国政報告(第632号)

 先週は、梅雨明け以降、猛暑が続きましたが、7月3日(日)の午後からは激しい雨が降り、幾分しのぎ易くなりました。参議院選挙も今日(4日(月))からいよいよ終盤戦、10日(日)の投開票日に向け、もうひと頑張りです。

 今春の福島県を中心とする地震の一部の火力発電所が停止している東日本では、猛暑で電力需要が高まると供給の予備率の余力が厳しくなります。東京電力管内では先週、電力ひっ迫の注意報が出されました。無理のない節電に取り組む事は有益ですが、熱中症など健康に関わる器具の利用は継続されるのが当然であり、需要面での対策が急務です。もちろん太陽光、風力、地熱、小水力、バイオマスなど再生エネルギーによる発電を着実に増やしていく事が必要ですが、環境に左右されずに安定した電気量を供給できるベースロード電源の確保が、より大切です。また、現在主力電源となっている火力発電は石油、石炭、液化天然ガス(LNG)を燃料源としていますが、2050年に向けた脱炭素・カーボン・ニュートラルの大方針の下、石油・石炭火力発電所は漸減させなければなりません。このため、厳しい安全審査をクリアした既存の原子力発電所を稼働させながら、徐々に再生エネルギーによるベースロード電源に移行していく方針が現実的と考えています。現に西日本では、加圧水型原子炉を持つ発電所が稼働しており、東日本に比べて需給ひっ迫が緩やかな現状にあります。東日本でも、既に原子力規制委員会の許可を受けている女川原発などの再稼働が待たれるところです。

 一方、新型コロナウイルス感染症は、東京都で4日まで17日間連続で前週同曜日を上回っており、オミクロン株の亜種、「BA.5」への置き換わりが進んでいます。幸い、重症者の増㔟は落ち着いており、「ウイズ・コロナ」の考えで、ワクチン接種、飲み薬等の対応を取りながら、屋外でのマスクの着用を緩和するなど、徐々に日常に戻していく政策遂行が望ましいと考えます。

 ウクライナ情勢は、ロシアが東部ルハンシク州を掌握し、隣接のドネツク州への攻㔟を強めていると報道されています。武力による現状変更を目指すロシアの行為は許されるものではなく、我が国とすれば、引き続き欧米諸国と連携して経済制裁など抗議を続けていくべきです。ただ、現地の情勢は4月頃の見立てに比べてウクライナ側に厳しいものがあるように思われ、苦境が続く恐れがあると思われます。我が国も、粘り強くエールを送っていくべきです。

 最近の為替相場は、1ドル135円程度で推移しています。物価の動向、企業の今後の経済見通し(日銀短観)などのデータを踏まえ、7月の日銀の金融政策決定会合での議論が注目されます。政府も、参議院選後は経済対策を打ち出すものと思いますが、賃上げにより、「成長と分配の好循環」も移行する政策が求められます。

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