国政報告(第372号)

 東京は昨21日(火)に桜の開花宣言があり、春分を過ぎて明るさを増す陽射しとともに春本番というところです。通常国会は参議院での新年度予算審議が大詰めとなる中、大阪の森友学園の国有地購入に端を発した問題が、先週16日(水)の籠池理事長の安倍総理側からの寄付を受けたとの発言を受け、明23日(木)に衆参の予算委員会で証人喚問を行う事態となりました。総理側は調査の結果、事実ではないとされており、喚問を経て事態がすっきりするよう願っています。一方、その他の内閣提出案件も逐次審議が進んでおり、国会全体としては着実に前進していると見ています。復興庁でも福島復興再生特措法の改正法案を提出しており、本会議での趣旨説明の順番待ちの状態です。

 先週末の土日祝の三日間は、在京当番と東北出張で富山へ戻れず、前倒しして16日、打ち合わせを兼ねて一泊往復しました。今週も地元入りは難しく、代理出席が続くこと、ご容赦下さい。19日(日)朝の東北新幹線で仙台に向かい、石巻市にて「石巻南浜津波復興祈念公園」の起工式に出席しました。被災三県に一か所づつ、国・県・市が一体となって大震災の犠牲者を追悼し、被災の記憶を後世に伝える公園施設を整備するものです。隣接する門脇(かどのわき)地区の「まちびらき」も行われ、発災6年を超えて街が前進していく節目の日となりました。午後からは牡鹿半島の漁業集落の復興状況を見て回りました。入りくんだ湾の奥に漁港施設と元の集落があり、津波被害を避けるため、住居は高台を切り開いて移転させ、防潮堤で守られた平地は生業の場とする形での復興が各所で進められていました。ちょうど住居の移転整備が済んで、移転元地の平地のかさ上げがこれからという段階の箇所が大勢で、復興を実感するまでには「もうひと頑張り」の印象でした。石巻湾から北はリアス式海岸の奥や潟・浦にて水産物の養殖が盛んであり、牡蠣、銀鮭、ワカメ、ホヤなどの生け簀が至る所に広がっている豊かな水域です。水産業の担い手育成のために全国から若者を募り、世話をする地元民間団体も生まれています。牡鹿地域の中心となる鮎川、そして翌20日(月・祝)に訪ねた雄勝、北上と、石巻市では中心部とは別に三つの拠点を生活と生業を支える機能を集積させた場として早急に整備したい考えです。このため、4月からは市役所に半島復興事業部を設け、事業の促進を図る旨、亀山市長、菅原副市長、丹野議長、大森副議長ほか皆さんのお話を伺いました。

 石巻市は平成17年に石巻、牡鹿、雄勝、河北、河南、北上、桃生の1市6町が合併し、555km²の広がりを持っており、個々の課題に対応される市職員の皆さんのご苦労は並ではないものと察します。また、旧河北地域の大川小学校で被災、亡くなられた方々を始め、皆様に改めてお悔やみを申し上げます。

 2日間の出張は天候に恵まれ、三陸沖の太平洋は穏やかな水面がコバルト・ブルーに輝き続けていました。南三陸町にて三陸縦貫道路の南三陸海岸インターチェンジの開通式典でお祝いを申し述べ、佐藤町長や、雄勝の廃校を活用して複合体験施設の運営に乗り出しているモリウミアスの油井代表の元気な姿を思い浮かべつつ、復興の取り組みへの想いを深く新たにして、帰京しました。

カテゴリー: 国政報告 パーマリンク