今ですが、内外の課題に対処してきた政権の歩みを辿ってみます。外交では、「地球儀を俯瞰する外交」を標榜し、総理自ら数多くの国々を訪問し、緊密な首脳関係を築きました。2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致実現に始まり、TPPの国益に配慮しての交渉妥結、米国離脱後の11か国での再構築と、自由貿易の発展を先導しています。日豪EPAに続き、日EUEPAも大筋合意に達しました。先週末の韓国・北朝鮮の首脳会談の実現も、日米韓で協力して主導してきた国際社会の「最大限の圧力」あってこそです。今後、日ロ、日中関係の深化が期待される局面です。

 内政では、経済成長と財政再建の両立を基本に、アベノミクスの「三本の矢」、「新三本の矢」にて、異次元の金融緩和政策、適時の財政出動、成長戦略、GDP600兆円超え、育児・介護離職の撲滅、一億総活躍社会、地方創生といった目標を設定し、切れ目なく政策を進めてきました。特定機密情報保護、平和安全法制など国論を分けた課題についても、慎重論に耳を傾けて法案を修正し、丁寧な国会審議により成立させてきました。日米を基軸とした安全保障の強化も政権の成果です。今後は、働き方改革、消費税再引き上げ、沖縄の普天間基地の辺野古沖への移設、憲法改正と課題山積です。行政府の相次ぐ不祥事には再発防止策を含めて説明を尽くし、従前通りの緊張感と用意周到さでの前進を願い、努力します。

カテゴリー: 国政報告 |