2016年10月

国政報告(第352号)

 議員会館前の通りの銀杏も少しづつ色付き、朝晩の冷え込みにも急に秋の深まりを感じる中、臨時国会でも案件の処理が進み始めています。通常国会から継続審査となっていた外国人技能実習生の制度変更の法案が25日(火)の本会議で参議院に送られ、参議院側でもパリ協定の審議が進んでいます。TPP協定については、与野党間で審議の進め方を巡り対立もありましたが、北海道と宮崎県での地方公聴会を終え、大詰めに近づいています。

 私については、先週末の21日(金)、22日(土)と地元にて知事選、県議補選の応援に入りました。22日の午後は、「慢性の痛みに関するシンポジウム」に出席し、議連の事務局長の立場で健康寿命の延伸と効果的な医療提供の観点から、慢性疼痛についての研究促進や国内で相談・治療ができるセンターの整備の必要性を訴えました。幸い、厚生労働省でも施策として取り組んで頂いており、新年度予算にも期待のかかる所です。

 土曜の夜に上京して、23日(日)は宮城県山元町で復興拠点として整備された「つばめの杜」地区のまちびらき式典に副大臣として出席しました。JR常磐線を海側から移設し、新しい山下駅の西側に保育所・小学校・商業施設が集中して立地する市街地を形成したものです。山元町では、海側の被災した集落からの集団移転により3つの拠点を新たに設け、そのうち二つがまちびらきするに至りました。応援職員を派遣していた全国各地の自治体の代表の皆さんも招待され、齋藤町長のご挨拶、小学生・中学生の代表二人による力強い誓いの言葉で元気なスタートが切られました。12月には宮城県の浜吉田駅から福島県の相馬駅まで常磐線が復旧することで、地域再生が前進するものと期待されます。帰途、岩沼市に立ち寄り、菊地市長のご案内にて昨年まちびらきした玉浦西地区を訪問し、生活が落ち着いてきた姿を拝見することができました。

 夕刻、仙台から大宮経由で富山に新幹線で戻り、石井知事の四選酒井立志さんの県議補選初当選をお祝いしました。24日(月)は党文部科学部会高等専門学校PTの坂本哲志座長、八木哲也事務局長に来県頂き、富山高専の本郷キャンパス射水キャンパスを田畑議員、堂故議員と一緒に見学しました。ものづくりの最前線や航海士・機関士として活躍する有為な人材を養成する一方、地域の企業や外国の学校とも幅広い交流・連携に努力されている現場に伺い、高専の重要性を再認識しました。

 25日(火)からは東京で復興庁と議員会館を行き来しながらの毎日に戻り、27日(木)には衆院東日本大震災復興特委にて今村大臣とともに就任挨拶を行い、来週以降には質疑が予定されています。復興を巡る様々なご意見、ご指摘に耳を傾け、仕事を前進させていきたいと思います。

 27日朝、三笠宮崇仁親王殿下が薨去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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国政報告(第351号)

 秋らしい天候が続く中、臨時国会も4週目となり、TPP特別委員会の審議を巡り、予断を許さない展開となっています。先週、応援に行った新潟県知事選挙は相手方候補の勝つところとなり、党活動の在り方について反省しています。富山でも23日(日)の投票日に向け、県知事選と県議補選が終盤であり、気を引き締めて臨まなければ、と思います。

 先週末は15日(土)の在京当番が交代となり、富山にて選挙の個人演説会に弁士として連夜顔を出して17日(月)朝の「かがやき536号」で上京しました。復興庁勤務も3か月目となり、臨時国会前に被災地を訪問して自治体等から頂いた課題の調査もほぼ終わり、回答できるものはお知らせしています。東日本大震災の発災から5年7ヶ月、被災地の努力と内外の支援の積み重ねにより、復興は一歩一歩前進しています。自治体によっては、復興事業を終えた所も出てきており、「復興・創生期間(平成28-32年度)」の位置付けの通り、新たな地域づくりの芽も育ち始めています。もっとも、福島第一原子力発電所事故により避難を余儀なくされた十二市町村では、帰還が可能になった箇所から地域再生に取り組んでおられる現状で、帰還困難区域の取り扱いもこれから具体化させる段階で、強力かつ粘り強い対応が必要と感じています。

 全体として、施設の復旧・復興というハード事業が順次完工を迎えていく中、地域の再生・創生に向け、生活となりわいの回復・創造のための様々なソフト面での取り組みが大切になっていると思います。まずは仮設住宅で生活されている方々が、防災集団移転・区画整理・災害公営住宅などの事業により、「恒久住宅」にスムーズに移動頂けるよう努めることです。さらに、農林水産物を始めとする産品の販路拡大や風評被害の払拭、水産加工業等での人材不足への対応、地域の担い手となる若手人材の育成、役場の応援職員の確保などなりわいを確実なものとしながら、被災地での地方創生、すなわち「新しい東北」の実現につないで行くことです。福島の十二市町村では、さらに日常生活を支えるサービス機能や、教育・医療・介護面の機能を復活させるため、特段の対応が必要です。現地で再開される学校、医院、福祉施設等が円滑に運営され、住民の皆様が安心して帰還頂ける環境を整えていかなければなりません。日々変化する現地の状況を把握し、的確な対応を心がけていきます。

 以上、復興の取り組みに参加させて頂いて思い、感じている所を綴りましたが、これを毎日の取り組みにつなげていかなければなりません。今週は18日(火)に福島県のアンテナショップ、「日本橋ふくしま館・MIDETTE(みでって)」に伺い、多彩な地場産品を紹介し、首都圏での情報発信に取り組んでいるお話しを聴きました。23日(日)には宮城県に出向く予定で、新たな気付きを心がけて行きます。

 国会は、17日(火)の本会議で消費税引き上げ延期法案の趣旨説明・質疑が終わり、TPPと参議院先議となった地球温暖化防止のためのパリ協定を合わせ、重要な3案件の審議が始まっています。来週以降、この3案件の進捗を軸に展開して行く動きをしっかり見て行かなければ、と思います。

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国政報告(第350号)

 蒸し暑さがいつまで続くのやらと思ううち、先週から今週にかけていっきに秋らしくなり、東京も夜は肌寒い位に季節が進んできました。この夏は例年とは異なる進路を取る台風に心配させられ、現に各地で多くの被害を見ましたが、当面は穏やかな日が続いてほしいものです。

 先週6日(木)に知事選の石井知事の出陣式に出た後、新幹線で上京し、7日(金)は復興庁の幹部会議に出て、夕方の新幹線で再度帰省し、8日(土)朝の党県連常任顧問会議に出席しました。ここ一か月を超えて多くの批判を頂いている県議会、富山・高岡市議会の政務活動費の不正・不適切使用問題が主たる議題でした。各議会の責任において、運用の改善を図るほか、問題を指摘された議員については、辞職・離党された方は別として、各支部において厳正に対応するよう求めて行く事で了承されました。

 土曜午後に三たび上京し、県立高岡高校首都圏同窓会総会に本部同窓会長として出席しました。ついで祝日の10日(月)の朝一番のかがやき・つるぎ号にて、新高岡駅に8時40分に到着し、石井知事の県下一円35か所での出陣式について南砺市の利賀井口と3か所同行しました。地方創生が叫ばれる今日、選挙を機会に知事に県内各地を直に回って頂き、選挙民の想いをくみ取ることで、新たな任期の県政に役立ててほしいと思います。

 11日(火)には補正予算案が参議院の予算委員会、本会議で可決・成立しました。早速、公共事業等、県内にも箇所付けの案内があり、国営農地防災庄川左岸地区、国道359号砺波東バイパスなど懸案の事業の進捗を図る事ができました。また、県・市事業に対し、社会資本整備総合交付金の追加配分があり、本予算で手当てし切れず中に浮いた形となっていた事業の促進も図られました。この間を利用し、16日(日)が投票日の新潟県知事選挙の応援で糸魚川、上越、新潟市に入りました。激戦が伝えられますが、前長岡市長で全国市長会長を務められた森民夫候補の必勝を期し、知己の皆さんを訪ね、上越新幹線にて夜の上京となりました。

 12-3(水―木)と、衆参で一日ずつ予算委員会が開かれ、14日(金)からは各委員会での審議がスタートする運びとなりました。懸案のTPP協定に加え、地球温暖化を防止するために各国の協力を約すパリ協定の批准も急がれる状況となり、参議院から審議を始める事で与野党合意されました。復興庁もやがて両院の復興特別委員会にて大臣始め政務三役の所信の挨拶と質疑が行われます。被災地の抱える様々な課題を把握し、解決に努めつつ、各議員の指摘を受けたいと思います。このうち、被災自治体の復興のために全国の自治体から派遣頂いている応援職員につき、後2年間の事業最盛期の継続を要請するべく東京都の西川特別区長会長を訪問したほか、14日には魚津市にて富山県市長会の森会長始め皆様にお願いする予定です。被災地産品の風評被害の払拭など、政務の立場でもできる事に注力、頑張ります。

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国政報告(第349号)

 心配された台風18号は、昨5日(水)に日本海側を猛スピードで抜けて行き、富山も東京も引き続き暑さの残る10月初旬です。今回の台風で暴風や豪雨等の被害に遭われました関係の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 先週末の1日(土)は、母校の富山県立高岡高等学校の創立記念式典に出席の後、南砺市福野で石破前地方創生大臣の講演会に出席しました。平成24年秋の党総裁選で応援させて頂いて以来、派閥には加わっていないものの、「さわらび会」などで折々お世話になっており、今回は閣僚を終えられて初めて、しっかりしたお話しを聴く機会となりました。我が国の当面する人口減少問題、地方の疲弊の問題に向き合い、地方創生に向けた努力をしっかり応援して行く事を柱に、これからの日本の在り方を現場を回りながらじっくりと考え、来るべき機会に備える石破先生の立場が良くわかりました。

 翌2日は、山梨県から宮川典子代議士をお招きし、県第三選挙区支部女性部の講演会を開催しました。羽岡女性部長、堀田幹事長始め約200人の参加にて、宮川先生が教師としての経験を土台に政治に志し、女性議員として様々な壁を乗り越え、元気一杯に活躍されている姿を様々なエピソードを交えてわかりやすくお話し頂き、好評でした。折しも、県内では地方議会の政務活動費の不適切な事案が連日のように明るみになっており、自らも戒めながら、石破先生、宮川先生のように高い志で政治に携わっている姿を紹介できて良かったと思います。

 週明けの東京では補正予算の審議が続き、4日(火)の夕刻、衆議院本会議で可決、5日(水)から舞台を参議院に移しました。与野党協議により、11日(火)には成立のめどが立ち、引き続き野党の要求を容れて、12-3日(水―木)と衆参の予算委員会の集中審議が予定されています。熊本地震からの早期復旧と当面の景気テコ入れを目的とする本補正予算では、大震災被災地の復興事業や福島の除染事業も加速するほか、各地で採択洩れとなっていた補助事業にも手当てがされる事となっており、冬場を前に早期執行が望まれます。一方で、我が国経済の成長を確かなものとし、地方経済を活性化させていく上で、成長戦略の具体的展開や、一億総活躍の一環としての子育て・介護対策、働き方改革の早期の具体化が課題となっています。私の担当する東北の被災地では、生活の場、産業の場の復興をしっかりと目に見える形にして、地域住民の皆さんに「復興・創生」を実感頂く機会を増やしていくことが大切です。

 5日の晩にいったん富山に戻り、台風一過の6日(木)朝は、県知事選初日、石井隆一候補の4選を目指す出陣式に出席しました。北陸新幹線の開業を踏まえ、富山県の発展方向を示し、若い世代の皆さんに夢を指し示す新たな県政のスタートにしてほしいと思います。17日間の選挙戦を通じ、石井知事には県民の信頼を更に強固なものとしながら、「元気とやま」実現に向けた展望を確かなものとされるよう期待し、応援して行きます。

 10月半ばに向けて国会も各委員会の審議がスタートし、TPPやパリ協定の批准案、消費税先送り法案など、懸案処理がヤマ場に入っていきます。復興庁の職務をこなしつつ、展開を注視します。

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