国政報告(第210号)

 このところ、富山は時雨模様、東京は晴天の下、銀杏が散る毎日です。そんな中、週末の30日(土)は射水市金山地区で党支部主催の「夜なべ談義」にて国政報告の後、鴨鍋をご馳走になりました。月が変わって12月1日(日)は南砺市福野の野澤さん達が準備された石破幹事長、佐藤正久参議院議員の講演会に参加しました。幹事長からは、我が国が直面している課題に対し、しっかりと取り組んで行くお話しがありました。

 明けて2日(月)に上京し、会期末を明6日(金)に控え、国会の風景を見渡すと、衆院側は審議が空転する事もなく大方の案件が片付き、静かな最終日に向かっています。一方、参議院は特定秘密保護法案の取り扱いを巡って大荒れとなり、4日(水)の本会議が5日(木)午前4時半までかかりました。特定秘密保護法案については、民主党政権下で検討が始まっており、我が国の安全保障上、秘密にせざるを得ない事項がある事は大方の議員が認める所です。衆議院でも十分に修正協議がなされており、私自身は法案に賛成の立場ですが、ここへ来て、今国会の会期が短い事が災いし、先を急がざるを得ない与党と十分な審議を求める野党の想いがかみ合わなくなった事が混乱の最大の原因と見ています。

 せめて会期が後一週間あれば、という局面ですが、7日(土)にはシンガポールでTPPの交渉がヤマ場を迎えるほか、新年度の税制改正、消費税引き上げに対する経済対策、新年度予算編成と、内政も3つの山を越えなければならず、会期延長は極めて難しい状況です。今国会閉会後の雰囲気については来週お伝えできると思いますが、53日間という会期に比べて内閣の提出案件が多かったため、審議の「出口」である参議院に大きな負担をかける結果になってしまいました。野田前政権の頃に良く指摘していた、「段取り」の組み方の問題が、現政権にも反省すべき点になったように思います。

 この間、私にとっては、内閣委員会での国家戦略特別区域法案と国家公務員法等改正案の2件の審議の現場が一番体を取られました。柴山委員長の下、TPP対応でも重要な役割を担われている西川公也議員が与党筆頭理事として日程を上手く組まれ、野党筆頭の近藤洋介議員とも信頼関係を築かれて、短い期間に充実した審議を実現された手腕は、大いに勉強になりました。特に、2本目の国家公務員法等改正案は、自公民3会派で修正合意を見た上、委員会採決を次期通常国会に先送りする事になりました。仮に委員会・本会議で可決され、参議院に回しても、審議未了・廃案の憂き目に遭う事が確実な情勢であり、西川筆頭の的確な判断で、ベストの形で継続審査扱いとなりました。

 この他、3日(火)には東日本大震災復興特別委員会が今国会初めて開かれ、被災地の区画整理事業の進捗の遅れや、関東地方の子ども達への事故の影響についての質問がありました。今国会は1回のみの開催となりましたが、せめて2回は開くべきとの各委員の意見ももっともだと思いました。また、決算行政監視委員会は、平成21~23年度の決算認定につき、関係者にて審議日程確保に努力したものの、締めくくり総括質疑までは閣僚の日程調整が付かず、来春に先送りされる見込みです。

 この他、今週は党税制調査会の全体会議が連日のように開催されています。水産部会からの要望は概ね採択された他、償却資産に関する固定資産税は堅持される事となりました。このほか、自動車課税や地方法人税の取り扱いなど、今回の税制改正は大掛かりなものとなりそうです。税制については、経済対策の中身と併せ、次号で報告します。

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