2017年11月

国政報告(第403号)

 今年の秋は足早に時雨模様となり、富山では早くも初雪が観測される寒さとなりました。「鰤起こし」が吹き荒れ、氷見ではブリが獲れ始めたようです。東京では銀杏の葉があっという間に色づく下、特別国会の慌ただしい毎日が続いています。

 17日(金)、衆議院本会議にて安倍総理の第4次内閣発足に際しての所信演説がありました。総選挙公約に基づき、消費税増税分の一部を財源として、2兆円規模で幼児教育・保育料の無償化など子育てを応援する政策展開が改めて表明されました。地元に戻り、荒れ模様の天候の週末は、19日(日)に氷見漁港のマリノベーション事業完工式に出席し、夜には上京となりました。

 20日(月)の朝には初回の予算委員会が開催され、正式に理事に選出されました。今国会では、総務、文部科学、予算の3委員会の理事を務めることになり、一段と慌ただしい毎日になっています。次いで午後1時からの衆院本会議で先の総理演説を受けての各党代表質問が始まりました。初日は立憲民主、自民、希望の3会派、2日目の21日(火)は公明、無所属の会、共産、維新の4会派が質問に立ちました。我が党から質問に立った岸田政務調査会長の「高姿勢でも低姿勢でもなく、正姿勢で」政権を運営すべし、との発言は心に残るものがあり、珍しく野党席からも拍手が湧きました。

 今国会の会期は12月9日(土)までであり、残り3週間を切っていますが、東日本大震災からの復興関連で、議員立法の案件が2件あり、その根回しに走り回っているために、気忙しさが増しています。一つは「東日本大震災事業者再生支援機構」の支援受付の期限を明年2月22日から平成33年3月31日(復興庁の設置期限)まで延長する法案です。もう一つは平成31年の福島県議会議員選挙に際し、住民が原発事故で避難を余儀なくされている双葉郡選挙区の議員定数を維持しようとする法案です。いずれも地元からの強い要望を受けて与党内で成案をまとめ、他会派の了解を得て議員立法で成立させようとしています。私は、党の東日本大震災復興加速化本部常任幹事として、谷公一先生の指揮下で関係議員への説明に歩いています。遅くとも次期通常国会の早い時期に成立させたい思いで、できるだけ各方面の了解を進めようとしています。

 折しも、21日の本会議では、現職で逝去された木村太郎先生と長島忠美先生の追悼演説がありました。故長島先生は、私の前任の復興副大臣であり、存命ならばこの根回しを担当されていたと思うと、頑張らなくては、と自分に言い聞かせて取り組んでいます。今週後半には各委員会の所信質疑、来週明けには予算委員会の質疑が予定されており、時間配分を巡る調整が難航しています。このため、委員会の理事懇談会が不定期に設定されるなど、次々と入ってくる日程を調整しながら、意欲をもって頑張っていきます。

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国政報告(第402号)

 15日(水)、1年半ぶりに委員会質問に立つ機会を得ました。今国会から理事として所属した文部科学委員会にて、テーマは学校法人加計学園が愛媛県今治市で来春の開学を目指す獣医学部の設置認可でした。獣医学部の新設は昭和40(1965)年以来、52年ぶりで、この間、獣医の数が足りているという認識の下に新設が認められていなかったものを、国家戦略特区による規制緩和で1校のみ設立が認められることになったものです。特区プロセスでの総理官邸の関与の有無が通常国会から問われてきた案件です。

 委員会の開催に当たっては、与野党間の質問時間の割り振りが問題となり、13日(月)夕刻の理事懇では与野党が合意できず、14日(火)の午後も断続的に理事懇を持ち、ぎりぎりの所で午後6時前にようやく、与党80分、野党160分、合計4時間で折り合いました。民主党政権時代に、野党であった我が党の要求もあって、与党2野党8の割り振りとなっていたものを、我が党国対では会派所属議員数の割合を基本とした配分に変えることを求め、交渉の結果は与党1野党2となりました。野党側から「与党による質問封じ」と批判されていますが、そもそも個々の議員の職責は、立法府たる国会での質問を通じ、行政権を行使する政府をチェックし、政策を提案することで、質問権は465人の衆議院議員一人一人に平等に与えられるのが基本と考えます。その上で、与野党の別や少数会派への配慮を加味し、個々の案件によって質問時間の配分を適宜調整するのが望ましい運営だと思います。今回の決着は冨岡委員長、鈴木与党筆頭理事、川内野党筆頭理事を中心に関係者が努力された賜物であり、私には妥当な結果でした。

 自民党に配分された55分の時間を、前文科副大臣の義家議員が30分、私が25分担当することになりました。義家先生が学部設置認可手続きの政治的中立性を確認され、私は大学設置・学校法人審議会における審査上の意見と申請者の対応、答申の際の留意事項といった各論を質す分担となりました。時間配分が交渉事となったことを受けて、質疑に併せていつも朗唱する万葉集は今回詠まずに、いきなり質問に入りました。学生が十分に実習の機会が受けられるかが一つの焦点であり、学部側の施設構成や教員・患畜数の確保、設置認可後のフォローアップの方法など合計12問をこなしました。マスコミの報道では取り上げられなかったものの、大学設置審や文部科学省の対応を議事録にしっかり残すことで、文部科学委員会における自分の役割が果たせたものと自負しています。

 さて、先週末の11日(土)は射水市議会議員選挙の我が党公認・推薦の15陣営の激励に、堂故先生、野上先生、四方県議(第三選挙区支部幹事長)と伺いました。12日(日)は結果として無投票で全員当選となりました。併せて、夏野元志射水市長も三期目をスタートされたところ、国政からもしっかり応援していきます。

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国政報告(第401号)

 今年の11月は気温が低めで、東京では秋の深まりを感じさせる好天の下、街路樹の紅葉が一段と進んでいます。青空を背景に、朝日に照らされてくっきりと浮かび上がるビルの表情に「東京の冬」を一足早く感じています。

 先週末の地元では、3日(金)の文化の日は南砺市福野の菊祭りから高岡市の芸術祭茶会、二上地区の万葉社会福祉センターまつり高峰譲吉博士生誕祭と恒例の行事が続きました。快晴の天候に、お茶席で色紙を所望されて「開天見日」と揮毫しました。夕方は「北陸新幹線新高岡駅かがやき停車期成同盟会」の臨時総会があり、冬ダイヤから臨時便が週末と繁忙期のみに削減されることを受けて今後の取り組みについて高岡市側から提案がありました。現状は、一日当たりの乗客数が2千人で、これを5百人増やす目標に対して百人程度に留まっています。JR西日本側でも地元の取り組みに配慮した変更と言え、今後は中長期的にビジネス、広域観光など外部から県西部や飛越能地域を訪れる客数を増やす方針で、ハード・ソフト両面の取り組みを息長く続ける方針が了承されました。次いで、時雨模様の4日(土)は関係者打ち合わせ、好天の5日(日)は一日休養させて頂き、選挙運動の疲れも取れて週明けを迎えました。

 東京では、トランプ大統領の訪日対応もあり、特別国会も公式行事は8日(水)の天皇陛下をお迎えしての開会式のみでした。安倍総理の所信演説は、外遊後の17日(金)に予定され、その後、各党の代表質問、衆参の予算委員会が続く見込みです。当面の委員会の配属も決まり、私は総務・文部科学・予算の3委員会の理事を務めることになりました。加計学園が愛媛県で進めてきた獣医学部の開設許可が下りる事を受けて、文部科学委員会での質疑要求が野党側から出されており、来週にもいち早く動き出す見込みです。円滑な委員会運営と、世論に納得頂ける審議を目指し、与党理事の職責を果たしていきます。

 政務調査会関係では、新たに郵政特命委員会の事務局次長を拝命しました。日本郵便株式会社が、法律で義務付けられたユニバーサル・サービスを貯金・保険分野でも履行できるよう、ゆうちょ銀行、かんぽ生命から所要の負担金を支払ってもらう仕組みが検討されており、通常国会での議員立法を目指し、作業を進めます。また、財政再建特命委員会の事務局長代理にも復帰し、消費税を10%に引き上げる際に増税分の半分を子育て・教育分野にも充当するとの党の新たな公約を受けて、財政再建目標の再設定の議論に参画します。

 年末に向けて補正予算の編成も総理から指示があり、来年度の税制改正の議論も始まります。内閣が掲げた「生産性革命」、「人づくり革命」の内容の肉付けや、森林環境税の制度設計など課題が目白押しであり、幹事長室に陣取りながら持ち場で努力します。

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国政報告(第400号)

 平成21年8月の総選挙での初当選以来、毎週一回続けてきた国政報告も本号で400回になりました。ちょうど、11月1日(水)で4期目の最初の特別国会(第195回国会)のスタートと重なることとなりました。これからもこのペースで、国政で見聞きしたこと、自分の日々の活動を綴っていきたいと思います。

 先週の10月27日(金)は、総選挙後初めての役員連絡会に陪席した後、副幹事長会議がありました。我が党は解散前の284議席を確保する結果となり、自公与党で引き続き衆議院の議席の3分の2を占める事となりましたが、この結果は野党の分裂や希望の党の失速に助けられた面が大きいと思われます。会議でも、結果に奢ることなく、最近の政府・与党に対する批判を真摯に受け止め、緊張感を持って政権運営に当たる方針が示されました。

 与野党間でまず問題となったのは、特別国会の会期と委員会の質問時間の割り振りです。6月中旬に通常国会を終えてからは、閉会中審査で予算委員会等が開催されたものの、8月に内閣が改造されてからは十分な質疑があったとは言えません。このまま年内に国会で議論をしない訳には行かないという認識が我が党にもあり、特別国会の会期延長か臨時国会の召集が必要との姿勢でした。結局、与野党協議により、特別国会の会期を12月9日(土)までの39日間と長く取って、第4次安倍内閣の所信演説、代表質問、予算委員会での質疑等が行われることになったのは良かったと思います。

 一方、質問時間の割り振りについては、我が党が野党時代に要求して、与党2対野党8の割合にまで野党側に有利な運用となっています。しかし、議員一人一人の立場に立てば、有権者の負託を受け、自分の問題意識を立法府で質問の形で披歴し、行政府の制度・政策に反映させるのは基本的な務めであり、質問の経験が議員の成長につながることは、私も野党時代の経験から痛感するところです。当然、野党側への配慮はあってしかるべきですが、与野党の比率はせめて3対7にはすべきと思います。与党議員であっても、内閣に入っていない時は年に2~3回は質問の機会が与えられるべきで、この点野党側にも理解頂きたいところです。ちなみに私は野党時代の3年3か月で70回以上質問に立つ機会を頂け、今日の議員活動の土台となっています。

 先週末は28日(土)に夏野射水市長の市長選に向けた事務所開き県幼稚園・認定子ども園大会に出席し、週明けの30日(月)は長岡市で8月に急逝された長島忠美元復興副大臣・衆議院議員を偲ぶ会に参列の後、上京しました。本日1日は、朝に全国史跡整備市町村協議会(全史協)臨時大会に出席の後、本会議に臨み、大島議長、赤松副議長を選出の後、首班指名にて第4次安倍内閣が発足しました。次号からは、特別国会の推移を報告していきます。

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