2013年5月

国政報告(第185号)

 東京は例年より早く、5月下旬の梅雨入りとなり、いつの間にか曇り空と梅雨特有の蒸した空気に様変わりです。先週末の在京当番からそのまま今週に入り、30日(木)には衆・参の総務委員会が開かれて、衆は給与法改正案、参は電波法改正案をそれぞれ審議・可決頂きました。6月14日(金)告示の東京都議会議員選挙を前に、総務省の国会提出議案の審議を終わらせるべく、努力しているところです。

 3月来の懸案であった、東京タワーから東京スカイツリーへの放送電波の移行も、関係者による難視聴対策が精力的に進められた結果、31日(金)午前9時に実施の運びとなりました。政務官として抱えている案件の一つが片付き、後は、アンゴラ共和国の地デジ放送日本方式の採択とかんぽ生命の学資保険の変更認可が自分なりの解決すべき課題です。このうち、アンゴラについては、1日(土)から横浜市で開催される第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)に合わせて来日される先方高官にお願いする予定です。先に採択頂いたボツワナ共和国からは、担当のマシシ大臣が来日の予定で、こちらは今後の具体的な段取りを詰めて行く事になります。

 総務省の業務が佳境に進む折、ここ2週間は不摂生がきっかけで腸の調子を崩し、千代田区飯田橋にある東京逓信病院の消化器内科で診察を受ける事になりました。自己管理の不徹底で恥ずかしい限りですが、結果として日本郵政グループの主要施設を見学させて頂きました。調べてみると、戦前の昭和13(1938)年、富山県で初めて大臣になった南弘逓信大臣の提唱で開設されていて、浅からぬご縁を感じました。千代田区・中央区からなる医療圏の急性期中核病院として、救急搬送も受け入れているなど、地域に対してもしっかりした役割を果たしている一方、医業収支面では厳しい経営ともなっており、もう一段の改善が期待される所です。なお、体調の方は、的確な処方のお陰で快方に向かっています。

 見学と言えば、先週の24日(金)には葛飾区立本田小学校で、電子黒板とタブレット式端末を用いた授業を見学させて頂きました。2年生のカタカナの学習、4年生の割り算の筆算の練習、6年生の日光での課外活動の準備と、3つの授業を拝見し、先生と児童がIT機器を上手く使いこなし、グループ学習に積極的に取り組んでいる姿に感銘を受けました。総務省で私たちが取り組んでいるICT成長戦略には様々な施策が盛り込まれており、それを官邸で作っている「IT戦略」に盛り込む努力を続けているのですが、自分なりに、目下の戦略の目玉は、1)電子カルテの普及による地域医療連携、2)学校の各教室への電子黒板と個人用タブレットの配備によるフューチャー・スクール、3)税務行政や関税行政が先導する電子政府、の3点を実現する事と考えています。そのために、自分の番地で何ができるか、大いに頑張っていこうと思います。

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国政報告(第184号)

 先週末の18日(土)、全国山・鉾・屋台保存連合会の定時総会が栃木県鹿沼市の今宮付け祭りの皆さんのお世話で開催され、鬼怒川温泉で催された懇親会に参加しました。いつもの事ながら、国の有形・無形民俗文化財に指定された祭りを担う皆さんと屋台の修理に携わる皆さんが一堂に会し、私も元気をもらいました。東京経由で19日(日)に富山にトンボ帰りして、前田利長公400回忌を記念して国宝瑞龍寺で献茶式に臨まれる茶道裏千家の鵬雲斎大宗匠をお迎えしました。前田家からはご当主の利祐様ご夫妻もお越しで、綿貫元衆議院議長も出席されて懇親会が開かれました。先立っての大宗匠のご講話では、日本の良き伝統を大切にしながら、「一碗からピースフルネスを」をモットーに国際親善に務められているお気持ちを率直に聴かせて頂けました。

 20日(月)の献茶式には出席がかなわず、上京して総務省の仕事に戻り、21日(火)は衆議院総務委員会で電波法改正案の審議で答弁に立ちました。電波利用料を財政力が弱い市町村の消防・防災無線のデジタル化の補助にも使えるようにして、周波数の使用帯域を圧縮し、鉄道や電気事業者の無線に割り当てようという内容で、全会一致で可決頂きました。目下、衆・参両院で総務省関連の法案審議が順調に進んでおり、しばらくは、委員会定例日の火曜と木曜が忙しくなります。この間、ICT成長戦略に関する各種会合が省内で開かれていて、充実したウィーク・デーとなっています。

 そんな中、21日は県内の市議会議長会の皆さん、23日(木)は射水地区後援会の女性部の皆さんがそれぞれ上京され、夕食をご一緒させて頂きました。地元の皆様に東京でお会いし、話をしたり、励まして頂けるのは大変嬉しいです。これからは、夏場に向け、来年度の予算・施策の検討を進める時期に当たり、富山県についても新幹線開業後の将来像を描きつつ、必要な国の事業に結び付けて行かなければなりません。色々な要請や意見をしっかりと受け止め、持ち場で努力していきます。

 首都圏のテレビ電波の発信元を東京タワーから東京スカイツリーに切り替えていく準備は、試験放送が最終段階に入り、24日(金)と26日(日)には朝9時から夜7時まで10時間連続で電波を切り替えて放送が行われます。関係者の努力で難視聴対策も大分目途がついてきて、移転の実現まで後一歩の現状です。このほか、4月に地デジ日本方式の採択をお願いしたアンゴラ共和国の動向も気になるところです。6月1日(土)から3日(月)まで、横浜市で第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)が開催され、各国首脳が来日されることもあり、ボツワナ共和国に続いて採択頂ければ、と願っています。今週末は在京当番、来週も後半国会と成長戦略立案に取り組んで行きます。

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国政報告(第183号)

 5月も後半に入り、東京は汗ばむ日が多くなってきました。15日(水)には新年度予算が成立し、通常国会も残り会期が40日となり、政府・与党とすれば残された案件の成立に全力を挙げる段階です。16日(木)には参議院総務委員会で国から地方への分権を進める第三次一括法が可決され、衆議院総務委員会では電波法一部改正法案が審議入りするなど、総務省所管案件も進捗しています。今週も参議院で森田議員に答弁する機会を頂きました。郵便局が市町村の住民票交付等のサービスを受託し、地域に貢献する取り組みの充実を促され、現状の報告と併せ、努力する旨お答えしました。

 富山では、11日(土)に堂故茂次期参議院選候補予定者の事務所開き、12日(日)に富山県の置県130年記念式典に出席しました。参議院選で与党が過半数を確保することが当面の目標であり、富山県選挙区でも頑張っていきます。また、富山県の歩みを改めて振り返ってみると、豊かな水と治水・利水によって共生を図り、防災と産業振興を両立させてきた先人の努力の積み重ねの上に今日の富山県の姿がある事を痛感します。今を生きる私たちも、2年後の新幹線開業を活かし、陸・海・空に大きく羽ばたく県として次の世代につないでいかなければなりません。12日には、私を支援頂いている慶友会の皆さんの総会・懇親会がありました。川村会長を始め、多くの方に励まして頂き、思いを新たにさせて頂きました。

 東京では国会審議と並行して総務省での仕事をこなしています。「ホワイトスペース」と呼ばれる、既存のテレビ放送で使用している電波帯の空きチャンネルを利用し、限られた地域や施設で独自の放送サービスが試行的に展開されており、14日(火)にその成果発表の会議がありました。特に南砺市から、地場のアニメ制作会社の協力を得て、「True Tours(恋旅)」というワンセグ放送を市内の観光施設で実施し、この連休中は例年を上回る訪問客があった旨、力強い報告を頂きました。15日は江東区にある東京国際郵便局を見学しました。関東以北の国際郵便のうち、到着郵便物と国際急送便での発送郵便物を中心に取り扱っていて、東京税関東京外郵出張所の皆さんの郵便物検査の場面も見せて頂きました。日本郵便のスタッフが空港と同様なX線検査もこなしておられ、危険物が紛れていないか素早くチェックしていきます。税関の皆さんも郵便物に問題が無いか、また、関税の課税のある無しを瞬時に判断する作業に携わっておられ、万国郵便条約に基づく国内外の郵便物のやり取りもこうやって多くの方々に支えられているのだと実感しました。

 このように、総務省で自分の所管分野について得難い経験をさせて頂く一方、この事が国のために実になるよう努めなければなりません。差し当たりは、首都圏のテレビ電波の発信元を東京タワーから東京スカイツリーに切り替えていく準備が大詰めを迎えており、視聴者の皆さんにご迷惑をかけないように遂行できるよう、緊張感をもって臨んでいます。

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国政報告(第182号)

 在京当番明けのゴールデン・ウィーク後半は、5日(日)に城端で曳山祭の庵唄を聴き、6日(月)は万葉線のドラえもん電車の乗客10万人達成のセレモニーに出席して7日(火)から再び東京での活動に戻りました。

 衆議院では内閣提出の法案審議が着実に進み、新たに災害対策基本法と厚生年金法の改正案も本会議で審議入りとなりました。参議院では川口環境委員長の中国出張一日延長に係る解任決議が可決されたのは残念でしたが、新年度予算案の審議は大詰めを迎え、9日(木)には総務委員会の委嘱審査で前任政務官を務められた森田議員の質問に答弁させて頂きました。

 まず、4月初めのアフリカ出張での地上デジタル放送・日本方式の採択働きかけの成果を問われました。南部アフリカ地域には、森田前政務官が2度出張されて道を付けて頂いており、そのおかげでボツワナが採択となったこと、アンゴラが後一歩であることをお答えし、森田議員の努力に感謝しました。2問目では、医師としての見地から医療情報基盤の充実を求められました。私も高岡市で地域医療・介護の現状を目の当たりにした経験から、高齢化が進展する中、電子カルテを中心とする医療情報のネットワーク化が医師不足のカバーや重複検査の減少に効果的であり、総務省としても「全国展開」を目指す旨、答弁しました。党派は異なっても、森田さんは同じ富山県の議員であり、先任政務官としての業績も立派なものがあります。質問という形でのエールが嬉しい委員会でした。

 毎週一回を心がけている関係施設の見学は、8日(水)、小金井市にある総務省の独立行政法人、情報通信研究機構に伺いました。元は電波研究所だったのですが、今では情報通信技術(ICT)の最先端の研究施設となっています。当初からの日本標準時の決定・維持を始め、最新の高速・大容量通信技術の開発、ネットワーク・セキュリティの確保、ビッグ・データの管理など、ICTをベースにした成長戦略に欠かせない技術の研究開発に精力的に取り組んでいます。昨年の衆議院総務委員会での見学に続き、2回目の訪問でしたが、4月に就任された坂内正夫新理事長にご案内頂き、世界科学データシステム(WDS)の国際プログラムオフィスなど、国際分野での活動の広がりも目にすることができました。

 内閣では、成長戦略を6月中旬にも取りまとめる方針で、規制改革、産業競争力、国際経済協力、IT戦略など、官邸を舞台に展開されてきた会議も、成果を取りまとめる段階に来ています。このため、総務省のICT成長戦略に係る各会議も提言をまとめながら、そのエキスを官邸での会議に流し込むよう詰めの努力を続けています。一方、富山では11日(土)に堂故茂氏の参議員選挙に向けた事務所開きが予定されています。こちらもしっかり取り組んで行きます。

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国政報告(第181号)

 ゴールデン・ウィークの前半は思いのほか気温が低く、26日(金)に党の支部総会で伺った利賀では途中雪が降りました。27日(土)に砺波で県の山・鉾・屋台・行灯祭りの総会に出席した後、いったん上京し、28日(日)は政府主催の主権回復・国際社会復帰記念式典に参列しました。戦後、サンフランシスコ講和条約の発効により、61年前の昭和27(1952)年に我が国の占領状態が終結したことを記念し、その後の国際連合加盟や経済成長など国の歩んだ軌跡に想いを馳せ、先達に感謝しながら将来への決意を新たにしようという趣旨です。一方、奄美諸島、小笠原諸島、沖縄の皆さんはその後も占領下の苦難が続いたのであり、北方領土のように未だ解決していない問題があることも忘れてはならず、その旨、安倍総理も挨拶の中で特に力を入れて触れられました。

 日曜のうちに富山に戻って後援会高岡地区青年部の皆さんの総会で政権の現状と参議院選挙に向けての課題を報告し、29日(月)は南砺市の植樹祭と高岡市の無形文化遺産フォーラムに出席、5月1日(水)は砺波市にある国の利賀ダム工事事務所と高岡市の勝興寺の修復工事現場を訪問した後、御車山の勢揃式に参列しました。1日の夜の再び上京し、2日(木)から4日(土)の夕方までは総務省の在京当番です。

 連休前の国会では、26日の衆議院の委員会でマイナンバー法案とハーグ条約関連法案が可決され、9日(木)の本会議で通過する予定です。新年度予算案、衆議院0増5減法案と併せて重要案件が参議院に送られ、会期末までの残り50日余りの見通しは良好な状態です。安倍総理はロシアに引き続いて中東諸国を歴訪中で、新藤総務大臣のインドネシア訪問を含め、主要閣僚が手分けをして海外出張し、外交面でも建て直しが進んでいます。これも、段取りをキチンと踏んだ国会運営がなされているからこその外遊で、連休明けからは参議院での審議と並行して「アベノミクス」の三本目の矢である成長戦略の構築に全力を集中するものと思われます。7月21日(日)とされる参議院選挙を乗り越えられれば、成長戦略で提起される施策を具体化するべく各省庁が26年度予算の要求作業に入っていくことになります。そうなると、小泉政権下の平成18年以来7年ぶりに通常の国のカレンダー通りの仕事の運びになる訳です。懸案の処理が進んだ状態で秋を迎えれば、内閣とすれば、「前向き」の姿勢で臨時国会に臨む事ができます。

 このような筋書きを現実のものとするための最大のハードルは参議院選挙であり、国民の皆様の審判を仰ぐべく、細心の注意を払って慎重な政権運営を続けなければなりません。連休前は、日中・日韓関係がやや緊張しました。この部分の手当ても含め、政府与党は、連休でしっかりリフレッシュして事に当たらなければ。。 と思いを新たにしています。

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