国政報告

国政報告(第186号)

 6月1日(土)から3日(月)にかけて、横浜で第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)が開催されました。この機会をとらえ、前日の5月31日(金)にボツワナのマシシ公共政策担当大臣とアンゴラのブラガンサ外務副大臣と面談し、地上デジタル放送の日本方式の採用について話し合いました。既に2月に採用決定を頂いているボツワナ・マシシ大臣とは、今後の具体的な進め方を打ち合わせ、検討中のアンゴラ・ブラガンサ副大臣には、所管のロッシャ情報通信大臣によろしく伝えて頂くようお願いしました。このほか、レセプションの場等でマラウィのバンダ大統領、モザンビークのゲブーザ大統領にも働きかけをする機会を得ました。近年のアフリカの経済発展は目覚ましく、日本との間でも援助や技術協力を超えて、企業進出や資源開発など通商の多様な分野に渡って関係が深まりつつあります。TICAD-Vでも、安倍総理が議長となって「躍動のアフリカと手を携えて」とのテーマの下、「成長」に焦点を当てた議論が展開され、「横浜宣言2013」と向こう5年間の行動計画が採択されました。

 ちょうど3日には、中米のグアテマラが日本方式を採用頂いた旨、報道発表があり、これで中南米を中心に14カ国で採用されたことになります。南部アフリカにも展開が進むよう、引き続きアンゴラの動向を見守っていきたいと思います。

 今週の見学は、かんぽ生命(株)の東京サービスセンターでした。全国の契約のほぼ3分の1を取り扱い、個々の郵便局でお客様が申し込まれた新規契約の内容チェックと、保険対象の事故があった時の保険金支払いの審査をする場所です。窓口からの照会や、お客様の問い合わせ・苦情への対応も業務としています。いわば、「縁の下の力持ち」の役割を担っており、会社が保険業務を円滑に進めて行く上での要といえます。契約書面は1枚ずつイメージ・スキャンで画像として取り込まれ、スタッフの方がコンピュータの画面上で手際よく内容チェックを進めていました。今後は支払い関係書類も画像に取り込んで扱う予定とのこと、業務の効率化が期待されます。

 国会は、参議院で衆議院の定数是正に関し、野党が提出した18増23減法案の扱いを巡り与野党が対立し、新たな法案審議に入れない状況です。それでも5日(水)には本会議があり、先に委員会審議を終えた電波法改正案が可決成立、併せて一度否決された人事院の人事官と、会計検査院の検査官を含む人事案も同意されました。6日(木)には衆議院の総務委員会で地方分権を進める「第三次一括法」も審議を終え、残るは参議院の総務委員会で給与法改正案の審議だけとなりました。来週14日(金)には東京都議会議員選挙が告示・スタートするだけに、そこまでがいわば「終盤戦」です。

 安倍内閣の成長戦略が逐次発表される一方、株価はいつの間にか一本調子の上昇基調から不安定な値動きに変わってきています。参議院選挙まで1カ月弱、ここ一番、内閣の関係者が緊張感をもって事に当たるべき時、自分も持ち場で努力していきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第185号)

 東京は例年より早く、5月下旬の梅雨入りとなり、いつの間にか曇り空と梅雨特有の蒸した空気に様変わりです。先週末の在京当番からそのまま今週に入り、30日(木)には衆・参の総務委員会が開かれて、衆は給与法改正案、参は電波法改正案をそれぞれ審議・可決頂きました。6月14日(金)告示の東京都議会議員選挙を前に、総務省の国会提出議案の審議を終わらせるべく、努力しているところです。

 3月来の懸案であった、東京タワーから東京スカイツリーへの放送電波の移行も、関係者による難視聴対策が精力的に進められた結果、31日(金)午前9時に実施の運びとなりました。政務官として抱えている案件の一つが片付き、後は、アンゴラ共和国の地デジ放送日本方式の採択とかんぽ生命の学資保険の変更認可が自分なりの解決すべき課題です。このうち、アンゴラについては、1日(土)から横浜市で開催される第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)に合わせて来日される先方高官にお願いする予定です。先に採択頂いたボツワナ共和国からは、担当のマシシ大臣が来日の予定で、こちらは今後の具体的な段取りを詰めて行く事になります。

 総務省の業務が佳境に進む折、ここ2週間は不摂生がきっかけで腸の調子を崩し、千代田区飯田橋にある東京逓信病院の消化器内科で診察を受ける事になりました。自己管理の不徹底で恥ずかしい限りですが、結果として日本郵政グループの主要施設を見学させて頂きました。調べてみると、戦前の昭和13(1938)年、富山県で初めて大臣になった南弘逓信大臣の提唱で開設されていて、浅からぬご縁を感じました。千代田区・中央区からなる医療圏の急性期中核病院として、救急搬送も受け入れているなど、地域に対してもしっかりした役割を果たしている一方、医業収支面では厳しい経営ともなっており、もう一段の改善が期待される所です。なお、体調の方は、的確な処方のお陰で快方に向かっています。

 見学と言えば、先週の24日(金)には葛飾区立本田小学校で、電子黒板とタブレット式端末を用いた授業を見学させて頂きました。2年生のカタカナの学習、4年生の割り算の筆算の練習、6年生の日光での課外活動の準備と、3つの授業を拝見し、先生と児童がIT機器を上手く使いこなし、グループ学習に積極的に取り組んでいる姿に感銘を受けました。総務省で私たちが取り組んでいるICT成長戦略には様々な施策が盛り込まれており、それを官邸で作っている「IT戦略」に盛り込む努力を続けているのですが、自分なりに、目下の戦略の目玉は、1)電子カルテの普及による地域医療連携、2)学校の各教室への電子黒板と個人用タブレットの配備によるフューチャー・スクール、3)税務行政や関税行政が先導する電子政府、の3点を実現する事と考えています。そのために、自分の番地で何ができるか、大いに頑張っていこうと思います。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第184号)

 先週末の18日(土)、全国山・鉾・屋台保存連合会の定時総会が栃木県鹿沼市の今宮付け祭りの皆さんのお世話で開催され、鬼怒川温泉で催された懇親会に参加しました。いつもの事ながら、国の有形・無形民俗文化財に指定された祭りを担う皆さんと屋台の修理に携わる皆さんが一堂に会し、私も元気をもらいました。東京経由で19日(日)に富山にトンボ帰りして、前田利長公400回忌を記念して国宝瑞龍寺で献茶式に臨まれる茶道裏千家の鵬雲斎大宗匠をお迎えしました。前田家からはご当主の利祐様ご夫妻もお越しで、綿貫元衆議院議長も出席されて懇親会が開かれました。先立っての大宗匠のご講話では、日本の良き伝統を大切にしながら、「一碗からピースフルネスを」をモットーに国際親善に務められているお気持ちを率直に聴かせて頂けました。

 20日(月)の献茶式には出席がかなわず、上京して総務省の仕事に戻り、21日(火)は衆議院総務委員会で電波法改正案の審議で答弁に立ちました。電波利用料を財政力が弱い市町村の消防・防災無線のデジタル化の補助にも使えるようにして、周波数の使用帯域を圧縮し、鉄道や電気事業者の無線に割り当てようという内容で、全会一致で可決頂きました。目下、衆・参両院で総務省関連の法案審議が順調に進んでおり、しばらくは、委員会定例日の火曜と木曜が忙しくなります。この間、ICT成長戦略に関する各種会合が省内で開かれていて、充実したウィーク・デーとなっています。

 そんな中、21日は県内の市議会議長会の皆さん、23日(木)は射水地区後援会の女性部の皆さんがそれぞれ上京され、夕食をご一緒させて頂きました。地元の皆様に東京でお会いし、話をしたり、励まして頂けるのは大変嬉しいです。これからは、夏場に向け、来年度の予算・施策の検討を進める時期に当たり、富山県についても新幹線開業後の将来像を描きつつ、必要な国の事業に結び付けて行かなければなりません。色々な要請や意見をしっかりと受け止め、持ち場で努力していきます。

 首都圏のテレビ電波の発信元を東京タワーから東京スカイツリーに切り替えていく準備は、試験放送が最終段階に入り、24日(金)と26日(日)には朝9時から夜7時まで10時間連続で電波を切り替えて放送が行われます。関係者の努力で難視聴対策も大分目途がついてきて、移転の実現まで後一歩の現状です。このほか、4月に地デジ日本方式の採択をお願いしたアンゴラ共和国の動向も気になるところです。6月1日(土)から3日(月)まで、横浜市で第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)が開催され、各国首脳が来日されることもあり、ボツワナ共和国に続いて採択頂ければ、と願っています。今週末は在京当番、来週も後半国会と成長戦略立案に取り組んで行きます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第183号)

 5月も後半に入り、東京は汗ばむ日が多くなってきました。15日(水)には新年度予算が成立し、通常国会も残り会期が40日となり、政府・与党とすれば残された案件の成立に全力を挙げる段階です。16日(木)には参議院総務委員会で国から地方への分権を進める第三次一括法が可決され、衆議院総務委員会では電波法一部改正法案が審議入りするなど、総務省所管案件も進捗しています。今週も参議院で森田議員に答弁する機会を頂きました。郵便局が市町村の住民票交付等のサービスを受託し、地域に貢献する取り組みの充実を促され、現状の報告と併せ、努力する旨お答えしました。

 富山では、11日(土)に堂故茂次期参議院選候補予定者の事務所開き、12日(日)に富山県の置県130年記念式典に出席しました。参議院選で与党が過半数を確保することが当面の目標であり、富山県選挙区でも頑張っていきます。また、富山県の歩みを改めて振り返ってみると、豊かな水と治水・利水によって共生を図り、防災と産業振興を両立させてきた先人の努力の積み重ねの上に今日の富山県の姿がある事を痛感します。今を生きる私たちも、2年後の新幹線開業を活かし、陸・海・空に大きく羽ばたく県として次の世代につないでいかなければなりません。12日には、私を支援頂いている慶友会の皆さんの総会・懇親会がありました。川村会長を始め、多くの方に励まして頂き、思いを新たにさせて頂きました。

 東京では国会審議と並行して総務省での仕事をこなしています。「ホワイトスペース」と呼ばれる、既存のテレビ放送で使用している電波帯の空きチャンネルを利用し、限られた地域や施設で独自の放送サービスが試行的に展開されており、14日(火)にその成果発表の会議がありました。特に南砺市から、地場のアニメ制作会社の協力を得て、「True Tours(恋旅)」というワンセグ放送を市内の観光施設で実施し、この連休中は例年を上回る訪問客があった旨、力強い報告を頂きました。15日は江東区にある東京国際郵便局を見学しました。関東以北の国際郵便のうち、到着郵便物と国際急送便での発送郵便物を中心に取り扱っていて、東京税関東京外郵出張所の皆さんの郵便物検査の場面も見せて頂きました。日本郵便のスタッフが空港と同様なX線検査もこなしておられ、危険物が紛れていないか素早くチェックしていきます。税関の皆さんも郵便物に問題が無いか、また、関税の課税のある無しを瞬時に判断する作業に携わっておられ、万国郵便条約に基づく国内外の郵便物のやり取りもこうやって多くの方々に支えられているのだと実感しました。

 このように、総務省で自分の所管分野について得難い経験をさせて頂く一方、この事が国のために実になるよう努めなければなりません。差し当たりは、首都圏のテレビ電波の発信元を東京タワーから東京スカイツリーに切り替えていく準備が大詰めを迎えており、視聴者の皆さんにご迷惑をかけないように遂行できるよう、緊張感をもって臨んでいます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第182号)

 在京当番明けのゴールデン・ウィーク後半は、5日(日)に城端で曳山祭の庵唄を聴き、6日(月)は万葉線のドラえもん電車の乗客10万人達成のセレモニーに出席して7日(火)から再び東京での活動に戻りました。

 衆議院では内閣提出の法案審議が着実に進み、新たに災害対策基本法と厚生年金法の改正案も本会議で審議入りとなりました。参議院では川口環境委員長の中国出張一日延長に係る解任決議が可決されたのは残念でしたが、新年度予算案の審議は大詰めを迎え、9日(木)には総務委員会の委嘱審査で前任政務官を務められた森田議員の質問に答弁させて頂きました。

 まず、4月初めのアフリカ出張での地上デジタル放送・日本方式の採択働きかけの成果を問われました。南部アフリカ地域には、森田前政務官が2度出張されて道を付けて頂いており、そのおかげでボツワナが採択となったこと、アンゴラが後一歩であることをお答えし、森田議員の努力に感謝しました。2問目では、医師としての見地から医療情報基盤の充実を求められました。私も高岡市で地域医療・介護の現状を目の当たりにした経験から、高齢化が進展する中、電子カルテを中心とする医療情報のネットワーク化が医師不足のカバーや重複検査の減少に効果的であり、総務省としても「全国展開」を目指す旨、答弁しました。党派は異なっても、森田さんは同じ富山県の議員であり、先任政務官としての業績も立派なものがあります。質問という形でのエールが嬉しい委員会でした。

 毎週一回を心がけている関係施設の見学は、8日(水)、小金井市にある総務省の独立行政法人、情報通信研究機構に伺いました。元は電波研究所だったのですが、今では情報通信技術(ICT)の最先端の研究施設となっています。当初からの日本標準時の決定・維持を始め、最新の高速・大容量通信技術の開発、ネットワーク・セキュリティの確保、ビッグ・データの管理など、ICTをベースにした成長戦略に欠かせない技術の研究開発に精力的に取り組んでいます。昨年の衆議院総務委員会での見学に続き、2回目の訪問でしたが、4月に就任された坂内正夫新理事長にご案内頂き、世界科学データシステム(WDS)の国際プログラムオフィスなど、国際分野での活動の広がりも目にすることができました。

 内閣では、成長戦略を6月中旬にも取りまとめる方針で、規制改革、産業競争力、国際経済協力、IT戦略など、官邸を舞台に展開されてきた会議も、成果を取りまとめる段階に来ています。このため、総務省のICT成長戦略に係る各会議も提言をまとめながら、そのエキスを官邸での会議に流し込むよう詰めの努力を続けています。一方、富山では11日(土)に堂故茂氏の参議員選挙に向けた事務所開きが予定されています。こちらもしっかり取り組んで行きます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第181号)

 ゴールデン・ウィークの前半は思いのほか気温が低く、26日(金)に党の支部総会で伺った利賀では途中雪が降りました。27日(土)に砺波で県の山・鉾・屋台・行灯祭りの総会に出席した後、いったん上京し、28日(日)は政府主催の主権回復・国際社会復帰記念式典に参列しました。戦後、サンフランシスコ講和条約の発効により、61年前の昭和27(1952)年に我が国の占領状態が終結したことを記念し、その後の国際連合加盟や経済成長など国の歩んだ軌跡に想いを馳せ、先達に感謝しながら将来への決意を新たにしようという趣旨です。一方、奄美諸島、小笠原諸島、沖縄の皆さんはその後も占領下の苦難が続いたのであり、北方領土のように未だ解決していない問題があることも忘れてはならず、その旨、安倍総理も挨拶の中で特に力を入れて触れられました。

 日曜のうちに富山に戻って後援会高岡地区青年部の皆さんの総会で政権の現状と参議院選挙に向けての課題を報告し、29日(月)は南砺市の植樹祭と高岡市の無形文化遺産フォーラムに出席、5月1日(水)は砺波市にある国の利賀ダム工事事務所と高岡市の勝興寺の修復工事現場を訪問した後、御車山の勢揃式に参列しました。1日の夜の再び上京し、2日(木)から4日(土)の夕方までは総務省の在京当番です。

 連休前の国会では、26日の衆議院の委員会でマイナンバー法案とハーグ条約関連法案が可決され、9日(木)の本会議で通過する予定です。新年度予算案、衆議院0増5減法案と併せて重要案件が参議院に送られ、会期末までの残り50日余りの見通しは良好な状態です。安倍総理はロシアに引き続いて中東諸国を歴訪中で、新藤総務大臣のインドネシア訪問を含め、主要閣僚が手分けをして海外出張し、外交面でも建て直しが進んでいます。これも、段取りをキチンと踏んだ国会運営がなされているからこその外遊で、連休明けからは参議院での審議と並行して「アベノミクス」の三本目の矢である成長戦略の構築に全力を集中するものと思われます。7月21日(日)とされる参議院選挙を乗り越えられれば、成長戦略で提起される施策を具体化するべく各省庁が26年度予算の要求作業に入っていくことになります。そうなると、小泉政権下の平成18年以来7年ぶりに通常の国のカレンダー通りの仕事の運びになる訳です。懸案の処理が進んだ状態で秋を迎えれば、内閣とすれば、「前向き」の姿勢で臨時国会に臨む事ができます。

 このような筋書きを現実のものとするための最大のハードルは参議院選挙であり、国民の皆様の審判を仰ぐべく、細心の注意を払って慎重な政権運営を続けなければなりません。連休前は、日中・日韓関係がやや緊張しました。この部分の手当ても含め、政府与党は、連休でしっかりリフレッシュして事に当たらなければ。。 と思いを新たにしています。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第180号)

 今週は新年度予算案の審議が参議院に移る一方、衆議院では19日(金)に委員会採決を終えた「0増5減法案」が23日(火)に本会議で可決され、参議院に送られました。同時に、ハーグ条約の批准案件も可決となり、「マイナンバー法案」も委員会採決が近いようで、衆議院側では今国会の懸案処理に目途が立ちつつあります。参議院でも、予算案の採決が5月15日(水)までにはなされる見込みで、その後、会期末までさらに案件処理が進むものと思われます。数年ぶりに、法案成立率の良い国会になりそうです。

 総務省の仕事では、19日に首都圏のテレビ電波を東京タワーからスカイツリーに移す上で、受信障害のある世帯を解消する仕事を進めている「移行推進センター」を訪問しました。この電波移転は、NHKと在京民放6社の共同事業として進められており、5月末前後を目指し、春先からスカイツリーからの試験電波を発射して地域で不都合を生じる箇所を洗い出しています。既に10万件近い障害が通報され、逐次障害除去の工事を進めています。意外な事に、障害の大半は、電波がうまく届かないのではなく、東京タワーに比べて届く電波が強すぎて、ブースターという調整器具が不具合を起こすもので、かえってスカイツリーに近接する地域で発生しています。試験電波を毎日一定時間流しながら、不都合の連絡をコールセンターで受け付け、日時を打ち合わせて工事をするという作業が地道に進められており、関係者の激励に伺った次第です。今後、電波移転で大きな混乱が生じない所まで対策が進むのを見極めた上、移転日時を決める事になりますが、ゴールデン・ウィークも返上しての努力が実るように願っています。

 24日(水)にはボツワナ大使館を訪問し、地デジ放送の日本方式を採択頂いた御礼と併せ、今月上旬のボツワナ訪問の模様をお知らせしました。26日(金)にはアンゴラ大使館を訪問し、日本方式の採択をお願いしてきます。6月の第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)を前に、もうひと押しです。

 このほか、25日(木)には来月末を目途に取りまとめられる予定の総務省の「ICT成長戦略」に向け、関係の検討委員会が相次いで開催されました。最先端の情報通信技術(ICT)を、医療、教育、農業、社会資本の維持管理、資源開発、電子政府など経済社会の様々な分野に応用する具体的なプロジェクトづくりが進んでいて、内閣全体の成長戦略に反映させようとしています。私が主催している国産携帯電話のシェア拡大、日本の放送番組の海外展開、の2つの研究会も22日(月)と25日(木)で開催するなど、今週は総務省の業務が盛りだくさんでした。28日(日)は主権回復記念式典に参加、来月2日(木)から4日(土)は在京当番にて、連休は富山と東京が半々です。少しは鋭気を養い、後半の国会に臨んで行きます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第179号)

 桜前線が北上する中、先週末は富山で満開の桜に出会い、今週の東京は新緑に早くもつつじが映える状態です。国会は12日(金)に続いて15日(月)も衆議院で予算委員会分科会での審議が進み、私も今後の郵政事業についての総務省の見解を述べる答弁に立ちました。16日(火)には予算委員会・本会議が相次いで開かれ、今年度予算案は衆議院を通過しました。私には、与党に転じて初めての本予算の審議・可決であり、その瞬間は達成感がありました。

 来週からは参議院での審議に移りますが、憲法の規定により、今年度予算は1ヶ月後の5月15日(水)までには必ず成立するので安倍政権の経済政策「三本の矢」の二本目、財政政策もこれで切れ目なく展開していくことになります。後は、三本目の成長戦略を具体的にどう構築するかが課題です。一方、国会の審議は大詰めを迎えている「マイナンバー法案」に続き、衆議院の定数を是正し、選挙違憲・無効判決に対処する「0増5減法案」が焦点です。

 昨年11月の衆議院解散の際、自由民主・公明・民主三党が合意して、定数是正の方策として小選挙区の0増5減と比例区の削減を検討するとし、0増5減を先行させて選挙区割りの変更案をまとめる審議会が設置されました。今回の法案はこの区割り審議会の結論に基づくものですが、野党側は比例区の取り扱いの協議もまとめてから法案を取り扱うべきとの考えです。与党側は、比例区の取り扱いについての各党の考えに隔たりがあり、協議が遅れることを懸念しています。今国会で、定数是正について何ら対応できないとなると、司法の違憲・無効判決に立法府として対処できない事になります。このため、「0増5減法案」の審議を進め、19日(金)にも委員会採決を行いたい考えです。

 私には与党に転じて始めての「与野党対立局面」ですが、ここは石破幹事長の姿勢の通り、頑張り所と思います。現在480ある衆議院の定数を、まずは0増5減で475とし、さらに比例区の180議席をどの程度削るか、与野党で時間をかけてもしっかり協議し、結果として450前後の定数にして、その得失を見定めるべきです。このほか、日米首脳合意に基づく「ハーグ条約」関連の案件や、年金保険料未納者救済の法案の審議も進んでおり、これらが成立すれば、今国会の出口は着実に見えてくるものと思います。野党時代から指摘してきた「段取りが組めるか」という基準に照らし、内閣は着実な歩みを続けています。17日(水)の党首討論でも安倍総理は安定感のある答弁であったと感じています。

 政府の一員として、私には成長戦略の一端である総務省のICT成長戦略の立案に、新藤大臣・柴山副大臣の下で努力する事が課せられています。今週は東京大学工学部で、世界中の気象・環境の様々な観測データを統合し、豪雨や津波の浸水予測や農作物への影響予測に役立てるDIAS(地球環境統融合プログラム)を見学しました。蓄積するデータ量がとてつもなく大きく、テラ(一兆)バイトからペタ(千兆)バイトといったレベルを超える「ビッグデータ」です。これをどうやって蓄積・保存し、解析して実社会に役立てていくか、ビッグデータの可能性を探る好事例と思っています。案内頂いた原田工学系研究科長、小関副科長、小池教授、田島教授、そして国立情報学研究所長でもある喜連川教授に御礼申し上げ、今週の報告とします。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第178号)

 アフリカ出張から戻って最初の一週間、東京は既に桜が散って新緑の季節となる中、留守中の書類を整理しつつ、いつもの仕事に復帰しつつあります。新年度予算案の衆議院での審議も大詰めを迎え、12日(金)と15日(月)には分野別の分科会があり、その後採決となる見込みです。並行して、内閣委員会では「マイナンバー法案」の審議が進み、衆議院の定数是正法案も取り扱いが協議されています。会期末の6月26日(水)まで後76日間と、概ね150日の会期の半ばまで進んだところで、まずは着実に案件の処理が進んでいます。

 今週は8日(月)の夕刻に地元入りし、9日(火)に旧二上工業高校の校舎を活用して新たに設置された県立高岡高等支援学校の開校式に出席しました。県立高校の再編計画の中で、既存の建物を活用し、障害を持つ子ども達に学びの場を提供するとともに、職業に就く準備を整える役割も果たす北陸で初めての教育機関が誕生した訳で、石井知事はじめ関係者のご尽力に御礼を申し述べました。

 東京では、自衛隊支援県議団の皆さん、南砺市吉江地区の皆さん、県西部からの国会見学の皆さん、各市長さんなど多くの来客がありました。石破幹事長、小野寺防衛大臣への面談や、国会正門前や会館での写真撮影などをこなしつつ、故郷の方々から多くの元気を頂きました。総務省では、年央のICT成長戦略づくりに向けて、通信・放送分野での具体的な施策の検討が煮詰まり始めています。

 そんな会議の合間を縫った10日(水)、新宿区若松町にある統計局の庁舎を見学しました。総務省の統計部門は、統計局と独立行政法人統計センターから成り、明治4(1871)年に前身の太政官正院政表課以来、140年余の歴史を刻んでいます。大正9(1920)年に始まった5年ごとの国勢調査をはじめ、毎月の家計・物価・雇用等の統計調査を担当しています。須江局長、戸谷センター理事長から業務概要の説明を受け、コンピュータ・システムによる統計結果の解析手法を見学した後、家計調査の調査票の処理作業を進めている部屋に伺いました。個々の世帯で家計簿として記入された毎日の購入した品物・個数・代金を品物の性質別にコード化し、パソコン内の書式に打ち込んでいきます。職員の皆さんは殆ど女性ですが、時には商品名で記入された品物の名前を、即座に適切なコードで入力していきます。記憶力と集中力が勝負のこの作業は、情報化が進んだ今日でも統計作成の根幹を成しています。この統計からは、各地域の消費動向の特徴も見出せ、富山県のコロッケの消費動向が全国でも最上位となっていることから、高岡市長時代に「コロッケのまちづくり」に取り組む事となったのを懐かしく思い出し、職員の皆さんに御礼の挨拶をさせてもらいました。毎週一つは現場を見る事を自分の課題として、頑張っていきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第177号)

 前号でお知らせした通り、国会開会中ではありましたが、皆さんのご了解を得て、総務省の用務にて南部アフリカのアンゴラとボツワナに一週間出張してきました。3月31日(日)の夕刻に桜の成田を発ち、香港で乗り換えて13時間半、南アフリカ共和国のヨハネスブルグに1日(月)朝(現地時間)到着しました。ここでさらに飛行機を乗り継いで、最初の訪問国、アンゴラの首都ルアンダにはお昼過ぎに着きました。

 私にとって初めてのアフリカの印象は、広い大地、青緑色の大西洋、赤茶色の大地、強い日光と汗ばむ蒸し暑さ、そして椰子等の南国の街路樹でした。アンゴラはポルトガルの植民地から1975年に独立しましたが、2002年まで内戦が続き、その後は石油の産出で経済が急成長しています。お世話になった現地大使館の車には、白バイの先導が付き、車が渋滞する街中をかきわけるようにして移動しました。経済成長に社会基盤が追い付かず、港は船混み、鉄道は無く、道路は大渋滞で、物流の改善が急務です。とはいえ、国の活力が街の喧騒に顕れており、将来の飛躍への期待を感じました。

 今回の出張目的は、我が国の地上デジタル放送方式(ISDB-T方式)を南部アフリカ地域で採用するよう働きかけるもので、その旨、安倍総理の親書を持参しての旅でした。先に南アメリカでは、2006年にブラジルが採用したのをきっかけに殆どの国がISDB-T方式となっています。南部アフリカでは、国々の連合組織(SADC:南部アフリカ開発共同体)が地デジへの移行期限を本年末とし、一部の国は欧州方式を採用しています。しかし、変換器が廉価で、ワンセグで携帯電話でも視聴でき、データ放送も使えるISDB-T方式の良さが次第に認識されています。我が国がブラジルと協力し、「日伯方式」としてPRを進めた結果、2月にボツワナが採用を決め、アンゴラ、コンゴ民主共和国、モザンビーク、ザンビアでも有望となっています。前任の森田政務官をはじめ総務省職員の数次の出張の努力を後押しし、我が国で6月1日(土)から開催されるTICAD-V(第5回アフリカ開発会議)に向けて、採用国を増やすべく、アンゴラでは情報通信省のロッシャ大臣、サフェッカ副大臣、国営放送のドス・サントス総裁等に面談し、お願いしました。アンゴラはISDB-T方式が技術的に優れていると評価しており、採否は周辺諸国の動向も勘案し、政治的に判断するとのことでした。

 3日(水)にアンゴラを出て、再びヨハネスブルグに戻り、翌朝、プロペラ機に乗ること55分で隣国のボツワナに到着しました。ボツワナは、英国の植民地から1966年に独立し、人口は200万人程度ですが、ダイヤモンドを始め、鉱物資源に恵まれており、一人当たり国民所得もアフリカ内では上位に位置する落ち着いた国です。首都ハボロネは標高千メートルを超える高原にあり、丁度、季節も北半球とは逆に秋に入ったところで朝晩はしのぎやすく、南部アフリカといえども一事で言えない多様性があることを感じました。

 既にISDB-T方式を採用頂いたことから、大統領府のマシシ公共政策担当大臣、情報通信省のモレフィ大臣等に御礼のご挨拶をし、今後の地デジへの切り替えに向けて、ブラジルも含め、三国で共同作業部会を立ち上げて取り組む旨、合意しました。特に、NHKの教育放送を参考に、教育分野での活用を図りたいとの意向であり、今後が楽しみです。両国とも、会談では我が国の2020年のオリンピック・パラリンピックの東京招致の取り組みに理解を求めるとともに、富山県ゆかりの「ドラえもん」の小さなぬいぐるみをプレゼントし、場の雰囲気がとても和みました。

 5日(金)、ハボロネからヨハネスブルグ、香港と来た道を再び航空機で乗り継ぎ、6日(土)の夜、春の嵐より一足早く成田に無事戻ってきました。お世話いただいた在アンゴラの名井大使、在ボツワナの小林大使、在南アフリカの藤原参事官ほかスタッフの皆さん、同行の山口企画官、佐藤秘書官、内田専門職、関口事務官に御礼を申し述べ、出張報告とします。

 また、アンゴラで昼食をはさんで懇談頂いた、「日本地雷処理を支援する会」の奈良さん、大工園さん、近藤さん、双日ルアンダ事務所の倉光さん、東さんの今後のご活躍をお祈り致します。

 来週からは、またいつもの報告に戻ります。

カテゴリー: 国政報告 |