国政報告(第332号)

 6月1日(水)、通常国会の会期末は、安倍総理が記者会見され、消費税の10%への増税を明29年4月から、平成31年10月まで2年半延期するとの表明で幕を閉じました。永田町では、衆参の同日選の可能性が最後まで語られた上、G7の伊勢・志摩サミットから総理の最終決断まで、今回も驚きの連続の展開となりました。

 米・オバマ大統領の広島訪問を含め、サミットが成功裏に閉幕した先月27日(金)の夜、総理と麻生財務大臣、谷垣幹事長、菅官房長官の四者協議から事態は大きく動き出しました。2年半延期を打診する総理に対し、麻生大臣は反対され、その場合は衆議院を解散して信を問うべきとの意見を述べられた由、翌28日(土)の新聞朝刊で報道され私も初めて知る所となりました。29日(日)は党県連大会と政経セミナーが予定されており、麻生大臣と谷垣幹事長に来県頂く予定は早くから決まっていました。セミナー来賓としてのご挨拶が俄かに全国的注目を集める事になりました。

 先立って、28日は富山新港で国土交通省の多目的国際ターミナル(コンテナ埠頭)の延伸工事の着工式典に出席し、午後は高岡市野村地区で、高橋市長、地元の坂林市議との合同報告会に出席しました。国政報告では、報道を受け、消費税と衆院解散がどうなるか、確たることは言えないと述べるしかありませんでした。

 明けて29日、麻生大臣は改めて増税延期に反対であり、延期の場合は解散すべきとの意見を述べられました。谷垣幹事長は麻生大臣に同調されながらも、「進むも地獄、退くも地獄、厳しい判断であり、総理の決断を待つ」との発言で、週明けからの調整が焦点と理解しました。併せて、桜井よしこ先生に講話頂き、サミットの意義から現下の国際情勢と我が国の取るべき施策について、深い洞察に裏付けられたお話しが聞け、有意義でした。

 30日(月)はかがやき536号で新高岡駅から上京し、夜は県内10市の市議会議長さん達との懇談会に臨みました。31日(火)には、野党四党から内閣不信任決議案が出され、その本会議を15時半に控える形で、14時から政調全体会議が急きょ開催され、総理のお考えに対する党内意見の集約が図られました。大勢は、総理の判断に従うものの、参院選を控え、増税延期の理由や社会保障費を中心とした歳出面の取り扱いについて、総理自ら明確な考えを述べて頂きたいとの意見でした。私も、日本銀行が年間80兆円の国債を買い入れる「異次元の金融緩和」で既に300兆円を超える国債を日銀が保有しており、31年10月まで続けるならば600兆円に達する事になり、その前には政策を変更せねばならないと思われる旨、注意喚起の意見を申し述べました。

 結局、不信任決議は夕刻に粛々と否決され、1日の13時からの本会議で会期末の手続き終えた後、18時からの総理記者会見で最終的に増税の2年半延期が正式に発表されました。安倍総理は、今回の決断が26年11月の判断とも異なる「新しい判断」とされ、このことについて、7月10日(日)投票の参議院選挙で国民の信を問う、と述べられました。全てが急展開の新たな局面ですが、与党の一員としてどう受け止めるか、来週からは富山を中心に活動しながら、自分の考えをまとめ、報告して行きたいと思います。

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