国政報告(第174号)

 今週の国会は、衆議院予算委員会で新年度予算案の審議が進む一方、月末の年度末を控えて税制改正など成立させなければならない案件が各委員会に付託されました。総務委員会を始め、来週・再来週は忙しい展開となりそうです。一方、TPPについて自由民主党内では17日(日)の党大会を前に、対応方針がまとまり、これを受けて安倍総理は今日(15日(金))にも交渉参加を表明する見通しです。国内にはTPPについて多くの懸念の意見があり、党も「例外無き関税撤廃」を原則とする交渉には参加しない事を含め、6項目を公約し、先の総選挙に臨んでいます。今回の対応方針は、公約の遵守を基本に、先月の日米首脳会談の結果を踏まえ、関税を維持したい農産物等、我が国の国益を明らかにしたものとなっています。この間、12日(火)には富山県JAの穴田会長始め多くの方々が上京され、県選出国会議員との会合で、本当に国益が守れるのか、真摯な訴えがありました。内閣が決断する以上、党の公約を踏まえ、皆さんに納得頂ける交渉を進めなければなりません。関係者は重大な決意を持って事に当たるものと思います。

 今後のTPP交渉の流れですが、日本の参加意思表明を受けて、これをアメリカが認める手続きが必要です。その際、日米首脳会談を踏まえ、自動車と保険について、二国間での合意が求められます。報道ベースでは、自動車はアメリカ側の関税を維持する事、保険については継続協議と言われています。総務省関係では、かんぽ生命の取り扱いが該当することになります。二国間合意を経て、我が国は本交渉に参加していくことになります。日本の農産物、米国の工業製品をそれぞれ保護する見通しとなった事から、TPPと一般のEPAとの違いは薄れたものと考えます。日本を巡る東アジアの安定のためには良好な日米関係が不可欠という、外交・安全保障面の国益を含め、守るべきものを守らなければならないと思います。

 さて、総務省の業務については、11日(月)に新東京郵便局、13日(水)にNHKの国際放送スタジオを訪問しました。新東京局は江東区にあって、東京23区と全国との郵便物を集中的に捌いており、我が国の郵便配達ネットワークの心臓部と言えます。大きな建物の中に、郵便物を番号で読み取り、行き先別に仕分けする装置が配置され、さながら工場の観です。稲澤局長は富山県出身とのことでご縁を感じながら説明を受けました。ゆうパックについては、配送のみならず、保管や軽加工など、周辺の物流業務への進出も今後は考えていくべきと感じました。

 NHKでは、外国人向けの「ワールドTV」のスタジオや編集部門を見学しました。アメリカのCNN、イギリスのBBCのように、海外から信頼される報道と日本への理解を進める目的で放送開始して4年が経過しています。業務としては軌道に乗る一方、所期の目的達成に向けてさらなる改善に取り組む時期だと思います。引き続き、現場に足を運び、ICTの様々な可能性を議論し、年央の政策取りまとめに向け、努力していきます。

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