国政報告(第193号)

 昨21日(日)に参議院選挙が終り、地方区では堂故茂さん、比例区では山田俊男さんほか関係者が当選を果たしました。全体として自由民主党が65議席、公明党が11議席と、与党が76議席を確保して参院の過半数を超え、「ねじれ」が解消されました。新たな局面に入った国政の推移は、今後報告することとし、今週は24日(水)から1週間、アフリカ(モザンビーク、ボツワナ)に出張予定のため、先に193号をお届けし、次回は8月初旬にさせていただきます。

 総務省のICT成長戦略の各論として、先に医療・介護と教育を紹介しましたが、施設管理、1次産業、海底資源探査などの分野にも展開が期待されています。ここで活躍するのが「センサー」です。皆さんには自動ドアでおなじみですが、対象物の位置の変化を電波の力で把握する機能を持っています。多数のセンサーをネットワークし、情報を集約・活用することで新たな業務分野が広がります。

 地下に埋設された水道管や橋梁にセンサーを取り付け、漏水や橋の歪みを検知させ、管理センターに通報する仕組みを作れば、施設を一元的に管理できます。植物工場では場内の温度や湿度をセンサーで感知させ、適切な環境となるよう空調や水の供給をコントロールできます。海底資源の探査も無人センサーと適切な通信手段の組み合わせで効率化できそうです。このほか、登下校時の子ども達の見守り、有害鳥獣の監視、地すべりの事前予測など、センサーのネットワークで対応可能な業務は多岐にわたります。先月末に訪問した長野県塩尻市では、市内にセンサー網を張り巡らし、多様な可能性を追求しています。

 新藤大臣が主唱される「G空間」の活用も大きな可能性を秘めています。地球上の様々な対象物の位置を、宇宙空間に打ち上げた測位衛星で正確に把握し、その情報を集約して活用しようとするものです。実例としてカーナビがありますが、万葉線のドラえもん電車も、今どこを走っているか、常時ホームページに掲載されています。携帯電話からの119番通報も、電波が通る基地局が把握できるもので、消防本部ではおおよその場所がわかるそうです。加入者が自らの位置の公開を承諾している場合は、ズバリその場所に急行できます。物流分野では、貨物の入ったコンテナにICタグを付ければ、世界中どこでも現在地が把握でき、輸送状況がチェックできます。

 以上、4回にわたりICT成長戦略の描く近未来の社会の姿を紹介してきましたが、ネットワークをいかに構築していくか、また、一面、プライバシーの侵害などの副作用にどう対処していくか、課題は数多くあります。例年8月末の新年度予算の概算要求締切りに向けて、これから総務省内では施設・予算の肉付け作業が本格化します。戦略の実現に資するよう私も努力していきます。

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