2015年2月

国政報告(第268号)

 23日(月)、衆院予算委員会の3日目の審議が終わり、ホッとするタイミングで、テレビの臨時ニュースが西川農林水産大臣の辞任を報じました。委員会の質疑では野党議員からかなり厳しい追及を受けておられたものの、一問一問にキチンと答弁されており、職を継続されるものと思っていただけに驚きました。政治資金の問題はもちろん、法の規制に基づき、政治家個人が自ら律し、説明責任を負うものと思いますが、一定の受け答えをされながらの辞任は、国会対策上も予期せぬ展開でした。

 後任は、前任の林芳正参議院議員で、空白を生じさせない最良の人事だと思いますが、24日(火)の国会は、野党側から農相交替に伴う予算委員会での補充質疑を求められ、委員会が一日中開けずじまいでした。先週の議運理事会で合意していた本会議も予定の12時10分から4時間遅れて午後4時の開会となりました。26日(木)に任期が到来するものも含め、10機関58人の政府同意人事を可決、処理し、ひと仕事進みました。国会の本会議・委員会をスムーズに進める事は国会対策委員会の主たる任務ですが、今回のような「予期せぬ出来事」があると段取りが狂い、先々の組み立てもどんどん変わっていきます。新年度予算の年度内成立という目標に向け、佐藤勉国対委員長の下、知恵を絞る毎日が続きます。

 週末の21日(土)は高岡市の中田地区の生涯学習の集いで話をさせて頂きました。国会での万葉集との出会い、議事進行係を仰せつかり、大きな声を出す工夫をしている事など、人生幾つになっても色々な「学び」があり、楽しく取り組む事だと経験談を語らせてもらいました。また、高岡市二塚地区、南砺市石黒地区でそれぞれ簡単に国政報告をする機会があり、新年度予算案の成立に向けて努力している現状を伝えました。

 しばらくは金曜の夜に富山に戻り、日曜の夜に上京する日程ですが、「とき」・「はくたか」を越後湯沢で乗り継ぐことも後2週間となりました。この後、能越自動車道の七尾までの開通、北陸自動車道の高岡砺波インターと東海北陸自動車道の南砺福野インターの供用開始を含め、富山県の高速交通ネットワークが大きく前進します。折しも「地方創生元年」であり、基盤整備の効果を産業・観光面で大いに生かし、地域の飛躍に結び付けていかなければなりません。県や各市町村の新年度予算案の発表が続いていますが、それぞれ、努力されている内容です。自分自身も、国の施策の誘導はもとより、新幹線を大いに利用し、「かがやき」の新高岡駅停車を増やすよう、努めて行こうと思います。

 来週には、国税・地方税の改正案の審議も始まる見込みで、国会も各委員会が動き出します。担当の総務委員会、東日本大震災復興特別委員会の段取りにも汗をかいていきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第267号)

 立春を過ぎて、暖かい日、寒い日が不規則に訪れる中、不覚にも風邪をひいてしまいました。喉から鼻水に、そしてまた喉にと、一週間症状が続き、ようやく落ち着いたところです。この間、16日(月)の本会議に議事進行係の出番があり、喉飴で用心したものの、「ぎちょーっ」の最後が不覚にもかすれてしまいました。体調管理も精進の内と、長丁場の通常国会、気を引き締めて臨みます。

 週末の13日(金)の夕刻、石井知事が上京され、田畑代議士、富山・魚津・高岡3市の関係者とご一緒に塩崎厚生労働大臣を訪ね、「がん拠点病院」の指定継続を要望しました。富山市民・富山労災(魚津市)・高岡市民の3病院について、指定基準スレスレ若しくは下回った状況にあり、特段の配慮をお願いしたものです。県内では約10年前に8病院が指定されており、「富山型」のがん診療体制が構築されています。これが継続できれば、との思いです。

 金曜最終のはくたかで富山に戻り、14日(土)は高岡市の狩野副議長の就任祝賀会と党砺波支部の立春の集い、15日(日)は党入善支部総会前の講演税理士会の皆さんとの懇談会に出席しました。日曜最終の富山・羽田便で上京し、16日(月)、17日(火)は衆議院本会議での代表質問がありました。19日(木)からいよいよ衆院予算委員会で新年度予算案の審議がテレビ入りで始まりました。予算案と並行して、国税・地方税の改正法案の審議を進めなければなりません。総務委員会担当の国対副委員長として、我が党の石田真敏筆頭理事と連絡を取り合い、来週以降の日程取りを進めています。予算委員会初日は順調な滑り出しとなり、佐藤国対委員長の下、予算案の3月上旬の衆議院通過、年度内成立を目指し、努力を続けて行きます。

 一方、党本部の政務調査会では、各部会で政府提出法案の審議が進められています。発送電分離の電力システム改革法案、国民健康保険の運営主体を市町村から都道府県に移す法案など、改革を着実に進めるよう吟味されています。議員立法の動きも活発化し始め、私も半島振興法の期限延長法案(今年3月31日から10年間)の各方面への根回しに歩いています。このほか、財政再建の次期目標設定に向けての特命委員会の事務局次長に任命され、週一回の有識者ヒアリングにこれで3回出席しました。通常国会がスタートして3週間余り、東京での活動が本格化してきました。

 国政全般に目を向ければ、経済・財政政策では、日銀の「異次元」の金融緩和が始まって2年間に近づき、正常モードへの出口戦略をどうするのか、また、2020年度の財政のプライマリーバランス黒字化目標をいかにして達成するのかが重大な論点です。TPP、原発再稼働、沖縄の基地問題も依然として解決が待たれ、日中、日韓、日露、日朝関係もそれぞれに打開の糸口を見つけなければならないままにあります。この正念場、目前の国会運営に汗をかきながら、しっかり見つめて行きます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第266号)

 12日(木)に新年度予算案の提出を受け、衆参で本会議があり、安倍総理ほか4大臣の演説を聴きました。昨年末の総選挙を受けて発足した第3次安倍内閣としてのいわば「船出」の宣言となった総理演説は45分近くに及びました。我が国が直面する重要課題を列挙した上で、その解決に力強く取り組む姿勢を明確にしました。

 私が以前から、消費税の再引き上げ前の喫緊の課題と考えてきた事についてもそれぞれ言及されました。TPPは交渉の出口に近づいているとされ、原発は安全性が確保されたものは再稼働するとされ、沖縄では西普天間地区の返還に続き、普天間基地全体の返還に向け、辺野古沖での基地建設を進めるとされました。さらに、規制改革、地方創生、女性活躍などの課題も加え、取り組むべき対象は広範です。もちろん、国の直面する課題が多岐に渡る事は当然で、それぞれが大切ですが、内閣として順序付けや重み付けをしなければ、「虻蜂取らず」になりかねません。2年間の政権運営で、オリンピック・パラリンピック誘致、景気回復、財政再建などの分野で確かな歩みを続けてきただけに、国の現状を見つめる内閣の視野が広く、深くなってきたのだろうと思います。反面、限られたマンパワーと時間の中で、TPP、原発、沖縄など解決を先行すべき課題があるのでは、と考えています。もちろん、通常国会に内閣から提出される72本の法案や条約案をしっかり審議し、成立させていく事が国対副委員長としての自分の職責であると心得ています。緊張感をもって臨まなくては、と新たな気持ちで「代表質問は16日(月)からとし、本日は散会を望みます」、と議事進行させて頂きました。

 時間を戻して、週末の8日(日)は南砺市の山田議長と高岡市の酒井議長の就任祝賀会に出席し、9日(月)、立春後の思わぬ積雪の中、上京しました。ここしばらく焦点となっていた農協制度の改革問題は、JA全中(全国農業協同組合中央会)の万歳会長と与党との間で改革案の合意を見たため、9日14時からの党本部の会議で了承されました。全中は5年の移行期間を経て一般社団法人となりますが、他業界でも経団連を始め全国中央組織は必ず存在する訳で、個々の農協の総意を自律的に結集すれば、「新全中」は引き続き役割を果たせるものと考えています。ともあれ、改革案について合意を見た形で先に進めて良かったと思います。

 10日(火)の夜に富山に戻り、建国記念日の11日(水)は裏千家淡交会の「初釜」に始まり、北陸新幹線かがやき停車同盟会の報告会党井波支部総会などに出席して上京しました。かがやきの新高岡駅停車について、県西部6市で20万人を超える皆さんに署名頂いたとのこと。これを重く受け止めて頂けたJR東日本、JR西日本、支援頂いた国土交通省、富山県庁に感謝しつつ、1ヶ月後に迫った開業に向け、「乗って増やす」運動へとさらなる前進を誓い合いました。「みんなで力を合わせて頑張る」、当たり前のようですが、その事の大切さを改めて噛みしめながら、安倍内閣が取り組む課題の解決に努力していきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第265号)

 立春を過ぎ、淡雪交じりの雨が降る東京からの報告です。ISILに拘束されていた湯川さん、後藤さんを殺害したとの動画が流され、残念に思います。このようなテロ行為は断じて許されず、国会も5日(木)に衆議院、6日(金)に参議院で全会一致の非難決議を行います。御家族始め関係の皆様にお見舞い申し上げ、国民の生命を守り世界平和に貢献する我が国の基本的な姿勢の下、外交努力を継続していくことの重要性を改めて痛感しています。

 先週末、補正予算案が衆議院を通過したため、2日(月)の参議院予算委員会の間、富山に残る事ができ、高岡市立成美小学校を訪問して「たかおか夢・未来会議」に出席しました。6年生の皆さんが、5年生の時から継続して校区や市のまちづくりをテーマに、防災、福祉、農業、観光、美化の5つの分野で実情を勉強し、自分たちにできる事を実践し、提言にまとめるという素晴らしい活動の発表会でした。児童代表の方から昨年秋に出席依頼の手紙を頂き、当初は12月中旬を予定したのですが、総選挙に入ってしまい、延び延びになっていました。児童の皆さんが卒業する前に何とか伺え、約束を果たせてホッとしています。自分たちで作ったパワーポイントの画像を映写しながら、児童一人一人が「呼びかけ」のスタイルで元気良く発表するのを聴かせて頂き、すがすがしい時間を過ごしました。自分も国会で議事進行係の役割で努力している事をお話しし、児童の皆さんのますますの活躍を呼び掛けました。

 月曜の晩に上京、氷見市議会の自民同志会の皆さんと懇談し、3日(火)には参議院で補正予算が成立、県西部では能越自動車道、国道359号砺波東バイパス、庄川・小矢部川の河川整備、利賀ダム、伏木富山港、国営農地防災庄川左岸地区など国の事業が進捗する事となりました。引き続き4日(水)、5日(木)と衆参で1日づつ予算委員会が開かれる一方、私たち議院運営委員会では、テロ非難決議の調整や12日(木)に国会提出予定の本予算の審議入りの段取りを打ち合わせています。

 この間、4日には県JA中央会の穴田会長始め各農協の代表者が上京され、県選出自民党国会議員との会合が持たれ、前号でも報告した農協制度改革について、JA側から要望を頂きました。議論の焦点は、「全国農業協同組合中央会」の法的位置付けと単位農協に対する監査権限の2点に絞られてきており、その他の改革項目は概ねまとまっている現状です。業界団体の在り方の議論でもあり、JA関係の皆さんにも納得頂ける改革案となる事が望ましく、県選出議員団としては、党農林部門の幹部である宮腰県連会長の下、一致して対処していきたいと思います。

 来週からは当初予算の審議が始まる予定であり、党本部の各種政策会合も盛り沢山となってきます。いよいよ通常国会も本番、頑張っていきます。

カテゴリー: 国政報告 |