国政報告(第289号)

 先週の台風11号に続き、今週は台風12号が沖縄に接近、週末は西日本も影響が出そうな状勢です。24日(木)から沖縄出張の予定でしたが、大事を取って中止し、来月に先送りとなりました。富山を始め、各地で梅雨明け宣言が出され、夏本番ですが、私は先週末から不覚にも「夏風邪」にかかり、のどを気にしながらの一週間、体力回復に努めています。

 国会は16日(木)の衆院本会議で平和安全法制が可決されて以来、動きが止まっていましたが、参院の選挙区是正について野党四党案を我が党も了承する所となりました。24日(金)の参院本会議で可決の見込みで、これを受けて衆院側も来週明けから審議を再開できそうです。1人区の鳥取・島根、徳島・高知をそれぞれ合区する案で、党内では該当県の議員を中心に強い反対意見も出ています。しかし、現行憲法では、衆参両院の選挙区の在り方について何ら定めがなく、法の下の平等の法理が優先し、一票の格差をできるだけ是正すべきというのが、最高裁の憲法判断です。米国の上院が各州ごと2人づつで構成されるように、世界的に見ても院の構成は必ずしも人口だけに拠る必要は無く、2院制の我が国では、参院議員に都道府県代表の要素を強く持たせる考えも成り立つと思いますし、私は賛成です。ただ、そのためには憲法改正が必須であり、今日現在、司法府から違憲判決を受けている以上、立法府として速やかに法的措置を講じざるを得ず、今回の合区案はやむを得ないと考えます。併せて、参院選挙区に係る憲法改正を急ぐべきと思います。

 さて、17-8(金―土)と、党北海道振興特別委員会事務局長として、北海道の釧路・十勝地方を視察してきました。20年余り前、北海道開発庁に勤務していた折、農村部のまちづくりに国・道・町村皆で協力して取り組む「ニューカントリー事業」に携わっていたことから、そのモデル町村だった標茶町(釧路管内)と本別町(十勝管内)を訪ねました。事業制度は平成19年度で終了したそうですが、それぞれの機関が垣根を越えて一つの目標の為に事業を持ち寄り、進度調整したことに感謝の言葉を頂きました。また、両地域は北海道農業の中でも、釧路の酪農、十勝の畑作としてそれぞれ特色ある大規模経営が実現しており、久しぶりに田の無い風景を新鮮に感じました。道立標茶高校では、酪農後継者の育成のために広大な農場を持ち、最新鋭の搾乳ロボットが導入されていました。十勝の帯広川西農協では、新たな輸出作目として「長いも」に取り組んでおられました。集荷場の機械化を大胆に進めつつ、なお、冷蔵設備の充実により、通年出荷を可能にし、常時百名の作業員を雇用するなど、地域に大きな波及効果を及ぼしていました。

 来年からの北洋漁業のさけ・ます流し網漁の禁止や、TPP交渉の影響の懸念など、不安材料も尽きない北海道ですが、地域に根差した力強い取り組みに感銘を受けました。併せて、道東自動車道の整備や、飼料輸入拠点としての釧路港の整備など、基盤整備の着実な推進も応援していきます。沖縄・西普天間地区の訪問が延期になったのは残念でしたが、来週から通常国会も第四コーナーを回る訳で、さらに実がなるよう、努力していきます。

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