国政報告(第485号)

 参院選も運動期間が後5日と、終盤戦です。盛り上がりに欠ける雰囲気も感じられる中、この三連休も多くの支援者の皆さんに集会など参加頂いています。一方、天候は「梅雨寒」のような状態が続いており、下旬には夏空を期待したいところです。

 復興庁では、10日(水)に「復興五輪」海外発信プロジェクトの一環としてナミビア大使館に伺いました。今秋、日本で開催されるラグビーワールドカップで、10月13日(日)に釜石鵜住居復興スタジアムにてカナダとの対戦が予定されており、オリパラでは宮古市がホストタウンになっています。ルスウェニョ大使に面会し、復興に対する支援への御礼に併せ、現状を説明しました。

 さて、「地方創生」の前号からの続きです。大都市圏と地方圏の発展の調和を図る国土政策の考え方は以前にも存在しました。これに対し、地方創生は、我が国が直面する人口減少・地方消滅という「静かなる有事」への対応が主眼であり、ターゲットも子育て世代である「若者」です。若者世代に出生率の高い地方圏に居住いただき、良好な子育て環境の下で次世代を一人でも多く育成してもらう。そのために、まずは地方圏に若者の多様な自己実現の欲求を満たす仕事場が必要です。街に人が住むには仕事が必要、よって、「地方創生」=「まち・ひと・しごと創生」となります。

 もちろん、全ての街にあらゆる種類の仕事場を用意することはできません。当然、各々の地域にその地域の特性を生かした仕事があるでしょうし、それを伸ばしていく、或いはより魅力のあるものとしていくことも必要です。例えば、地域の農産物や伝統工芸品の販路を大都市圏、さらには世界に拡大し、消費者の様々なニーズに対応し、品質やデザインを高めていく動きが見られます。

 一方、東京を中心に集中している都市機能、特に官庁や大企業の本社機能が多くの若者を雇用していることも事実です。私の宿舎から議員会館への通勤経路にある地下鉄銀座線の溜池山王駅を行き交う数多くの若者の姿を見ると、正直、ため息が出ます。若者の学びの場である大学が大都市圏に偏って立地していることも、地方圏からの18歳時点での人口流出につながっています。官庁・大企業・大学が首都周辺に一極集中している姿が世界の通例かと言えば、アメリカもドイツも中国もそうではありません。少なくとも国内に数か所の中核都市と言われる拠点があり、機能が分散されている場合が主流でしょう。

 よって、地方創生では、地方圏での魅力ある職場づくり、官庁・大企業本社・大学の分散配置の促進、若者の子育て環境の改善、といった施策を総合的に展開し、主たるKPI(主要業績評価指標)として、地方・東京圏の転出入均衡や夫婦子ども数予定実績の向上を掲げたのです(次号に続く)。

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