国政報告(第179号)

 桜前線が北上する中、先週末は富山で満開の桜に出会い、今週の東京は新緑に早くもつつじが映える状態です。国会は12日(金)に続いて15日(月)も衆議院で予算委員会分科会での審議が進み、私も今後の郵政事業についての総務省の見解を述べる答弁に立ちました。16日(火)には予算委員会・本会議が相次いで開かれ、今年度予算案は衆議院を通過しました。私には、与党に転じて初めての本予算の審議・可決であり、その瞬間は達成感がありました。

 来週からは参議院での審議に移りますが、憲法の規定により、今年度予算は1ヶ月後の5月15日(水)までには必ず成立するので安倍政権の経済政策「三本の矢」の二本目、財政政策もこれで切れ目なく展開していくことになります。後は、三本目の成長戦略を具体的にどう構築するかが課題です。一方、国会の審議は大詰めを迎えている「マイナンバー法案」に続き、衆議院の定数を是正し、選挙違憲・無効判決に対処する「0増5減法案」が焦点です。

 昨年11月の衆議院解散の際、自由民主・公明・民主三党が合意して、定数是正の方策として小選挙区の0増5減と比例区の削減を検討するとし、0増5減を先行させて選挙区割りの変更案をまとめる審議会が設置されました。今回の法案はこの区割り審議会の結論に基づくものですが、野党側は比例区の取り扱いの協議もまとめてから法案を取り扱うべきとの考えです。与党側は、比例区の取り扱いについての各党の考えに隔たりがあり、協議が遅れることを懸念しています。今国会で、定数是正について何ら対応できないとなると、司法の違憲・無効判決に立法府として対処できない事になります。このため、「0増5減法案」の審議を進め、19日(金)にも委員会採決を行いたい考えです。

 私には与党に転じて始めての「与野党対立局面」ですが、ここは石破幹事長の姿勢の通り、頑張り所と思います。現在480ある衆議院の定数を、まずは0増5減で475とし、さらに比例区の180議席をどの程度削るか、与野党で時間をかけてもしっかり協議し、結果として450前後の定数にして、その得失を見定めるべきです。このほか、日米首脳合意に基づく「ハーグ条約」関連の案件や、年金保険料未納者救済の法案の審議も進んでおり、これらが成立すれば、今国会の出口は着実に見えてくるものと思います。野党時代から指摘してきた「段取りが組めるか」という基準に照らし、内閣は着実な歩みを続けています。17日(水)の党首討論でも安倍総理は安定感のある答弁であったと感じています。

 政府の一員として、私には成長戦略の一端である総務省のICT成長戦略の立案に、新藤大臣・柴山副大臣の下で努力する事が課せられています。今週は東京大学工学部で、世界中の気象・環境の様々な観測データを統合し、豪雨や津波の浸水予測や農作物への影響予測に役立てるDIAS(地球環境統融合プログラム)を見学しました。蓄積するデータ量がとてつもなく大きく、テラ(一兆)バイトからペタ(千兆)バイトといったレベルを超える「ビッグデータ」です。これをどうやって蓄積・保存し、解析して実社会に役立てていくか、ビッグデータの可能性を探る好事例と思っています。案内頂いた原田工学系研究科長、小関副科長、小池教授、田島教授、そして国立情報学研究所長でもある喜連川教授に御礼申し上げ、今週の報告とします。

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