国政報告(第359号)

 第192国会(臨時会)は、会期が3日間延長され、17日(土)までとなったものの、15日(木)未明の衆議院本会議でのIR法案(参議院での修正案)の可決により、事実上閉幕しました。内閣提出案件は、TPP批准、年金改革法案など大方成立し、議員立法を含め、結果としてかなりの成果が挙がりました。最後は民進党など野党4党共同提出の内閣不信任案を否決しましたが、年金改革法案が参議院で可決・成立した後の提出となりました。ロシアのプーチン大統領来日を目前に迎える安倍総理を、当日未明まで国会に釘付けする事となり、まして、IR法案は内閣提出案件でもない事から、不信任案の提案理由に迫力が無く、民進党の国会対応に疑問の残る展開となりました。

 さて、今週から来週にかけては、国会閉会を見越して東北に出張することとし、まずは12日(月)に岩手県北部の洋野町久慈市野田村普代村田野畑村岩泉町の5市町村を訪問しました。東北新幹線で八戸まで行って南下するルートで各役場にて首長(岩泉町では副町長)さんのお話しを伺いました。いずれも、住まいの復興事業を終え、防潮堤や産業関連施設の整備が最終段階に入っており、水産業など「生業」の再生・創生が課題となっています。また、久慈市、野田村、岩泉町では夏の台風10号の被害に遭っており、迅速な災害復旧と特別交付税など財政的支援の要望を受けました。特に岩泉町は、大震災で沿岸部が被災したのに対し、台風では小本川の氾濫等で中心部を始め内陸部が大打撃を受けました。このため、復旧事業を組織的・効果的に進めるための人的・技術的支援を強く要望され、関係省庁に伝えることとしました。

 次いで、15日に陸前高田市を訪問しました。当初は大船渡市も予定していたのですが、本会議が未明まで続いたため、1市のみの出張となりました。リアス式海岸の奥に所在する白砂青松の高田松原の砂浜と中心市街地が地震・津波で失われ、周辺の山を削って得た土砂を盛土して再生を進めています。また、土砂を取って得られた高台に建設してきた災害公営住宅は来年度初めには全て竣工する見込みです。私自身、衆議院の委員会視察で2度伺っており、今回は防潮堤も建設が進み、中心部でも大型商業施設の躯体が姿を現すなど、時の経過の中での事業の進捗を感じました。今後、中心部に整備された区画に住宅が埋まり、津波に耐えた「奇跡の一本松」の周りに復興祈念公園が整備され、復興が成し遂げられるまでには今しばらくの時間が必要で、市長さん始め街の皆さんのご苦労を最後までしっかりフォローしなければとの思いを強く持ちました。

 16日(金)には福島の相馬地域に伺い、来週も宮城県、福島県を訪問する予定です。この間、14日(水)には党東日本大震災復興加速化本部の会議が開かれ、額賀本部長、谷事務局長ほか皆さんに「福島復興指針」の改定案を審議・了承頂きました。夏の与党提言を受け、帰還困難区域内に新たに特定復興拠点を設け、国の直轄事業として除染・家屋解体など基盤整備を一体的に進める事を閣議決定するもので、来年度から一段と復興を前進させて行くものです。被災地の置かれた復興の状況が様々にばらつく中、それぞれの進捗に応じて施策を進めるべく努力していきます。

カテゴリー: 国政報告 パーマリンク