2020年12月

国政報告(第557号)

 前号では富山県東部で降った初雪でしたが、その後は西部にも及び、週末は雪の中での挨拶回りになりました。寒さも影響するのか、コロナウイルスの国内感染者数はさらに増え、累計で20万人を突破しました。17日(木)、東京都の1日感染者数が822人に達するなど深刻化する状況を受け、菅総理は「GO TOトラベル」の28日(月)から1月11日(月)までの全国一斉停止を発表しました。都道府県別では、対策が先行する北海道と大阪府では感染者数が減少に転じており、基本的な予防行動と併せて、「人と人の接触を減らす」対策の有効性は明らかです。年末年始の2週間が感染抑止に寄与するように、と思います。

 この間、安倍前総理の「桜を見る会」に関する国会答弁等の説明が誤りであったこと、鶏卵業者からの金銭受領を巡り吉川元農相が党役職を辞任したこと、菅総理が多人数での夜の会食について反省を表明したこと、など政府・与党が国民の皆様の信頼に悖る事が相次ぎました。組織の一員として厳しく受け止め、コロナ禍の下、「正しく恐れる」の原則の下、慎重な行動を心掛けます。

 先週からの予算編成、新幹線の動きですが、16日(水)朝、政調審議会があり、総務部会長として、ローカル5Gの推進と地方財政の所要額確保の最重要項目2点を報告しました。17日朝、部会を開き、財務大臣との折衝に臨む武田総務大臣を激励・送り出し、結果、5G予算の上積みと地方交付税の増加が実現しました。大幅な税収減が心配される自治体にとって、交付税が17兆4千億円、前年度比9千億円増となったことは朗報だと思います。

 17日朝は、党北陸新幹線PTも開かれ、金沢・敦賀間の工事遅延と事業費増大について、16日の与党PTで了承された国土交通省の対応案が報告されました。工期を1年延長し、リスク要因はあるものの、令和5年度末の開業を目指します。事業費の増加分の大半は、鉄道・運輸機構の特例業務勘定からの支援と、既存新幹線の貸付料の支払い期間の延長で賄い、石川・福井両県の実質的な負担増は133億円に留めます。さらに、与党方針に従い、敦賀・新大阪間の令和5年度着工を目指して努力する旨、赤羽国交大臣が表明されました。開業延期は残念ですが、全線開業に向け、時期・財源が具体化され、「災い転じて福となす」結果と受け止めています。

 週末の18日(金)は、先週に引き続き、各種団体への県連新役員の挨拶回りの後、夕刻、山口泰明党選挙対策本部長の来県を受け、県内の選挙区情勢の報告など意見交換しました。19日(土)午後、コロナ対策をとった上で、第三選挙区女性部の国政報告会を開催頂き、最近の動きを皆さんに伝えることができました。コロナウイルスと対峙しながらの年の瀬ですが、皆様のご健勝を念じつつ、次号は一週空けて、三が日明けと致します。

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国政報告(第556号)

 昨14日(月)朝、新幹線で上京の際、小雨模様の新高岡駅を出て、神通川に差し掛かると一面雪模様となり、「初雪」を実感しました。今朝(15日(火))の東京は、気温が下がっての冬晴れで、議事堂周辺の街路のイチョウ並木の葉も大分落ちました。今週は、第三次補正予算と当初予算の編成が続き、年末に向かいます。

 先週に戻って、税制は、9日(水)に最終処理案が提示されました。残っていた自動車税は、グリーン化の観点から、環境性能割の特例対象車の基準が2020年から2030年に更新されました。税率の特例的引き下げ措置は、地方側の要望も取り入れて延長期間を短縮し、明年12月まで9か月延長されます。納税手続き面で、デジタル化など改善の段取りが明確化され、嬉しく思います。

 10日(木)朝、工事遅延と事業費増大が懸念されている北陸新幹線の金沢・敦賀間について、党の北陸新幹線PTが開催され、国土交通省から検証委員会の中間報告の説明を受けました。建設を担当する鉄道・運輸機構内部での意思疎通が悪く、工期遅延・工事費増嵩の恐れを国交省や地元に伝える事が遅くなった由、改善を望みます。1年半と言われた工期遅延は、内容を精査して1年に短縮できる由、ただし、加賀トンネルの底面のせり上がり(盤ぶくれ)は、対策工事の効果を確認しなければなりません。工事費は2,658億円の増額が見込まれますが、通常3分の1の地元(石川・福井県)負担を無くすことが基本との出席議員の意見でした。敦賀以西の区間の着手も、当初の令和5年春を変えないことも含め、上部組織の与党PTにて、高木毅座長ほかメンバーに主張頂いています。

 10日午後には総務部会関係役員会を開催し、14日午後、武田総務大臣にも出席頂いた総務部会・消防議員連盟合同会議にて、当初予算の折衝状況を踏まえ、部会として、ローカル5Gの推進と地方財政の所要額確保の2点を最重要項目として政府に要請していくこととしました。今週末から来週にかけてが、予算編成の山場であり、次号にて結果を報告できるものと思います。

 11日(金)は、地元にて各種団体への県連新役員の挨拶回りに参加しました。野上会長は、農林水産大臣の公務があり、堂故副会長、宮本幹事長ほかの皆さんとご一緒しました。まずは、秋の県知事選の支援の御礼とお詫びを申し述べました。その上で、今一度、民意を的確につかみ、県政・国政の進展のために力を尽くすこと、特に、各級選挙に確実に勝利するよう汗をかく旨、決意を述べて引き続きのご支援をお願いしました。18日(金)にも続けて回る予定です。12日(土)は東海北陸自動車道の福光IC・城端SA間の四車線化記念式典県薬剤師会の叙勲者等祝賀会、13日(日)は北陸自動車道上市スマートインターの開通式と県連常任顧問会議に出席、コロナウイルスの感染拡大を警戒しながらの毎日です。

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国政報告(第555号)

 12月になってから寒気が緩んだようで、東京は冬晴れの季節ですが、富山も先週末は比較的良い天気でした。一方、「寒ぶり宣言」が出た氷見漁港では連日ブリが揚がり、既に1万本を超えた由、コロナウイルスに悩まされる地域にとっては明るい話題です。

 先週末で臨時国会は終了しましたが、与党として税・予算のとりまとめ作業が続いています。経済対策と第三次補正予算については、4日(金)朝に党政調の全体会議にて政府側から原案が示され、出された意見も踏まえ、本8日(火)夕刻に閣議決定されました。コロナウイルス感染症の防止と社会経済活動の両立を目指し、特に、官民を通じた手続きのデジタル化、諸活動のグリーン化と向う5年間の国土強靭化を柱に、財政支出は40兆円規模となりました。金融機関の融資や民間の投資も含めた事業規模は73.6兆円で、GDPを3.6%押し上げる効果があるとのこと、当初予算と合わせて「15か月予算」で景気を支えます。総務部会からも要望した、自治体向けの地方創生臨時交付金は新たに1.5兆円が組まれ、これで総額4.5兆円となります。これを踏まえて20日(日)頃までに第三次補正予算と新年度予算が編成されるものと思います。

 新年度予算については、7日(月)午後の政調全体会議に政府側の編成方針案が示されました。総務部会長として、例年通り、地方の一般財源総額について前年度水準を下回らない旨の明記を求めました。次いで、本日8日(火)午後の全体会議には、政調の各部会から提出された重要事項を編集した党側の予算編成大綱が示され、出席議員の意見を聴取した上、下村政調会長に取りまとめを一任しました。総務部会としては、地方財政、情報通信、消防など所管分野全般にわたり、必要な予算確保を期待するものです。

 税制では、地方税の中で、固定資産税と自動車税が焦点となり、2日(水)午後の党税調「〇政審議」で議論されました。本日、処理案が示され、固定資産税は、三年に一度の土地の評価替えの年度に当たり、厳しい現況下、近年地価が上昇していた地点でも実勢は下落しているものと考えられ、一律に一年据え置きの措置を取ることになりました。一方、自動車税は、グリーン化の観点から、環境性能割の特例対象の車を絞り込むか否か、また、経済対策で税率を特例的に引き下げている措置をいつまで継続するかについて議論が続いていて、明9日(水)に結論を持ち越しました。

 週末の地元では、5日(土)に南砺市五箇山の合掌集落の国史跡指定50周年と、世界遺産登録25周年の記念シンポジウム6日(日)は、高岡市伏木の「かたかご幼稚園・保育園」の創立50周年記念式典にそれぞれ出席しました。地域の文化・伝統を守ったり、次代を担う子供達を育んだりする、地域の皆さんの温かいお気持ちと、力合わせに感謝しつつ、個性豊かな「地方創生」を念じます。

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国政報告(第554号)

 師走に入り、臨時国会も4日(金)に会期を終えます。今日(1日(火))は、東日本大震災復興特別委員会にて平沢大臣の所信に対する質疑がありました。あと3か月で発災から10年となる被災地の現状と抱える諸課題について幅広く論じられました。岩手・宮城県では、ハードの整備がほぼ終わり、災害公営住宅に入居された方などの心のケアが取り上げられました。福島県では、未だ避難指示が出た状態の地域の取り扱いや、国内外の風評払拭の取組、原発の処理水の取り扱い、国際教育研究拠点構想の進捗などが論じられました。副大臣在任中に努力した、海外諸国の輸入規制撤廃の働きかけについて、フィリピン、モロッコ、エジプトなど完全撤廃する国が続いていることを嬉しく思いました。

 先週は、経済対策、税制改正、新年度予算について総務部会の意見をまとめ、部会長として発言する仕事が主でした。経済対策では、自治体がコロナウイルス対策を進めるための臨時地方創生交付金の増額、国・地方の行政のデジタル化とマイナンバーカードの普及・活用の支援、情報通信分野の5Gに続く超高速大容量通信技術の研究開発基金の設置などを求めています。先月27日(金)午後の政調審議会で下村会長ほか役員に報告しました。税制改正では、固定資産税が3年に一度の土地の評価替えの年に当たり、その方法について、失速した経済を反映させよ、という他部会の要望に対し、市町村の基本的な税源を守る立場から反論しています。また、車体課税についても、グリーン化をどこまで進めるか、議論となっています。30日(月)の午後には、個別論点についての「〇☓審議」があり、次回は2日(水)に上記の主要課題の議論が「〇政審議」と呼ばれる形で行われます。新年度予算については、地方自治体の一般財源総額の確保を筆頭に、自治・情報通信・消防など各行政分野の予算確保が焦点で、来週以降も部会として発信していきます。

 週末の富山では、28日(土)に小矢部市の市民交流プラザの開館式に出席しました。石動地区の中心市街地再整備の一環として県世輸された施設は、市民の多彩な活動の拠点として、使い勝手が良く、維持管理しやすい印象を受けました。石動駅の南北自由通路・図書館と併せて、桜井市長の目指す町の活性化が着実に前進していると実感しました。29日(日)は林氷見市長の後援会役員会総会に出席し、励ましのご挨拶をさせて頂きました。

 コロナウイルスの状況は、引き続き感染者数が増加しており、GO TO事業を一部制限し、東京では夜10時以降の飲食店の営業自粛要請が出されました。社会経済活動との兼ね合いは引き続き悩ましい問題ですが、きめ細かい対応で、「細き道」を何とか潜り抜けていく努力を積み重ねていかなければ、と考えます。世界全体の感染者数の減少に光明を感じつつ、日本の現況を見つめていきます。

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