2019年12月

国政報告(第507号)

 今年最後の報告となりました。復興副大臣として8か月余り、宮城県を中心に、東日本大震災の被災地に通い、秋の臨時国会からは文部科学委員長として委員会運営に努力しました。この間、万葉集ゆかりの「令和」と元号が改まる御代替わりにて、宮中の諸行事に参列する機会を頂けたのも、皆様に支援頂いた賜物と感謝申し上げます。秋には相次ぐ台風の襲来により、千葉県で大規模停電が発生したほか、千曲川や阿武隈川の決壊で長野県、福島県、宮城県などで大きな被害に見舞われました。改めて被災された皆様にお見舞い申し上げます。沖縄では、那覇市の首里城が火災で焼失し、党沖縄振興調査会事務局長として小渕会長、宮腰座長の下で適切な政府の対応を求めました。同期の小泉環境大臣の結婚と初入閣もうれしいサプライズでした。様々な思い出とともに年を越そうとしています。

 先週末の20日(金)には新年度予算案が閣議決定されました。地方財政については、例年通り一般財源総額が確保され、赤字債である臨時財政対策債も残高が減る所まで発行額が抑制されました。文部科学関係では、教員の働き方改革を進めるため、教員の加配や部活動支援員、スクール・サポート・スタッフの増員などが認められました。地域では利賀ダムの建設予算が33億円台に伸び、先の補正予算による東海北陸自動車道の四車線化の促進とともに社会資本の整備が進みました。一方、財政再建の視点からは、消費税率が引き上げられたものの税収が伸び悩み、社会保障費は人口の高齢化による自然増を目標内に抑制したものの、全体として赤字国債の発行額は1千億円の減額に留まりました。2025年度にプライマリー・バランスを黒字化しようとする目標の達成には、今後さらに厳しい改革が必要になるものと思います。

 週末の21日(土)は選挙区内の各支部を挨拶に回り、22日(日)は南砺市の片岸市議の市政報告会に出席しました。週明けの23日(月)に再度上京し、予算関係の資料を整理したり、各省庁のレクを受けたりして24日(火)夕刻には富山に戻り、しばらくは故郷での毎日です。

 この間、日本郵政グループへの情報漏洩で鈴木総務事務次官が辞職し、IR関連の収賄容疑で秋元司衆議院議員が逮捕されました。総務省の事案は、かんぽ生命の不適切な保険販売について報告徴求がなされている状況下でOBに倫理監督官を兼ねる現役事務方トップが処分の検討状況を漏らしたものです。公務員倫理を巡る問題が続発する中、私にもかかわりの深い総務省での事件に落胆し、再発防止を強く願います。平成24年冬の政権復帰から8年目を迎え、「日本を取り戻す」という公約と初心を改めて想起し、来る令和2年を実りあるものとするよう、気を引き締めて新年を迎えます。来春は松の内明けからの報告とさせて頂きます。

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国政報告(第506号)

 今年もあと10日余りとなり、年末に向けて気ぜわしい時節を迎えました。17日(火)の萩生田文部科学大臣から大学入試共通テストへの記述式試験の導入を見送るとの発表を受けて、18日(水)に文部科学委員会の理事懇談会が開かれました。文科省からの説明を聴いた上で、野党側から委員会開催を求められましたが、与党側からはこの間の文科省における検討の経緯など材料が整ってからが望ましいとの事で、筆頭理事の間の協議に委ねられました。委員会とすれば、13時間半に及ぶ質疑で問題点を指摘し、これを受けて行政側で検討された結果であり、一定の役割を果たせた認識です。

 先週末の13日(金)には補正予算が閣議決定されました。台風19号など自然災害の復旧事業と国土強靭化対策、経済の下振れリスクへの対応、Society5.0など未来社会への投資の3本柱で2兆3086億円の増額となりました。「GIGAスクール構想」として小中学校に一人一台のタブレットを配置し、情報化社会に対応した人材育成が進められます。また、財政投融資を活用して、東海北陸自動車道など高速道路の四車線化も加速され、おおむね10~15年後には整備が完了する計画で進められます。一方、税収の見込みは当初予算から2兆3千億円落ち込み、この分を赤字国債で補います。さらに公共事業についても建設国債を発行するため、合計4兆4千億円の国債増発となります。プライマリー・バランスの悪化は避けられず、財政再建面からのチェックは必要だと思います。党の会議も年明けには開催されることを望んでいます。

 14日(土)は富山に日帰りとなり、党県連の常任顧問会議に出席しました。来年秋の知事選に向けた候補者推薦の進め方が話し合われ、報道の通り、年明けにも現職と出馬表明した新人の意向を確認して手続きに入っていく事になりました。15日(日)は東京で新国立競技場の竣工式に委員長として出席しました。富山にも馴染みの隈研吾さんの設計で、47都道府県の木材を使い、客席も白・緑・茶にまだらに色付けするなど自然のいぶきを感じさせる素晴らしい仕上がりでした。ドームから見える冬空の青が印象的でした。夕刻は富山に戻って、小矢部市で山田俊男・筱岡貞郎両議員の国政・県政報告会に顔出しの後、党南砺市連党員交流会で国政報告の機会を頂きました。

 週明けの16日(月)に上京してからは、新年度予算の編成状況について、レクを受けたり、党本部での会議に出たりしています。高岡商工会議所の塩谷新会頭ほか議員の皆さんが上京され、会館の委員長室にて激励を受けました。本予算では、北陸新幹線の建設や、東日本大震災からの復興や沖縄の振興など私自身が関わってきた分野、また、教育・科学技術・文化・スポーツなど文科委員会の所管事項など仕上がりが気になるところ、次号で報告します。

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国政報告(第505号)

 12月中旬に入ったところで急に日本列島が暖気に覆われ、先週末に初雪を見た富山も根雪になるのはまだ先のようです。東京では、銀杏の葉がさらさらと散っていく毎日です。

 週明けの9日(月)に臨時国会も会期末を迎え、野党側からは「桜を見る会」に係る疑問点が残っているとして40日間の会期延長動議が出されました。与野党国対間の協議で、内閣委員会の理事会で扱うことで折り合い、動議は本会議にかからず、夕刻までに衆参とも最後の本会議を終えました。内閣不信任案の提出も取り沙汰されましたが不発に終わりました。野党側では、立憲民主党と国民民主党の合流が話し合われる一方、今の時点での解散には準備不足の実情で、統一会派は作られたものの、未だ2年前の民進党の分裂の後遺症を引きずっています。国会での質疑も、週刊誌等の報道に基づくものが多く、じっくりと論点を深め、自らの調査・検討に立脚した深みのある内容が増えることが望まれます。文部科学委員会では、教師の働き方の改善の方途や、大学入試共通テストの在り方など、文科省の施策に様々な投げかけのできる質疑がなされ、国会のチェック機能をいささかでも果たせたのでは、と感じています。

 先週末は6日(金)に富山に戻り、7日(土)の朝は砺波市で国道359号バイパスの開通式典に出席しました。20年余りをかけて庄川の架橋、河岸段丘を昇る高架橋など建設が進められ、県の東西をがっちりと結び付ける幹線道路の完成を見たことは喜ばしいですし、綿貫先生始め先人や地域住民の皆さんのご尽力の賜物です。その後、高岡市で二代目扇寿々蘭先生の襲名披露宴にて祝辞を述べ、夕刻は南砺市井波にて慶政会(6市で支援頂いている市議会議員の集まり)の研修会・懇親会に出席しました。最近の党の憲法改正に向けた取り組み、改正案の4項目についての考え方、衆議院憲法審査会の現状など私から報告しました。自衛隊の位置づけ、緊急事態への対処、教育の充実と並んで、参議院地方区の県境を越えた合区解消も改正案に含まれており、地方部にとってはこの点が大切だし、人口減少の流れの中で対応が急がれる旨、強調しました。8日(日)の朝は、新幹線で上越妙高へ向かい、高鳥修一党筆頭副幹事長・衆議院議員の父君、故修衆議院議員を偲ぶ会に参列しました。

 今週は、国会閉会の後、新年度税制改正案の取りまとめ、元年度補正予算の編成が進み、来週には新年度予算案が編成される見込みです。地方法人税における電力会社への収入金課税は一部見直されることとなり、ゴルフ場利用税については、オリンピック出場選手などの練習に係る課税が無くなりましたが、地方の税収にはあまり影響が出ない形に整理されました。次いで、補正予算・当初予算では、国土強靭化や小学校児童にタブレットを一人一台整備するなど、新機軸も打ち出されており、次号で報告します。

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国政報告(第504号)

 師走に入り、さすがに朝晩の気温も下がってコートの着用を始めました。衆議院の文部科学委員会も11月27日(水)の高大接続(大学入試共通テストなど)の審議を終えて、舞台は参議院に移りました。国会では「桜を見る会」を巡る質疑がもつれて29日(金)は午後1時開会予定の衆院本会議が3時に遅れ、夕刻の新幹線で富山に戻りました。桜を見る会の運営については、近年、招待者の基準など規律が緩んでいたことは事実であり、来春は中止して在り方を見直すという方針は妥当だと思います。また、内閣府の招待者名簿の保管期限も、翌年への接続を考えると1年以上に延長すべきです。その上で、野党等から投げかけられている質問に可能な限り丁寧に答えていく事で説明責任を果たしていくのが筋道と思います。

 地元では、30日(土)に第三選挙区支部と松村謙三先生の精神に学ぶ会の共催で、佐藤勉衆議院憲法審査会長をお招きして時局講演会を開催しました。元総務大臣で、情報通信・放送分野の政策のまとめ役でもある先生からは、5Gへの国の取り組みや地域展開へのアドバイスから現下の憲法審査会の動きに至るまで幅広くお話を頂けました。夕刻は、党射水市金山支部の懇談会に顔を出した後、歯科医師会の後援会総会に出席し、国政報告をさせて頂きました。12月1日(日)は、会長を仰せつかった金沢福光連絡道路整備促進期成同盟会の活動の一環として、馳浩会長代行、佐々木紀国土交通政務官の参加も得て、翌日から冬期間通行止めとなる現道を視察しました。山野金沢市長、田中南砺市長ほか地元の県議、市議、自治会関係の皆さんにも同行頂き、刀利ダムから県境までの難所を含め、現状が把握でき、来年1月に予定されている富山県庁への要請活動につなげていきます。

 2日(月)朝に上京し、午後からは党本部で税制調査会の来年度税制改正項目の「〇×審議」に出席しました。今年の主要な検討項目は、電力会社の地方法人税の課税方式の変更、ゴルフ場利用税の課税対象の縮減などでした。前者については、電力自由化、送配電分離を踏まえ、収入金に課税する方式を一部変更(減税)することになり、後者はオリンピック等競技大会に出場する選手について免除することで決着の見通しです。このほか、沖縄や東北の被災地に関する特別措置も概ね延長が認められました。

 3日(火)には政務調査会の全体会議があり、政府にて策定が大詰めを迎えている経済対策を議論しました。今年度の補正予算と新年度予算を対象に、災害復旧、海外の景気腰折れリスクへの対応、経済成長の後押し等に重点を置いた内容です。私見ですが、本対策により、来夏の東京オリンピック・パラリンピックまで、景気失速を防ぐものと思われます。臨時国会の会期末は9日(月)で、その後は補正・当初の2予算案の編成内容について報告します。

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