国政報告(第425号)

 風薫る五月を迎え、国会議事堂二階の幹事長室で本号を綴っています。窓外に国会正門から霞が関が望まれますが、大型連休の谷間なので、さすがに国会見学のお客様も少なく、微風に乗って噴水の音だけが聞こえてきます。新緑の鮮やかな爽やかな季節が到来しましたが、通常国会の行方は連休明けまで予断を許さない情勢です。

 連休前半の地元では、党利賀支部南砺市連の総会に出席し、高岡では「平成の御車山」のお披露目に立ち会いました。今を生きる職人の皆さんの技を後代に残そうと、現代の山車を作る構想が出されてから20年余が経過しました。この間、紆余曲折しながらも関係者の熱い想いが原動力となって、市内から浄財8千万円を寄せて頂き、ご退位を明年に控えての完成に至りました。経緯を知る一人として、嬉しく、また時間がかかっても何事かを仕上げていく事の大切さを改めて実感しました。来月には能越自動車道の福岡料金所が撤廃されますが、提起されてから10年以上の歳月を要しました。利賀ダムも綿貫先生を先頭に関係者が運動を続けてこられ、7年間を超える検証過程もクリアし、工事用道路を兼ねた利賀地域への連絡道路の長大トンネルの着工の時が近づいています。北陸新幹線の敦賀・新大阪への延伸も、国家財政の再建も、「倦まず弛まず」、一隅から声を挙げ、地道に取り組んでいきたいと思います。

 安倍内閣が発足して5年5か月、長期政権故の「緩み」を指摘される昨今ですが、内外の課題に対処してきた政権の歩みを辿ってみます。外交では、「地球儀を俯瞰する外交」を標榜し、総理自ら数多くの国々を訪問し、緊密な首脳関係を築きました。2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致実現に始まり、TPPの国益に配慮しての交渉妥結、米国離脱後の11か国での再構築と、自由貿易の発展を先導しています。日豪EPAに続き、日EUEPAも大筋合意に達しました。先週末の韓国・北朝鮮の首脳会談の実現も、日米韓で協力して主導してきた国際社会の「最大限の圧力」あってこそです。今後、日ロ、日中関係の深化が期待される局面です。

 内政では、経済成長と財政再建の両立を基本に、アベノミクスの「三本の矢」、「新三本の矢」にて、異次元の金融緩和政策、適時の財政出動、成長戦略、GDP600兆円超え、育児・介護離職の撲滅、一億総活躍社会、地方創生といった目標を設定し、切れ目なく政策を進めてきました。特定機密情報保護、平和安全法制など国論を分けた課題についても、慎重論に耳を傾けて法案を修正し、丁寧な国会審議により成立させてきました。日米を基軸とした安全保障の強化も政権の成果です。今後は、働き方改革、消費税再引き上げ、沖縄の普天間基地の辺野古沖への移設、憲法改正と課題山積です。行政府の相次ぐ不祥事には再発防止策を含めて説明を尽くし、従前通りの緊張感と用意周到さでの前進を願い、努力します。

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