国政報告(第676号)

 17日(水)に宮城県、22日(月)には新潟県へ行ってきました。本号はその報告を主にします。

 17日は衆院文部科学委員会の法案審議の対象となる次世代3GeV高輝度放射光施設、「NanoTerasu:ナノテラス」の視察に日帰りで仙台市に出向きました。往復は東北新幹線のはやぶさを利用し、片道90分と改めて時間距離の短さを感じました。この施設では、光速近くまで加速した電子の軌道を磁場によって曲げた際に放射される電磁波(軟X線)を用いて物質の微細構造が解析できます。医学、生命科学を始め幅広い産業分野に成果を応用できるものと期待されています。法案は、この施設を兵庫県に所在する特定放射光施設「Spring-8」と「SACLA」、スーパーコンピュータ「富岳」、茨城県に所在する特定中性子線施設「J-PARC」に続いて国の「特定先端大型研究施設」に位置付け、学術・産業の広範な目的に共用できるようにしようとするものです。ナノテラスは仙台郊外の東北大学青葉山キャンパスに建設されており、リングの長さが349mと巨大な円形構造の建造物に設置されています。整備手法も、これまでの国単独ではなく、「官民地域パートナーシップ」として、国の研究開発法人、東北大学、宮城県、仙台市、東北経済連合会などが資金を出し合う手法が取られています。東日本大震災からの東北の復興の一翼を担う役割もあり、施設所在地の東北大学も最近、研究教育面での評価が高まっており、視察に応じて下さった大野総長始め関係者の前向きの意気込みに、委員一同感銘を受けた次第です。法案は24日(水)の委員会にて全会一致で可決されました。

 次いで、21日(日)に新潟で前泊し、22日に細田健一衆議院議員に同行頂いて佐渡島を日帰り訪問しました。目的は、「佐渡島の金山」の世界遺産登録を目指す党PT座長としての現地見学です。往復はジェットフォイルに乗り、海が凪いでいて片道60分強の快適な移動でした。佐渡市の伊貝副市長ほか文化庁、県の方々にお世話になり、登録を目指す主要構成要素である「西三川(にしみかわ)砂金山」、「相川鶴子(あいかわつるし)金銀山」を訪問しました。最初に、ガイダンス施設として整備された「きらりうむ佐渡」にて採掘の歴史と精練・小判鋳造に至る技術の蓄積について詳しい説明を受けました。近代科学が未発達の、鎖国状態の我が国でこれだけの洗練された手法が生み出されたこと、江戸幕府の佐渡奉行所が主導する鉱山開発のために全国各地から人々が移住し、多様な生活文化が今日に伝えられていることに認識を新たにしました。さらに、相川金山の坑道や西三川砂金山野採取場跡を見学し、遺構の把握・保全に努められていることを確認しました。新潟に戻って、県庁で花角知事に面会し、今後、登録に向けての国・県・市の連携された取り組みを党としても応援する旨お伝えし、日程を終えました。

カテゴリー: 国政報告 パーマリンク