国政報告(第646号)

 12日(水)、高岡市伏木地区の勝興寺の本堂・大広間・式台について、文化財審議会から国宝指定の答申が出されました。四半世紀に及ぶ平成・令和の大修理を経て、見事に蘇った本堂・庫裡が、歴史的価値を認められ、県・市内で二つ目の国宝に指定される事となり、嬉しく思います。修理費用の大本は国の高率補助に依りましたが、地元の自治会の皆さんも永年にわたって負担しておられ、いわば、皆で汗をかいて皆で得た地域のかけがえのない宝です。

 なかでも、当初から物心両面で事業を牽引された故竹平栄次さん、地元のまとめ役を務められた故山崎孝之さんに深く感謝しています。私にとっては、2004(平成16)年の本堂竣工に市長として立ち会えたことが忘れられない思い出です。また、2006(平成18)年度の文化庁の公募に応じて、「近世高岡の文化遺産群」を世界遺産の候補として提案した際にも、瑞龍寺、前田利長公墓所、高岡城跡とともに勝興寺を重要な構成要素に位置付け、磨き上げに務めてきただけに、目的地にまた一歩近付いた思いがします。

 広域的にとらえれば、市内の瑞龍寺、国泰寺、南砺市の瑞泉寺、善徳寺といわば、「越中五山」とも言える素晴らしい寺院が点在し、富山湾に面する氷見や射水(新湊)の水辺の景観、砺波平野に広がる散居村の景観と一体的にとらえられそうです。その中で、国の重要無形民俗文化財である射水・城端・高岡の曳山祭など多彩な活動が繰り広げられる県西部地域の文化観光面での価値向上をもたらすのでは、と期待します。地域内を結ぶあいの風鉄道・城端線・氷見線・万葉線などの活性化ともつながりそうです。さらに視野を拡げて、加賀藩の前田家縁の文化財と見れば、金沢など石川県側との周遊観光も厚みが増すなど、夢が広がります。これからは、夢を形に、そして皆で築いてきた地域の宝を大切に、と思います。

 国会は、週明けの17日(月)から衆・参各2日間の予定で予算委員会が開かれており、物価高対策、旧統一教会問題など内外の重要課題を巡って議論が進んでいます。岸田内閣は令和6年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに集約する方針を打ち出したのに続き、旧統一教会についても、宗教法人法上の質問権を行使する旨、表明しました。私としては、相次ぐ決定について、実務面での詰めが十分なのか心配しており、議員の立場で所管の役所に確認し、混乱が無いように努めようと思います。

 国宝指定に盛り上がる週末の地元では、14日(金)にNHK富山放送局の新局舎竣工式、15日(土)に(公財)高岡市シルバー人材センターの40周年記念式典、16日(日)に高岡市伏木万葉ふ頭バイオマス発電所竣工式に出席しました。また、高岡市吉久地区の「さまのこアート」下関地区の「八丁道おもしろ市」も訪ねました。コロナウイルスを乗り越えた催しが増えるよう念じます。

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