国政報告(第370号)

 平成23年3月11日、金曜日の午後2時46分、東日本大震災が発生、強い地震、大津波、そして福島第一原子力発電所の冷却機能が失われ、放射性物質が周囲に飛散する事態となりました。それから丸6年、11日(土)が目前に迫っています。改めて震災でお亡くなりなった方々のご冥福をお祈りし、ここまで復興に努力してこられた被災地の皆様のご苦労を想い、今仰せつかっている職責を通じ、事態を少しでも前進させるよう努力する決意です。

 通常国会は新年度予算案の審議が参議院に移り、2日(木)には衆議院で東日本大震災復興特別委員会が開かれ、今村大臣の所信と新年度予算の概要を聴取頂き、9日(木)に4時間の質疑が行われました。私も、復興事業の執行促進、観光対策、福島・浜通りの医療・介護環境の再構築について復興庁の取り組みを答弁しました。10日(金)には参議院の特別委員会もスタートし、この後は福島復興再生特措法改正案の審議・成立を目指します。

 3日(金)、就任後20回目の被災地への出張は、宮城県南三陸町の「さんさん商店街」のオープニング式典となりました。震災後街の商店主の皆さんが住民を元気づけようといち早く「市」を立ち上げ、仮設の施設に移って運営を続けられました。被災地復興の歩みを全国に発信するシンボル的な役割を果たし、地域外から応援に来られる方々にも大いに親しまれた商店街が、新たに盛り土・整備された町の中心部に本設・オープンの運びとなりました。町の復興をリードして来られた佐藤町長、商店街をまとめる三浦社長始め多くの方々の笑顔あふれる中、早春の日射しの下でのテープカットにご一緒できて光栄でした。施設の設計は、地元でも富山市の「キラリ」や高岡市の「金屋楽市」でお世話になった建築家の隈研吾先生で、南三陸町の良質なスギをふんだんに取り入れた人に優しい環境となっていました。末永い商売繁盛を祈念して帰京しました。

 4日(土)は桜井小矢部市長の後援会に顔出しするなど地元で過ごし、5日(日)は東京で自由民主党の党大会に出席しました。再度政権を担当させて頂いて5年目に入った安倍総裁の演説は、4年間の着実な成果の上に、「日本を取り戻す」という初心を忘れず、憲法改正等の困難な課題にも粘り強く取り組む決意を力強く述べるものでした。震災復興の取り組みも、一日一日の進展は牛の歩みのようですが、6年間の歳月は決して無ではなく、現地の皆さんの努力をしっかり支え、明るい未来に向かい頑張らねばと思いました。

 7日(火)には台湾の与党、民進党の徐団長一行が来庁され、長沢副大臣とともに、復興の現状を説明し、この間の台湾からの支援に御礼申し上げながら、我が国農林水産物に対する輸入禁止等の規制措置の見直しを要請しました。国内外の風評被害の払拭も一朝一夕に解決できずとも、腰を据えて取り組むべき重要課題です。

 明日11日は宮城県多賀城市での発災6周年の追悼式典に伺う予定です。心新たに復興庁での職務に取り組んで行きます。

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