国政報告(第290号)

 台風12号が日本海側で熱帯低気圧に変わり、全国的に梅雨明け、夏本番となりました。今週、国会では28日(火)の衆院本会議で参院の選挙区是正法案が可決成立し、平和安全法制も27日(月)の参院本会議を経て、参院の特別委での審議が始まりました。29日(水)には、衆院の厚生労働委員会、経済産業委員会で審議中の法案が採決されるなど、両院とも動き始めました。

 私自身は、先週末で「夏風邪」が峠を越え、散髪も済ませて国会終盤に臨んでいます。平和安全法制については、事務所にも手紙・FAXなどで審議の進め方に関する意見を頂きますが、参院定数是正についての考えを含め、私の立場は、先に本報告で述べてきた通り、我が党の方針を支持するものです。なお、衆院の定数是正については、昨年の総選挙の前に小選挙区の「五減」等で、選挙区間の格差を2倍以内に納めています。さらに、比例区の定数の在り方や、選挙区間格差を2倍以内に保つ方策について、衆院議長の下に学識経験者からなる委員会が設けられ、検討が進められています。安倍総理も、党総裁としてこの委員会の結論を尊重する方針を明言されており、近い将来に取りまとめがなされる予定です。現在、衆院の定数は、小選挙区295、比例区180、合計475ですが、個人的には、まずは比例区を30程度減らし、445程度にしては、と思っています。参院については、都道府県の区画を尊重し、地域代表の要素も加味するよう、憲法改正をすべきです。

 このほか、現下の国政では、かねてから指摘しているTPP、原発、沖縄の各問題に加え、新国立競技場の建設、ロシア経済水域における北洋さけ・ます流し網漁業の全面禁止措置など、新たに対処すべき課題が生じています。衆院与野党間では、8月7日(金)に予算委員会を開催し、これらを念頭に一般質疑を行う方針で折り合っています。TPPは、ハワイで閣僚折衝が大詰めを迎えており、宮腰先生を始め、党農林関係議員も現地に詰めています。各品目の関税の具体的な設定内容について、各紙が交渉過程を報道していますが、党のレベルでは、政府から未だ報告を頂いておりません。まとまった段階では、先に選挙公約等で国益維持を約束した、「米、麦、乳製品、肉類、甘味作物」の五品目を主体に交渉内容をチェックして行くこととなります。

 さらに、北洋さけ・ます流し網漁業の禁止措置が来年から発動されれば、根室市を中心に東北海道で大きな打撃を被ると予測されています。船や船員のみならず、さけ・ますの加工場など関連産業も併せ、地域に与える影響額は250億円に達すると見込まれています。既に水産庁や党水産部会議員など担当者が北海道に飛び、地域の声を踏まえ、8月半ばにも国として緊急対策を取りまとめる予定です。北陸・関西地域では、北陸新幹線の福井開業前倒しの可否について党内で議論されており、さらに新大阪までのルート決定の議論が本格化しそうです。新年度概算要求の内容チェックと併せ、これら国政上の諸課題にも目を向けながら、8月を迎えます。

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