2013年11月

国政報告(第209号)

 11月も最終週、この臨時国会も当初の会期はあと一週間となりました。院内の各委員会はもとより、税制改正、今年度の補正予算、来年度予算編成と様々な案件が重なり、政調の各部会も含めて、今までにない忙しさを感じる毎日です。

 先週末は、23日(土)に氷見市十二町地区で積良市議の後援会の皆さんに、24日(日)には県西部6市の市議の皆さんに国政報告をさせて頂きました。毎週一回のホームページを使った報告と併せ、様々な地域・団体の皆さんに口頭で報告することは、国政に携わらせて頂いた際の公約であり、初心を忘れず務めて行きたいと思います。特に、集会型の国政報告は、お世話して下さる方がいて始めて成り立つものです。また、28日(木)には、南砺市から党平支部の池田支部長(市議)始め皆さんが国会見学にて上京され、激励頂きました。あわせて感謝申し上げます。

 今週も、週明けに上京し、26日(火)は夕刻からの本会議にて国土強靭化基本法案と特定秘密保護法案を可決し、参議院に送りました。秘密保護法案は報道・世論の関心が高かった案件ですが、今日の我が国の外交・安全保障にとって、その必要性は与党はもとより、大方の野党も認めるところであり、反対討論に立った民主党の長島議員もそう発言されました。よって、法案審査の焦点は、保護すべき秘密をいかに限定するか、また、国民の「知る権利」との調和をいかに図るかにありました。この点、委員会で十分に議論され、法案に十数か所の修正を施した過程は丁寧であったと思います。反対者から懸念される部分は、政府の運用において払拭していく事が大切と思います。23日には中国が尖閣諸島を含む東シナ海上に、一方的に防空識別圏を設定し、日・米・韓国から強く批判されていますが、このような現状において確固たる安全保障体制を構築する必要があると思います。内閣官房に新たに設けられる国家安全保障局の取り組みに期待するものです。

 私の持ち場の内閣委員会では、27~29(水~金)日と連日国家公務員法改正案の審議が続いています。会期末まであと一週間となり、衆議院側に残る重要案件となっています。参議院側ではさらに多くの案件が審査中であり、来週の展開は重大です。一方、党税制調査会では、26日、28日と新年度税制の議論が進められ、来週は個々の案件の検討が進みます。消費税増税に対する5兆円規模の経済対策の内容の詰めの議論も並行して進められており、重要な案件が目白押しの状況です。米の生産調整については25日(月)に5年後廃止で決着する一方、26年産米の数量目標は26万トン減の765万トンと厳しく絞り込まれました。3%を超える縮減で、各県別割当も気になるところです。来週も、国政の重要課題の方向付けが進みそうな状況であり、引き続き報告していきます。

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国政報告(第208号)

 季節は駆け足で晩秋に向かい、富山では時雨模様の中、ブリの水揚げに沸き、東京は銀杏の黄葉が風に舞い落ち始めました。先週末は富山県で初めての原子力防災訓練の閉会式、射水市長選夏野さんの総決起大会での挨拶、福井市での北陸信越ブロックの党青年局・女性局合同会議への出席などをこなし、18日(月)昼に上京、そこからはあっという間の5日間でした。

 衆議院では、各委員会の法案審査が進んでいます。19日(火)の本会議で社会保障改革プログラム法案、21日(木)は国家戦略特別区域法案を可決、参議院に送付しました。このほか、最高裁で違憲判決が出た、婚外子の相続分を嫡出子の2分の1としていた規定を削る民法改正法案など、懸案の処理が進んでいます。大きなもので残っているのは、与野党間の修正協議が続く特定秘密保護法案と、22日(金)に審議入りする国家公務員法改正案となりました。53日間と短い会期の中、精力的な審議日程を設定するため、私が所属する内閣委員会は、先週の13~5日(水~金)に続き、今週も20日(水)、22日の開催となりました。20日には、決算行政監視委員会と朝から夕方まで開催時刻が重なり、国家戦略特別区域法案の締めくくり審議となった内閣委員会を優先して出席しました。

 一方、党本部でも新年度税制改正案を取りまとめる党税調が始動し、21日午後には政務調査会各部会長ヒアリングがあり、来週から本格的に議論が始まります。私も、参議院と日程が重なった松村水産部会長の代わりに、青木参院議員とともに部会長代理として、漁業用A重油・軽油の石油石炭税の還付措置の継続など、部会の重要要望を発表しました。与党議員として実質1年目の私にとって、党税調は始めての経験で、部会での議論、関係省庁・団体からの要請への対応など、野党時代とは様変わりです。来週には車体課税、法人税など主要項目の落ち着きが見えてきそうです。一方、消費税引き上げに対処する経済対策と25年度補正予算の骨格の取りまとめも来月上旬を目指して政府部内で進められており、農業の経営安定対策や来年度の米の生産数量目標の設定も今週から来週には決着させなくてはなりません。ここしばらくは、国会・会館・党本部を慌しく行き来し、重なる日程の中で何を優先するか、また、全体像をどう把握していくか、悩ましい日々が続きそうです。

 さらに、内政・外交を幅広く見渡すと、来年度予算の編成、TPP交渉への対応、福島第一原発の事故処理と震災復興の推進、沖縄の普天間基地移設問題と課題は目白押しです。まずは目前の課題を片付ける事、自分の役割とすれば、会期末まであと2週間の状況で、内閣委員会で審議が始まる国家公務員法改正案の成立に、与党理事の一人として努力する事です。先週も述べましたが、今国会でどこまで案件処理が進むか、参議院の状況も含め、まだまだ予断を許しません。忙しく、緊張感も漂う永田町で、持ち場を中心に、来週も報告を続けます。

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国政報告(第207号)

 今年は暑い夏が長く、10月まで台風の被害に悩まされていたのですが、ここへ来てすっかり気温が下がり、駆け足で冬に向かっているようです。1日に何度も党本部と往復するのですが、歩くには気持ちの良い気候です。

 週末、自由民主党の砺波市般若支部の研修会に講師としてお招き頂き、村岡副議長始め地域の皆さんに国政報告をする機会がありました。今臨時国会の重要案件である秘密保護法案を始め、安倍内閣の取り組みの現状を話し、衆参両院で多数を占めただけに、政権も政策遂行に大きな責任を感じて努力を続ける方針である旨、説明しました。10日(日)告示の射水市長選・市議会議員選については、夏野市長を始め、党の公認・推薦を受けた15人の候補者の選挙事務所を野上・堂故参院議員、四方県議とともに激励に伺いました。

 週明けの11日(月)、はくたか・ときで上京し、13日(水)から3日間は内閣委員会が連続して開かれ、国家戦略特別区法案の審議が精力的に進められました。他の委員会でも案件審査が並行して進んでおり、順次衆議院を通過しています。重要案件では、特区法案のほか、秘密保護法案、社会保障制度改革法案についても審議が大詰めを迎えており、来週がヤマ場になります。既に会期末まで3週間余、そろそろ今国会で成立するもの、継続審査とするものの見極めをしなければなりません。また、各常任委員会の合間を狙って決算行政監視委員会の開催が模索されており、早ければ来週半ばとなりそうです。

 私については、これら委員会に理事として関わる一方、政務調査会では、総務・水産・経済産業の三部会を中心に、新年度の税制改正や今年度の補正予算に向けた打ち合わせに出ています。来年4月からの消費税8%への引き上げが決断された以上、これに伴う国税・地方税制度の大改正や5兆円を超える規模の補正予算編成など、師走に入っても政策調整が続きそうです。与党に転じ、久方ぶりに税改正・予算編成に力が入っていますが、来週半ばの党税調での議論開始を前に、各種団体、各官庁の党本部訪問が頻繁になってきました。自動車税の見直し、法人税制や地球温暖化対策税制の在り方など、重要な論点の整理はこれからです。私なりには、地方の減収分を補填する条件で自動車税を改正の俎上に乗せ、「車体課税のグリーン化」を進めるべきと思う一方、償却資産への固定資産税の減免には地方自治体の収入の安定確保の観点から、慎重な立場です。党税調の動向は、また順次報告していきます。

 14日(木)には、農林部会で来年度の米の需給見通しが示されました。来年6月の在庫が258万トンと、ここ10年間で最高の水準に積み上がる見込みです。このままでは生産数量目標の割当が厳しくなるものと懸念され、在庫抑制の手立てが実行に移される事を期待しています。今国会の風景がどうか、また、年末に向けて政府・党がどのような動きをし、何が決まっていくのか、注視を続けていきます。

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国政報告(第206号)

 11月に入り、国会周辺の銀杏も色付いてきました。週末は、例年通り南砺福野の菊まつりや、高岡の高峰譲吉博士生誕祭などに出席し、5日(火)からは本会議、各委員会に追われています。まずは与野党間で問題の無い案件が衆議院を通過し始め、7日(木)には国家安全保障会議設置法案が民主党の修正要求を一部容れて本会議で可決、参議院に送付されました。引き続き、重要案件である秘密保護法案と国家戦略特別区法案が本会議での趣旨説明・質疑を経て、所管委員会に付託される流れです。

 私が所属する内閣委員会は6日(水)に一般質疑があり、来週は国家戦略特別区法案の審議を進める予定です。会期末まで後4週間余となり、衆議院では来週・再来週の審議の進み具合が法案の成否の別れ道となります。一方、決算行政監視委員会では、平成21年度から23年度まで3年分の決算審査が終わっておらず、今臨時会でもどこかで時間が取れれば審議を進めたい所です。

 国会の雲行きが佳境にさしかかる中、7日(木)は古巣の総務委員会で政府提案の配偶者同行休業法案に対する15分間の質疑に立たせて頂きました。実に、昨年11月の国会解散直前の総務委員会での質問から約1年ぶりでした。質問時恒例の万葉集の朗唱は、巻8の1584番、黄葉を詠んだ歌を選びました。9月まで指導頂いた新藤総務大臣に今後の人材活用方策を伺うなど、4年間所属した委員会が与党議員としての質問の初回になったのは嬉しい巡り合わせでした。

 一方、党本部では新年度の予算・税制に向けた議論が急ピッチで進んでいます。農政については、前号でも触れた米の生産調整の5年後廃止を含め、作物別の補助体系を見直す方向となりました。戸別所得補償は、高速道路無料化、子ども手当、高校授業料無償化と併せて野党時代に「バラマキ政策」として批判してきたものであり、一律ではなく、「より必要な方により手厚く」対処する方針での見直しとなります。税制は、消費税の引き上げに伴い、自動車に対する課税や地方税の内容の大幅な見直しが想定されるなど、大幅な改正となる見込みです。このため、各種団体からの要望も例年以上に力が入っており、連日のヒアリングとなっています。このほか、エネルギー基本計画の見直しや、各分野の議員立法の取り組みなど、与党としての活動が活発に進められています。私も、所属する総務・水産・経済産業部会に関連する集まりを中心に会合に出席する一方、個々のテーマについては役所からの説明をお願いするなど、与党議員としての活動が形になってきました。

 野党時代に比べると、情報量が格段に多く、また、仲間の議員も2倍以上で、衆参合わせて400人を超えています。改めて、県西部を中心とする地域の課題と、広範な国政の分野の中で自分なりの問題意識で取り組む課題の二方面で努力する方針を再確認し、進んでいきます。来週は、内閣委員会での審議の進展状況が報告できると思います。

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国政報告(第205号)

 今週の国会は各委員会が立ち上がり、個々の法案の審議も始まりました。私が所属する内閣委員会は30日(水)に政務三役の所信を聴取し、決算行政監視委員会は11月1日(金)に会計検査院の検査官の挨拶を受けてスタートする予定です。理事を仰せつかったので、委員会前日の理事懇談会、当日の理事会、委員会と出席する会議が増えました。反面、質問は与党の持ち時間が少なく、1期生の機会を優先するので野党時代のようには出番が回らない状況です。党総務の立場を含め、当面は政府・与党の政権運営・国会運営が所期の目的を達するよう、持ち場で汗をかくのが自分の役割です。

 週末の高岡市議選では、先に激励に回った23候補者中21人が当選を果たしました。支援頂いた皆様に感謝申し上げ、残念ながら涙をのまれたお二人には、応援の力及ばずお詫び申し上げます。次は射水市長選・市議選で、また、関係者の応援に伺う予定です。

 衆本会議では、29日(火)に産業競争力強化法案、1日に社会保障制度改革法案の提案理由・質疑が行われ、審議が早く進んでいる案件については可決され、参議院に送付の見込みです。内閣委員会では国家戦略総合特区法案と内閣人事局設置法案の2件を審議する予定ですが、法案作成が難航し、来週の閣議決定・提出の見込みです。内容もさることながら、残り会期が既に5週間となっており、今後は審議日程が立て込むおそれがあります。一方、TPP交渉での関税の取り扱いが焦点となっている農業分野で、米の生産調整を見直す方針が政府から党に示され、新たな論点となっています。少子高齢化の下、米の年間国内需要量は毎年10万トン程度減り続け、800万トンを割り込んでいます。従来の生産調整方式の継続には、遠からず無理が生じる事も確かです。ただ、ニュースとしては突然だったため、29日の県JA青壮年部幹部の皆さんと県選出議員との懇談会でも危惧する声が強く出されたのも当然だと思いました。そんな中、地産地消の観点で、地域の皆さんに喜ばれる農業を目指そうとする若手の面々の姿勢に感銘を受け、農の現場に即した攻めの農政の実現を心に期した次第です。

 このほか、年末の税制改正に向けた要望の応対や、空き家対策新法、冬季エネルギー需給見通しの説明会など様々な案件に追われる中、31日(木)に旭化政財団のブループラネット賞記念講演会に出席しました。今年度の受賞者に私が大学で気象学を教わった松野太郎先生が選ばれ、お祝い方々講演を聴きに伺いました。先生はコンピュータを使った気象の数値予報の研究に始まり、CO2の増加に伴う地球温暖化の予測に大きく貢献されました。ご自身の歩みを話される中、30年近く前に学生として指導を受けた私の事にも触れて頂き、感激しました。人生のご縁に感謝しつつ、先生のおっしゃった、「興味を持った事柄に熱意を持って取り組む」姿勢を、畑は違っても、今の国政の現場で大事にしていきたいと思います。来週には今国会の見通しもはっきりしてくるでしょう。報告を続けます。

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