国政報告(第346号)

 前号をまとめた後、福島県に出張し、更に今週は今村復興大臣に同行して宮城・岩手県に出張しました。被災地が置かれている様々な現状と、多様な課題に接し、復興の前進につなげる努力を粘り強く続けなければという思いです。

 8日(木)の朝、東京からの新幹線を郡山で降り、初日は楢葉町葛尾村田村市川内村、翌9日(金)は福島復興局で挨拶の後、飯館村川俣町富岡町広野町と、福島第一原発の事故で避難を余儀なくされた12自治体のうち8町村を訪問しました。川俣町を除く各自治体で首長さんの都合がつき、現状や要望を伺う事ができました。避難区域の見直しが順次行われ、富岡町を除いて元の役場で業務が進められており、郡山市に残る富岡町でも、来春の帰還に向けて準備が進められています。それぞれ、地震・津波・原発事故の三重苦に見舞われながら、避難先からの帰還から復興への困難な道のりを一歩づつ進んでおられます。首長さん方の言うに尽くせぬご苦労に頭の下がる思いで、お話しを聴かせて頂きました。

 避難によって、一度マチとしての機能が全て失われた後、除染等により放射線量の低下を確認した上でもう一度これらの機能を復活させなければいけない点で、他の被災地とは異なる課題を抱えています。教育、医療、福祉の機能はもとより、生活に必要な品物を手に入れる商業機能も欠かせません。学校、診療所、スーパー・コンビニの再建は、その仕事を営む方々の確保が必要な点で、ハード(容れ物)のみならずソフト面の施策が重要です。出張中に地域の二次救急の拠点を富岡町に再整備する方針を福島県が示されましたが、そのような取り組みを積み重ね、一人でも多くの住民の方々の帰還を可能にするよう、住まいと生業(なりわい)を整備しなければなりません。除染、家屋解体作業、廃棄物の中間貯蔵施設への搬入等、環境整備事業の加速化、教員の加配など魅力ある学校づくりや基幹商業施設建設への支援を求める要望がありました。東京に持ち帰り、復興事業で取り組むべき内容を整理する事にしています。

 10日(土)の午前は在京当番をこなし、地元では、11日(日)に高岡地区の後援会総会・国政報告会で、復興庁での一か月の経験を皆さんに聴いて頂きました。12日(月)には田知本遥さん、登坂絵莉さんのリオデジャネイロ・オリンピックでの金メダル獲得を讃える県民栄誉賞授与式が富山市で開催され、出席してお祝いを申し述べました。

 13日(火)からは、2泊3日の行程で今村大臣に同行、宮城県の亘理町山元町塩竈市女川町南三陸町気仙沼市、岩手県の釜石市大槌町山田町宮古市と、10市町を訪問しました。宮城県の自治体は2度目となり、区画整理事業、仮設住宅、食品加工場、農場など、具体的な復興の取り組みを直に観る事ができました。復興拠点を中心に、住宅が建ち始め、商店も恒久施設に移るなど、前進が実感できる地域もあれば、上物の建設はこれからで、もう一歩階段を登らなければ先がはっきり見えないという地域もありました。人手不足や販路拡大への支援を求める声も事業者の皆様から頂きました。住まいが変わっていく中でのコミュニティの維持・形成、台風10号による災害からの早期復旧を求める要望もありました。今村大臣からは、一人でも多くの方がふるさとに戻り、地域が賑わいを取り戻すように復興庁も頑張りたいとのお話しでした。私もその想いで進んで行きます。

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