2014年4月

国政報告(第230号)

 ゴールデン・ウィークに入り、富山各地の行事・祭礼に顔出ししながらも、30日(水)は党情報通信戦略調査会のNTT研究所視察に参加するため、いったん上京しています。この後、5月2日(金)は全国山・鉾・屋台保存連合会総会出席のため、愛知県知立市へ出向きます。このため、週半ばで変則ですが、先に国政報告を出すこととし、次号は9日(金)頃にさせて下さい。

 前号の後、25日(金)に米オバマ大統領は韓国へと離日されましたが、焦点のTPPは合意に至りませんでした。精力的に交渉に当たった甘利大臣を迎え、同日、衆議院内閣委員会の質疑がありました。元々、甘利大臣が担当している地域活性化支援機構法案を連休前に処理しようという事で、6時間20分の審議が予定されていたのです。深夜に及ぶ交渉で睡眠も十分に取れない状態の甘利大臣には申し訳ない設定となってしまいました。かくも交渉が難航するとは関係者も想定しておらず、質疑者も大臣の体調を気遣いながら審議を進める事となりました。主題は法案とは言っても、交渉の内容は誰もが知りたい所で、TPP絡みの質問が結構ありました。甘利大臣は普段から丁寧でじっくりと落ち着いた答弁が持ち味ですが、交渉については猶の事、慎重に言葉を選んだ発言が続きました。要約すると、「交渉は大きく前進したが、日米の主張には、なお明らかな隔たりがある。これをどのように解決していくかの道筋は合意できたが、再度事務レベルでの交渉を積み上げた上、閣僚協議に臨みたい」との事です。個別品目については、当然のことながら、交渉途上であり、明確な言及はありませんでした。

 大臣自身、抽象的な答えで済まないと言われたのに対し、委員は与野党を問わず、国益を背負って奮闘されてた大臣のご苦労に敬意を持ち、暖かい拍手で審議は終わりました。TPPの今後の展開は予断を許しませんが、大臣の生の声を聴いた観測としては、焦点とされる肉類や自動車に係る一段の両国の歩み寄りによって、そう遠くない時期にギリギリ国益を守った形での妥結に至るのでは、と思います。そうなれば、今回の日米首脳会談は、安全保障・経済について、着実な成果を挙げたものと評価できるでしょう。

 27日(日)は衆議院鹿児島二区の補選と沖縄県沖縄市長選の投票日でした。いずれも、我が党の推す候補が当選を果たし、政権運営の追い風となりました。特に沖縄市長選の情勢は厳しいとされていただけに、普天間基地移設・辺野古沖基地建設の推進にも寄与するものと言えます。28日(月)には、仲井真沖縄県知事、佐喜真宜野湾市長が、来春に先行して返還予定の西普天間地区の活用について、菅官房長官に財政支援を要請しました。先だって私も現地を見せて頂き、市長のお話も直接聴いただけに、沖縄の将来にとってプラスとなる展開を期待し、また、努力していきます。

 このように、我が国が直面する重要課題は少しづつ解決に向けて前進しています。連休明けからまた、自分の関わっている部署で推移をしっかり見つめながら、頑張っていきます。

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国政報告(第229号)

 週末の19日(土)、自民党富山県連で「政治学校」の開講式があり、党本部から河野太郎代議士(中央政治大学院長)が来県、私も講話を聴かせてもらいました。今年は党員拡大を始め、党組織の強化策が進められており、政治に関心を持つ若い世代の皆さん向けの大学院の取り組みもその一環です。河野代議士の学生時代の留学経験や、民間企業にて海外進出に携わり、平成8年の総選挙に出馬する決意をされた経緯など、普段、決算行政監視委員会でご一緒していても聴けない話に感銘を受けました。20日(日)は射水市大江支部南砺市上平支部と総会に出席、最近の国政を手短に報告しました。22日(火)には、南砺市井口支部の皆さんが国会見学を兼ねて上京下さるなど、各支部の皆さんとの交流で沢山の元気を頂いています。21日(月)には富山市で堂故参議院議員を支える経済人の会も発足、ふるさとの皆さんの温かいお力添えあってこそ、国会活動に携わる事ができる訳で、感謝申し上げます。

 大型連休を前に、永田町では今週も各委員会・本会議で案件の審議が精力的に進められています。23日(水)の内閣委員会では、平成28年から8月11日を「山の日」として国民の祝日とする法案が超党派で提出・可決されました。17番目の祝日ですが、これ以上祝日を増やす事には抵抗感も出ています。個々の祝日をその趣旨に沿って意義深く過ごせるか、また、「ハッピーマンデー」制度にて祝日の日付を動かしている事の是非など検討課題と言えそうです。

 一方、外交面では、23日にオバマ米大統領が国賓として来日、安倍総理との首脳会談を経た後の共同記者会見では尖閣諸島が日米安保条約の対象となる事を明言するなど、安全保障面での成果が挙がっています。一方、TPP交渉については、早期妥結を目指すとの合意の下、引き続き大詰めの協議が続いている現状です。私たちも交渉の全体像は未だ報道情報に頼るのみですが、焦点は牛・豚肉、乳製品、自動車の関税の扱いで、米や麦については最小限の影響で留まるようです。日本側は、今月前半に大筋合意に至った日豪EPAでの農産物の関税の水準での決着を目指しているものと思います。

 最近、自分なりに注目しているTPP、原発再稼働、沖縄の基地問題ですが、今週の動きも含め、内閣は慎重かつ粘り強く対処していると見ています。一方、消費税8%引き上げの影響も注視されていますが、3月末の駆け込み需要の反動減も概ね想定内の状況で、過日日銀が発表した地域経済動向によれば、100円台の円安を受けて製造業に海外との競争力が回復しており、一部には生産の国内シフトも見られるようです。株価も1万4千円台で推移しており、政府与党では6月にも予定される成長戦略の見直しに向け、法人税の実効税率引き下げの可否を巡る議論も始まっています。財政再建と経済成長の両立、そして公平感ある税制の構築についても、自分なりの考えを整理していきたいと思います。

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国政報告(第228号)

 桜が散ったと思ったら、もう銀杏並木の緑が萌え、外を歩くと暑く感じる位に季節が進んできました。週末の12-13日(土―日)と政務調査会の用務で沖縄へ出張しました。地元の島尻参議院議員、宮崎衆議院議員と、来春米軍から返還される西普天間地区を見学し、宜野湾市の佐喜真市長ほか関係者の皆さんと面談しました。返還される土地の面積は51ha、地主は662名で、住みたい方、売却したい方など思いも様々です。まずは、土地利用構想を固める事が求められています。「帰ってきて良かった」と感じてもらえるよう、国・県・市の連携協力が望まれます。

 週が明けて14日(月)は、女性局の一日研修で、野田総務会長、橋本聖子参議院議員、三原局長ほか皆さんと一緒に、小田原・熱海のMOA関連施設を訪ねました。無農薬の自然農法の取り組み豊かな自然に囲まれた医療施設MOA美術館と巡り、久しぶりに気持ちをリフレッシュできた一日でした。

 15日(火)には、2カ月ぶりに党のTPP対策委員会が持たれました。週末のシンガポール出張から戻られた西川公也衆議院議員の報告の後、アメリカでのフロマン代表との厳しい交渉に出向かれる甘利大臣を皆で激励しました。日米間の交渉の最新の状況は、進展を見つつも、未だかなりの距離感があるとの事で、24日(木)のオバマ大統領訪日に向け、ギリギリのやり取りとなりそうです。

 今週は所属する三委員会が全て開かれ、それぞれ、理事として運営を円滑に進めるための環境づくりに努力しました。16日(水)は内閣委員会で「重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う上での協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協力の強化に関する法律案」、東日本大震災復興特別委員会で、委員長提案の「東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案」がそれぞれ可決され、17日(木)正午過ぎの本会議で可決・参議院に送付されました。さらに17日午前、決算行政監視委員会で平成23年度及び24年度の予備費使用・国庫債務負担行為が審議、承認されました。大型連休に入る前の来週も、内閣委員会で法案審議が予定されています。

 一方、17日には各電力会社から夏場の電力需給見通しが出揃いました。関西電力と九州電力は東京電力から一部融通を受けて、ギリギリ需要を満たす事ができるとの計画で、「稼働原発ゼロ」の状況の厳しさが浮き彫りになりました。九州電力川内原発の再稼働申請の審査については、月内にも九電から審査を踏まえた申請書が出る段階となっており、いつパブリック・コメントに入る事が出来るかが焦点となってきました。このように、今週は、TPP、原発再稼働を巡る情勢が緊迫する中、基地移設問題を抱える沖縄に赴く事となり、これら国政の最重要課題の解決に自分なりに努力していくよう、肝に銘じた次第です。

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国政報告(第227号)

 東京は桜が風に舞い、富山もそろそろ盛りを過ぎるようです。新年度最初の週末は、党福野支部、平支部の総会に出席し、国政の現状について、見たまま、感じたままでお話ししました。前号でも触れた日豪EPAについては、日本が牛肉等農産物で、オーストラリアが自動車で、それぞれ可能な限り譲歩する事で大筋決着しました。党内でも、ギリギリの線でまとまった内容に、良く頑張った交渉との評価が大勢です。もっとも、影響を受ける方々もおられる訳で、きめ細かな対策は望まれます。ただ、関税を引き下げて行く期間にも余裕があるなど、TPP交渉の良き先例としたい所です。

 週が明けて7日(月)は富山に留まり、党北信越ブロック県連幹事長会議に向けて来県された鴨下幹事長特別補佐、竹下組織運動本部長のお伴で、県内の各経済団体を訪問し、景気の現状や経済政策への要望を伺いました。それぞれ、短時間でしたがトップや幹部の皆様に対応頂け、アベノミクスへの一定の評価と併せ、地方経済にも明るさが広がるよう、一層の努力を求められました。私どもからは、政府・与党のメッセージとして、法人税の減税分を企業のベースアップに充てて頂き、景気回復が家計にまで行き渡るよう、特段の配慮をお願いしたところです。ベアが難しければ、夏季賞与において還元頂ければ、との思いです。また、新幹線開業を一年後に控え、地域発展への期待感や、ジェネリックを始め、県内薬業の一層の飛躍を期しているという心強いお話しも承りました。私自身は、当日夕方にも県西部の経済界有志の皆様と懇談する機会があり、消費税8%引き上げ直後ではあるものの、先行きへの期待感を受け止め、気持ちも新たに上京した次第です。

 今週も、8日(火)、10日(木)、11日(金)と定例日全てに本会議が開かれ、各委員会で審議を終えた案件の可決・参議院送付と、新たな法案の趣旨説明・質疑が進んでいます。内閣委員会でも、我が国の医薬学研究を一層推進しようとする「健康・医療戦略推進法案」が可決され、内閣提出の7案件のうち3案件の審議を終えました。6月22日(日)の会期末まで残り半分という時点で、まずは順調な展開で推移しています。このまま緊張感を持って進むように、と国会対策委員会から指示を受けています。

 一方、国政上の重要課題については、24日(木)の米オバマ大統領来日に向け、TPPを巡る2国間協議が続けられています。先行きは、正直なところ不透明です。また、原子力発電の位置付けを含め、議論が続いていたエネルギー基本計画の閣議決定案が、公明党との協議を踏まえ、8日の総務会で了承されました。九州電力川内原発の再稼働申請の審査が先行して進められており、夏場の電力受給見通しに組み入れられるかが焦点となっています。これら課題の動向にも目配りしながら、毎日を過ごしていきます。

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国政報告(第226号)

 桜が満開の東京で新年度を迎え、佳境を迎えた案件審議で委員会続きの毎日です。先週末の29日(土)は高岡駅の新駅ビルのオープニングに出席し、2階デッキから今までにない視線で眺めた高岡の中心部の街並みが心に残りました。1階には万葉線が引き込まれ、そのレールはいつでも氷見線の7番ホームに伸ばしていける設計となっている事を挨拶に含めました。第三セクター化される北陸本線と氷見線、城端線、万葉線が相互に行き来でき、県西部の6つのマチがレールでしっかり結ばれる姿を目指し、頑張りたいと思います。

 セレモニーから急いで富山市に向かい、地方議員連絡協議会主催の石破幹事長講演会に出席しました。現下の国政が抱える諸課題に要領良く触れて頂き、来春の統一地方選での勝利を目指し、今年は党組織の足腰を鍛えるという方針を明快に語って頂きました。夜は党小杉連合支部の総会に出席、盛会でした。

 明けて30日(日)は、天候は風雨でしたが、待望久しかった牧野大橋の開通式に参列しました。同席の野上国土交通副大臣には、東海北陸自動車道の県内区間の四車線化に向け、関係者の協議の場を設けて頂き、確かな一歩を踏み出して頂いた事、御礼申し述べました。石井知事には、新幹線開業の一年前に竣工頂いた御礼と併せ、残された中曽根・作道間の2期工事をよろしくお願い致しました。

 毎週同じように、月曜の31日に上京し、1日(火)は本会議、2日(水)は内閣委員会、3日(木)は東日本大震災復興特別委員会、4日(金)は再び内閣委員会、決算行政監視委員会に本会議と会議に押されています。そんな折、党水産部会関係では、国際司法裁判所(ICJ)で、日本の南極海での調査捕鯨が違法との予想外の判決が下り、部会でも対応に苦慮する事となっています。裁判を提訴したオーストラリアとは、今週末にアボット首相が来日し、日豪EPAの交渉が重大局面を迎えようとしていただけに、外交面でも難しい判断が迫られます。

 3日午後の水産部会では、出席議員から、判決を詳細に分析し、改めて日本の鯨食文化のPRを内外で展開するとともに、我が国近海での捕鯨に影響が及ばぬよう努力すべきとの意見が出されました。また、3月18日(火)未明に三浦半島沖で衝突沈没したパナマ船籍貨物船から洩れ続けているC重油による漁業被害も議題となりました。地元選挙区の漁協が被害に遭っている千葉の浜田靖一議員、神奈川の小泉進次郎議員から国の適切な対応を求める要請がありました。3月のウクライナ情勢といい、今回のICJ判決といい、国政を巡っては、予期せぬ事態が次々に起こり得る訳で、これらを切り抜けながら所期の政策を着実に実行していく胆力が政府には求められます。それを支えて行くのが与党の役割と心得、持ち場の委員会の案件審議促進に、来週も汗をかいていきます。

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